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2022年03月11日の記事は以下のとおりです。

私のAppleII~パドルが動かない

 修理が終わったAppleIIでしばらく遊んでいたのですが,思った以上にパドルやジョイスティックがないと全く遊ぶことが出来ないソフトが多いことに気が付きました。

 ジョイスティックがあくまでオプション扱いだった国産の同時期のパソコンでは,ほとんどの場合キーボードで遊ぶことが可能だったので,AppleIIでも似たようなものだと思っていたのですが,冷静に考えて見るとAppleIIではパドルが標準添付で,同梱のデモソフトの1つにあったブロック崩しもパドルが繋がっていないとゲームが始まらないというものだったりします。

 AppleIIのパドルはスイッチでもなく電圧入力でもなく,抵抗入力です。内部にかの有名なタイマICである555が4つ入った558というICがいて,コイツの時定数を外部のボリュームで可変するのです。

 その結果558の発振周波数が変化しますが,この周波数をソフトで読み取って,パドルの回転角を知るわけです。

 標準添付されたパドルはまさにツマミであり,ジョイスティックのような二軸のもんではありませんでしたが,後々オプションで販売されるようになったジョイスティックは,再田尾で4つまで接続可能なパドルのうち2つをX軸とY軸に割り当てていました。

 ボリュームは150kΩで,目一杯回して0Ωになった場合でも,本体内に100Ωが入っていますので発振は止まりません。

 ということで,amazonでプレスレ用に作られたと思われるアナログスティックのコピー品を安価に買います。これは10kΩですので,そのまま接続してもまともには動きません。

 そこでいろいろ調べてみると,GNDとの間にコンデンサを追加する方法がありました。なるほど,よく考えつくなあ。

 内蔵のコンデンサは0.022uFで,外部のボリュームが150kΩですので,その積は3300。これを10kΩで割ってやると,0.33uFになります。この組み合わせなら同じ周波数が発振するというわけです。

 早速作ってみました。問題ないはず・・・なのに,全く動きません。

 ボタンは動くのですが,パドルは全く動作してくれないのです。配線ミスかもしれないと思い,直接100kΩの抵抗をゲームI/Oに差し込んだのですが,反応なし。

 オシロスコープで波形を見てみると,発振していません。ははーん,これはよくある,558の故障だな。

 しかし,558はすでに製造中止。「買えない」「見つからない」「aliexpressで買ったら偽物が届いた」「555を4つ使った互換基板を作った」と,世界中のAppleIIマニアが558の故障に怯えて毎日を過ごしているのを知っているだけに,私も焦りました。

 しかし探してみると,秋葉原のお店で売っていることが判明。通販もやっているので早速手配しました。本場アメリカでは枯渇したICが秋葉原の店頭にあるとは,すごいです。

 数日後届いた558を交換しましたが,やっぱりだめでした。うーん,ここが故障しているわけではなさそうです。しかし,558は555に比べても単純な回路で動作しますし,4つのモジュールすべてが動いていませんので,どうも納得いきません。

 回路図を改めて眺めてみると,4つのモジュールで共有している0.1uFのコンデンサが目に付きました。普通の積層セラミックなのであまり気にしなかったのですが,調べてみると正常に値が出てこず,非常に小さい値を示しています。

 交換すると,まさにビンゴ。ちゃんとパドルが動くようになりました。積層セラミックって劣化するんですね。これ,DCで容量を測定すればほとんど容量が出てこず,しかし1kHzで測定すると正常な値が出てくるのです。こういう故障もあるんだなあと,いい勉強になりました。

 さすがに40年を超えた部品ですしから,そりゃ壊れるでしょう。ということで,一気にマザーボード上の0.1uFを全部交換することにしました。手間がかかりましたが,これで一安心。

 起動すると,なにやらカーソルの点滅がやけに速いのです。こんなものかなあと思っていたのですが,どうも気ぜわしいのでYouTubeで他の方のAppleIIを見てみると,やはりもっとゆっくり点滅しています。

 そういえば,AppleIIのカーソル点滅は,555を使ってハードウェアでやってたよなあと思い出し,回路図を見てみました。すると,ここでも0.1uFのコンデンサに3.3MΩと12kΩの抵抗でタイミングを作っています。計算すると理論値は2.1Hz程度になるのですが,実測すると2.8Hzと随分高速です。

 この部分のコンデンサは精度と温度特性を考えてセラミックではなく,フィルムコンデンサにしたので,値がおかしいという事は考えにくいです。新品ですので破損もないでしょう。

 ならば抵抗か,と周波数を決定する抵抗の3.3MΩを調べてみると,なんと2.5MΩほどに下がっていました。計算すると2.8Hz程度になりますので,これが原因だったようです。

 手持ちの3.3MΩに交換すると,点滅がもとの落ち着きを取り戻してくれました。

 抵抗,それも1MΩを越えるような高抵抗は,結構簡単に劣化して値が変わります。今回は近くにあるコンデンサの交換の際に熱がかかって,値がずれたのでしょう。

 他の抵抗も予防的に交換して,これでようやく完成です。

 電源ユニットの一次側のコンデンサも,高圧のコンデンサを入手出来たのでこの機会に全部交換しました。いやー,大変でした。

 これで思いつく所はすべて手を入れました。チェックプログラムも通ります。怪しかったキーボード裏側のスライドスイッチ(RESETかCTRL+RESETかを選ぶ)も直しました。

 あとは散々遊ぶだけです。試しにと始めたチョップリフターで,あっという間に1時間。ロードランナーは本家ならではのサークルクリアに見とれているうちに30分経過してしまいました。

 私のAppleIIはそれほど程度は良くなかったのですが,それでも致命的な故障はなかったですし,それでもプロンプトは出てくれましたので,対応が楽でしたし,必ず直せるという見込みも立ちました。ラッキーだったと思います。

 AppleIIへの理解が深まり,興味も出てきました。当時,AppleIIを買えたのは大人だけで,いわば今の私の年齢の人が手に入れたものだったはずです。もし私が当時生きていたら,今のような関心を持つのだろうと思います。

 それは,子どもの頃に使っていたPC-6001への理解の深さとは別の物で,単に長い時間使ったとか,自分の基礎を作ったとか,そういうノスタルジーとは違う,大人ならではの理解力の高さによる,楽しさなんじゃないかと思います。

 そういえば私は,PC-6001のメモリマップやVRAMの構成を,知りませんからね。

 もうしばらくAppleIIで遊ぶことにします。

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