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2021年08月25日の記事は以下のとおりです。

ニコンF2が大変なことに

 「勇者よ,本体のみ,ズームキット,28mm単勝単キットの3つから,好きな武器を1つ選べ・・・」

 私が選んだ28mmキットだけ発売延期になり,結局後の2つを選んだ人はスイスイ先に進んでいます。そう,Zfcの話です。

 そんなわけで,お盆にはZfcで遊べるだろうと思っていたあてが外れ,少し手が空いてしまいました。

 そんなおり,宿題となっていたレンタルサーバへの移行も落ち着き,記念に1つ新しい記事を作ろうと思って用意したのが,シャッター速度を簡単に測る,という記事です。

 作った治具は現在はバージョンアップしており,フォトトランジスタを2つ持ち幕速を測定する機能が加わっています。

 記事を作成する時に,幕速を測定する機能のきちんとした検証を行っていないとわかり,波形の写真撮影もかねて,F2とF3の幕速を測定したのです。

 どちらも横走チタン幕で最高速が1/2000秒というシャッターで,幕速もおそらくこの仕組みの限界値である10ms/36mmです。なので,F3とF2を比べたら,治具の確からしさと個体の調子が判断出来ると思ったのです。

 結果ですが,36mm換算でF3が8.96ms,F2は7.6msとなりました。

 F3はまあこんなもんでしょう。しかしF2はかなり高速側にズレていて,このままでは壊れてしまうような気がしました。少なくともF3と同じ程度にしないと・・・新たな宿題が生まれた瞬間でした。

・幕のテンションを下げる

 早速F2の底板を外しました。実は幕のテンションはこれまで一度もいじったことがなく,それで全速きちんとシャッタースピードが出ていたので問題ないと思っていたわけです。

 勇気を出してネジロック剤を除去してロックネジを緩めて,テンションを下げていきます。先幕も後幕も9ms程度の合わせます。簡単簡単。

 続けて高速側のシャッター速度を出していきます。これも先幕のテンションを微調整すれば簡単に合います。楽勝。

 しかし,悲劇はここから。低速側を確認すると,1秒が1.5秒と大幅に狂っています。他の速度も全滅で,全部かなり長くなっています。

 ここで私は重大な判断ミスをしました。きっとスローガバナーが悪くなったのだろう,と。


・スローガバナーを清掃

 というのも,思い当たる節があったからです。かつて分解清掃したミノルタオートコードのシャッターも,1年ほどしてからスローが遅くなったのですが,これはベンジンで清掃した後の注油が足りなかったせいでした。

 F2も時期的に同じような注油方法で修理したものだったので,きっとこれだろうと思い込んでしまったのです。

 そこで,ミラーボックスを取り外し,ガバナーを取り出しました。ベンジンで清掃,注油を行います。

 そして元の通り組み付けて動作確認を行いますが,状況は全く変わりません。

 仕方がないので,スローの調整を行います。シャッタースピードダイアルの近くに調整用の偏心ビスがあるのですが,これを回します。うーん,はじめて回すのでこわいです。

 調整は案外簡単に済み,きちんと1秒が出ます。しかし,1/4秒だけが全然だめで,ガバナーが動作していません。困りました。

 ガバナーの取り付けビスもネジロックが行われているので,その跡に従って組み付けたのですが,どうもこの取付位置も調整の必要があるという話ですので,なんどか位置を調整します。

 しかし上手くいきません。1秒が出るようにすると1/4秒が機能しません。1/4秒が動くようにすると全速遅めに出ます。

 さあ困った。

 ふとガバナーの音を聴いてみると,随分弱々しい音です。まてよ,ガバナーを回しているのは,なんの力だ?

 そう,後幕のテンションです。なるほど,これが弱すぎるせいでガバナーを回しきれず,速く回せないのでしょう。そこで1秒が出るように後幕を調整すると,もとの幕速に戻ってしまうのでした。


・幕速を戻して再調整

 そこで幕速を戻すことにしたのですが,馬鹿な私は元の位置をマーキングしていないばかりか,分解前の写真さえ残していません。こうなるともう手探りです。

 幕速を出して,まずはスローを調整します。調整ネジをいじった後ですので元の状態に戻せる保証はありませんでしたが,なんとか低速側は調整終了。

 今度は高速側ですが,こちらがボロボロです。そこでこちらも調整用のビスをいじって調整しますが,これがまずかった。

 もう手に負えないくらいに,ボロボロになっていきます。1/1000秒を合わせると1/2000秒が短くなりすぎです。

 1/2000秒の微調整は,カムのスリットにマイナスドライバーを突っ込み,少しずつ隙間を広げて調整するそうなのですが,広げると高速になるということですので,私の個体は広げすぎていることになります。

 分解なんかしなくてもスリットの隙間を縮めることが出来るに違いないと思いましたが,上手くいきません。


・シャッタースピードダイヤルの中板を外す

 こうなるともう,このカムを取り出すしかありません。そのためにはシャッタースピードの中板を外す必要が出てきます。これも初めての分解です。

 ビスを4本外してみたのですが,まだ何かに引っかかっているようで外れません。少し無理を外れたので,早速カムを押し込んで縮めたのですが,どれくらい縮んだかは組み立てるまでわかりません。

 ということで組み立てますが,苦労して取り付けたのに,シャッターが走ってくれません。かといって巻き上げも出来ません。やばい・・・ロックしてしまいました。


・巻き上げ中板を外す

 巻き上げが出来ないか,シャッターがリリースされないのですから,さらに分解を進めるしかありません。まず巻き上げレバーの中板を外してみますが,こちらは異常なし。


・先幕リリース爪を探す

 そうなると先幕をとどめている爪を探していくことになります。どうも底部にあるようで,ここを勇気を出して分解します。するとすでにリリースされた状態になっていました。

 改めて幕を見ると,走った後の位置になっています。ならなんで巻き上げが出来なかったのかわかりませんが,もう一度試してみると巻き上げ出来るじゃありませんか。

 元のように組み上げて,ようやくシャッターが動くようになりました。しかし,低速も高速も破滅的に狂っています。


・そして今ここ

 泣きそうになりながらもがいてようやく,数日前の状態に戻りました。まだシャッタースピードは全然出ておらず,1/2000秒は時々開かなくなっています。

 幕速に疑問を持つことがなければ,以前のような完調のF2を使えたのにと後悔しても遅く,あちこちが連動して悪くなってゆく状況は,まさに高度な次元でバランスしているメカ設計のたまものなんだろうと思います。

 頑張っても最初の状態に戻すだけで,残ったものは私の分解の知識だけという状況に,どうもやる気も下がってしまいがちですが,F2を失う事に焦りを感じては,自分を奮い立たせて調整に挑むことにします。

 それにしても,サービスマニュアルに書いてある通りに調整が進みませんし,組み立ても難しいなと思います。

 F2の分解修理や調整は世界中で行われているはずですが,詳しい情報がなかなか見つかりません。素人さんがチャレンジしないせいなのか,プロがノウハウを秘密にしておきたいからなのか,販売されている修理マニュアルのような本でも,F2は分解される程度が浅くて,あまり参考にならないです。

 もう一台ある部品取りのF2は,現時点ではうちで一番程度のいいF2になっていまいました。もしかしたらコイツが主役に抜擢されることもあるかも知れません。


・すっきりしないこと

 すっきりしないのは,結局幕速はどうすればいいのか,です。治具がおかしいという可能性は大いにありますが,F3とF2が一致するようにするというのは正しいアプローチのはずで,それやるとガバナーを駆動出来ないというのは,何かがおかしいような気がします。

 良いか悪いか別にして,とにかくかつての完調の状態に戻すことを目標にしていますが,散々適当に分解した結果,そこにたどり着かないくらい精度が落ちているということを思い知らされています。

 なんとしないとなあ。

 

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