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2021年02月19日の記事は以下のとおりです。

ミノルタオートコードがまた壊れて,そして復活させた話


 コロナ禍という言葉が日本の社会に根を下ろして1年。

 この1年で変化したことも変化していないこともありますし,それら1つ1つに対して思う事感じる事も人それぞれだと思いますが,もともと出不精で人が苦手だった引きこもり体質の私にとって,まさか家に引き籠もることを正負が推奨する時が来るとは思っておらず,ある程度の不自由は受け入れるか,と割り切って生活を続けています。

 コロナのせいで直接間接に変化することに対応することが,家にいて変化を感じにくい生活ゆえに難しい事も感じています。いつの間にやら電車が減っていた,いつの間にやらお店が潰れていたなど,それまでの生活で当たり前だった事や物が失われていくのは,理由が理由だけに恐ろしい気がします。

 閑話休題。

 その,ちょうどコロナが騒がれる少し前に手に入れた私にとって初めてとなる中判カメラ,ミノルタオートコードは,私の写真の楽しさに全く別の物を追加してくれた,豊かな写真体験を提供してくれたのでした。

 そのオートコードが,またも壊れてしまいました。

 少し前から1秒が遅くなって1.5秒くらいになっていることは気が付いていました。ただ,動かないわけではないですし,もうあんな地獄を味わうのはゴメンだと逃げていたのです。

 しかし,状況は叙情に悪化,レンズを上に向けるとシャッターが切れなくなるという問題が出始めたと思ったら,とうとうどんな向きでもシャッターが閉じなくなってしまいました。これはもう放置出来ません。

 問題は1/2秒や1秒と言ったスローで発生しているので,状況からスローガバナーの問題です。上手くすればガバナーのメンテだけで済むかも知れません。

 ということで,ちょっと時間を作って分解です。とはいえ,出来るだけ影響範囲を小さくしたいので,無闇に分解することはしません。

 とりあえずシャッターを開腹。ガバナーをとりだして指で動かして見ますが,なるほど動きが渋いです。どうやら,油ぎれのようです。

 そう,ベンジンにつけ込んでガバナーを清掃したのですが,その後の注油がちょっと不足していたようです。ベンジンで薄めた油を注油したのですが,薄めすぎかも知れません。

 特にガンギの部分に,少し濃い油を爪楊枝でちょいちょいと塗りつけてやると,実に軽快に動き出しました。これならいけそうです。

 ここまでの分解なら高速側のシャッター速度に影響はないだろうし,フォーカスの無限遠の確認もファインダーのテストも必要ありません。分解と注油,組み立てにかかった時間はわずか30分です。

 翌日シャッター速度の測定を行ってみました。

1 970ms
1/2 512ms
1/5 194ms
1/10 118ms
1/25 40.4ms
1/50 23.6ms
1/100 13.7ms
1/200 7.0ms
1/400 5.16ms

 低速側は漢文に復調したという感じです。ただし,1/400秒と1/200秒は絶望的で,これはもはや使えないと言っていいでしょう。原因はシャッターの劣化でなければ,おそらく注油不足じゃないかと思います。

 こうなると気になって夜も眠れません。分解し,シャッターを動かす機構に注油を行っていきます。羽根に回り込みそうな場所に注油することは怖いのでしなかったため,おそらく性能回復は限定的な物になるでしょう。

 結果は以下の様な感じです。

1 940ms
1/2 484ms
1/5 194ms
1/10 105ms
1/25 40.4ms
1/50 21.2ms
1/100 13.8ms
1/200 5.08ms
1/400 4.44ms

 おお,良いじゃないですか。1/5秒,1/10秒,1/25秒,1/50秒,1/200秒など,ほぼジャストといっていいでしょう。1/400秒が遅いのは残念ですが,これもまあこの程度の分解で済ませた結果なら,立派なもんです。

 せっかくですのでレンズの中玉を清掃(ゴミだらけでした),これでいけると組み立てて,張り皮まで貼ってから,そう言えばとセルフタイマーをテストしたら,これがNGでした。ヨレヨレになりながらもどうにか戻って行くセルフタイマーですが,最後にシャッターを蹴飛ばしません。

 私は久々にくずおれました。

 しかし,このまま放置できません。再度分解,セルフタイマーを確認しますが,どうもグラグラになっているので固定したネジの緩みと判断。

 はて,そのネジとやらはどこにあったんかいの,と探してみますが見当たりません。これはきっとシャッターユニットの裏側だろうと,意を決してシャッターを本体かrあ取り外します。

 この時点で,無限遠出しは必要になり,自動的にファインダーのテストも必須となりました。

 シャッターユニットの裏側を見ても,それらしいネジはありません。きっと更に分解しないといけないんだと,あやふやな記憶をたどって裏側のネジを4つ外しました。

 すると,バラバラとシャッターが分解し,目の前にはバラバラになったシャッター羽根が出てきました。

 ああ,やってしまいました。そういえば,このネジを外すとシャッターの羽根を組み直さないといけないんでした。忘れていましたよ・・・

 この段階で,かつて徹夜をした地獄のシャッター組み立て作業が必要となり,しかも高速側のシャッター速度出しも必要になりました。

 1/400秒は調整出来るものではなく,出たとこ勝負なので,永遠に出ないかも知れません。なんと言うことをしたんでしょうね。

 激しく後悔しながらも,ほっとくわけにいかんので,作業開始です。

 まずはセルフタイマーです。これ,思い出したのですが,ネジで留まっているのではなく,シャフトに差し込んで固定するタイプでした。ネジが見あたらなのも道理です。

 で,せっかくですのでとりだして確認すると,どうも油ぎれでガンギの部分が渋いです。結局スローガバナーと同じことが起きているのでした。

 一応ベンジンで清掃して,濃いめの油を注油し,スムーズに動くようになりました。

 次に最大の難関,シャッターの組み立てです。2度失敗しましたが,これは案外簡単に作業が終わりました。ただ,シャッターを閉めるバネが外れて閉まっていることに気が付かず,後になってパニックになりました。

 続けてスローガバナーの組み付けです。ここがなかなか上手くいかず困りました。取り付けたのはいいが,シャッターが閉まりません。原因は前述のバネの外れでした。バネを引っかけるのにガバナーを再度外して,それからまた取り付けます。

 上手くいったかに思えたのですが,また1/10秒が上手く動作しないという頻発しました。スローガバナーが正常な位置に取り付けられないと,1/10秒でガンギ車が空回りして,/100秒くらいでシャッターがしまってしまうのです。

 この段階で翌日に持ち越したのですが,翌日は作業がスムーズに進み,1/10秒も万全になりました。ここでシャッター速度をチェックしますが,概ね許せる範囲です。

 後はシャッターユニットを本体に組み付けて,フォーカスと平行度を確認,その後ファインダーのテストを行って作業終了。正直もうダメかと思いましたが,なんとかなりました。

 最終的なシャッター速度は,こんな感じです。

1 890ms
1/2 452ms
1/5 174ms
1/10 89.0ms
1/25 35.6ms
1/50 19.6ms
1/100 12.1ms
1/200 4.64ms
1/400 3.84ms

 1/400秒がダメなこと,そしてスローが速いことは気になりますが,常用域では良く揃っていると思います。一番調子が良かった頃の速度が,

1 920ms
1/2 484ms
1/5 194ms
1/10 98.0ms
1/25 36.9ms
1/50 19.2ms
1/100 12.2ms
1/200 4.00ms
1/400 2.92ms

 でしたので,これに比べると今ひとつなわけですが,速い速度は経年変化で遅くなるでしょうし,まあいいことにします。

 それより,1/10秒が結構大きめにばらつくことがわかりました。速いときでは78ms,遅いときでは110msくらいになります。特に-20%というのは厳しいなあという感じなのですが,ここにこだわってしまうと本当に壊してしまうので,あきらめました。

 そして,作業中に油が付いたボディの内面を手直しです。当初つや消し黒を塗ったのですが,どうもうまく艶が消えず,ベンジンで拭き取って1mm厚のモルトを貼りました。どんなもんんかは,試写の結果を見てみないといけません。

 とまあ,こんなわけで,シャッターの音は確実に良くなりました。レンズも綺麗にしましたし,フォーカスもばちっと出ていることを確認し,ファインダーも掃除してテストしています。

 結果オーライ,気持ちよく安心して使えるミノルタオートコードになりました。
ちょうどフジのPRO400Hをまとめ買いした所なのですが,その前にお気に入りのイルフォードのFP5を通して見たいと思います。

 不思議と新しい二眼レフを買おうと言う気が起きないのは,やっぱりこのミノルタオートコードが気に入っているからだと思います。あとどれくらい使えるか分かりませんが,治して動く間はなんとか使っていこうと思います。

 

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