Rollei35を買ってしまった
- 2019/09/13 16:00
- カテゴリー:散財, カメラに関する濃いはなし
先日渋谷で行われた,世界の中古カメラフェアをのぞいてきました。
実はこの日,F2の動作確認のためを含む,合計7本のネガフィルムを現像に出すために,当日で仕上げてくれるキタムラに行くことにしていました。
混雑具合にもよるけど,と前置きをした上で,1時間ほどで出来るということだったのでお願いすることにしたのですが,問題は待ち時間に何をしていようかという事でした。
するとまあうまい具合に,東急百貨店で「世界の中古カメラフェア」の初日でした。渋谷の街中をウロウロをするのも気が重い人嫌いの私ではありますが,こういう場合は背に腹は代えられません。
特に,東急百貨店が閉店する関係で,この場所で毎年行われて来たこの催し物も,今回で最後になります。8階の催し物スペースは,まだ小学校に上がる前の娘と一緒に古本を見に来たことでも思い出深いところで,今回で見納めになるということも背中を押してくれました。
先に現像のことを書いておくと,何ら問題なく1時間ちょっとで仕上げてくれました。助かりますね。
F2の撮影結果は,インデックスプリントとネガの状態を見る限り,良好でした。露出計(特にフォトミックA)はよく出来ていて,ほとんど外していないようです。
切れが悪くて不安だった1/2000秒も実用上問題はなさそうで,特にAi45mmF2.8Pの写りの良さが印象的でした。ただ,コマ間隔にちょっとバラツキが出ているようで,これが私の個体の問題点という事になるでしょうか。重なったり大きくあいたりということはないので,気にしなければよいのですが,そこはFヒトケタですので,綺麗に揃っていてほしいのです。
さて本題。
世界の中古カメラフェアをただブラブラするのものバカらしい(そりゃそうです,十分に年寄りになった私より,さらに一回りお歳を召した方々と,主に中国あたりから来られた大きな荷物を引き摺ったバイヤーの方々のるつぼに,一見さんが目的もなくフラフラするなんて馬鹿らしいにも程があります)ので,ちょっと無理にでも目的をでっち上げます。
(1)M-Rokkor
(2)MD-Rokkor およびMC-ROkkor
(3)Rollei35
(1)はCLE用のレンズで,私の中では別格のCLEについているレンズがコシナのものばかりというのは,いささか不憫に思われたからです。今の金銭感覚ならM-Rokkorもいける!とふんで探してみたのですが,今ってもう数が減っていしまっているんですね。
特に28mmについては写りがいいこと,Mマウントレンズとしてはそれでも安価なことで根強い人気がある上に,最近は数がめっきり減ってしまっているようです。残念な事に修理出来ないクモリが持病としてあり,良品はもうほとんどお目にかかれません。
しかしそこは稀少品も出てくるこのフェアです。とても程度のいい28mmが出ていました。とても高価だったので完全にスルーしましたが・・・
90mmは数もあるし人気もいまいちなので安価なのですが,いくら安くても90mmを使う事を想像出来ず,これもパス。
(2)はミノルタの旧レンズなのですが,とても青が綺麗に出るレンズです。私は28mm,50mm,135mmと定番のラインナップを持っているので困っているわけではないのですが,28mmはF3.5ですからF2.8が欲しいなあと思っていました。
ですが,ミノルタの旧レンズと言っても,すでにアルファ用のレンズが旧レンズ扱いで,MD-Rokkorなんて珍品扱いです。ミノルタの旧ロゴなんど,数えるほどしかお目にかかれませんでした。
で最後の(3)です。
昔から気になっていたのが,この名機Rollei35シリーズです。後に日本のお家芸となる世界最小を1960年代後半に成し遂げたのが西ドイツの名門Rolleiです。
あちこちでうんちくを目にしますので説明は省略しますが,このカメラの登場でハーフサイズカメラのブームにピリオドが打たれたと言われるくらい,衝撃的なカメラだったようです。
とはいえ,レンズもシャッターも露出計もドイツの一級品の供給をうけた高級コンパクトカメラですので,大変高価でした。その分その精密感は圧倒的で,50年の月日が流れた今も高い人気を誇っています。
長期間にわたってシリーズ化されて販売された物としても知られていて,その分多くのバリエーションがあります。
私はやっぱりあのシルエットにクラクラしていて,古くさいんだかそうでないんだかわからない年齢不詳のデザインに,テッサーとスローシャッターを装備した機械式カメラというという立ち位置が独特すぎて,欲しいけど縁遠い存在として認知していました。
生産時期が長いという事は,コレクターズアイテムのビンテージものから,実用バリバリの安価な最近のものまで,よりどりみどりだと思っていたのですが,案外そうでもないらしく,調べてみると精密感があるのは初期のものくらいで,年を経るごとに低コスト化が図られて,どんどん軽く安っぽくなっていました。
でもまあ,私はこのシルエットが欲しいわけで,変なこだわりがないのがいいんだと思って,会場をぐるっと回ってみます。
目に付いたのは,無印の35です。相場は4万円前後。35Sだと程度の良いものは6万円から7万円という所でしょうか。
現実にはこのくらいから選ぶ事になりそうだなあ,でも4万円ならここで買う必要はないよなあと思って歩いていると,後期の廉価版シリーズが目に入ってきます。そう,ダイアルがレンズの横に並んでいないやつです。
35LEDという機種が21000円ほどでしたので,思い切って声をかけます。
一通り機能が生きていることを確認しながら,お店の人と話をします。なにせ付け焼き刃で少しだけ勉強してきたRollei35の知識ですから,素直にわからないと言って教えを請います。
普通に使うならこの35LEDで問題ないというのは事実だと思いますが,スローシャッターがないこと,レンズがトリプレットになっていることで,かなり購入意欲が落ちています。
そしてついでに出してくれた無印35を手に取ったのが決定的でした。重さが全然違います。巻き上げの感触が全然違います。
これはもう完全に別物です。2万円の価格差は,むしろ小さすぎると思わせるほどの違いでした。
謝った上で35LEDを買うことは取りやめ,やはり無印35にしないとだめだと会場をもう一回りします。うーん,4万円がギリギリとして,でも4万円だとぶつけた跡があったりストラップがなかったり,なにかと妥協を強いられます。妥協するならもうちょっと安くないとなあ。
お,35000円で無印35があります。特にぶつけた跡もなく,動作していればお買い得かも知れません。(中古カメラにおいては損をすることはしょっちゅうあっても,お買い得ってのはありません)
思い切って声をかけ,見せてもらいます。大阪から来ているお店だそうで,心地よい大阪弁が私の心を開いていきます。
正直によくわからないと話をすると,使い方や個体の問題点を教えてくれます。一番の問題は,ファインダーのクモリだそうです。
確かに曇っています。でも,距離計連動でもなんでもないファインダーですので,別に私は気にしません。
スローシャッターも狂ってはいますが動作しているし,露出計の針も動いています。かなり使い込んだ感じがありますが,レンズも綺麗ですし,すぐに撮影に使えるかも知れません。
レンズキャップがなかったので尋ねると,向かいの別のお店から分けてもらってきてくれて,オマケしてくれました。私の相手をしてくれたのはこのお店の社長さんなのだそうですが,現金での値引きかキャップのオマケかという話になり,手に入るかどうかわからないキャップをお願いしたのでした。
さらに電池のアダプタもオマケしてくれるということで,すでに買う気になっていた私は,結構気をよくして支払いを済ませ,会場を後にしたのです。
自宅に帰ってから確認したのですが,やっぱ価格相応,あるいは価格以下かもなあと思って,舞い上がった自分にしょんぼりしました。
ファインダーのクモリは,かなり気になるレベルです。明るいところではそうでもないでしょうが,暗い所ではもやーっとしていて,すっきりしません。
それ以上に問題なのは,露出計です。なるほど針は動きます。しかし,指針が全く動かないのです。そういうものなのかなあと思っていたのですが,本来シャッタースピードや絞り,感度に連動しないと露出計は意味がないので,そういう仕組みがないというのはおかしいです。
調べてみると,やはりツマミが機械連動で指針を動かす仕組みになっているそうで,私の個体はこの段階で故障していたことになります。
お店の人は,責任持って修理するので任せて欲しい,と言い切っていましたが,それにしてはそんなに高いものではないし,なんやかんやで渋られるだろうとも思いましたので,とりあえず自分でなんとかすることを考えます。
スローシャッターについても問題がありました。1/2秒は1秒くらいの長さですし,1/4秒や1/8秒は区別が付かないくらいです。これも残念でした。
あと,ARレバー(撮影終了後にパトローネに巻き戻すときに,スプロケットが逆回転しないようにしてあるロックを外すレバーです)がききません。Rの位置にしてもスプロケットは逆回転しないです。これもいきなりフィルムを入れたら大失敗しただろう故障です。
あちこちに分解痕もありますし,素人の手が入っているような気もしますが,中途半端な良品を4万円で買うのが良いか,どうせ手を入れるんだから多少の問題は安くなる分かえってラッキーと思うか,微妙な所です。
前者なら問題があったらがっかりするだろうし,後者にしては35000円ですから,あまり安くなっていません。やっぱり,あまりよい買い物とは言えなかったような気がしてきました。
せっかく涼しくなってきましたし,世界中にファンがいるRollei35ですから,じっくりオーバーホールを行って,楽しく撮影をしたいと思います。