先週木曜日のことですが,寝る前に本を読んでいたら,傍らの地デジPCから,なにやら爆音がします。
最初はNASのファンが唸っているのかなあと思っていたのですが,よく見るとPCがだんまりになっています。あわててLCDの電源を入れてみますが,画面は出てきません。
熱暴走かもなと,一度電源を切り,再起動。しかし,いきなりファンがMAXで回転し,起動時のBEEPも鳴りません。
うーん,壊れたようです。
地デジPCですから,稼働できない時のペナルティが大きく,これはもうあわてて修理するしかありません。しかし引っ越しを機にいろんなパーツを処分した私としては,交換や故障原因の特定をするようなものが何一つなく,結局途方に暮れて終わりでした。
その後,電源切断の時間を長くするとブラックアウトまでの時間が長くなることを発見しますが,BIOS設定画面でこけたり,Windowsが起動する途中でこけたりと,なんとなく熱暴走っぽいんです。
しかし,過去には電源の不良でこういう現象に見舞われたこともありましたから,一応電源を確認します。テスターで電圧をみると問題なし。波形もオシロで見ますが,これも問題なさそうです。
そうなるともうマザーが死んだと考えることになるのですが,この地デジPCはATOM330というなつかしのCPUを搭載した,ベアボーンキットのマザーです。
Mini-ITXの省電力マザーに交換を考えますが,何せここ数年自作から完全に離れていましたし,PC周辺に事情にも疎くなり,さっぱりどうなっているのかわかりません。
調べて分かったことは,WindowsXPが動くマザーは,今はもう手に入らないことです。
ということは,マザーをさっと交換して復旧という話はなく,もうOSの入れ替えが必須になるという事です。
そういうことなら,最新のマザーにWindows8.1,そしてあの「PT3」が使えるようにしちゃいましょうと,私は腹をくくりました。
この地デジPCは,2009年の6月に作りました。FOXCONNの激安ベアボーンで当時人気のあった,R11S4MI-BAというもので,前述のようにATOM330でした。Mini-ITXですがそれなりに大きいケースで,3.5inchのHDDを内蔵でき,これ以外に3.5inchと5inchのドライブベイがあります。電源はTFX電源で150W,かなり心許ないですが,地デジPCですから,容量と速度で有利な3.5inchのHDDを内蔵できることは,非常に大きいポイントです。
ATOM330は2つのCPUを本当にのっけたデュアルコアで,TDPは8Wで1.6GHz,当時としては実用的な速度と低電力で人気がありました。
あれから6年,暑い日も寒い日も,よく頑張ってくれたと思います。
不満があるとすれば,オンボードのグラフィックパワーが小さすぎて,地デジの再生もカクカクすることと,Etherが100Mbpsということでしょう。それにWindowsXPですので,HDDも2TBの壁があります。
でもまあ,地デジ録画だけですから,別に大した問題ではありません。このまま動き続けていたら,きっと使っていたと思います。
ただ,USBチューナーであるMonsterTVHDU2の調子が年明けから調子が悪く,寒い日には動作しなくなることがあり,しばらく通電し暖まった頃にUSBを挿し直すと動き出すということが続きました。
調べてみるとこれはHDU2の持病らしく,どうも寒いときにはクロックの発振が止まってしまうようです。水晶発振子の問題を指摘する人もいましたが,私の場合水晶発振子を交換しても改善しませんでしたので,発振回路を内蔵するLSIの劣化が原因と考えて良さそうです。
いずれにせよ,このままでは録画に失敗する不安が常につきまといますし,最終的には寒くなくても動かなくなるということですので,これは対策をしないとまずいです。
まずいのですが,春の訪れと共に暖かくなり,トラブルが収まってしまったので,まあそのうちに,と忙しさにかまけ,ほったらかしにしてありました。この問題は冬になるとまた悩むことになるので,今のうちに片付けておく方がいいです。
チューナーは,やはり評判を調べると圧倒的にPT3です。変な改造をしないでいいのは当然のこととし,壊れたという話も聞かないし,感度も十分,設定も比較的楽という事で,これは是非使いたいのですが,問題はPCI-Expressであることです。
今のシステムではPCIしか使えませんし,それもロープロファイルしか使えません。
USBでチューナーを買い換えると,実はもう選択肢がないんですね。改造が出来なくなっていたりしますし・・・
ということで,もう6年も使ったんだし,WindowsXPも心配だし,一気にPCを作り尚することにしました。
マザーはATOMの後継がいいんですが,どうなっているのかさっぱりです。これもあわてて調べて6年間のギャップを埋めると,AMDはこの分野から手を引いていて,すでにインテルしかやっていないという事と,ATOMの後継は現在でもちゃんと出ていると言うことがわかりました。
特に,CeleronとPentiumという懐かしい名前が使われているN3000シリーズというワンチップタイプを使ったマザーがこの6月頃に出たばかりらしく,これが最新ということでした。
どれだけ性能アップされているのかなと思っていたら,CPUそのものはそれほど性能アップされている感じではなく,クロックも1.6GHzですし,要するに6年前から省電力システムに要求される処理能力は,そんなに変わっていないということなんでしょう。
ただ,グラフィック周りは当時に比べると随分良くなっているようです。DDR3に対応していることや,SATA-3に対応していることも,さすがに現行のCPUだからということでしょう。
TDPは6Wです。ATOMが8Wですから,そんなに下がっている感じはありませんが,25%も下がっているのに性能は悪くなっていないのですから,やっぱり大したものです。それに,ATOM330のTDPはCPU単体で,チップセットの発熱もかなり大きかったですから,これらが統合されたN3000が6Wというのは,実は驚異的な数字なのかも知れません。
ただ,このN3000を使ったマザーはそんなにたくさんのメーカーから出ているわけではなく,先行するASRockから7種類ほど,あとは数社からポロポロと出ているような感じです。
値段は1万円前後とこなれており,買いやすいのは確かですが,気をつけないといけないのは32bitOSには対応しないという点です。Linuxは知りませんが,Windowは64bit専用です。
と,ここまで調べた段階ですでに金曜日。この状態でもっとも迅速なのは,店頭に買いに行くことです。通販では土曜日の午後になってしまうでしょう。
ということで,意を決して土曜日の朝からアキバに出向くことにしました。1年ぶりのアキバです。今回はPCの復旧を急ぎたいので,必要なものをさっさと調達し,速やかに帰宅しないといけません。余計なものは買わずに,まっすぐ帰りましょう。
買ったものは以下です。
・マザーボード:N3150-ITX
ASRockのマザーで,Celeronのクアッドコアを搭載するファンレスのマザーです。パラレルポートを持たない代わりに,USB3.0が6つもあったり,DVI出力があったりします。PCI-Expressも1つあり,PT3もOKです。
ツクモで買いましたが,デュアルコアのパラレルポート版であるN3050B-ITXが8500円,デュアルコアでいいのでDVIのあるやつが欲しいなあと思っていましたけど,取り扱いなし。
でも,クアッドコアのN3150-ITXでも11000円ほどですので,これでいきます。
・メモリ:低電圧DDR3の4GB
N3150-ITXはメモリスロットが2つあるので,同様量・同一ロットのメモリを差し込めばメモリアクセスも高速化されるという事です。でも,私の用途では8GBもいらないし,メモリによる高速化がどれほどあるか不明なこともあり,とりあえず4GBでいいことにしました。
SO-DIMMなので若干高めとはいえ,4300円ほどでした。
・OS:Windows8.1(通常版)
土曜日(8月1日)は,なんとWindows10の発売日でした。それでもWindows8.1はまだ買えるだろうと思っていたところ,ツクモでは64bitのDSP版が売り切れです。他のお店も似たようなものだと思いますし,それまでOS単体で買えたDSP版が,8月以降はパーツとのバンドルでしか買えなくなったという情報も耳にしていた関係で,まずいことになったなあと思っていました。
店員さんに相談すると,通常版なら在庫があるということでしたが,やっぱり値段が高いです。でも10%のポイントがつくので,DSP版との価格差は小さくなるということでした。
あちこち探し回るのも嫌でしたし,パーツとのバンドルが本当の話なら面倒ですので,ここはもうツクモで買うことにします。
・PT3
BUYMOREで買いました。BUYMOREは始めていったんです。9800円でした。
・TFX電源
マザーボードが死んだとふんで,システムの入れ替えに踏み切ったわけですが,それでも電源ユニットが死んだという可能性を否定できません。もし電源が故障の原因だったら,マザーを交換したマシンがまともに動かないという事になります。
それはさすがにまずいので,TFX電源も買って帰ります。本当にマザーが原因で故障していたのであれば,電源は予備です。6年も使い続けた電源ですから,いつ壊れてもおかしくありません。300Wで,AOpenのものでした。5500円。
これだけの買い物をして,ざっと1時間。昼頃に帰宅できました。それにしても,暑くて死にそうでした。アキバの太陽は別物です。
昼食後,作業に取りかかるのですが,その前に念のため電源を交換し,以前ボードを動かしてみます。
すると,まったく暴走しません。この日も暑い日だったわけですが,2時間近くも安定動作しています。時間がもったいないので,もう古い電源は試さず,捨てることにします。6年も使って故障疑惑がある電源を,大事にする理由もありません。
マザーを入れ替え,さっさと組み立てます。HDDはMacでしばらく使っていた,今はすっかり珍しくなった2.5TBのWDGreenです。2TBでもいいんですが,せっかくですから余っている2.5TBを積みます。
OSをDVDドライブにいれてインストールをしようとしますが,どうも変です。
インストール領域に,200MBほどのゴミがあり,また2TBを越える容量を確保出来ないのです。
ここで1時間ほどはまったのですが,調べてみるとインストールDVDをSATAではなく,UEFIとして64bitで起動しないといけないんだそうです。そんなもんわからよ・・・
それも,DVD-ROMをドライブにいれてからでないとUEFIでは起動できないらしく,DVD-ROMを入れてからUEFIの設定画面で起動させました。みんな,こんなノウハウはすでに常識なのかなあ。
こうして,ようやく2TB以上を確保出来ました。Macで使ったせいで,おかしなことになっているのではと何度もMacでフォーマットしたりして試行錯誤をしましたが,なんとかなりました。ついでに200MBのゴミは,まさにMacで使ったせいで強制的に確保される領域だったらしいです。ですが,これはさっさと消去できました。
インストールに時間がかかったものの,動き出せばWindowsです。
しかし,なかなかすんなりいきません。SMバスのドライバが入っていないとか,グラフィックがやたら遅いから調べてみるとインテルのグラフィックドライバを自分で入れないといけないとか,いろいろありました。
また,スタートアップに入れたソフトが自動起動しないとか,管理者権限でないとうまく動かないとか,いちいち作業が止まります。
しかし,PT3はトラブルもなく,あっけないくらい簡単に動き出しました。
古いHDDのデータをコピーし,細かい調整を済ませて,ようやく完成したのが翌日の夕方です。
その間,RTCのアラームでマシンを起動する設定にしても起動しないとか,長年使っているマウスのゴム塗料が連日の猛暑で解けて手が真っ黒になったりとか,久々のPC自作(というか新規インストールですが)に,ワクワク感を感じながらもなかなか前に進めないフラストレーションに,イライラさせられた土日でした。
Windows8.1はXPとは全然違うOSなので戸惑いますし,改悪されているところも多いですから,馴染むのに時間はかかりそうです。N3150も本当にクアッドか?と思うくらい,普通のCPUですし,1GbitのEtherも実力はその7割程度と,正直なところ手間とお金をかけても,得られたものは少ない気がしました。
ただし,それもチューナーが問題なく動いているという条件付きで,HDU2がいつ壊れるかわからず,冬は確実に動かなくなるという状況から,抜群の安定性を誇るPT3に移行できたことは,なによりメリットがあると思います。
結局,信頼性に不安があるのは中古の2.5TBのHDDということで,えてしてこういうところから壊れていくものですから,気をつけないといけません。
音楽CDをリッピングするEACなども,後日入れておこうと思いますが,ともあれ土日で作業が済んで良かったと思います。
結局OSまでいれて4万円ほどかかってしまい,正直なところ安いメーカー製のPCを買った方が手間も価格も安かったんじゃないかと思いますが,TDPがわずか6Wの小型PCで,PCI-ExpressでPT3が繋がるものなんてそうそうあるものではなく,確かに自作しないと手に入らないような,個性的なマシンになったかなと思います。
このまま初期不良がでないことを祈ります。