エントリー

2020年09月29日の記事は以下のとおりです。

EN-EL18の充電とFマウントの今後

 D850は私の体にすっかり馴染み,出てくる画像が自分の思ったとおりになっています。それどころか,未だに「すごいなこれは」と思うようなドキッとする画を見せてくれることがあり,結果にこだわらない撮影でない限り,これ以外の選択肢はありません。

 縦位置を多用する私は,縦グリップであるMB-D18を常用している一方で,秒間9コマを実現するためのEN-EL18は(持ってはいるが)使っておらず,安価なEN-EL15を使っています。

 以前も書きましたが,EN-EL18を使うことで変化するスペックは,秒間9コマを実現することなわけですが,そのために全体的なレスポンス,特にミラーの動作速度が大きく向上しており,これがシャッターフィーリングを大きく変えている要因になっています。

 全体的なレスポンスの向上によって,キビキビとした小気味よい音とフィーリングが手に入ることは歓迎なのですが,その分ミラーショックも大きくなり,ブレには気を遣うことになります。

 先日,コロナ禍でギリギリの判断の結果,規模を大幅に縮小した運動会が開催されることになりました。娘も頑張って練習に励んでいますし,歴史に残るコロナ禍の日常を残したいとD850にAF-S70-200mmF2.8Eを使うことにしたわけですが,せっかくなので久々にEN-EL18を使って秒間9コマで運動会を記録しようと考えました。

 EN-EL18は高価な電池で,Dヒトケタのプロ機のために用意されている電池です。充電器はさらに高価で,これらに加えて縦グリップも必要なD850では,秒間9コマを実現するための追加投資が10万円を越えてしまいます。

 電池は仕方がないとして,充電器に4万円近くを出すのもバカらしいと思った私は,EN-EL4用の充電器を改造し,後に中国製の純正充電器のコピー品を使うようになっていました。

 電池そのものは内蔵のマイコンで本体と通信することが分かっていたので安価な互換品を買うことは避ける一方,充電器についてはマイコンを読む事はあっても書き込むことはないだろうと私は考えていて,電池の電圧と充電電流で充電の状況を管理するだけの充電器に,あまり価値を見いだしていませんでした。

 1年半ぶりにEN-EL18を取り出し,偽物の充電器で充電を行いました。80%程の容量が残っており,充電はすぐに終わりました。なんの心配もせずD850(正確にはMB-D18
)に取り付けてみますが,電源が入りません。

 おかしいなと思ってよく見ると,電池のアイコンが点滅しており,どうも正しい電池として認識していない様子です。

 電池はもちろん純正で,前回は問題なく使用出来ていました。

 おかしい。何度か放電させて再充電を行いますが変化はありません。電池の抜き差しも縦グリップの付け外しも何度も行いましたが,これでも改善されません。電池の電圧も正常,劣化も起きておらず,定電流負荷で1Aを引っ張っても2時間以上動いています。

 なにかがおかしいのですが,運動会まであと2日。これは間に合わないかも知れません。

 まず電池の故障です。マイコンのデータが壊れたとか,実は劣化が進んでいたとか,そういう話です。

 D850や縦グリップの故障も可能性はありますが,MB-D15で問題なく動いているので,可能性は低いと思います。

 あとは,考えたくはないのですが充電器の問題です。

 とりあえず,安い互換品の電池をバックアップで1つ手配です。4300円ほどですので随分安いですが,この業者の電池にハズレはこれまでにありませんでした。

 充電器は高価なので,これが原因でなかった場合にはショックが大きいですし,google先生に聞いてみてもこれが理由で問題が出たという情報は見つからなかったので,手配することはしないでいました。

 しかし,せめて中古でも出ていない物かと調べていたら,あるお店でアウトレット品が2万円で出ていました。それでも高価ですが,この機会を逃すと後悔すると思い,買うことにしました。

 2日後届いた純正のMH-26aAKで,認識しないEN-EL18bをキャリブレーションしてから満充電し,D850に取り付けたところ,すんなりと認識してくれました。

 そうか,これが原因でしたか。

 私は充電器が電池のマイコンに書き込むことはしないと思い込んでいましたが,これ本当かいな?

 ニコンのプロ用電池の充電器には,キャリブレーション機能があります。時間がかかるのと必要だと言われることはなかったので私は使っていませんでしたが,これは劣化などによる電池の実際の容量と表示される容量との間に出てくる差を校正する機能です。

 やっていることは,まず完全充電を行い,そこから満充電を行うというものなのですが,冷静に考えてみると完全放電時に0%を,満充電時に100%をマイコンに書き込むという仕組みという事から,充電器はマイコンに読み書きを行う機能を有しているのは間違いなく,私の推測が根本的に間違っていたことに気が付きました。

 そういえば,偽物の充電器で充電を行っても,なぜか100%にならなかったことを思い出しました。それでも実害はなかったので気にしなかったのですが,しばらく使っていなかったことでマイコンに記録された残容量と,実際の容量との間に大きな差が出るようになってしまい,この電池は故障しているか非純正品だと判断されて,跳ねられてしまったのでしょう。

 互換品の安い電池も届き,これも満充電後にD850に取り付けたところ問題なく動作しています。

 ということで,EN-EL18を2つ持ちでD850を使うことが出来るようになってしまいました。

 ちょっと重くなりますし,9コマの連写はしないので無駄なように思いましたが,せっかくの投資ですし,シャッターフィーリングの良さを買ったと思って,常用することに決めました。

 ところで,D850とFマウント周辺の状況について雑感を。

 ニコンは業績が良くないようです。とはいえ,ニコンはD800やD850といった高額なヒット商品があったときには業績がぱーっと上向き,そうしたヒット商品に恵まれないとサーッと業績が下がってしまうという事を繰り返すので,今回の事も大騒ぎするようなことでもないかなあと思っています。

 コロナ禍でD6の発売が遅れたことを理由にする筆もいますが,あれはそんなに数の出る商品ではないでしょうから,ここまでの業績悪化に関与しているとは思えません。

 ちょうどZシリーズへの移行期で,ボディだけではなくレンズの開発にリソースを集中しているために,Fマウントのレンズの更新需要が消えたことが大きいと思います。

 また,Fマウントボディが更新されないことも理由で,例えばD850SやD860が出ていれば,買い換えを行った人もたくさんいたはずで,そうした手堅い顧客を失ってでも,Zマウントに移行しようというニコンの決意を感じますし,あれだけの会社が社運をかけて行うことですから,それなりの準備も勝算もあってのことでしょう。

 Zマウントはゼロから立ち上げですので大変ですし,頑張ってもFマウントのレンズよりは売れないはずです。Fマウントは買い換えだけでかなりの数が手堅く読めるでしょうから,私はもったいないなあと思ってしまいます。

 それが証拠に,神レンズと言われたAF-S14-24mmF2.8Gが更新されず,その後継機はZマウントで登場しています。この新レンズはFマウントの14-24mmの欠点をことごとく解決していて,まさに決定版の広角ズームと言える出来になっていますが,それがZマウントという新マウントのおかげで達成出来るものであったとはいえ,10年以上前の設計のFマウントの14-24mmの改良は可能であったと思いますし,そうした声に応えることでニコンの台所事情も随分改善されたのではないかと思います。

 ただ,中途半端なものを出してしまうことを是とせず,出すからには最高のものをという心意気が,単純なお金儲けでレンズを出すことをしないのだと私は思いたいですし,その答えが社運をかけたZマウントだったということだと思っています。

 内心,ボディとレンズの更新に悩むこともなく,また大きな出費をすることもなくなったことにホッとしているところもあって,現在の機材に対する不満を解決するにはFマウントとの決別という判断を先にしないといけないという高い壁に阻まれて,しばらく現状維持することが許されることも,正直助かっています。

 一方で,それを退屈だと思っている私もいて,ニコン純正に限らず,シグマやタムロンといったレンズメーカーでさえ,まるで潮が引くようにFマウントを見放した事実は,それまで無視できない存在として常に真ん中にいたFマウントが,すでに相手にされなくなりつつあることを,Fマウントを支持し,これまで様々なメリットを受けていたものとして,今後どうするかの判断を突きつけられていると感じます。

 画質や操作性,レンズの性能に現時点で不満はありません。腐っても現行機種でユーザーも多い機種ですので,買い換えの必要は今はありません。しかし,Fマウントに未来はなく,Dシリーズも既に主役ではありません。

 D850の受け皿になるようなZマウント機がない現状では,移行したくても出来ない訳ですが,仮にD850の代わりになるようなZマウント機が出ても,似たような機種への移行という話だけなら,別にD850のままでいいです。

 大きな動機となるのは,更新されないFマウントのレンズがZマウントのレンズに比べて見劣りするようになることだと思います。すでにそうした兆候は見えていますし,前述の14-24mmF2.8などはその証拠とも言えますので,いずれ何らかの手を打たないといけなくなるように思います。

 レンジファインダーのSシリーズから一眼レフのFに移行するときも,こういう葛藤がユーザーとメーカーにあったのでしょう。Sシリーズは確かに名機ですが,今レンズが揃うかと言えばそれはなく,今使っている人もほとんどいません。

 少々無理をしてもニコンではなくライカにしておけば,今でもMマウントを使っていられたはずなので,ニコンSPのユーザーは悔しい思いをしたのかも知れません。

 そう考えると,カメラというのは,やっぱり量産品なんだなと思います。

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2020年09月

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

過去ログ

Feed