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2021年09月28日の記事は以下のとおりです。

レトロマシンのメンテ~その1

 大阪から運び込んだ数々のレトロマシン。当然そのままでは動かす事も難しく,むしろ壊れていた方がうれしいという倒錯した感情が,積み上がったゴミを宝物に見せてくれます。

 今回は比較的簡単で,すぐに修理も済むだろう(あるいは壊れてないだろう)と思うものに取り組みました。

 が,思いのほか,苦労しました。


・CZ-8RL1
 X1シリーズ用のデータレコーダです。X1turboシリーズやX1Fなどに接続可能なデータレコーダなのですが,X1のデータレコーダは電磁メカカセットデッキというやつで,再生/停止,早送り/巻戻しやサーチをソフトから制御出来る立派なものを内蔵していました。

 これを外付けにする時には,制御機能を落としてしまう方法(X1Dなんかそうですね)と,そのまま内蔵のデータレコーダを外に引っ張り出す方法とがあります。

 CZ-8RL1は後者のもので,7ピンDINという変なコネクタで本体と接続します。しかし,マニュアルモードに切り替えるとそこら辺の普通のデータレコーダにもなるという汎用性も備えているので,2700bpsという高速の読み書き性能と相まって,信頼性の高い高級なデータレコーダとして利用可能です。

 これ,うちで一番程度のいいデータレコーダだったのですが,全く動きません。ゴムベルトを疑いましたが分解の結果違うと判明,結論としては巻取側のリールを駆動するギアのグリスが固着して回らなくなっていました。

 ギアを取り外して洗浄,新しいグリスを入れて組み立てると復活。これは不安なく使えそうです。


・PC-6082
 PC-6000シリーズの1つとして登場した高級な方のデータレコーダです。信頼性も高く,操作性も良かったので,NECの他のシリーズはもちろん,他社のマシンとも良く組み合わされていたように思います。

 入手時に既に使い古されたものだったので程度は悪かったのですが,今回持ち帰って通電してもうんともすんともいいません。

 調べてみると,キーを押し込むとまず最初にONになり,各機構を駆動するモーターを回転させるリーフスイッチが割れていました。ただのリーフスイッチなら交換なんですが,このスイッチはキーの押し心地に直結する部分と言うこともあり,構造がマイクロスイッチのようになっていて,クリック感があるのです。

 こんな特殊なものは見たことがなく,交換の部品も目処が立ちません。そこでクリック感は犠牲になりますが,改造してリーフスイッチを修理しました。

 これでメカが動くかと思いきや,延びきったベルトがあったので交換。それで動くかと思ったのですが,よく見るとピンチローラがキャプスタンに接触していません。ポーズ機構がおかしいのかもと分解するとグリスの固着で動かなくなっており,洗浄して動くようにしました。

 それでもやっぱりピンチローラが浮いています。よく観察すると,ヘッドのブロックを上に押し上げるバネの一端を固定するプラスチックが割れていて,バネが利かなくなっていました。

 かなり強い力がかかるので,接着なんて作戦は通用しません。そこでバネを変形させて,残ったプラスチックで力を受ける様にして,なんとかピンチローラを接触する位置にスライドさせることができました。

 この段階で一応一通りの機能が動くようになっているのですが,ヘッドブロックを外したことでアジマスは狂っていますし,モータとフライホイールを繋ぐメインベルトは伸びているので,交換が必要です。

 メインベルトはちょっと窮屈なものにしてしまうとテープ速度が数パーセント遅くなるので,なかなか選ぶのが難しいところです。オリジナルだとぴったりの速度なんですが,早送りや巻戻しがスリップして出来ません。

 いろいろ試して,なんとか2%程度遅くなるだけのものを探し出して交換することにしました。それでも2400Hzの音が2350Hzになるので,もしかしたらエラーが出るかも知れません。

 モーターの速度を調整出来ればよかったんですが,そういうボリュームは見当たりませんでした。もしかしたら,機械式ガバナー内蔵のモーターかも知れません。

 これでいけるかと思ったのですが,カセットのフタのヒンジを固定する部分がこれてしまったり,ネジ山がなめてしまったり,ボスが折れてしまったりと,とにかくプラスチックの劣化がひどく,割れたり折れたり崩れたりと,もうどうにもならない状態です。

 今はなんとか修理が出来ていますが,今後ボロボロと壊れていくので,いつまで動くかわかりません。もう修理をやめて廃棄しようと何度も考えました。ただ,このモデルは当時よく広告で見た代表的モデルですので,持っておきたかったという一念でなんとか修理を終えたという感じです。

 最後にアジマスを調整し,一通りの動作確認を終えて修理完了です。


・CE-1600P
 PC-1600用のプリンタで,当時流行した4色のカラープロッタプリンタですが,80桁という大型のものは珍しく,また漢字の印字も可能というのが面白いです。

 この頃のポケコンにはありがちなことなのですが,実家で発掘した時に,内蔵のNi-Cd電池が液漏れしていました。かなりひどい状態で,シルバーの塗装が剥げています。

 これくらいひどいと内部の基板もパターンがきれて大変だろうなあと思って恐る恐る分解すると,基板はほぼ無傷です。恐れていたフレキの断線もコネクタへの液の回り込みもなく,回路まわりが無事で何よりでした。

 塩を盛大に吹いた電池を取り外し,基板などを取り外してケースを水洗いしたあと,組み直して通電しますが,プリンタが動いてくれません。

 見ると,ペンをチェンジするモーターのピニオンギアが割れて空回りしています。アルプスのカラープロッタプリンタユニットはギア割れが持病なので予想してはいましたが,交換用のギアはちょっと珍しいものなので手持ちはなく,とりあえず接着で修復です。

 やり方は簡単。難接着性のプラスチックに塗布するプライマーを塗り,瞬間接着剤を割れ目に流し込み,しっかり接着します。このままではシャフトを圧入するとまた割れてしまうので,1.5mmのドリルで穴を広げてシャフトとは瞬間接着剤で固定します。

 はみ出した接着剤がギアの谷を潰してしまうと回らなくなるので普通はカッターで綺麗に成型する必要があるのですが,今回の用途ではペンのチェンジだけで,ピニオンが1回転しません。取付位置を上手く調整するとギアの割れていない部分だけで回転できる(しかし大きなトルクがかかるので固定はしっかりしないといけない)ます。

 なんどかやり直しましたが,上手く固定できて,ペンのチェンジも問題なく出来るようになりました。これでプリンタは問題なしです。

 ところで電池ですが,もう内蔵するのはやめました。持ち運ぶことはないですし,忘れた頃に液漏れ塩吹きってのも困ります。


・CE-1600F
 CE-1600Pに取り付ける事の出来るディスクドライブで,サイズはQDと同じ2.5インチながら,QDとは違ってセクタもトラックもあってランダムアクセスが可能なフロッピーディスクです。

 とはいえ,片面で64kBしかないですし,両面ドライブでもないので,同時期の8ビットマシンに匹敵する性能を持つPC-1600Kにはちょっと物足りないというのと,アクセスタイムが遅いことも問題で,なによりブランクディスクがほぼ入手不可能なことが深刻です。(そうでもないか)

 面白いデバイスですので,動くようにしておきたいのですが,予想通り動かなくなっていました。このドライブは三協精機のオリジナルなんですが,ベルトが伸びる,切れる,溶けるという問題が知られています。

 きっとこの持病だろうと分解すると,いやはや大変なことになっています。もう溶けてベトベト,飴のようになっていて,原形をとどめていません。

 アルコールで拭き取れると思ったのですが,真鍮製のプーリーが錆びて固着しており,溶けたゴムをピンセットで削りとり,錆びてデコボコになった部分を紙やすりで滑らかにしてようやく作業完了です。ここまで2時間。

 外したプーリーやフライホイールを組み直して,直径65mm程度のベルトを探し出して引っかけていきます。問題なくスムーズに回ることを確認出来たら元のように組み立ててCE-1600Pに取り付けます。

 しかし,やっぱり動作しません。困ったなあと調べてみると,フタがかなり浮き上がっています。ここを押さえてやるとアクセス出来るようになりました。なんで浮き上がっているのか,フタがきちんと閉まらないのかを調べなければなりません。

 ドライブの上面を外し,フタを確認すると,フタを閉じた状態で維持するラッチ機構がおかしいようです。さらに分解すると,プラスチック製のフタの裏側に金属製の爪が,浮き上がってグラグラしています。これ,よくあるプラ製のリベットを溶かして固定しているものなんですね。3つあるリベットのうち2つが完全に外れており,3つ目も外れかかっています。

 ちょうどこの部分が浮き上がってしまい,蓋が閉じたことを感知するスイッチを押し込めないようです。

 さあ困った。またしてもプラスチックの劣化です。折れてしまった部分は元と同じような精度や耐久性で修理出来ないです。しかもプラスチックは難接着性ですし,相手は鉄です。

 そこで,0.4mmのプラ板を小さく切り出し,僅かに残ったリベットよりも少し小さな穴を開けて押し込み,瞬間接着剤で固定しました。これでしっかり固定できました。

 組み立てて見ると無事に動作します。よかった,修理出来ました。こうなってくるとブランクディスクがもう2,3枚ほど欲しいですよねえ。


・V-Saturn
 セガサターンはセガだけではなく,国内ではビクターと日立製作所からも発売されていました。ビクターのものはV-Saturnを呼ばれていますが,価格も入手性もセガとそれ程変わりませんでした。

 当時サターンにどっぷりだった私は盆暮れの実家でサターンで遊ぶため,実家用にサターンを買っておくことにしたのですが,面白半分でV-Saturnにしたのでした。

 このV-Saturn,RG-JX2という形式名でわかるように,中身は白サターンそのものです。新しいですし,そんなに使っていないこともあるので,全く壊れておらず快調そのもの。久々に遊んだダイナマイト刑事が面白かったです。

 これは面白い事なんですが,CD-ROMドライブはセガサターンの方が良く出来ていて,なかなか壊れたという話を聞きません。一方のプレイステーションのCD-ROMドライブはひどく,もはや欠陥品と言っていいレベルです。

 次世代機が登場する前に壊れて動かないものが出てきたゲーム機は後にも先にもプレイステーションシリーズだけでしょう。任天堂やセガといった老舗とは,ゲーム機に求める性能が異なるんだろうなと思いました。

 ということで,とにかくプラスチックの劣化がひどく,これが原因で壊れていたケースが多くありました。この手の故障は修理も困難ですし,修理出来ても元の性能を維持できない場合がほとんどなので最終的にはあきらめて廃棄せざるをえないでしょう。

 それに対して電気回路や部品が壊れたケースが見当たりませんでした。金属部品も大丈夫だったことを考えると,このあたりの信頼性の高さはさすがだなと思いました。ということは,結局のところ個体の寿命を決定するのはプラスチックであるという悲しい事実です。

 さあ,実家から持ち帰ったものは,まだまだこんなものではありません。Apple][,System16B,PC-6031など,手こずりそうなものがまだまだ残っています。頑張らねば。

 

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