真空管アンプのリニューアルに取りかかる
- 2007/02/18 01:45
- カテゴリー:make:
ハンマートーン塗装というのをご存じでしょうか?金属の表面をハンマーで叩いたような質感を得ることの出来る特殊な塗装なのですが,これを手軽にスプレーで実現できる塗料が,以前は東急ハンズに売ってたそうなのです。
真空管アンプのシャシーの塗装には,このハンマートーン塗装は定番で,戦前のアンプの名機をモチーフに,道具としての質実剛健さを目指した印象を与える塗装が今日でも好まれるというのは,やっぱり真空管アンプの世界ならではといえるのかも知れません。
で,その塗料ですが,今はさすがに在庫はなく,取り寄せになるというので,先月渋谷に出るついでに,注文しておきました。ずっと探していたので,手元にあるといろいろ面白いことが出来そうです。
そして,気になっていた一件が・・・
300Bシングルの真空管アンプを作ったのが2002年2月。昨年の冬にはみっともなかった塗装をやり直そうとして,余計にみっともなくなってしまい,音の良さの反面で見た目の悪さがずっと気になっていました。
以前知人に写真を見せたところ,いかにも素人の工作だと罵られ,がっかりしていました。やはりシャシーは安物を使ってはいけません。
それでもこのシャシーをハンマートーン塗装すればましになるだろうと思っていたのですが,せっかくですのでシャシーをもう少し小振りなものにして,強度的にもしっかりした,高級感のあるシャシーに作り替えようと考え至りました。
ご存じのように真空管アンプにはプリント基板など使いません。つまりシャシーを作り直すということは,すなわち配線をやり直す,ひいては「いちから全部作り直す」ということと同義語です。
さすがにこの決断は勇気がいったのですが,数年に渡る懸案事項でもあったので,先日秋葉原でシャシーを買ってきました。今はなき鈴蘭堂の定番シャシーで,今はタカチが引き継いで生産してくれているSLシリーズのなかから,SL-8HGと選びました。約1万円。手のかかった塗装や質感を考えると,この価格は安いと思います。
今までのシャシーが横幅400mmで,SL-8が340mm程度ですので,かなり小さくなります。ただ,常識的に300Bのシングルでこのサイズが小さすぎるということはないでしょうから,厳密な検討もしないまま,決めて買ってしまいました。
さて,2mm厚のアルミを加工するのは,なかなか骨の折れる作業です。そこで今回は,綺麗な仕上がりも期待して,新しい電動工具を2つも導入することにしました。
どちらも手頃な大きさと価格で,あまりいい印象を持ってなかったPROXXONのものです。
(1)マイクロニブラー
ニブラーという工具があります。金属板を自由自在に切り抜く工具ですが,私は手動のハンドニブラーを持っていました。
ところが刃先を破断してしまい,交換しないといけない状態です。今回のシャシー加工には,電源トランスの大きな角穴が必要で,ニブラーなしでは時間がかかって仕方がありません。
ところがこのニブラーの交換刃が3000円ほどもするんですね。それで結構使いにくいこともわかってますので,どうしたものかと思っていたところ,電動工具にあることを知って通販で買いました。うまい具合に昨年秋に値下がりしていて,1万円を切る値段で買えました。
アルミ板の切り出し,くり抜きなど,手間のかかる作業が楽々出来ます。厚みが2mmくらいになるとなかなか手こずるものですが,この工具は板厚に関係なく作業を進めることができます。
ただ,結構傷が付くのですね。養生用のテープは必須です。それと,角で方向を変えることが出来ないので,トランスの角穴を開ける作業では,ちょっと頭を使いました。
それと,切り子をまき散らします。家の中でやると,嫁さんの怒りを買うことは必至でしょう。
(2)ベルトサンダー
以前職場で,布ヤスリをベルト状にして回転させるヤスリを使ったことがあります。角穴はヤスリで仕上げるのが基本なので,私は平ヤスリ1本でどんな穴でも開けてきましたが,冷静に考えるとこのベルトサンダーの小型のものがあれば,実に楽が出来そうです。
探してみるといろいろ出てます。パワーが小さいのが心配でしたが,太さが9mmという小型であることを評価して,PROXXONのものを買いました。幸いにして新品がオークションで安く出ていたので,これを買いました。約1万円。
これは本当にかってよかったです。今まで手が痛くなって時間もかかったヤスリの作業が,効率よく進みます。パワーも2mmのアルミくらいなら全然問題はありません,
掃除機のホースを取り付けることが出来て,削りカスを吸い込んでくれることもありがたいところです,。
ただ,やっぱり手動の平ヤスリとは違い,小回りがききません。細かいところを削ろうとして手元が狂い,ベルトがガガガガーと別の部分を走り回って傷だらけにするということを,何度も経験しました。
でも,これは本当に楽です。
とまあ,こういう2つのパワーツールを導入したのはいいんですが,300Bの取り付け用に50mmの大穴を開ける際,コンパスのような構造のホールソーを電動ドリルに取り付けて使ったのですが,もう少しで穴が開くというところで油断をして,刃先を全然関係ない部分に当ててしまい,大きな傷を付けてしまいました。
せっかくのヘアライン加工&アルマイト仕上げのシャンパンゴールドが台無し・・・これは凹みました。
私は,こういう金属加工が好きな割には,下手なのです。基本的に不器用なんでしょうね。
再塗装することも考えましたが,せっかくのアルマイト仕上げですので,格好悪いですがこのままいきます。
シャシーの下側は黒色で塗装されていますが,ここはやっぱりハンマートーンです。穴あけが済んでからハンマートーンのブラックでさっと塗装してみたのですが,この塗料はすばらしい。厚塗りすることなく,綺麗なハンマートーンが実現出来ます。まさに期待通りというところでしょうか。
とりあえず今日のうちにすべてのシャシー加工が終了しました。ここから旧シャシーから部品を外し,新しいシャシーにマウントしつつ,配線を間違わないようにしていかなければなりません。この作業がなかなか大変です。
今回は,300Bのフィラメントを,レギュレータで安定化してリップルをさらに減らす計画も盛り込むつもりです。
今から完成が楽しみです。