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2024年07月18日の記事は以下のとおりです。

ブラウン管,プラズマディスプレイ,LCD,そして有機ELへ

  • 2024/07/18 14:41
  • カテゴリー:散財

 テレビを買い換えました。TVS REGZAの55X8900Lです。

 これまで使っていた東芝の55BM620Xとは,サイズこそ同じ55型ですが,今回はなんといっても有機ELです。我ながらすごいですね,とうとうここまで来ましたよ。

 55MB620Xは,画質はともかく音は当時の薄型テレビとしては一線を画したもので,特に低音の再生能力は高くて,外部スピーカーやサウンドバーなどの必要性を全く感じることがありませんでした。

 背面にはウーファーと,ウーファーを格納する膨らみがしっかりとついていて,およそ薄型テレビとは思えないごっつさです。そう,東芝で低音と言えば,細野晴臣さんがベースを抱えて登場したCMで我々の記憶に永遠に残り続ける,あの「バズーカ」ですよ。

 なるほど音は良かったと思うのですが,いかんせん背中が出っ張っているので,壁掛け出来ないとか,そういう理由もあってでしょう,この低音重視モデルはこれっきりになり,次の世代からは出なくなりました。私としては残念だったのですが,初の4Kチューナー搭載モデルであったこともあって,大変気に入って使っておりました。

 異変はこの春頃から起こり始めたのですが,どうも画面の中央部のやや下あたりに,キュウリを横にしたくらいの白いムラが気になり始めました。日に日に大きくなるという事ではないのですが,画面が白くなると目立ちますので,主人公がバーンと大写しになると顔の真ん中に白いキュウリが目に入るというのはがっかりします。

 空のシーンなんかでは,雲が浮かんでいるのかと思うほどのムラで,映画を見ていても気が削がれます。そんなことを3ヶ月ほど続けていましたが,もう限界です。

 そんな折,レグザの55型有機ELが15万円,という広告がふと目に入ってきたからたまりません。さっさとスペックと他店の価格を調べて,即決しました。

 55X8900Lは2022年モデルで,現行の2024年モデルである55X8900Nからは2年も前のモデルになります。テレビの世界において2年の進化は大きいですが,実はミドルクラスの8000番台では1世代前に過ぎません。スペックを比較するとそんなに違いませんし,マイナーチェンジモデルという見方をしている媒体もありました。

 とはいえ,4Kの倍速補間があるというのはちょっとうらやましく,気にはなったのですが,左右に動くスタンドの角度が25度(そういえば55MB620Xは別売りのスタンドをわざわざ買っても左右で20度でした)というのも55X8900Lのメリットですし,実勢価格で比べると6万円くらいの価格差があることを考慮すると,ここは最新モデルを選ぶ必要はないなあと判断しました。そう,15万円で買えることが,55X8900Lの最大のメリットだと考えました。

 まあ,噂レベルですが,現行モデルでも13万円で買えたとか,,いろいろ耳にはしたのですが,関東一円の量販店を駆けずり回り程の元気も時間もありませんし,素直にこの値段で買えることを受け入れたいと思うわけです。

 あと,65型の65X8900Lはamazonがプライムセールの目玉にしていて,これが9万円ほど高い値段で出ています。65型の有機ELが24万円は安いですが,実はヨドバシ.comでは65X9900Mという65型で昨年の(とはいえ1世代前)フラッグシップモデルが実質18万円だったり,55型の55X9900Mが実質17万円という具合に,もうなにがなんやらという値段になっていました。(ただしヨドバシは瞬殺だったみたいです)

 うーん,確かにヨドバシはフラッグシップモデルで1年前のものがこの値段で相当安い。65型でタイムソフトマシンで3万円しか差がないというのはかなり悔しい・・・でも,何度も言うように15万円にこそ価値があるのです。もう迷わないようにしないと。

 で,さっさと決済を済ませようと配送日を検討したところ,なんと最短で翌日の夕方と言うではありませんか。古いテレビの引き取りや設置という手間のかかる大型テレビの配達には1週間ほどかかると思っていたので,平日ですが翌日に受け取ることにしました。

 そうすると忙しくなるのは,古い番組の移行です。

 SeeQVaultを使えば移行出来るだろう,コピーに時間がかかるから夜通しやるしかないよなあと思って調べてみると,まず4Kは最初から対応しない,そして55X8900Lはそもそも対応しないという事が判明しました。

 なんということだ,HDD録画の救世主だったはずのSeeQVaultは,すでにオワコンだったのです。

 どうも,最近の機種は軒並み対応しないものが増えているという事らしく,2022年モデルの55X8900Lでも未対応という事でした。せっかくSeeQVaultのHDDを買って移行させようと思っていたのに,あてが外れてしまいました。

 ただ,不思議と悔しいと思う事がないのは,もう録画して残しておこうという気持ちがなくなっているからだと気が付きました。著作権保護と消費者の自由でせめぎ合い,最終的に消費者に不便を強いる方法で決着した日本のデジタル放送の録画の問題は,散々警告されたとおり日本独自とも言われた録画文化を根本的に破壊して,消え失せてしまいました。

 録画に値する番組は作られず,繰り返しみたいものは実はサーバーにあり,いつしかサーバーから消えてしまってもその事に気が付かずに終わってしまう,テレビ放送はそんな刹那的なものになってしまいました。

 かくいう私も,2.5TバイトのHDDDに一杯になった番組のどれ1つとして,もう一度見ようと思うものはありませんでした。むしろスッキリしたという印象しかありません。

 そして当日,予定が早まり昼過ぎに届いた55X8900L。早速有機ELの実力を見てみました。

(1)画質

 さすが有機ELです。どこから見ても色が転びません。黒が黒に見えます。赤,緑,青と行った原色の発色が鮮やかです。肌色のグラデーションが見事です。それから,奥の方で光っているという感じがありません。

 ただ,これまでの55MB620Xも善戦していたんだなと思いました。2018年という古いモデル,しかもエントリークラスでVA型のLCDでしたが,それでもあれだけの画が出ていたんですから,大したものだとおもいます。

 ただ,その印象も地上波とBSの話。BS4Kになると全然別の印象です。55MB620XはまだBS4Kが放送される前のモデルだったわけで,画像処理がまだまだで,とりあえず映ってますくらいのかんじでした。高精細ではありましたが,ぱっと見た画は他の放送波とは別物で,トータルの画質ではBSの2Kに負けていたんじゃないかと思います。

 しかし2022年モデルである55X8900Lになるとさすがにこなれた印象で,BS4Kも他の放送ソースと共通の画作りになり,画質も4Kであることを生かした素晴らしいものになっています。

 当時,4Kは画質が悪いと新聞などでも騒がれたのですが,めっきりそういう話を耳にしなくなったのは,本当に画質が改善されたからだと思いました。

 地上波についても大変素晴らしい画質の改善が行われているので,地上波だからとかそういう割り切りで我慢をしなくても楽しめるところはすごいです。これを標準化すればもっと送信帯域を狭めて多チャンネル化ができるんじゃないかと,そんな風に思うほどです。

 正直なところ,55MB620Xもなかなかいい画質だったと思っていて,ニュースなどの番組では有機ELの画質の良さを実感することはあまりないと思います。しかし,緑の多い森の空撮や,青い海のシーンでは驚くほど伸びやかで鮮やかな画像を出してきます。底なしの表現力というのでしょうか,ここらへんで限界かなと思われるような無意識のあきらめを,そうか必要がなくなったのかと再認識するような感覚を何度も覚えました。

 そうそう,輝度についてですが,明るすぎです。有機ELは暗くして使った方が消費電力面でも,パネルの寿命の面でも絶対に有利なのですが,画質の設定に「おまかせAI」を選ぶとあまり暗く出来ません。

 「放送プロ」や「映画プロ」を選ぶと暗くなるのですが,画質の調整を毎回毎回手動で行うのも面倒ですし,色域の広い有機ELを万全の状態で使う調整を行う自信もないので,メーカーがお奨めする自動調整で使ってみようと思っていただけに,どうしたものかと考え込んでしまいました。


(2)音質

 音質は55MB620Xが圧勝です。タイトでバランスのいい音でしたし,音楽番組でも不満はありませんでした。

 55X8900Lも音吐にはこだわっているようで,特にコーンの面積を大きくするのと実質同じ意味を持つパッシブラジエータを備えたスピーカーシステムは,フルレンジ4つ,ツイータ2つという贅沢なスペックです。しかし,どうも中域の盛り上がりが耳につき,たっぷりとした低音もなければ,まっすぐ届く高音もありません。

 興味があったのはキャリブレーション機能で,リモコンについたマイクでテレビから出した補正用の音を拾って補正をかけるものだそうで,どれくらい改善されるのか楽しみに試してみました。

 結果はいまいち。中低音が痩せて,高域がキンキン言うようになりました。そんなに大きな差があるわけではないのですが,中低音を豊かにする傾向を見せないあたり,本当にこれを信じていいのかなあと思います。

 そもそも,リモコンのマイクからどうやって本体に補正用のデータを赤外線ごときで送っているのでしょう?マイクの音をそのままA-D変換して送信するにはビットレートが確保出来ないだろうし,解析までリモコン側でやるのも無理があるでしょう。

 それから,Dolby ATMOSのデコードにも対応しているというので,手持ちの映画を試してみましたが,もともと音がそんなに良くないだけに,大した感動はありませんでした。

 これは,音が画質についてきていない感じです。なんとかせねば。


(3)機能

 いろいろな機能があるのは結構ですが,私としてはAmazon PrimeVideoとTVer,NHK+に対応してくれてあれば,それで十分です。

 そういえば,番組をいろいろお奨めする機能があるようなのですが,自分が見る番組までいちいち押しつけられるのは嫌なので,全部切りました。余計なお世話です。


(4)外観

 外観は55MB620Xと同じ様な感じだと思っていたのですが,全然違いました。

 パネルの大きさは同じですが,本体の位置が数センチ低い位置にあること,下側のベゼルがなくなったことでさらに数センチ下がったことで,かなり低い位置に画面があります。

 その上,55MB620Xではやや上向きに傾いていた本体が,55X8900Lではほぼ真正面に向くようになりました。そのおかげで天井の照明の映り込みがなくなり,格段に見やすくなりました。

 ただ,全体の高さが下がったことで,画面が小さくなったような錯覚があります。これなら65型でも良かったかなあ・・・

 そうそう,低反射パネルについてですが,確かにグレアパネルとは違って有機ELらしさが損なわれているような印象を持ちますが,その分映り込みは少なく,見やすいです。

 有機ELはもともと解像感も発色も素晴らしいので,この程度の低反射処理を行ったところで,画質が悪化するという印象はないでしょう。映画マニアが真っ暗な部屋で見るのとは違い,このくらいの値段であれば明るいリビングに置かれてニュースやバラエティを映すこともこなさねばなりません。

 また,家族で見るなら,場所によって映り込みが大きい小さいがあったらだめでしょう。このパネルの表面処理には,私は問題を感じません。


(5)まとめ

 なにせ15万円です。それで憧れの自発光デバイスです。カラーフィルター式のLGのパネルなので本物の有機ELの画質はこんなもんじゃないと思いますが,それでも十分過ぎる画質です。反応速度も速いので,高速のスクロールも55MB620Xに比べて圧倒的に見やすくなっていますし,どこから見ても同じ色,というのも素晴らしいです。

 かつて使っていたプラズマディスプレイに比べるとまだまだと思う所もありますし,LCDも十分高画質になっていることを考えると,無理に有機ELにすべきとも,有機ELをゴールに置く事も違うかなと思いますが,それでもやはり緑の表現力には息を呑むものがあります。

 今のところ,私の期待が大きすぎたことで75点という点数になるでしょうが,もう少したくさんの番組を見てから判断したいと思います。

 

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