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Rollei35LEDの修理2

 Rollei35LEDの修理の続きです。ややこしい話は後回しにし,先にスムーズに進んだことを書きます。

 まず露出計です。これまでに動く事はわかっていたのですが,正しい数値になるかどうかはわかりませんでした。とりあえず本体に組み込み,トップカバーを被せて露出計を胴させてみましたが,どうも2段ほどオーバーです。余計に2段ほど絞らないと適正値になりません。

 基板を見ると,3つほど半固定抵抗がくっついているのですが,このうち取り付け状態でアクセス出来るのは基板の表面にある2つです。

 あいにくサービスマニュアルがないので正確なところはわからないのですが,基板の端っこにあるものが低輝度,中央にあるのが高輝度として調整を行うと,最終的に0.5段ほどのズレで調整ができました。

 測定の範囲もあやふやな露出計ですし,ネガフィルム前提で0.5段くらいならもう十分でしょう。後述する理由でモチベーションが下がっている現状では,このくらいでお腹いっぱいです。

 で,露出計の調整はトップカバーを付けたり外したりする必要がありましたし,ONにするにはシャッターボタンを押さないといけません。トップカバーを外せば電池もバラバラと飛び出てきますし,配線も切ってしまいますから,調整が大変です。

 そこで,私の場合は,基板から配線を引っ張り出し,安定化電源で電源を供給することにしました。スイッチはバイパスさせたので,露出計を常に動作させることができます。

 室内のEV9と,ライトボックスのEV15で調整を行いましたが,案外簡単に調整出来てしまったので,ちょっと拍子抜けです。

 次に無限遠出しです。これはいつものように一眼レフカメラにマニュアルレンズを取り付けて無限遠にしてオートコリメータをでっち上げ,Rollei35LEDにはフィルムの代わりに傷だらけのプラスチック板を張り付けて,無限遠を出して行きます。

 これも問題なし。うまくいったと思います。

 各部の注油を行って,楽しみながら組み立てていきます。張り皮も一度剥がし,綺麗にしてから張り直しです。

 ファインダーはよく見るとかなり汚れているので,壊さないように丁寧に拭き掃除を行います。多少のゴミは許します。

 とまあ,ここまでは驚くほど順調です。シャッタースピードも暫定で測定するとJISの範囲に入っていますから,調整の必要もありません。(調整箇所はあるのですが,触る必要なしです)

 しかし,3200円のジャンクがこんなにすんなりいくはずもなく,やっぱりどうにもならない問題が残りました。先日も書きましたが,レンズの傷です。

 よく見てもちょっとわからないのですが,キズというよりも前玉に生えたカビがひどく,すでにコーティングとガラスの間に入り込んでいたので,カビそのものを拭き取ってもキズがとれないという感じに見えました。

 改めて見ると,その範囲はほぼ前玉の全面に広がっており,かなり白っぽくなっています。いくら前玉のキズが写りに無関係とはいえ,これだけ広い範囲が白くなっていると,影響がないということはないと思います。

 そこで,このままにすることはしないで,ジタバタともがいてみることにします。最初に,あるホームページで「キズが消えた」と書いてあった,ケンコーのナノテクスーパーコートを試します。

 研磨剤を含まず,フッ素のコートを行う液体で,この手の商品は昔からあったのですが,この商品は扱いが簡単で,効果も大きいという事です。

 ですが,うちでは全く変化無し。まあ,期待してなかったですし。

 次に,オーディオテクニカから出ていた,CDリペアクリニカです。シリコーンオイルと超微粒子の研磨剤を持つもので,私が持つものとしては一番目が細かいです。

 試してみましたが,これも変化無し。

 最後に,腕時計の風防のキズを落とす,酸化セリウム入りの研磨剤です。・これで撮れないキズはないはず。早速やってみますが,やっぱりコーティングが剥がれています。

 コーティングを温存し傷だらけでいくのがいいか,コーティングを引き換えにキズが気負えるのがいいか,どっちも嫌なのですが,私は後者を選び,前述の研磨剤でゴシゴシ磨きます。

 案の定,コーティングは無残にも剥げてしまいました。素通しのガラス玉が見えています。はっと見ると綺麗なのですが,光を当てると,やはりモヤーとしたキズが前玉を覆っています。

 これ以上擦ると,レンズの曲率が変わってしまいます。もうここら辺で撤退です。

 コーティングという代償まで支払ったのに,結局キズが消えてくれないなんて,なんとも欲張りな神様なことです。・
 
 レンズのキズだけは素人にはどうすることも出来ない問題です。他がうまく修理出来ているだけに,悔しいです。

 かすかな期待を持ちつつ,テスト用のフィルムを通して見る日をうかがっているのですが,このレンズのクモリ方を見ていると,やっぱりダメだろうなと思います。


 さて,ここまでですべての修理が完了しました。改めてRellei35と比べて見ると,軽いこと以外に,どうもくにゃくにゃとした剛性感のなさがあります。気軽に使える実用機としては十分なのですが,その質感の悪さから,手に取って愛でるに適さないというのは,無理からぬことでしょう。

 シャッタースピードはも,1/500秒が遅めでばらつくこともわかってきました。1/500秒はガバナーが関係しませんので,シャッターの実力がそのまま出ます。それが1.5倍ほど遅くなるというのは,やっぱり自作のシャッタースプリングが悪かったのかも知れません。

 なんとか騙し騙しで,2.7msほどになってくれましたが,JISギリギリ(というかアウト)なので,このまま進めます。Rellei35LEDはレンズを外すとき,銅線まで引っこ抜かないといけないので,気軽に分解出来ません。

 ここまで出来たところで,あとはテスト撮影です。しかしレンズが悪いことがわかっているので,貴重なカラーフィルムを入れて現像する気にはなりません。発掘された古いTri-Xをオーバー気味で使う事にして,画質の評価をやってみようと思います。

 

Rollei35LEDの修理1

 さて,届いてすぐに現状を確認したRollei35LED。破損箇所は説明通り,全体の程度の悪さは許せるとして,レンズの前玉の傷だけはどうにもひっかかってしまいます。商品写真には写っておらず,説明文にも書かれていないので,まあ完全に騙されたと言うことなんでしょう。

 もともとジャンクですし,価格から文句の言えたものではないのですが,自分ではどうにも出来ない傷だけに,がっかりです。標準域の前玉のコーティングの擦りキズですから,写りにはあまり影響はないと思いますが,この傷の面積を考えるとコントラストの低下や点光源で絞り込んだ時なんかには,やっぱり画質の低下が避けられないでしょう。

 というわけで,現状を確認した結果,修理は以下の3つが必要です。

(1)シャッターの修理とレンズ磨き

(2)露出計の修理

(3)全体の清掃

 (1)と(2)はRollei35LEDによくある持病のようなもので,これがあるからRollei35LEDは不人気で安いです。露出計はちょっと気が重いです。

 手始めにシャッターとレンズをなんとかしましょう。

 本体の鏡筒からレンズを取り外していきますが,Rollei35と違うのは銅線が本体とくっついているので,これをうまく外さないといけないということです。

 ハンダ付けに慣れている私にはなんの問題もありませんが,レンズを外すと,折れたスプリングがカラーンと出てきました。やっぱり。

 そう,Rollei35ではあまり目にしないシャッターのスプリングの破断ですが,廉価版Rollei35ではしばしば発生する故障のようです。これは症状から入手前に予想していた問題なので驚きはしません。

 しかし,交換のスプリングなどありませんし,身近なもので代用するというのも難しいです。届くまでの2,3日の間考えましたが答えは出ず,折れたスプリングを目に前に置いて,腕を組みます。

 とりあえず,分解してシャッターと絞り羽根を洗浄しておこう。

 分解し,ベンジンで洗浄します。レンズも磨き,ホコリを飛ばして組み直しです。古いヘリコイドグリスも綺麗に拭き取り,新しいグリスを塗りたくります。

 途中ちょっと手こずりましたが,2時間ほどで分解と清掃が完了です。前玉の傷は消えませんが,幸い後玉には傷はありません。

 さて,折れたスプリングのことをもう一度考えます。

 ふと閃きました。そう,ギターの弦です。

 破断したスプリングの太さを測ると直径0.4mmです。新品のギターの弦のうち,第3弦がちょうどこのくらいです。測ってみるとドンピシャ。ちょうど0.4mmです。バネとして使えるだけの丈夫さもしなりもありますから,これは案外いい結果になりそうです。

 長さを調整してペンチで折り曲げ,元のスプリングに近いものが出来ました。

 これを組み立ての済んだレンズに取り付けます。うまくいきました。オリジナルに負けず劣らずの仕上がりです。もうスプリングの破断も怖くないです。

 レンズが仕上がったので,今度は本体のシャッター機構です。

 前板を外して,スローガバナーを取り外します。そのままベンジンにどぶ漬けし,清掃です。

 前板全体の清掃も行い,動きの渋いところには注油です。これでシャッタースピードダイアルはスムーズに動くようになりました。

 この段階で,とりあえず本体にくっつけてシャッタースピードを測ってみます。全速JISの範囲に入っているようなので,ひとまず安心です。

 これでレンズとシャッターについては片が付きました。次は露出計の修理です。

 Rollei35LEDの露出計は,その名の通りファインダーの中に表示される緑1つ,赤2つのLED表示です。ただしこの個体の露出計は動作せず,緑色のLEDが点灯したのを見たことはありません。

 Rollei35LEDの露出計のシステムは,ISO感度と絞りとシャッタースピードに連動した半固定抵抗がすべてシリーズに繋がっており,その合成抵抗によって作られた電圧とSPDの電流出力から作られた電圧とを比較し,LEDを点灯させる仕組みのようです。

 なにが壊れているのかを確認したいのですが,とりあえず10kΩの半固定抵抗を取り付けて,LEDの点灯に変化があるかをみます。

 残念ながら,まったく変化がありません。ならばとLM324の端子をオシロであたり,SPDに光を当てたり影にしたりしながら,変化のあるところを探していきます。すると,30mVほどの変化ですが,SPDの明暗で変化する電圧を見つけました。

 正常動作かどうかはわかりませんが,とりあえずSPDは死んでいないようです。期待が持てます。

 このまま作業を進めても効率が悪いので,露出計の基板を全部外して基板だけで修理が出来るようにします。慎重にばらして,取り外すことに成功しました。

 安定化電源で電源を入れ,抵抗が繋がる部分をピンセットで触ると,LEDの点灯にチラチラと変化があります。これは脈あり。ここにもう一度半固定抵抗を取り付けてみます。

 F5.6,1/30秒,ISO200の合成抵抗は実測で約6kΩですので,半固定抵抗を半分ほど回します。すると,ありがたいことに緑色のLEDが点灯します。更に回すと赤になります。

 今度は緑色が点灯する位置に半固定抵抗を調整し,SPDに光を当ててみます。するとさっと赤色に変わります。指で覆って暗くすると反対側の赤いLEDが点灯しますので,精度は別にして露出計は生きています。

 これはうれしい。ダメかと思っていましたので,俄然やる気が出てきます。

 今度は半固定抵抗の代わりに,本物を取り付けて試してみます。おお,うまくいきそうです。精度も外したものではありません。絞りやシャッタースピードを変化させるとLEDの点灯がかわります。

 露出計は一度ここで置いておき,組み込み前に本体側をメンテしていきます。おかしな動きをしていないか,油が切れて渋い動きをしていないかを確認していき,怪しいところに手を入れていきます。

 まずファインダー。ここはゴミやカビが結構あるので,分解して清掃です。銀蒸着もないので気軽に掃除できます。フレームが印刷されたガラス板を押さえるピンがどこかに飛んでいってしまって(いかも2回も)慌てましたが,無事に見つかってほっとしました。

 カビも取れて,すっきりした視野が戻ってきました。

 次に巻き上げ機構の確認です。プラスチックが多用されているので,基本的には掃除だけで注油は必要ないのですが,ギアの回転は渋いのでセラミックグリスを塗っていきます。音も静かに,動きも滑らかになってきました。

 今日はここまで。明日は露出計の再確認と,予防的な部品の交換を行って,本体に組み込みます。ここまでくれば後は簡単で,前板を戻せばほぼ完成です。

 一通りの動作の確認を行ったあとで外部の清掃とスミ入れ,張り皮の張り直しを行って終了ですが,さてどうなりますことやら。

 

Rollei35LEDに手を出す

 先日修理が終わって手に馴染んできたRollei35。とてもいいカメラで,なんとなく手元に置いておきたくなり,ついつい手に取ってしまうという,持っていることが重要という私にとって初めての種類のカメラです。

 もっとも,実用機としても申し分ない性能を持っているカメラではありますが,唯一の難点が重いことです。(私の個体は私の修理が下手くそだったせいで,使うのに気を遣ってしまうのも難点ではあります)

 カメラとしての質感を高め,持っていること,手に取っていることの意味を深めているのが,この大きさと重さから来る密度感だと思うのですが,これを鞄に入れて持ち歩いてみると,肩にずっしりくること,鞄の底が下がる事で,このカメラの重さを実感します。

 小さな高級機としてはこれがむしろ好ましいのでしょうが,持ち歩くにはやっぱり厳しいなあと思います。(それに両手操作が必要というのもやや面倒ですわな)

 で,このRollei35を買うときに,別のお店で手に取ったRollei35LEDの軽さを思い出したわけです。この時,Rollei35LEDの驚くような軽さとスローシャッターがないこと,そしてTriotar(なんのことはないトリプレットです)という単純なレンズが,すべてコストダウンや低級化のためだと思った私は,馬鹿にしてお店を後にしたのでした。

 浅はかな考えである事を知ったのは,Rollei35をじっくり触ってからです。

 軽いことは持ち運びにとても便利で,モバイル機器において絶対的な正義です。Rollei35の場合,主さの原因が特にボディがダイキャストで作られているので,耐久性や精度に優れているというメリットはありますが,登場から40年を経たRollei35LEDがプラスチックで出来ていることがデメリットになっているという話は耳にしません。

 スローシャッターも実際には使うことはありません。1/15秒では手ぶれが大きいので手持ちでは使えません。セルフタイマーがないので机において撮影という手法は使えませんし,カメラが小さいのに三脚を持ち歩くなんて考えられないでしょう。

 結局,1/2秒や1/4秒なんて使えないです。なら,1/30秒までのRollei35LEDは十分なスペックを持っていると言えるでしょう。

 レンズについても勉強不足でした。世界初の実用的な写真用レンズとして歴史に名を残すトリプレットを,私はよく知りもしないで性能に妥協をした安物と考えていたところがあったのですが,特にRollei35シリーズのTriotarにはファンが多く,とてもシャープで抜けのいい描写をすると定評があります。それでいて40mm/F3.5と,上位機種のTessarと同じスペックなんですから,なにも文句はありません。ああ,むしろ使ってみたい・・・

 Rollei35LEDは,さらに露出をファインダーで確認出来るという実用上大変うれしい仕組みがあります。同じ外光式ではありますが,Rollei35の露出計は上面にメーターがあります。これ,なにが面倒といって縦位置で撮るときにすごく面倒です。

 ですがRollei35LEDはLEDでファインダーの中に表示されます。適正値からどれくらい外れているかわかりにくいという欠点はあるものの,そもそも1段くらいのズレがある外光式なら問題はないですし,縦位置だろうが横位置だろうがファインダーに表示があれば全く問題になりません。

 受光素子もSPDです。Rollei35がCdSなので,その性能差は歴然です。SPDを壊れやすいと避ける向きもありますが,交換部品がないから修理を断る業者が多いだけの話であって,個人的にはCdSよりもずっと寿命が長い部品だと思っています。

 また,ICを使っているから修理不能というのもおかしな理屈で,このICは汎用OP-AMPで,定番のLM324です。どんな部品屋さんにも在庫があるし,もちろん今でも生産されている現役のICです。カスタム品じゃありません。

 抵抗もコンデンサもダイオードもトランジスタもディスクリートで,小さい基板には大きな部品がひしめき合っていて,とても複雑に見えます。確かにこの基板で故障箇所を探し出すのは骨が折れますが,それでもすべてが汎用品を使っているこの回路は,必ず修理が可能です。

 シャッターボタンの半押しで電源がONになるのもRollei35にはない望ましい仕組みですし,そこはやっぱり1970年代後半のカメラなんだなあと思います。

 絞りやシャッタースピードのダイアルがレンズ鏡筒にあることも使い勝手としては良いでしょうし,おかげで前板もすっきりです。

 ・・・とまあ,いうわけで,Rollei35LEDが欲しくなりました。実用機として普段使いとして,持ち歩きが楽で速写に適しているRollei35が欲しいのです。

 しかし,もともと廉価版ですし,プラスチックが多用されたカメラは折れたり割れてしまえばもうおしまいです。あまりお金はかけられません。幸い,Rollei35のレストアである程度経験値を稼いだ私は,Rollei35LEDの修理も楽しんでみたいとも思っています。

 で,棒オークションで落札。完全な不動品です。3200円。不動品にしては高いなあと思いますが,まあRollei35シリーズは部品取りとしても人気ですので,仕方がありません・

 台風の中2日遅れで届いたRollei35LEDは,想像以上に程度が悪く,私は落胆しました。修理を始めるにあたり,現状を詳しく見ていきます。

(1)シャッター
 シャッターは閉じなくなっているという説明がありました。確かにその通りですが,厳密には一度閉じたシャッターが勝手に半開きになっていたりするという感じです。これはシャッターを閉じるためのスプリングの破断が疑われます。

(2)レンズ
 レンズは前玉が激しく傷だらけでした。商品説明の写真では写ってなかったので,うまくごまかされたということでしょう。レンズの傷は自分ではどうにも修理出来ないですから,これはもうこのままいくしかないのですが,それだけに悔しいです。

(3)ヘリコイド
 いうまでもなく,グリスが抜けてスカスカです。

(4)絞り
 絞りはこのカメラでは最も調子のよいものと言えて,スムーズで綺麗に開閉します。ただし絞りリングは引っかかりがあります。

(5)シャッタースピード
 シャッタースピードダイアルはとにかく固くて回りにくいのですが,シャッタースピードはそれなりに出ているような音がしています。

(6)露出計
 電池を入れればLEDは点灯します。しかし明るさにも絞りやシャッタースピード,ISO感度にも返納せず反応せず,どうやら壊れているようです。

(7)ファインダー

 ファインダーは確かにクモリ気味ですっきり見える,と言うものでもないのですが,もっと傷やクモリ,カビがあると思っていたので,これはいい意味で期待以上でした。それでも見やすいわけではありません。つくづく思うのは,ファインダーの見栄えというのは,写真を撮るモチベーションを大きく左右するものだなあということです。

(7)全体に

 張り皮は剥がれ一部破れています。ぶつけたような傷はありませんし,ビスが抜けてなくなっている箇所もありません。巻き上げも出来ますし,沈胴も引っかかりが大きいですが,一応可能です。

 ただ,とても汚いのと,分解痕があちこちにあります。潰れたネジや失敗した時の傷など,見るに堪えないものがあります。

(8)付属品

 純正のキャップと純正のストラップが付属していました。個人的にはこれだけで3200円のうち半分くらいは取り戻した気分です。


 ということで,少し前ならジャンクワゴンに投げ込まれていそうな,完全なゴミなのですが,腐ってもRolleiです。この3200円がそのままゴミになるのか,それとも大きな価値を生むのかは,私の頑張り次第です。

 

電動歯ブラシの買い換えと修理

  • 2019/10/09 14:31
  • カテゴリー:散財

 まだ朝のぼやーっとしたままの頭を使わず,もはや脊髄反射でいつものように掴んだ電動歯ブラシがいつものように動かないことを,脳に経路を切り替える時間だけかかって理解したあと,その動かない伝導歯ブラシを手で左右にゴシゴシ動かす行動が思った異常に難しく,まるで子供が初めてエスカレータに乗るような不自然さ強く感じて,その理由が歯ブラシを手で動かすことが私にとってもう20年ぶりのことであることに見いだした時には,私の頭はすっかり覚めてしまっていました。

 わざわざ重く太い電動歯ブラシを手でゴシゴシ動かすというのは,これまたどういう状況なのだ!

 なんだか急にがっかりした私は,後先考えずに新しい電動歯ブラシを買うことに決めたのでした。

 私がこれまで使っていた電動歯ブラシはパナソニックのEW-DL11です。2011年6月に約1万円で購入しているのですが,あれから8年,毎日使うこの家電製品が,いつか動かなくなる「工業製品」であることにはっとさせられたのでした。

 きっとこのシリーズも進化しているんだろうと探してみますが,当時あれほど宣伝していたイオンで云々はすっかり影を潜め,歯医者さんのお墨付きがあることを全面に出しています。新技術よりも権威に頼るという姿勢は,もうこの製品が成熟したジャンルである事を示しています。

 ただ,当然EW-DL11の世代からは大幅に進化していて,歯を叩いて磨くことが出来るようになっちたり,ストロークの回数が2万回から3万回に増えていたりします。いつこういう進化があったかは知りませんし調べることもしませんが,DL11からの差分があるから,買い換えようという気持ちになってきます。

 結局,1万円程度の同じシリーズから,EW-DL35を買いました。

 なにせ壊れた機械からの買い換えで,ろくに機種選定もやってませんが,基本機能を重視し,余計なオプション類は同梱されていないという質実剛健な機種です。

 振動回数は31000回とさらに増えつつ,でも上下左右それぞれ30秒ずつの合計2分という設定は変わらず。これって,歯を擦る回数が1.5倍に増えていますが,大丈夫なんですかね。

 このモデルのさらに下位にもう1つ安いものがあったのですが,これはストローク回数が同じなのに,歯医者さんの推薦がつきません。まあ,なにかストロークの幅が違うとか,ちょっとした違いがあるんだろうと思いますが,歯医者さんが推薦するかしないかという大きな差がどこにあるのかこそ,私は知りたいです。

 結局私も医師免許を持つ人達の権威に負けて,推薦のある物名かで最も安いEW-DL35を買ってしまったわけですが・・・

 で,新しいEW-DL35ですが,歯ブラシそのものが随分昔のモデルと互換性が維持されていて,維持費の安いパナソニックという特徴は未だ健在です。

 これまでのEW-DL11は,細身で格好はいいのですが,表面がツルツルしていて,度々滑って落としていました。おそらくそういう問題を指摘されたのでしょうね,DL-35では表面がザラザラになって少し太くなり,中央のくびれが大きくなりました。持ちやすさと滑りやすさは大幅に改善していると思います。

 EW-DL11ではボタンが2つあり,ON/OFFと動作モードの切り替えだったのですが,EW-DL35ではボタンは1つです。ONにしてすぐに押せばモードが切り替わるようになっているので,とても合理的だと思います。そう,EW-DL11でもモード切替のボタンなど数回しか押したことがありません。

 動かして見ると,想像以上に音が大きく,派手に動いているのがわかります。ストローク回数が1.5倍にするためには,これくらいのエネルギーを扱わないといけないのでしょう。

 使ってみましたが,以前よりも「磨いている」という実感が強く,本当に歯の表面に当てているだけで満足します。EW-DL11ではちょっと磨き足りない感じがして手でゴシゴシ動かしてみたり,2分を超えてもう一度磨いたりという事をついやってしまっていましたが,EW-DL35ではそういう気分がなくなりました。

 磨き残しも減ったように思いますし,さすがに歯医者さんの推薦は違います。

 とまあ,新機種のインプレッションはこのくらいにして,古いEW-DL11をどうするかです。

 詳しく書いていませんでしたが,EW-DL11がどういう症状だったかといえば,LEDは点灯するしボタンも効くのですが,肝心の振動が全く発生しません。アクチュエータの故障でしょう。

 こうなるともう修理もクソもない,という判断があって,そのまま捨ててしまおうかと思ったのですが,一応電池だけ外しておこうと分解して見ました。

 すると,アクチュエータから伸びている2本の細い線のうち,1本が基板から外れているのがわかりました。どうも振動によって線が切断してしまっているようです。

 とりあえずハンダ付けをしてみると,あっさり動いてしまいました。

 うーん,もし,故障したのが土曜日だったら,新しい機種を買う前に修理を試みたでしょう。平日なので修理もせずに新しい機種を買いましたが,特にDL11い不満があったわけでもないので,ちょっともったいない気がします。

 幸いなことに,ゴムやパッキンの劣化もなく,水の浸入もありません。まだまだ元気に使えそうです。

 そこで,ちょっと嫁さんに「お古でよければ使わないかい」と声をかけました。

 すると,古い機種でもいいから使ってみたいという返事です。私としては修理をしたことも新しい機種を買ったことも無駄にならず,まさにありがたい返事です。

 いつまで使えるか分かりませんが,無駄にならずに済んだ事で,この件は決着。

 正直な話,電動歯ブラシで手で磨く以上の効果を期待するのは難しいと思います。しかし,逆の言い方をすると,電動歯ブラシと同じ程度のことを手だけでやるのは,結構手間も時間も労力もかかるので,楽が出来るマシンとして考えると,そんなに悪いものではありません。

 さすがに20年,電機の力でブラシを動かしてもらってきましたから,今さら自分の手で動かすなど面倒で出来ません。こういう小さな所でも,人間は機械化によって「面倒くさがり」になっていくんだなあと,つくづく思いました。

 

 

Rollei35をもっと仕上げる

 Rollei35,なかなか落ち着きません。

 先週末も問題点を確認,対策です。

(1)絞り開放でのロック不良

 Rollei35は本体右側にある絞りのダイアルにロックがかかるようになっていて,回転させるときはダイアル下にあるレバーを押し上げてから行うようになっています。

 個人的には,ここはシャッタースピードのダイアルと同じくクリックストップの方がいいなあと思い続けていますが,思想的に絞りよりシャッタースピードを動かしやすくすることで,露出は絞りを固定してシャッタースピードで調整して下さい,という設計者からのメッセージと受け取って,体を慣らすことにしています。

 些細なことですが,完全マニュアルの一眼レフで育った私は,ファインダーを覗いたままで手が届く絞りを動かす事が多く,シャッタースピードはあまり動かさずにいました。

 だから,AEも必然的に絞り優先を使うようになります。いつものように絞りを動かせば,右手をわざわざ動かすことなくシャッタースピードを勝手に適正値に調整してくれるのですから,なんと便利なことか。

 シャッタースピードは自分で動かさない,という横着が染みついた体を,むしろ積極的に動かして下さいといういわれるのは,柔軟体操でヒーヒーいうのに近い苦行でもありますが,それをいうなら巻き上げレバーが左にあることが先に問題視されねばなりません。まあ,こういうのはどうにかなるという良い例です。

 話が飛びましたが,先日,ロックレバーを押し上げて絞りダイアルをぐるっとまわし,絞りを開放してからレバーから指を離したのですが,ダイアルがF3.5よりもさらに回って止まっており,少しだけ戻すと「かちっ」とロックがかかることがわかりました。

 他の絞りではこういうことは起きていませんし,別に実害はないのですが,もしかすると絞りの調整位置がずれていて,絞りが開放となる目一杯回しきったところから少し閉じた位置にロック位置がきているのかも知れません。

 そうなると,F3.5出固定した場所では,絞りは開ききっていないことになります。そういえば,心なしか開放でも絞り羽根が見えているような・・・

 なんか気持ち悪いです。


(2)F22で沈胴させるとさらに絞りが小さくなる

 Rollei35は沈胴時に絞りが最小になるのですが,F22に絞りきっても,沈胴の時にさらに絞りが小さくなることがありました。これ,F22のダイアル位置でもF22に絞り切れていない可能性があります。

 で,F22にダイアルをセットして沈胴して,さらに絞りは小さくなるわけですが,面白い事にここから鏡筒を伸ばしても絞りは広がらないのです。沈胴の前と後で,F22の絞りの大きさが異なるというのは,さすがに看過できません。


 (1)と(2)は,これまであまり気にしてなかった絞りに関する問題です。

 シャッター速度と露出計に気を取られて,絞りはとりあえず動くという事で疑ってかからなかったのですが,まさかの問題発覚です。

 まあ,これを機会にちゃんと見とけよという,神の啓示でしょう。

 以前から気になっていたのですが,どうも絞り羽根の組み方が違っているような気がしていました。ちゃんと絞られているし,サービスマニュアルをよく見て組み立てた絞りですから,これでいいんだと強がっていましたが,私のような絞りは他に見当たりません。それに,私の絞りはあまり美しくないです。

 なので,もう一度WEBでRollei35の写真を集め,絞りの組み立ての状態を確認してみることにしました。

 するとどうも,私の組み立て方がおかしいようです。サービスマニュアルと比べて見ると,サービスマニュアルと私の組み立て方が一致しているように思うのですが,現実にこれだけ違っていると見せつけられれば,サービスマニュアルが間違っているのかも知れません。

 どっちにしても,一度分解です。

 シャッターは,せっかく速度がきちんと出ているのですから分解はしたくありません。そこでマスキングテープで鏡筒を固定して,シャッターがバラバラにならないようにして分解します。といっても,前回レンズ内のホコリを掃除したときと同じです。

 で,絞りを分解して羽根を改めてベンジンで清掃し,組み立ててみます。

 で,どうも私が組み立てミスをしていたことに気が付きました。確かにサービスマニュアルと同じように組んでいるのですが,それはあくまで重なる順番についてです。絞り羽根の向き(左に開くか右に開くか)については,過去の経験から間違えればちゃんと開かなくなると思い込んでいて,開いた以上は正しいのだろうと思い込んでいました。

 しかし,Rollei35では,絞りは左に開くようにも右に開くようにも,組めてしまえるんですね,サービスマニュアルは,わかりにくいですが正しい向きで記載されています。油断しました。

 で,開く方向が逆なので,重なる順番をサービスマニュアルの通りにしても,見た目におかしいことになります。それに,どうもバックラッシュが大きく,開くときの摩擦が大きくて絞り羽根がちょっと歪んでから開いてしまいます。

 ということで,あまりサービスマニュアルにこだわることなく,綺麗に動くことを目標にして絞りを組み立てなおしました。幸い,WEBで見る絞りの状態と同じになり,やっぱりこれが正しかったんだなあと思った次第。

 これで(2)の問題(最小絞りが絞りきれない)問題も解決するかなと期待したのですが,改善は見られつつも残念ながらそうはいかず,相変わらず沈胴の時に絞りがさらに小さくなる現状が見られます。

 サービスマニュアルをもう一度読み込んでみますが,絞りの調整についてはダイアルを開放にしたときに絞りが完全に開ききるように,レバーを曲げて調整せよ,とあるだけです。こうすると絞りは閉じきるはずということです。

 ということで,レバーを曲げて調整をしてみますが,最小絞りが沈胴の時に変化しないようにすると,解放時に少し羽根が見えてしまいます。

 ここはもう微妙な調整だと腹をくくって,最小絞りが変化しないギリギリのところで調整をしました。解放時にほんの少しだけ羽根が見えてしまいますが,もともとF3.5と明るいわけではないですし,完全に開放することの意味もあまりないように思いますから,これでいいことにします。パンフォーカスでの運用が多いことを考慮すると,むしろF22がきちんと絞り込まれることの方が重要です。

 絞りもスムーズに,かつ美しい形で動くようになりました。絞りはレンズの象徴ですね,本当に。


 で,今度は(1)です。

 これは,ロックをかけるためにあるレバーにある山が,カムに切ってあるギザギザの山に乗り上げてしまい,谷にストンと落ちてロックがかかという正常な動きをしないことがわかりました。

 思い当たる節があります。ISO感度の調整つまみがどうにも固くて,指でつまんで無理に回したとき,ゴリゴリと絞りのロックが外れてダイアルが回ってしまったのです。

 以後,ロックをしていても力を入れればダイアルが回るようになってしまったのでした。

 これでカムの山を潰してしまったのでしょう。潰したところにレバー側の山が乗っかってしまうようになったのが原因です。

 とりあえずF3.5で固定される時に,レバー側の山が滑るべきカム側の山をさがし,ここの潰れた山を紙やすりで削ってとがらせます。暫定的に組み立てると,完全ではないものの随分改善します。これは脈ありです。

 さらに削って山をとがらせていきます。なんどか仮組みと加工を繰り返して,山に乗り上げることなく,回しきってからロックレバーを離すと自然にF3.5でロックがかかるようになってくれました。これで元の使い心地に戻ります。

 ただ,山を削ったので,かなりロックが弱くなっています。ちょっと力を入れると回ってしまうで,強めのクリックストップみたいな感じです。それだけ山が潰れやすくなっているということですから,注意して使わないといけないです。

 うーん,かなり神経質なカメラになってきているのですが,仕方がありません。

 最後にシャッタースピードを全速出ている事を確認して終了。だいぶ慣れてきたとはいえ,分解する度にどこか壊しています。

 そしてテスト撮影,1本撮り終えてフィルムを撮りだして後玉を見ると,油のシミがあります・・・

 もしかすると,巻き上げの時のロック解除レバーにグリスを付けすぎたのかも知れません。あわててガイドレールを分解して,染み出した油を確認します。

 しかし,幸い油の滲みはありません。この油は他から飛んできたものです。

 とすると,シャッターの駆動レバーの可能性が高いです。とはいえ,目視でグリスがコッテリという事はありませんし,現在これでシャッタースピードが出ているので,あまりいじりたくありません。とりあえず油を拭き取ってから空シャッターを50回ほど切って,油が飛んでいないことを確認してから様子見とします。

 ということで,今度こそ修理完了。残念な事は,絞りを再度組み立てたときに,若干のホコリが侵入したようで,以前のような綺麗な状態にはなっていません。それと中央のカビのような点が目立つようになってきていて,これも本当にカビならまずいことになりそうです。

 手に平にすっぽりと収まる感じが,大きすぎず小さすぎずで好ましいRollei35を,私はとりあえず手元に置いておく癖が付いてしまいました。大きな一眼レフではこうはいきませんし,電動化された新しいコンパクトカメラもちょっと違います。デジカメに至っては全然違うとしか言いようがありません。

 このコンディションの悪さからいって,いつまで動いてくれるかわからない不安はありますし,値段も修理にかかった時間も決して褒められたものではないのですが,これもまあ縁あって私の所にきてくれましたし,個性も使い勝手も独自のものがありますから,割に頻繁に連れ出すことになるんじゃないかと思います。

 

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