DM15Lは素晴らしい
- 2019/01/30 12:08
- カテゴリー:散財
遅ればせながら,DM15Lを買いました。
スイスのSwissMicrosというガレージメーカーのような小さい会社が,HPの電卓の互換機を作るという話は昔から聞いていましたが,本家HPがHP15Cの復刻をするに至って,私の視野からは消えていました。
復刻されたHP15C LEは私もすぐに買ったのですが,カードサイズまで小さくなった互換機DM15を手に入れる事はなく,数年が経過します。
しかし,オリジナルの15Cと同じ大きさの互換機を作る話が出ていた事を私は知らず,今頃になって琴線に触れたのです。
実のところ,コンピュータ技術者用の電卓であるHP16Cの復刻を望んでいた私にとって,DM16Lという互換機が存在し,そしてこれが現在入手出来ない状態にある事を知って地団駄を踏んだわけですが,amazonで引っかかったDM15Lを見て即座に買うことを決めたのでした。
HP15C LEはもったいなくて常用出来ません。これは保存機です。
なら,常用機として,互換機を買いたいと思うでしょ?
値段はちょっとお高めで,HP15C LEの定価よりも随分高いのですが,まあスイスからの送料もあることですし,amazonで買えるというお手軽さも手伝って,ポチったことに疑問はわきません。
果たして10日ほど経過して,うちのポストに届いたDM15L。小さな段ボールをあけると,化粧箱もなにもないまま,ビニル袋に入ったDM15Lがそのまま入っています。説明書も納品書もなしか・・・
手に取ると,その質感やずっしり感に,それまで期待していなかった私の気持ちが高揚します。ボタンの押し心地も良いですよ。
ONキーを押します。
動きません。
何度か押します。
それでも動きません。
あれ,と思ってさらに押すと,ようやく動き出しました。
他のキーは問題なく動きますが,ONキーだけ接触が悪く,ぐいっと押し込まないと反応しません。うーん,ハズレだったかなあ。
何度か押している間にかなり接触が良くなってきたので,分解してペコ板を磨こうと思った思ったのですが,これはテープでがっちり貼り付けられているので断念し,その代わり直接ペコ版を押しまくって,酸化膜を剥がしてみようと試みました。
とりあえずこれで確実にONするようになり,一安心。
そこからしばらくは,忘れて閉まった使い方を思い出すのに必死でした。
簡単な四則演算を小学校1年生の娘の目の前でやってみせると,面白がって自分でもやると言い出します。何度か試した後には,足し算や引き算がすらすら計算できるようになっています。
ああ,普通の電卓を使う前に逆ポーランド記法の電卓を使わせた罪は,重い。
HP15C LEがあまりにもったいなくて,ろくに使う事もなくしまい込んだ私は,付属の日本語マニュアルを読みながら,本気でDM15Lを操作し始めます。
ファームウェアがV23と古かったので,最新のV27に書き換えます。フォントが7セグっぽいものが追加されており,これだけでもアップデートの価値があります。
おお,楽しい。
加工精度が今ひとつな感じもしますが,自称チタンのケースの安定感が素晴らしく,マットな塗装も手に馴染んで触っている感じがたまりません。
そこへきて,キーの感触がなかなかよいです。ああ,どんどん押したくなる。
HPの電卓は,RPNが注目されるのですが,実のところキーの配列にも手に馴染む理由があると思っています。
しかし,RPNがHPの電卓共通であるのに対し,キーの配列はさすがに機種ごとに違っていて,これが機種依存性をユーザーにもたらしていると気が付きました。
例えば,HP35Sは手に馴染みますが,正直に言うとWP34Sはあまりしっくり来ません。そしてHP15CとHP35Sは全然違う配列ですが,出来る事は基本的には同じです。
だから,HP15Cに習熟するという事は,そのキー配列に馴染むこと,もっといえば機能がアサインされたキーがどこにあるかを覚えることと同義です。
それには,訓練しかありません。ひたすら計算をして体が覚えるようになると,新しい地平が開けてきます。
ここにたどり着くには,触って楽しいことが不可欠です。このキーの押し心地,この筐体の剛性感は,そのための強力な動機です。
ああ,すばらしい。
惜しむらくは,オリジナルのHP15Cが現役の頃にその電卓を必要としていなかったことです。私はこの時代の日本人らしく,ポケコンが面倒な計算を片付けてくれていました。
使ってみると,全然使いこなせていないことに愕然とします。もっと頑張らないといけないですね。