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燃えろ!アナライザ基板!

  • 2013/09/04 09:05
  • カテゴリー:make:

 VP-7722Aの修理の続きです。片CHは生きていましたし,低歪み発振器も生きていますので,とりあえずこの状態で「使える」ものであることは,かなりの安心感を与えてくれました。

 しかし,人間欲が出ますね。両CHが使えたら,どんなに面白いでしょう。

 VP-7722Aは,2次側の電源にヒューズを入れてくれていたので,他のブロックを壊さずに済んだ可能性があります。電源部もヒューズの交換だけで動いていますし,もともとCH2用だったANALYZER BOARDをCH1のスロットに差し込んでやると,CH1の入力で動作してくれます。

 修理をするのに,正しく動作する現物があるとどれほど助かるかわかりません。回路図はありませんが,似たような回路であると思われるVP-7720Aの回路図はあります。

 まずは,焦げた部品の特定です。

 +15Vと-15Vラインに入っている10オームは,跡形もなく吹き飛んでいます。入力保護と思われる22オームも吹き飛んでいますし,入力とGNDの間に入っている保護ダイオードも真っ白です。

 なにを血迷ったか,この基板をもう一度差し込んで電源を入れてみました。案の定ヒューズは飛び,表示も消えてしまいました。

 白くなったダイオードをテスターで当たってみると,完全にショートしています。+15Vと-15VとGNDがつながっているのですから,そりゃーヒューズも飛ぶってなもんです。

 貴重なヒューズを再度交換し,原状復帰をしたところで,本格的に修理再開です。

 どうやら,入力に過大入力を入れたか,例えば,大出力のパワーアンプを入れたとか,ダミーロードが外れたとか,そういう話ですね。

 まず過大入力でダイオードが破損,ショートして電源がショート,直列に入っている10Ωが燃えたというわけです。入力の22Ωが焼き切れるより先に,ダイオードがショートしたわけです。まあ,概ねこんなところでしょう。

 目で見て明らかに壊れている部品は交換するとして,見た目になにも変わらないけど壊れている部品をどうやって見つけ出すかです。

 回路図を元に特定するのも良いですが,気持ち悪いので,抵抗は基本的に全部交換します。ただし,高精度のものは特殊なので,値を測定してそのまま使います。

 抵抗を交換し,付近にあったトランジスタ(出力用)を一度外してhFEを計ります。一応動作しているようなので元に戻して,ダイオードを1N4148に交換します。

 これで基板を差し込み,電源を入れます。

 今度はヒューズは飛びません。しかし,値は全然でたらめです。基板の部品をあちこち触ると値がコロコロ変わります。もっとも値が変わる部分を調べて,そこを重点的に調べていきます。

 もしかするとツェナーダイオードかも知れません。結構よく壊れるんですよ。

 外して調べてみると,これは正常です。

 ここでまた数日膠着状態に陥りました。

 仕方がないので,トランジスタも交換することを考えてみます。しかし,特殊なトランジスタもあるので,すべてを交換することは出来ません。高周波用の2SC1215と初段差動増幅用デュアルFETのuPA70Mです。

 高周波用の2SC1215は2SC1906で代用できるとして,uPA70Mは他に変わるものはありません。デュアルであるかどうかもそうですが,それ以外のスペック,VGSやgmもなかなかぴったりのものがありません。

 他の2SC828や2SA564は,hFEさえあっていれば2SC1815と2SA1015で置き換え可能ですから,ちゃんとペアを取っていきましょう。ダイオードは1N4148に交換です。

 一気にトランジスタを外して,hFEを確認します。ほぼ200前後で揃っています。2SC1215も問題ないようです。しかし,2SA564の1つだけ,100程度しかないものがありました。不良とは言いにくいのですが,気持ち悪いのでこれだけ200程度の2SA1015に交換します。また,ペアが組めないので,単独で使われている部分にあてがいます。

 トランジスタとダイオードをはずした基板を改めて見てみると,焦げたパターンが良く見えます。一応確認しておくかと,導通を見ていたら,見た目には正常なパターン切れを見つけました。燃えた抵抗の近くの電源のパターンです。

 これが切れていたため,電源が供給されず,まともに動かなかったようです。

 他に似たような箇所がないかを総点検し,トランジスタを取り付けます。そして切れたパターンをつないで,満を持して本体に差し込みます。

 電源を入れます。

 おおお,左右で同じような値を示しています。レベルも歪みも,ほぼ同じ値です。とりあえず修理出来たようです。なにがよかったって,2SC1215とuPA70Mが死んでいなかったことです。

 uPA70Mのオフセットだけはなんとか調整し,左右の基板のワイアリングをうまく調整して,左右の値が近づくように調整します。入力端子から遠いCH2だけは,ちょっとだけ歪率が悪く出る傾向があるようです。

 レベルが小さい時,周波数が高いときの歪率は,修理した方が悪い値を出します。ダイオードの問題か,ノイズの問題でしょう。

 オリジナルのダイオードは1SS101らしく,これがなかなか絶妙な小信号用ショットキーなんですね。手持ちのショットキーを探してみたら,電源用だったりするので容量(キャパシタンス)が大きかったり,速度が遅かったりと今ひとつです。結局一番近いスペックだったのが,接合型の1N4148だったのですが,高周波特性に違いがあったり,小信号時のリニアリティに差があったりするのかも知れません。

 まあ,それは頭に入れて使えば良いだけのことです。1kHzで2Vrmsくらいなら,左右の差はほとんどありません。

 ということで,VP-7722Aは一応実用レベルに復活しました。

 自作の歪率計は調整が狂っていて,確からしい値が出てきていないのですが,自作の発振器の歪率をVP-7722Aで調べてみると,完成時の値にほぼ一致した値が出てきます。0.0006%程度です。VP-7722Aの発振器が0.0004%くらいですので,自作の発振器は大健闘,VP-7722Aの発振器はまずます優秀ということになります。

 実は,0.0002%くらいまで追い込もうかと思ったのですが,発振器が悪いのか,歪率計が悪いのかわかりませんし,あちこちいじって壊すのも嫌だったので,このくらいで妥協しました。

 ここまでくると愛着がわいてくるものです。

 ケースを分解し,水洗いです。スイッチ類も丁寧に拭き掃除をし,可能な限りホコリを掃除機で吸い取ります。

 冷却ファンは密封されたデジタル部に1つ,全体の廃熱に1つ付いていますが,先の部品屋で280円で出ていたファンがデジタル部に使えそうだったので交換しました。全体の廃熱ファンは同じ物が手持ちになかったのですが,一回り大きなものが新品であったので,これを無理矢理取り付けました。ファンが壊れると,全体がダメージを受けますので,新品交換はぜひやっておきたいです。

 再度組み立てて,ワイアリングを綺麗に行い,チェックしてからケースを閉じます。完成です。

 
 それにしても,なかなかVP-7722Aは便利です。ぱっと入力信号に同調してすぐにひずみ率が出てきますし,左右のレベル差をdBで表示すればセパレーションが一発です。S/Nも自動化されていて,発振器の動作を制御して無音時と信号入力時の比率を一撃で表示してくれます。

 まだ試していませんが,当然フローティング入力にも対応しているので,BTLのアンプでも2CH同時測定可能です。また,レベルの相対値表示も出来るのですが,これも上手に使えば便利に使えそうです。

 VP-7722Aが結局3万円だったと考えれば,まあ相場程度かなと思う訳ですが,壊れたものを買わされて,あげく自分で修理する羽目になるとは,とんだ失敗です。修理をしている間,部屋は散らかり放題,大きな筐体にたくさんの部品と基板で足の踏み場もなく,しかもどれも真っ黒に汚れていて,スリッパの裏側が黒くなります。

 検討部屋ではこれ以外に何も出来ず,早く片付けたいというプレッシャーもきついものがありました。

 今回は修理出来ましたが,いつもこうとは限りません。過大入力で初段のFETが壊れていたらもうアウトでしたし,DSPが死んでもアウト,ROMが死んでいてもアウトです。電源が壊れておかしな電圧が出たら,すべてのボードが全滅したでしょう。交換する部品は容易に入手出来ても,どこが壊れているか特定するのは困難だったでしょうし,なにが正しい状態かわからないと,ゴールも決められません。

 やはり,オークションにはそれ相応の目利きが必要だと,痛感した一件でした。

 
 え,これで測定器祭りが終わりと思ってる?

 まだまだ,続きますよ。

ゴミは甦るのか

  • 2013/09/03 14:40
  • カテゴリー:make:

 粗大ゴミを3万円で買った私は,嫁さんにその事を正直に話しました。「いくらしたの」「3万円」「それは痛いねえ」という彼女の目は,ざまあみろと笑っています。

 嫁さんがその後,堰を切ったように数万円の買い物に嬉々としていることを,私は見逃しませんでした。しかし,今の私にそれを咎める資格もなければ,そんな強い心も持っていません。

 自分の身に起こった残念な話はおもろいネタとして活用するのが関西人ですが,今回の失敗はネタに出来る喜びを,ほんの僅かな自尊心が上回り,私にしては珍しく黒歴史として封印されることになりそうでした。

 VP-7722Aは修理を試みる人間を返り討ちにするような複雑さです。回路図はおろか,マニュアルもない中で,手の出しようがないというのが最初の状況です。

 VP-7722Aは,マザーボードに多ピンのコネクタが並んでおり,ここに様々な機能を持つカードを差し込んで行くような仕組みです。VP-7723Aのように,1枚の基板にいろいろな回路を入れ込んだ構造ではありません。

 しかし,カードの枚数が多いのです。アナログ部が6枚,デジタル部が6枚で構成されていて,それぞれの基板には部品がぎっしりです。コネクタの接触不良もあるかと思い,とりあえず一度外して,差し直しをします。

 ・・・全然駄目でした。

 もう少し考えて見ましょう。

 表示が出ないわけですね。発振器は動いていますし,操作も出来ますね。ということは,メインのCPUは動いています。しかし,歪率に関係のないレベル計に切り替えても表示が出ません。

 まず疑うのは,デジタル部です。しかし基板に書かれた「名称」くらいしかヒントがなく,仮にこのうちどれかが壊れていても,それを私が見つけて修理するのは,回路図もないのに難しいでしょう。

 とりあえず,バックアップ用のNi-Cd電池をCR2032に交換です。

 当たり前ですが,全然変化し。

 付着したホコリが湿って導電性を持ち,ショートしている可能性もあるなと思って,とにかく掃除機とブラシで徹底的にホコリを取りました。

 それでも全然変化無し。

 これで数日経過しました。まさに膠着状態です。

 一方で,とにかく回路図を手に入れねばと探し回りますが見つかりません。仕方がないので,手持ちのVP-7720Aの回路図を見ます。全然違う機種ですが,回路構成や部品などは共通の所もあるでしょう。何もないより,少しは訳に立つはずです。

 そうこうしているうちに,ふとヒューズに目が行きました。ガラス管のミゼットヒューズですが,ホコリまみれで中が良く見えません。

 テスターで念のため当たってみると,いくつかあるヒューズのうち,2本が切れていることがわかりました。おお,ヒューズが切れているということは,どっかで電源がショートしているという事ですね。一歩前進です。

 もう一度基板を見直します。

 アナログ系の基板は,シールドの為に鉄の板が被さっていますが,面倒くさがらずこれを外して見てみます。

 そうすると,ANALYZER BOARDと書かれた基板が,なにやら丸焦げです・・・

 すごいです。抵抗は煤になっていますし,ダイオードはカラーバンドが真っ白になってガラス管が曇っています。基板も黒く焦げていて,燃えた部分は凹んでいます。これは強烈です。

 よく見るとシールド板にも焦げがありますし,ケースの裏側にも焦げた跡があります。この規模から考えると,周辺の部品も道連れにしているかも知れません。

 VP-7722Aは2CH同時測定可能な高級機ですから,ANALYZER BOARDは2系統存在します。燃えているのはどうもCH1入力のもののようで,CH2の入力を受けるもう1枚のANALYZER BOARDは,ぱっと見ると無傷です。

 そこで,焦げたボードを抜き取り,ヒューズを交換して見ました。

 電源をドキドキしながら入れると,おおおー,表示が出ました。

 発振器の出力をCH2に入れると,周波数とレベルが表示されています。歪み測定のスイッチを押せば,なにやらそれらしい数字も出ています。0.00043%くらいですね。もしこれが本当なら,なかなか素晴らしいです。

 周波数を可変すれば,測定した周波数も変化します。歪率はほぼ一定で,レベルも他の電圧計の指示とそんなに変わりません。

 この段階で,VP-7722Aは歪率計として機能している可能性が高まりました。2CH同時測定は出来なくても,歪率計としては使えるかも知れません。ああ,粗大ゴミではなくなったのです。

 しかし,出来る事なら修理を行って,VP-7722Aの本来の機能を復活させたいものです。2CH同時測定が出来ると,例えばセパレーションの測定も出来るし,左右同時に負荷をかけたときの歪率を見ることも出来ます。

 ということで,焦げた基板(というかもはや燃えた基板という方が正しい)の修理を試みるのですが,これがまた茨の道でした。次回に続きます。

3万円で粗大ゴミ

  • 2013/09/02 09:23
  • カテゴリー:make:

 デジタルオシロが新品でも3万円で買えてしまう昨今,アナログオシロの人気はすっかり衰えてしまいました。

 アナログにはアナログの良さがあるし,趣味で使うには十分なことも分かっていますが,小さく軽く,電気も食わず,しかも多機能で安いとくれば,アナログをわざわざ選ぶ理由は少ないです。

 むしろ,アナログのメリットが見えてくるような使い方は,趣味の範囲やアマチュアの道具としては,ないのかも知れません。

 しかも,オシロスコープのメーカーは,アナログオシロをもう作っていません。新品で手に入れる事が現実的に難しい中では,中古で出てくるものも,ましてオークションなどで出てくるものも,デジタルオシロになってしまうことは避けられないでしょう。

 ですから,アナログオシロの値段の下がり方は大きくて,100MHzクラスであれば数千円です。新品が買えないものですから,手に入るものは必ず中古ですが,時間が経過すれば調整がどんどんずれるものもまたアナログの特徴です。だから,価格は年々確実に下がります。

 もう,アナログオシロというのは,ビンテージカーなんかと同じで,かつてそれを使っていた人が当時を懐かしむ,趣味性の強い機械になっているといって差し支えないでしょう。

 加えて,テクトロニクスの24xxシリーズにはもっと別の理由で,価値が暴落しています。24xxシリーズは1980年代にアナログオシロの完成形として登場したわけですが,性能や使い勝手は申し分ない代わりに,カスタムICやハイブリッドICが多用されているために,修理が難しいという事情があります。

 特にハイブリッドICの故障は深刻で,メーカーの部品在庫がなくなってからは修理不能となってしまい,多くの24xxシリーズが廃棄されたんじゃないかと思います。今壊れていなくても,そのうち壊れる,壊れてしまえばもはや修理の方法はない,という状況から,10年ほど前からは中古価格も暴落しています。

 それでも,私にとって2465Aは「嫁入り道具」です。これはとにかく大事にしたいです。

 ハイブリッドICのような部品は,もう正常に動作するものから外して移植するしかありません。だから,精度や信頼性はともかくとして,とにかく動くようにするにはなりふり構っていられません。

 いずれ,ジャンクの24xxを1台部品取りに確保しないといかんなと思っていたのですが,最近,オークションでもアナログオシロの出品が減ってきているという話を耳にしました。値段も付かず,程度の良いものが減ってきている状況ではやむを得ない話で,いずれ入手困難になる可能性も考えねばなりません。

 今のうちにドナーを手に入れて置こうと,オークションを探してみると,うまい具合に2445が出ていました。難ありという事と,帯域150MHzでジャンクとあれば,いかに2445といえ,値段は上がらないはずです。果たして,私は6500円で入手しました。

 6500円かあ・・・私が高校生の時に始めた買った松下のオシロは,5MHzで8000円だっただったんですよね。150MHzで4CHなら,アマチュアの工作にはもう十分すぎるんだけどなあ。

 まあ,とにかくこのドナーで2465Aが復活したことは前回書きましたし,プリアンプを除くハイブリッドICも入手出来たので,当分2465Aを修理することが出来るでしょう。


 前置きが長くなりましたが,ようやく本題です。

 オークションというのはまさに歓楽街ですね。楽しさと危険が同居しています。一度踏み入れると次から次へと面白いものが眼に入ってきます。怖いところです。

 2445を見つけた時に,オーディオアナライザのジャンクを見つけてしまいました。

 VP-7722Aという松下の機種です。見た目に随分巨大な装置で,まるで1970年代のミニコンピュータみたいです。調べてみれば松下のオーディオアナライザのフラッグシップモデルだそうです。

 オーディオアナライザは,オーディオの自作をする人間にとっては,1つの目標点と言える憧れの測定器です。レベルやS/Nなどは電圧計と発振器で測定出来なくはないんですが,歪みだけはどうにもなりません。

 一度,HPのオーディオアナライザを中古で買おうと思ったのですが,安く出ていた(それでも12万円ほどしていた)を買い逃したのが15年ほど前,以後「これに手を出したら最後」と踏みとどまって,一昨年は歪率計の自作で決着を着けたはずでした。

 歪率計の自作は良い勉強になりましたし,歪率計の調整に歪率計が必要になるという話もなく,それなりの精度が出ているように思われたので満足していたのですが,やはりちゃんとしたものが手に入れば,それが一番いいです。なにより,自作の歪率計はBTLなど,出力がGNDから浮いているアンプの測定が出来ないのです。

 そのオーディオアナライザが安く出ています。しかも高級機であるVP-7722Aです。写真で見る限りかなり程度は悪く,しかも安全の証である,自分の歪率を測定した写真がありません。これは,壊れている可能性が高いです。

 VP-7722Aは2CH同時測定が可能で,発振器は0.0001%の超低歪み,通常の歪率だけではなく,DSPを内蔵して2,3,4,5次の高調波を抽出したり,S/Nの自動測定や,左右の相対レベルを計算して表示したりと,まさにオーディオの測定を簡単確実高精度で行うことが出来る,魔法の機械です。

 1980年代中頃というCDやDATなどのデジタルオーディオ機器の登場に対応すべく,0.0001%の歪みまで直読出来る性能は,現在でも見劣りしません。当時130万円という高価な測定器は,伊達じゃありません。

 欲しい。

 でも,壊れていると厄介だ。

 でも,これが次にまた出てくるとは限らない。

 ・・・気が付いたら,3万円以上という高価格で,手に入れていました。

 届いたVP-7722Aは,私のワクワクした期待を完全に打ち砕き,地獄の底にたたき落としました。恐れていた,粗大ゴミだったのです。

 あまりに汚く,触るのも憚られるほどです。電源を恐る恐る入れると,ファンは回りますが,表示は消えたまま。

 こりゃやられたなあと思いつつ,発振器の出力をオシロスコープに繋いでみれば,一応正弦波は出ています。周波数も振幅もそれなりの精度です。自作の歪率計で歪みを計ると,自作の発振器よりは低いこともわかりました。

 完全に壊れているなら,速攻で粗大ゴミにするところですが,超低歪み発振器が生きているなら,ちょっと捨てるのも惜しいですね。なんとか修理出来れば御の字です。

 そう思って,ケースを開いて見ました。

 真っ黒なホコリが渦を巻いています。どこを触っても指が汚れます。大きな筐体に部品がぎっしり詰まっていて,もう何がなにやら,と言う感じです。修理しようという気が失せるほど,複雑な構造です。

 とにかく,もうこれはゴミだ,捨てることが決まったものだ,だから,気が済むまでいじくって,あとは捨ててしまえばいいと,そんな気分で分解を始めました。あー,ホコリが鼻に入ってくしゃみが出ますよ。ハクション。

 次は修理編です。

壊してしまった2465A

  • 2013/08/30 08:52
  • カテゴリー:make:

 さて,2465Aの調整がおわって数日後,CH2にプローブを繋いでもリードアウトが10倍にならない問題に気が付きました。CH1やCH3,CH4はちゃんと10倍になりますから,CH2だけ壊れてしまっています。

 リードアウトが10倍?あまり意識されない話ですので,ちょっと詳しく書きます。

 オシロスコープの入力インピーダンスは1MΩであることが一般的です。しかし,1MΩというのは案外小さい値で,測定している回路に影響を与えるのに十分です。そこで,繋いだプローブでインピーダンスを10MΩにすることにします。

 オシロスコープそのものを10MΩにすればいいんじゃないの,と思うでしょうが,オシロスコープの回路構成上の制約加えて,入力インピーダンスが高い場合,ケーブルに飛び込んでくるノイズの影響が大きくなってしまうこともあって,長いケーブルの先にあるプローブで10MΩにすると好都合なのです。

 しかし,いいことばかりではなく,電圧は1/10になってしまいます。そうしたデメリットがあっても,この1:10プローブは長年標準的に使われていて,多くのオシロスコープで付属品となっています。

 管面の表示は実際の1/10の電圧になりますから,そのまま読むことは出来ません。リードアウトやカーソルがないオシロスコープなら,垂直軸の値を10倍して読むだけの話ですが,2465Aのようにせっかくリードアウトやカーソルで値が直接読めるのに,わざわざそれを10倍するというのは面倒です。

 そこで,繋いだプローブが1:10のものかどうかをオシロスコープが検出し,表示される値を自動的に10倍する機能が高級機には付くようになりました。

 リードアウト対応と書かれたプローブのBNCコネクタの縁には,バネの付いているピンが1つ出ています。一方のオシロスコープのBNCコネクタ側にも工夫があって,コネクタの付け根の部分が,GNDの外側にもう1つ,GNDから絶縁された金属部分がぐるっと一周しています。

 プローブを繋ぐと,プローブ側のピンがこの金属部分に接触し,1:10プローブがつながったことを伝えます。

 もう少し具体的に書くと,このピンとGNDの間は約10kΩの抵抗でつながっています。オシロスコープはこの2つの間が10kΩになっているかどうかを見て判断しています。ちなみにGNDにつながると,ID表示といって,そのプローブの信号が水平方向に1divだけむくっと上がります。

 プローブにスイッチをつけておけば,プローブと表示の対応を確認出来るわけですね。多チャネル入力可能なオシロスコープでは便利な機能です。

 話を戻すと,私の2465AはCH2だけこの機能が働かないようになっていました。きっとメイン基板を取り外してコンデンサの交換を行ったときに,コネクタをつけ忘れたか部品を壊したかしたのでしょう。

 とりあえず回路図とマウント図を見ます。

 プローブの検出を行う端子から,CPUがのったコントロール基板に配線が伸びていますが,面白い事にCH1とCH3,CH4は直結されているのに,CH2だけコイルが入っているのです。L200という番号のコイルがそれで,2.45uHという値が書かれています。部品の故障があるとすれば,これがくさいです。

 あるいは,BNCコネクタの近くにある端子から基板へは,4ピンのコネクタを介してメイン基板につながっています。このケーブルを差し込み忘れているのかも知れません。

 2465Aのケースをあけて,メイン基板を覗き込んでみます。まず最初に確認したのはコネクタの挿し忘れですが,これは問題なしです。ちゃんと刺さっています。

 ということは,部品の故障による,断線かショートです。

 L200の周辺は,CH3のコネクタと基板との配線などでややこしくなっています。ショートがないかどうかを確認しますが,それは大丈夫でした。そこでL200の両端をテスターで当たってみると,案の定断線しています。これが原因のようです。

 しかしなんで断線するのかなと思ってよく見ると,L200の近くには,基板固定用のナットがありました。そういえば,基板を外したり固定したりするのに,小型のペンチでこのナットを挟んで回したんですよね。その時,ペンチの角をなにか近くの部品にぶつけて,傷つけてしまったことを思い出しました。

 その部品が運悪く,このコイルだったようです。

 L200というコイルは,ベークライトの棒の表面に細いウレタン線を巻き付けて,表面をワニスのようなもので固めてあるだけの簡単な構造です。表面にかたいものが当たれば,簡単にウレタン線が切れてしまいます。

 こういう時は,ドナーとして存在する2445から同じ部品を外して交換です。

 早速2445を分解してL200を探します・・・が,見当たりません。

 どうも,2445には,コイルが入っていないようです。CH1からCH4まで,全部直結されています。2445の方が世代が古いですし,2465Aになったときに追加された対策部品なのかもしれないです。

 交換部品が手に入らない以上,別の手を考えるしかありません。2445では直結ですし,所詮コイルですので,もう面倒だから直結するという手はあります。どうしようもなければ,この手で行きましょう。

 しかし,わざわざCH2だけ追加された部品ですから,必要なものなのでしょう。測定系に入っているものではないので精度には関係なさそうですが,出来ればL200は温存したいです。

 ならば,コイルそのものを修理することにします。

 コイルという部品は私は今ひとつ馴染みがないのですが,部品として見た時には極めて単純で,コンデンサや抵抗,半導体と違って,ほとんど唯一そのものを修理出来る部品ではないかと思います。なにせ電線を巻いてあるだけの部品ですし,壊れる理由はほとんど断線ですし。

 ということで,基板からL200を取り外します。ああ,なるほど,ペンチがぶち当たって,巻線を傷つけていますね。ウレタン線をよく見ると切れているようで,ピンセットで引っ張ると,そこからクルクルとほどけてしまいます。

 切れた部分をほどいてしまい,切れていない部分を片側のリード線にハンダ付けします。テスターであたると,めでたく導通しています。念のためLCRメーターで確認すると,約2.0uHと出ます。ちょっと減ってしまいましたが,まあいいでしょう。

 この部品を元のメイン基板に戻して,組み立てます。電源をいれて動作を見たのですが,やっぱり10倍の値になりません。あれあれ,おかしいなあと思って再度確認すると,コネクタが逆に刺さっています。

 いやー,素人丸出しですね。すぐに戻して確認すると,今度はちゃんと10倍の値になりました。

 今度こそ大丈夫でしょう。

 プローブのことでいろいろ考えたのですが,前回の電源スイッチの修理の時に購入した秋月の500MHzのプローブは,2本セットで買ったのに残念ながら1本は断線しています。

 350MHzのオシロスコープですし,実際には250MHz,あるいは200MHzのプローブでも十分だと思うのですが,それらの安価なプローブというのは,リードアウト対応ではありません。せっかく表示を10倍する機能があるのに,これが使えないのはかなり不満です。

 デジタルオシロの時代になりましたが,安価なものはプローブの検出機能はないようですし,高級機種はもっと複雑なことが出来るように,多ピンになっています。

 考えてみると,繋いだプローブに合わせて自動的に10倍することまでは必要なくて,手動で10倍にするか1倍にするかを設定出来ればそれで十分です。安価な機種では,そうそうプローブを交換したりしませんし,付属の10:1プローブを繋ぎっぱなしにするのですから,それで全然構いません。

 一方の高級機種は,ほとんど専用のプローブといってもいいです。広帯域はもちろんですが,アクティブプローブ用の電源供給に始まり,私がかつて使った高級機では,プローブごとにフルカラーLEDが埋め込まれていて,画面の輝線の色に光っていました。

 一見して便利そうですが,プローブなんてのは消耗品ですから,1本10万円もされると破産します。アマチュアにとっては,初期投資も大事ですが,維持費がかかることはもっと大変ですので,安価なプローブが普通に使えることが結構ありがたいだけに,手動で設定を切り替える方式で落ち着いているのは,理にかなっています。

 ということで,手持ちのリードアウト対応プローブのうち,壊れていない500MHzのものと,15年ほど前に1万円で買った250MHzのものを常用し,ここぞと言うときには純正のP6137を使う事にしました。

 CH3とCH4は使用頻度も低く,垂直軸も2レンジしかありませんので,安い200MHzのプローブをリードアウト対応に改造して使う事にします。BNCコネクタのGND側を少し削って,ハンダをもります。

 ここにチップ抵抗の片側をハンダ付けし,もう片側には銅のバネをハンダ付けします。長さをうまく調整して完成ですが,これが案外うまくいきます。おかげで全部のチャネルがリードアウト対応になりました。

 私が主力として使っているHPの54645Dも,このタイプのプローブなんですね。54645Dの帯域は僅か100MHzです。ここに500MHzクラスのプローブは,いくらリードアウト対応の必要があるとはいえ,もったいないです。

 幸いなことに,54645Dには減衰率を手動でセットできるようなので,リードアウト対応でなくてもなんとかなりそうです。よかった。

 さて,夏の測定器祭り,まだまだ続きます。
 

せっかくだから2465Aを調整してみよう

  • 2013/08/29 08:49
  • カテゴリー:make:

 さて,長年患っていた画面のブレが,高圧ブロックの故障という原因で引き起こされていたことがわかり,ドナーとなった2445から移植された高圧ブロックで完治したわが2465A。無残に横たわる2445にカズオ・イシグロの世界を重ね合わせながら,なんとしても2465Aを復活させるべく,調整を行う事にします。

 24xxシリーズの調整は,ある程度自動化されていて,信号源を用意していれば,自動で調整を行ってくれる機能がありますが,そこはアナログオシロですから,全部というわけにはいきません。半固定抵抗を使って調整しないと行けない部分もあります。

 2465Aは,DIAGモードに入っても,キャリブレーションを行う為のCALメニューが出てきません。これは基板上のショートピンがUNCALになっているからで,これをCALに差し替えます。

 これでCAL01からCAL08までのメニューが出るようになりました。

 高圧ブロックを交換したので,まずはCRTの調整です。CAL08がそれにあたります。

 ΔtとΔVボタンを同時に押し,SLOPEボタンを押すと,DIAGモードに入ります。ここでTRIGGER MODEボタンを上下に押して,CAL08を選び,COUPLINGボタンの上を押します。

 まず,Z-AXIS DRIVEという半固定抵抗を右回りにいっぱい回せと画面に出てきます。メイン基板の左奥にある半固定抵抗ですが,ここは躊躇なく右にいっぱい回しきっておきましょう。

 COUPLINGボタンで次に進みます。
 
 そうすると,画面の真ん中にぽつっと1つドットが出ており,その下に横一列にドットが並んだ線が見えます。この両者のドットの明るさが同じようになるよう,GRID BIASを調整します。

 次に進みます。次はTRACE ROTATIONとY-AXISです。まずTRACE ROTATIONで水平を出します。次にY-AXISで垂直を出します。これだけです。続いてASTIGとFOCUSを回してシャープになるように調整します。

 続いてGEOMETRYです。Δtのカーソルがまっすぐになるように調整します。

 次に50kHzの正弦波を入れて,画面いっぱいに表示させます。これがシャープになるよう,EDGE FOCUSを調整します。

 続けてHIGH BIASです。これは長時間行うとCRTが焼けますので,手早く片付けます。10MHzで6divの正弦波を表示させ,全体にシャープになうようにHIGH BIASを調整します。正弦波を入力しないとやっぱりCRTが焼けますので,禁止です。

 最後はダイナミックセンタリングの調整です。2465Aには,画面が左右に動いてしまうことがないよう,自動的に上下左右を固定する回路がありますが,ここの調整です。

 まずは水平です。明るさを明るくしたり暗くしたりを繰り返すと,表示位置が動くのですが,これが動かないように,Horizontal Dynamic Centeringを調整します。続けて垂直ですが,画面に出ている明るさの違う線が一直線に並ぶように,Vertical Dynamic Centeringを調整します。

 これでCRTは調整完了です。

 さて,次は難関の水平軸の調整です。ここから先,信号源がないと調整が出来ません。そんなに高精度なものを要求しないとはいえ,CR発振器を信号源にするのはさすがに無理ですので,私の場合最近安く買えるようになってきた,DDS方式のファンクションジェネレータを買うことにしました。詳しいことは後日書きますが,安い測定器で有名なOWON製のAG1022というものです。

 水平軸の調整はCAL01で行います。メニューに入る前に,入力容量を調整しなくてはいけないのですが,ここはアッテネータのカバーに覆われていますし,正確に調整するのが大変ですから,変化していないという前提で省略。

 次に,リードアウトのジッタの調整です。リードアウトがぶるぶると振動して表示されるなら,それはVertical Readout Jitterで調整出来ます。最小になるように半固定抵抗を回して終了です。

 そしていよいよCAL01です。CAL01の調整作業はとても大変なので,覚悟を決めてメニューに入ります。

 DMMを正面のCAL端子に繋ぎます。そしてCH1に繋いだプローブの先端をメインボード後方のR489の手前の足にあてます。そしてΔを回し,2つのカーソルが重なるようにします。そしてCOUPLINGボタンを押して,この時のDMMが0Vになっていることを確認します。まあ1mVくらいは出ていてもよいです。

 プローブを外し,次に進みます。次はいよいよ信号を入れます。0.1msのパルスを入れます。波高値は適当でいいですが,見やすくなるように調整出来るようにしておいて下さい。

 画面にはいくつかパルス波形が出ていると思います。左から6番目のパルスに,波形が重なるよう,ΔREFとΔの2つのツマミを回して調整し,COUPLINGを押します。この時DMMに400mVの電圧が出ていれば正解です。

 次に進むと,もう少しパルスの数が増えています。ΔREFを回して,2番目のパルスを0.2divに持ってきます。そしてΔを回して10番目のパルスを表示させ,2番目のパルスと重ねます。重なったらCOUPLINGです。

 この作業をサービスマニュアルに従って,step4まで繰り返します。

 step5では,10usのパルスを入れて,X1 GAINとHrzCtrの2つの半固定抵抗を回し,2つのカーソルが2つ目と10個目のパルスに来るよう,調整します。終わったらX10 GAINを回して,1つ目のパルスに来るようにします。これで時間軸はほぼ合ったはずです。

 step6からstep16までは,サービスマニュアルに従ってstep4までのように,粛々と調整をします。ただし,私が買ったファンクションジェネレータは25MHzまでしか発振できないので,後半は調整出来ずに,そのまま先に進めました。

 書き忘れましたが,かなりの確率で調整がずれていることは少ないようです。すでに決まった場所で波形がきちんと重なっていることが多いので,むやみやたらにいじくって調整を狂わせないことも大事です。

 step17から29はX10での調整です。ここは私の場合,調整がずれているかどうかをさっと見ただけですが,幸いないことに調整が必要な場所はありませんでした。終わったらCOUPLINGを押して終了です。

 そうそう,ここで行っているキャリブレーションの結果は,それぞれのメニューの最後まで進んで,COUPLINGボタンを押して終了することで書き込まれます。途中で抜けて場合には値は全く更新されないので,最初からやり直す必要があります。

 ふう,時間のかかる水平軸の調整が終わりました。何らかの波形を入れて時間を測定してみて下さい。結構きちんと調整出来ていることが分かると思います。


 さて,次は垂直軸です。CAL02です。これはとても簡単で,かなり自動化されています。楽しいですよ。

 30分以上のウォームアップを行ってCAL02のメニューに入ります。そうするとDCバランスを自動で取るシーケンスに入りますので,終わるまで待ちます。

 終わったら1kHzの正弦波を500mVppでCH1に入力します。出力インピーダンスは50オームではなく,Hi-Zにしておいて下さい。

 まず,CH2のポジションツマミで,1divの位置に輝線が来るようにします。そしてCH1のVARつまみで,画面の左右両端に一致するよう,輝線の長さを調整します。

 終わったらCOUPLINGを押します。あとは画面の指示に従って,振幅を調整して先に進んで下さい。step130まで進むと,次はGAINとCenteringの調整です。

 50mVを入れて,Vertical GAINの半固定抵抗を回します。ちょうど5divになるように調整したら,今度はVertical Ctrを回して,ちょうど真ん中に来るように調整します。管面上の0%と100%の線に重なるようにすればよいです。終わったらCOUPLINGを押します。すると,またしばらく自動調整が行われて,このまま終了します。

 これで垂直軸は完了です。私の場合,ちょっとズレがあるのですが,概ね良好な結果になりました。実用上はこれでなんら問題はないと思います。

 最後にトリガです。これはもっと簡単です。

 トリガはCAL03です。step215までは勝手に進みますので,このうちに1kHzの正弦波を500mVで用意しておきます。

 CH1に入れてCOUPLINGを押します。あとは画面の指示に従って,CH2,CH3と順番にケーブルを差し替えて進めていきます。何度か繰り返すと終了です。これでトリガも調整出来ました。

 ところで,LIMITと表示されて調整に失敗することがあります。これは入力信号が正しくないため調整範囲を超えたことを示しています。入力信号が正しいかどうかを確認してやり直して下さい。私の場合,ファンクションジェネレータの出力インピーダンスが50オームにわざわざしてあったのですが,そのせいで振幅が小さくなって,調整出来ないということが起きていました。基本的にはHi-Zにするのが正しいようです。

 最後に,リードアウトの表示の調整です。CAL07を選ぶと,画面の上に8が,画面の下にBWLがずらっと横一列に並びます。これが見やすい大きさと位置に来るよう,GAINとCenteringの半固定抵抗を回します。

 さて,ここまででとりあえず2465Aは普段の使い方では問題がないような状態になたと思います。本当ならVertical Transient Responseを確認しないと,オシロスコープとしての精度を保証出来ないのですが,そのためには高速で正確なパルス波形が必要で,これはさすがにちょっとやそっとで手に入りません。

 調整も半固定抵抗ではなく,トリマコンデンサだったりしますので,もう触らないようにしておいた方がよいでしょう。実は私は迂闊にも,触ってしまいました。これでもう,350MHzのオシロスコープとしての価値はゼロになってしまいました。

 ということで,オシロスコープの命である,水平(時間),垂直(電圧),トリガの3つを合わせました。これがずれてしまうと全く使い物にならないですから,ファンクションジェネレータくらいである程度の調整が出来るようになったことが驚きです。

 調整の結果,SSGの10MHzもばちっと10MHzで読み取れますし,カーソルも正確です。振幅はやや誤差がありますが,そもそもアナログオシロですから,そんなに正確なものでもないでしょう。

 CAL端子の波形を見てみましたが,非常に正確で綺麗な波形が観測出来ています。画面の揺れもなく,実に快適に使えます。いやー,気分がいいですね。

 しばらく触っていると,このオシロスコープを買った時のことを思い出しました。明るく綺麗な波形が大きな画面に出てくることも,ビデオ信号や高速クロックがどんどん拡大して見えることも,トリガがばちっとかかることも,カーソルを使って波形に定規でもあてて計るように値を読み取ることも,何もかも感動的な体験でした。

 それまで使っていた,松下製の5MHzの単現象オシロスコープに比べると,もう雲泥の差で,見えないものが見える感動,これまで見過ごしていた現象をつかまえる感動を,その時も味わった覚えがあります。懐かしいですね。

 さて,2465Aの修理と調整だけで「祭り」なんていうのは,片腹痛いです。これから何回かに分けて,怒濤の測定環境の変化を,書いていこうと思いますが,次回は2465Aに後日発覚したトラブルの話です。

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