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2017年の散財を振り返る

  • 2018/01/12 13:23
  • カテゴリー:散財

 2017年も,ひどく散財をしました。価値ある散財あれば,もう忘れてしまいたい散財もあり,もういい加減にしないとなあと反省することしきりです。

 というわけで,毎年恒例ですが,2017年の散財を振り返ります。


・D850

 まず,なんといってもこれです。発表と同時に予約,発売と同時に購入しました。まだ蒸し暑い時期だったことを思い出しますが,同時に下取りに出すレンズや機材の整理をした記憶も甦ります。

 購入はスムーズでしたが,なにせ40万円もするものですから,資金作りが大変です。お金になると思ったものが難癖を付けられたり,壊れていると指摘されたものが本当に壊れていたりと,まあ散々だったわけですが,マップカメラさんがいい値段を本当に付けてくれたことと,FA77mmF1.8を売ったことが,特に思い出されます。

 専用のバッテリグリップであるMB-D18も純正品を購入しその値段の高さに舌を巻きましたし,9コマ/秒にするための電池も買って,大変な出費でした。

 充電器だけはとD2H用のものを改造して使っていましたが,先日中国製の互換品をようやく入手,満充電にならないのでどうしたものかと思っています。

 D800の時には意図通りの絵が出てくるまでに時間がかかりましたが,D850は本当に使いやすいカメラです。いつでも思い通りの絵が出てきます。

 1つ1つのスペックでは1位になれないカメラですが,ほとんどのスペックが2位か3位という強烈なカメラです。あらゆるシーンにきちんと対応出来る,まさに一眼レフの集大成たるカメラと言えると思います。

 まだ品薄が続いていると聞きますが,初期不良などのトラブルの話も全く出てこず,ファームウェアのバージョンアップさえも行われていない完成度の高さには,とても安心感があります。

 40万円は非常に高価なカメラです。しかし,40万円でこれが手に入ることは,少なくとも今は奇跡だと言えるでしょう。欲しい人は迷わず買うべき,そういうカメラです。


・広角ズームとマイクロニッコール

 広角ズームとして,トキナーのAT-X 16-28 F2.8 PROを買いました。F2.8の広角ズームの純正はさすがに買えず,キャッシュバックとユーザーの評価に心を動かされてこれを買いました。

 最初は不良で交換,その後メーカーでピントの調整をしてもらって,今は万全です。

 どうにかするさ,と思っていた逆光の弱さは想像を超えるものがあり,どうにもならない状況が多すぎて少々手を焼きますが,色も画質もさすがにF2.8のズームで,私は満足しています。

 惜しいのは,購入後急激に値段が下がったことでしょうか。私がヨドバシで購入したのが約79000円,しかし1ヶ月後には78000円まで下がりましたし,他の店では66000円を出すところも出てきました。あのフジヤカメラでさえも初売りでそのくらいの値段を出していました。キャッシュバックを考えると56000円ですからね,激安です。

 マイクロニッコールAF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gも2017年に購入したレンズでした。安いのに切れ味抜群で,D800の最廉価おすすめレンズです。これで一応私のレンズラインナップは完成ということでしたが,あまり出番はありません。

 なんというか,色がちょっと違うなあと思う事が多いです。それでついつい手が伸びないのです。

 しかし,D850のオプションでES-2というフォルダーがこのレンズに対応するので,フィルムのスキャンに役立ってくれそうです。CoolScanVを大事に使ってきましたが,D850で撮影した方がおそらく高画質でしょう。

 とまあ期待していたら,ES-2が発売延期。理由は漏れ伝わってくるところでは,新しく出る予定のマイクロニッコールへの対応のためということらしく,どうもAF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gの後継という話です・・・手ぶれ補正,電磁絞り・・・


・Kindle Oasis

 毎日使う電子書籍端末を買い換えました。Kindle Voyageもいいモデルでしたが,Kindle Oasisの快適さに慣れてしまうと,もう戻れません。

 画面の大きさと防水,そして価格で注目されたKindle Oasisですが,機敏な動作も機能もフラッグシップモデルに相応しく,細かいところまで配慮がなされているところに,心地よさがあります。

 このサイズになると,すでに文庫は実物よりも大きく表示されますし,新書でもほぼ実物通り,文芸書でも印刷エリアを切り出してしまえばほぼ原寸で読む事ができます。

 画面サイズを他の機種と比較しても「大きくなってる」くらいの違いしか見えてきませんが,実物と同じ大きさで読めるのかどうか,という点で改めて画面サイズを考えて見ると,Kindle oasisに不連続な変化があり,それが大きなメリットになっていることに気が付きます。

 ただ,持ちにくいのは確かで,未だにどうもしっくり来ません。画面が大きいのはよいとしても,縦がもう少し長い画面だと持つのも楽だったように思います。


・Nintendo Switch

 スプラトゥーンをやりたいと思った時にはWiiUは買えなくなっており,Switchが出てから買うかと思っていたら今度はSwitchがなかなか買えないという,まさにスプラトゥーン難民だったのですが,昨年秋には少し状況が改善し,amazonで買うことが出来ました。

 聞けばSwitchが売れに売れ,任天堂はうれしい悲鳴を上げているそうですが,本当に欲しいと思っている人の「買えない」という話が,別に欲しくない人をも煽るような状況になっていることを否定できないと思います。

 改めて考えて見ると,私もそうでした。スプラトゥーン2は面白いゲームですし,やり始めるとなかなかやめられませんが,対戦を基本としている以上,一人で遊ぶことはあまり念頭に置かれていません。

 かといってネットワーク対戦を今からやり始めても上級者が集うコミュニティで浮いてしまうのは目に見えていて,始めるにはそれなりの覚悟が必要になるでしょう。時間もお金も気持ちも,です。

 今の私にそこまでのリソースを投入出来るゆとりはなく,結局スプラトゥーン2はほとんど遊ばずに終わっています。

 他のゲームもそうですが,やり始めれば面白いものの,何をさておいてもゲームと言うほどの優先度ではなく,娘もゲームをするのが嫌いらしいですから,我が家ではゲーム機に電源が入ることは非常に希になってしまいました。

 実は,ニンテンドークラシックミニのスーパーファミコンも手に入れているのですが,届いた数日の間に少し遊んで以来,箱にしまってあります。リビングのテレビを占有するほど,家族でワイワイ遊べるわけではありませんし,私一人で遊ぶいった贅沢な時間もやっぱりありません。

 この傾向はスマートホンや携帯ゲーム機でも同じで,およそ我が家ではゲームマシンの地位が低いです。個人的にはいいことだなあと思う年寄りになってしまったのですが,ゲームは一人でも出来るが,家族と過ごすには家族がいないといけないわけで,家族で過ごせる時間が得られるときには,わざわざゲームをすることはないなと,思った買い物でした。


 TS-231P

 TS-231P2という新機種が出るために,旧機種であるTS-231Pが安売りされているのを見つけ,買い換えたQNAPのNASです。NAS本体よりも内蔵するHDDの方が高く付くのが現実ですが,おかげさまでうちは6TBのWD REDを2つ入れて,RAID1を組んで運用しています。

 これまで使っていたTS-119P2はシングルベイでしたがいいNASで,OSのアップデートが終了する宣言されていたことと,やっぱりシングルベイではHDDの交換がとても大変という問題ゆえ,いい機会だからと買い換えた経緯は,以前書いた通りです。

 あれからしばらく使っていますが,トラブルは全くなし。あらゆる速度が向上して,実に快適です。ファイルのコピーも100MByte/sec出るので,あっという間にNASへの読み書きが終了します。これだけ速いと,NASがとても身近な存在になってくれます。

 で,古いTS-119P2ですが,捨てるに惜しいので友人に声をかけたところ,もらってくれることになったので,タダで差し上げました。友人はSEをやっている人なのですが,NASを単なるネットワークドライブと思っていたところ,実はなんでも出来てしまうことに驚いてしまったそうです。


・XC-HM86

 音がしっくりこないし,ネットワークプレイヤーとしても安定性に欠くDENONのDRA-N5を,せっかくだからとCDもかかるものに買い換えたいと思っていたところ,とても安く売っていたXC-HM86を見つけて購入,これがまあ大変良かったというお話をここにも書きました。

 音も良く,欲しい機能がすべて入っており,ネットワークプレイヤーとしても安定して動作することに気をよくしていましたが,CDのトレイが出てこないという故障のため修理に出したところ,傷だらけにされて戻ってきてしまいました。

 さすがにこれは気持ち悪いとクレームを入れたところ,新しいものに交換してもらうことが出来ました。相変わらず気に入って使っています。

 ただ,そもそも音楽を聴く機会が急激に減っており,あまり出番がないのもまた事実です。


・Q350

 音響機器に関して一番良かった買い物は,このKEFのQ350だと思います。それまで使っていたCM1も素晴らしいスピーカーでしたが,いかんせんモニターという事もあり,特に定位感が十分に得られるエリアが狭いことが気になっていました。

 音楽を聴くときの姿勢として「正座して集中し,見えないはずのプレイヤーを心の眼で見る」という心がけを徹底すればこれほどいいスピーカーもないのですが,さすがにそれでは疲れてしまいますし,ちょっと気をぬくと楽器もプレイヤーもどこかに行ってしまうので,もう少し寛容なスピーカーが欲しかったのです。

 そこで出会ったのがKEFでした。KEFは定位感の得られるエリアが広く,部屋のどこに座ってもそれなりの定位を得られることを目指しているんですが,このQ350はモニターと違った聴き疲れしない音作りが成されている優しいスピーカーでもあり,今の我々にはぴったりかなと思ったのでした。

 発売直後に入手,それ以後,もうこれ無しでは話が前に進まないというくらい,気に入っています。音楽を聴く事は減ったのですが,それでも時々に音を出すとその音質につい聴き入ってしまいます。

 年始にウィーンフィルのニューイヤーコンサートが放送されていましたが,これをこのスピーカーで聴いていました。放送終了がこれほど残念に感じるものとは想像していませんでした。


・ヘルシオホットクック

 一部で絶賛された調理家電です。すでにモデルチェンジがあり随分改良されていますし,大型化したモデルも併売されているので随分古いモデルになっていますが,それでもなかなかの出番があります。

 まず,小松菜やほうれん草のお浸しです。洗って突っ込んでスイッチを入れれば10分後に出来上がっているのですから,全く手間がかかりません。これで一品用意出来るというのはとてもありがたく,その上茹でムラや茹ですぎがなく,安定した味になるので大助かりです。

 とはいえ,昨今の野菜の値上がりもあって,毎日使えないのが残念ですが。

 ホワイトソースのシチューも定番化しています。シチューの素などを買う必要もなく,鶏もも肉と根菜類があれば,手持ちの材料でさっさとシチューが完成します。しかも美味しいとくれば,もうローテションの一角を担うメニューです。

 八宝菜も楽です。ちょっと塩辛いですが,味を調整すれば立派な主菜の完成です。

 意外なところではケーキがあります。林檎のケーキは簡単ですがとても美味しく,少なくともスーパーに売っているような市販品を買う必要はなくなりました。

 それとこのクリスマスに試みたのですが,スポンジケーキを作ったのです。これをつかってデコレーションをし,クリスマスケーキを自作したわけです。

 残念ながらスポンジが硬く,今ひとつ美味しく出来なかったのですが,これはヘルシオのせいではなく,材料の混ぜ具合で調整する部分なので,完全に私の経験不足です。ただ,レシピに書かれていた生クリームの作り方がなかなかよろしくて,家族みんなで美味しく頂きました。

 一方で評価の高い無水カレーはほとんど作っていません。美味しいのですがトマトがたくさんいるので,どうしてもコストがかかりすぎてしまうのです。

 例えばカレーやシチューは圧力鍋でも出来ます。しかしヘルシオで作ればまた違った味になり,もはや違う料理であるといっていいくらいの差があります。同じ材料でこれだけ差になるなら,気分で変えてみてもいいわけで,こういうのを幅の広がりというのかなあと思っています。

 思うに,調理家電は決められたレシピを自動的に作る事に長けているものの,汎用性が低いことが問題であり,しかしその「決められたレシピ」が十分に美味しく,また定番化できるような普通のメニューであるなら,それ専用機として導入することも不可能ではないと言えるでしょう。

 価格や場所の問題もありますが,それでもこのヘルシオは買って良かったと思います。


・モノクロレーザープリンタ

 モノクロレーザープリンタを導入し,うちの印刷環境は耐水性と文字くっきりのモノクロレーザーと,互換インクで安価なカラー印刷を行えるインクジェット,A3ノビまで出力出来る写真用プリンタと,3つのプリンタを揃えることでほぼすべてかなりの範囲をカバー出来るようになりました。(強いて言うなら複写伝票の印刷は出来ませんがそんなもんはいりません)

 モノクロレーザーはさすがに文字の印刷品質が素晴らしく,両面印刷も自動ですし,印刷速度も速いのでもっと活躍するかと思ったのですが,そもそも印刷してドキュメントを見ることも減ってきているので,あまり出番がありません。

 今年は年賀状の宛名の印刷に使いましたが,インクジェット紙を使うと熱で激しくカールしてしまうのですね。これは盲点でした。

 ところでこのモデルはWiFiが付いています。電源さえ確保出来れば設置場所を問わないですし,コンピュータと直結する必要もないので,ぱっとノートPCを持っていってその場で印刷とか,そうした手軽さがあります。

 隣に設置しているのが古いインクジェットで,これがUSB専用なのですが,いちいち繋がないといけないのは案外面倒です。写真用のPRO100は有線LANで繋がったままですし,電源を入れればどこからでも印刷出来る便利さを再認識しました。


 というわけで,2017年も散々お金を使いました。子供がまだ小さく,自動車も持っていないとはいえ,これはさずがにまずいです。まず,買ったのに使っていないとか,失敗したとか,そういう歩留まりの低さをなんとかしないとまずいです。

 一方でD850やヘルシオのように,買って良かったと思うもの多くあり,絶対的な金額の大小だけで物事を決めてしまうのもまずいなと思ったりしました。

 さみしい話ですが,収入が増えることはこの先考えられず,出費が指数関数的に増えていくだろうと思う今後は,こうした買い物の仕方を見直す必要があるでしょう。同時に,これまでの間散財を許されてきた自分の状況に感謝したいと,つくづく思った年始でした。

 

オリンパスPEN EEDの修理

 先日,3Dプリンタで電池アダプタをいくつか作った時の話です。

 SR43をMR-9にするアダプタをオリンパスPEN EEDで試してみたところ,シャッターが開かないことに気が付きました。

 露出計(というか自動露出)は動作しているようなので,電池アダプタの動作としては問題なしということになるのですが,カメラとして機能していないならアダプタの存在そのものに疑問が生じるわけで,これを放置するわけにもいきません。

 シャッターを動作させるにはフィルムを入れるなり,なにか他の条件が必要だったかもしれないといろいろいじってみましたがやっぱりダメ。

 絞りをマニュアルでセットした場合も開かないので,これはもう故障だと判断しました。よく思い出してみると,このPEN EEDは私の手元に来たときに機械的な故障はなく,分解を一度もやっていないのです。

 すると,どうもシャッターのグリスによる固着らしいとわかりました。よく見ると滲み出た油が羽根に付着しています。これはいかん。

 すでにカメラの分解修理に多くの時間を割けることが出来なくなっている私には英断でしたが,ここは久々に分解修理をしてみることにしました。ま,このころの廉価版のカメラはそんなに難しいものではないでしょう。

 レンズシャッターのカメラですので,分解するのはレンズの部分だけですむはずです。慎重にレンズを分解し,シャッターユニットを取り外します。調べていると,シャッターユニットが取り外された時に,シャッターは開いているものなんだそうですが,私の目の前にあるシャッターは閉じたままです。

 レバーを指で動かしてシャッター羽根が動くかどうかを試すと,かなり重たいですがなんとか動きます。しかしバネの力だけでは自動的に戻ってはくれません。

 ということでやるべき事はシャッターの分解と,ベンジンを使った油の除去です。

 羽根はたった3枚。2枚は同じ形状です。これをさっさと取り外しベンジンにつけ込んで油を落とします。元の通り組み立てて試してみると滑らかにシャッターは動くようになりました。

 ここから全体を組み立てるのですが,なんと鏡筒の後玉の部分に,劣化したモルトがボロボロになっていました。ここがボディにはまり込むんですが,なんとフォーカスによる可動部分の遮光は,このモルトが担っているとわかりました。なんと簡単な仕組みなことか・・・

 最初2mmのモルトを張り直したのですが,窮屈すぎてフォーカスリングが回らなくなりました。これではさすがに問題だと再度分解し,今度は1mmのモルトを鏡筒に巻き付けます。

 随分ましになったとは言え,それでもスムーズに回るとは言えません。でも,この部分の遮光が出来ていないとかぶってしまうでしょうから,動くなら窮屈な方がむしろいいと考えて,このまま完成させることにしました。

 改めて電池を入れて何度かシャッターを切ってみると,全く問題なくシャッターが開いてくれます。レンズシャッターというのはなかなか趣があるもので,シャッターの開閉速度があまりにゆっくりなので,露光ムラを心配したくらいです。

 でも,レンズシャッターというのは全体の光の量を調整する絞り羽根がシャッターになったものですから,画面全体の明暗がゆっくり変化するだけの話であり,露光ムラはおきません。

 一眼レフの,特に最新のデジタル一眼レフになれた体には違和感が大きいのですが,シャッタの開閉速度が遅くて,明暗の変化がゆっくりであっても,露光は積分ですから,最終的な積分値が絞り値に合致するようにしておけばよいだけの話なのですね。

 とまあ,初代のオリンパスPENやPEN Fがあまりに有名で,中途半端に自動化され大型化したEEDなどはマイナーな存在なのですが,それでもこのたたずまい,ヒンヤリとした金属の質感,そして大きな前玉と,なんと魅力的でしょう。

 思わずフィルムを1本いれてしまいそうになったところで,私はふと手を止めました。まてよ,24枚撮りを入れたら48枚も撮らないといけない・・・今そんなにこのカメラで撮影出来るか?

 秒間9個前のD850ならわずか5秒で取ってしまう枚数ですが,親指でコリコリと巻き上げ,目測でフォーカスを適当に合わせ,四角いレリーズボタンを静かに押し込めば,ゆっくりとしたシャッターがジーと開いて閉じる・・・こんな緩慢なカメラで48枚を撮りきるのはもはや修行です。

 そういえば,このEEDを手に入れた時に,試し撮りをしたフィルムって,結局全部撮りきることも出来ずに,現像しないまま放置してあったんじゃなかったかなあ。

 ついでにいうと,CoolScanではハーフサイズのスキャンが出来ないので,2枚同時のスキャンをしないといけないけど,自動コマ送りがきちんと動作しないかもしれないなあと心配していたことを思い出しました。

 でも,昨今の銀塩ブームもありますし,フィルムを詰めて散歩に出かけるのもいいかもしれません。スキャンはD850のオプションであるES-2が発売されれば問題解決でしょうし。

 どうするかな,保存してある冷凍フィルムを使うかな、でももう色が無茶苦茶だろうし,新しいのを買ってみるか・・・

 ああ,なんと楽しい時間!

 

3Dプリンタ元年

 今年最初の艦長日誌は,私らしく散財のお話です。

 今年はヨドバシの福袋も外れてしまい,買い物しようと街まで出かけることもなく家にこもっていたのですが,世の中少しずつ計器とやらが上向きになっているらしく,初売り,お年玉,というキーワードを何度も目にしました。

 正月明けのある朝,いつもなら開かずに捨ててしまうとある通販ショップからのダイレクトメールを,その時は偶然開いて見ていたら,3Dプリンタが税込み,送料無料で24800円で出ていました。

 3Dプリンタ・・・言葉がやや一人歩きをしたかなと思われるmakersブームの片棒を担いだ,そう,アレです。

 原材料を供給してデータを送り込めば,実体を作る事が出来るという,まさにSFに出てきそうな夢のマシンなわけですが,「これで工場はいらなくなる」だとか「ものをやりとりするのではなくデータのやりとりをする時代が来た」という話に始まり,あげく「大量生産大量消費の資本主義はこれで終焉を迎えた」などと仰々しいことを言い出す人もいたりして,なにやらすごいものらしいと言う印象だけを心の隅っこに残して,人々の記憶から消えていったアレです。

 消えたというのは全くのウソで,業務用とでは必須のマシンとなっていますし,個人用途についても低価格化が加速,昨年には3万円で買えるようになりました。

 3万円を割ってくると個人でも無理なく買うことが出来るようになってくるわけで,あとはその価値を高め,知らしめることが必要になってきます。今はまさにその大事な時期です。

 かつて,コンピュータの周辺機器としてのプリンタは,本体,ディスプレイ,ディスクドライブに次ぐ,末席の周辺機器でした。大きく重く,うるさく高価な割には,紙に印刷する時にしか使わないので出番も少ないという特殊な周辺機器だったわけですが,プリンタメーカーの高画質化と低価格化という技術的な進歩に加え,初期は日本語が綺麗に印刷出来る力の獲得によって「日本語ワードプロセッサ」の出力機器として,後に高解像度なフルカラー印刷能力を手に入れて「写真の印刷」という,いずれもそれまでは専門の業者に頼むしかなかった仕事を,ご家庭で出来るようにするという「用途」の提案の結果,コンスーマ製品として家電量販店で大量に販売されるようになりました。

 要するに,安いだけではあきません,性能がいいだけでもあきません,それで出来る事にそこらへんのおっさんが「ええな」と思わないと,個人への普及は望めないということです。

 3Dプリンタについては,この「ええな」がなかなか見えてこないのです。

 オーケー,好きな形がプラスチックで作れることはわかったよ,じゃ,そのデータはどうすんのさ?

 ちょっと考えれば分かりそうな,この大きく高い壁を見上げて,私も何度も先に進めず,引き返していました。私が初めて3Dプリンタを見たのは,2009年に東工大で行われたMakeTokyoMeeting04でしたから,10年近くも引き返し続けていたのです。

 いや,自分でデータを作れなくてもいいんです,有償無償を問わず,データが手に入ればそれでいいのです。しかし,そうしたデータはあまり増える事なく,3Dプリンタを手に入れても,ホコリをかぶってしまう事は,明白でした。

 データを自分で作れるようになったらいいじゃないかという事もあるでしょうが,思うにメカ設計というのはセンスと慣れがものを言う世界だと思っていまして,私のように絵心もなく,空間の把握が苦手で,学生の頃には随分このあたりの科目で煮え湯を飲まされた記憶しかない人間には,とてもとても厳しいものだと思っていたのです。

 この歳で,今さら苦手意識の強い全く新しい分野に踏み込むほど,今の私は暇ではありません。お金を出せば手に入るこの時代,苦労してデータを作る勉強を一から始めるには,相応の勇気が必要です。

 しかし,翌日には,その24800円の3Dプリンタの巨大な箱が,私の家に運び込まれていました。

 やってしまいました。

 新年早々,ややこしいマシンを買ってしまいました。

 購入したのは,XYZ Printingのda Vinch miniMakerという最廉価のモデルで,普段でも3万円弱で買うことが出来るものです。カラフルな筐体に親しみやすさを感じつつ,そこはメカメカした3Dプリンタの姿そのものです。

 私は3Dプリンタのこともなにも知りませんし,分かりません。使った事もありません。データの作り方も分かりませんし,手に入れる方法もよく分かりません。とにかく買ってみた,と言う状態ですから,Windows95ブームの時にとりあえずパソコンを買ったおっさんと何も変わりません。

 それはともかく,定評あるXYZ Printingの3Dプリンタが手に入ったのです。全く何も分からない状態で高額なオモチャを手に入れた子供のように,久々にワクワクが止まりません。

 初日はセットアップと,どこかでダウンロードしたデータを試しに打ち出してみました。説明書を見てもよく分かりませんし,言葉も今ひとつピンと来ません。それでもえっちらおっちら3時間ほどかけて,セットアップとキリンのオモチャを打ち出してみました。

 6歳の娘は大喜びです。私も大喜びです。

 その夜,何か実用的なものを打ち出してみたいなといろいろ考えていたのですが,WEBを見ていると,SR43というボタン電池を,MR-9という製造されていない水銀電池を使うカメラに使う事の出来るような,アダプタを3Dプリンタで作っている例を見つけました。

 うちには,オリンパスPEN EEDというカメラがあり,これがMR-9です。よし,このアダプタを打ち出して見る事にしましょう。

 データはSTLというファイル形式でダウンロード出来ました。STLとは3Dデータのファイル形式としては最も広く目にするものらしく,多くのCADがこれを吐き出すことが出来,多くの3Dプリンタがこれを受け付けるんだそうです。

 daVinch miniMakerも当然対応しているので,さっさと印刷してみます。

 いろいろ試行錯誤があったのですが,数個の打ち出しが済みました。バリもあるし,あなが繋がっている部分もあるのですが,PLAという素材で作られたアダプタは意外に強度もあり,いい感じで使えそうです。

 これを見て思いました。H-Bという水銀電池のアダプタはどっかに落ちてないものかと。

 私にとって思い入れの強いAsahi PENTAXのSPにはこのH-Bが使われるのですが,H-Bが製造中止になるときにペンタックスが安価で販売していたアダプタを手に入れそびれてしまった私は,ポリパテで自作したアダプタでお茶を濁していました。

 しかし,経年変化で割れてしまい,今は使えずじまいです。

 3Dプリンタを手に入れた今こそ,データの頒布による実体の配布という近未来を実体験するチャンスです。

 ・・・で,データを探してみたのですが,案外見つからないものです。

 結局データを手に入れる事が出来ません。

 ないものはつくる。

 改めてMR-9アダプタを見ていると,非常に単純な図形の組み合わせで構成されていることがわかります。これなら自分で作れるんじゃないのかと,ちょっと思ったのです。

 とはいえ,私はCADから学ばねばなりません。CADはおろか,基本的なメカ設計の仕方がわかりません。

 3Dプリンタの全容を掴もうと参考程度に購入した,ブルーバックスの3Dプリンタの本を見ていると,数ページだけデータの作り方が書かれているのに気が付きました。Fusion360という高機能なCADを使い,円柱や直方体を組み合わせて図形を作って行きます。

 たった3つの図形を組み合わせるだけで,こんなに複雑な構造を作る事が出来るのか,と何の知識もない私は単純に感動したわけですが,これを見ていると,H-Bアダプタなんてのも非常に簡単にデータが作れるんじゃないかと思えてきます。

 早速Fusion360をインストール,クライドベースのCADに少々面食らいましたが,積み木なんかと同じように組み合わせを考えていじっていると,なかなか面白いじゃありませんか。

 習うより慣れろ。かの宮永好道先生もおっしゃっていた名言を思い出し,H-Bアダプタを見る事にします。

 まず仕様です。ドーナツのような方をしたアダプタで,外側はH-Bの外形と同じ,内側はSR41やLR41をはめ込むことが出来る穴を開けておきます。

 電圧の調整はSP専用と割り切れば全く必要がありません。外形寸法の辻褄さえ合わせれば大丈夫です。

 手描きで図面を書き,これを元にFusion360でデータを作って行きます。1号機は簡単で,H-Bの縁とLR41の縁を直線で繋いだだけの台形のアダプタです。この形状のアダプタは実際に市販されていますので問題はありません。

 円柱を置き,中心部を小さい円柱でくりぬきます。そして面取りをして完成,全く初めての私でも,30分ほどで作業終了です。

 これはこれでいいとして,もう少し手の込んだものをつくってみたくなりました。直径の違う円柱を2つ積み上げて,防止のような形を作ります。中央部にLR41がはまり込む穴をあけてから,角を丸めます。そうすると,さらにH-Bに近い外形になってきました。

 これを作るのにまた30分ほど。とりあえず両方打ち出してみます。小さいものですから,どちらも短時間で問題なく印刷出来ました。

 ちょっと窮屈ではありますが,LR41もSR41もはめ込むことが出来ましたし,ちょっとバリを削り取ってやれば,SPにきちんと収まります。露出計も完璧に動きます。

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 すばらしい。まさに新しい世界の夜明けです。

 この間,わずか2時間ばかり。数時間前にはデータを作る事など全く想像してなかった私が,もっといえば数日前には自分でプラスチック部品を作るなど考えつかなかった私が,今こうしてH-Bアダプタを手に入れています。

 自分で図面を描き,それがそのまま出てくる世界。

 頭の中にある形が,誰にでも見えるものとして出てくる世界。

 この感激には,既視感があります。

 それまでプロに頼むしかなかったものが自分で出来るようになった時の感動です。思い出せば,それまで印刷屋さんにお願いしないといけなかった明朝体の印刷が出来るようになったとき,それまで限られた人か作る事の出来なかったCDを自分でCD-Rに焼いてみたとき,それまで写真屋さんにお願いしないといけなかった写真のプリントが美しく印刷出来るようになったとき,雑誌の記事として目にしたプリント基板が,光基板でそのまま自分で作れた時,こうした感動があったことを思いだしました。

 そして,その感動を。久しく味わっていませんでした。というより,もうこういう感動をすることは,ないと思っていたのです。

 全く新しい事を始めた時の,それが知識だけではなく経験として地と肉となり,全く新しい世界が見えてくると言う経験は,いつ味わってもいいものです。

 こんな簡単なものではありますが,データを公開します。ご自由にお使い下さい。ただし,自己責任でお願いします。

20180109151935.zip


 さて,これに気をよくした私は,翌日別のテーマに取り組みました。

 ニコンの名機,F100のリチウム電池ホルダーの作成です。

 F100は単三4本で動作するのですが,単三4本は重いですし,寿命も短く,温度変化に弱いです。そこで内部抵抗の低いリチウム電池CR2を2つ使う電池ホルダーが純正で用意されていました。

 しかし私がF100を手に入れた時にはすでにディスコン。入手出来ない私は,当時入手可能だった単三4本のホルダーを改造して使っていたのです。

 しかし,あまりに不細工で,危険な香りがします。ホルダー全部を3Dプリンタで作るのは無理でしょうが,CR2をうまくはめ込むアダプタのようなものは,作れそうです。

 必要な部品は,CR2を単三電池と同じ長さにするダミー電池です。これを2つ。もう1つは単三電池と同じ長さのダミー電池です。これは本来2本必要なのですが,大きいものの打ち出しは時間もかかり失敗しやすいので,F100本体の接点があたるものだけに用意することとし,もう1本分はリード線を直接ハンダ付けします。

 ダミー電池はプラスとマイナスが導通する必要があるので,銅箔テープを両端に回して張り付けます。この時,銅箔テープと絶縁用のカプトンテープの厚みを考える必要があるので,この部分は平面で削り取っておきます。

 ささっと図面を描き,印刷をします。今回は高さもあるし,内部を充填したので時間がかかります。途中で倒れてしまい失敗した物が1本でましたが,後は無事出力が終わりました。

20180109152022.jpg

 写真は出力中の様子です。これ,見ているだけで飽きないんですよ。そして次の写真が出力終了後のものです。単三電池ですが,見事に平面で切られています。これ,削って作るのはちょっと大変ですよ。

20180109152052.jpg

 バリを取ったりテープを貼って加工して,ホルダー側も少し削りましたが,すべてきちんと収まりました。

 そしてF100に装着して動作の確認を済ませました。めでたしめでたし。

 数日前まで,その辺にあるものを加工したり工夫したりして使うことしか手がなかった私ですが,これからは必要なものを作り出すことが手段として加わりました。

 もちろん,素材や成型方法に起因する,熱や強度への耐性や精度の問題は無視できませんが,使えそうなものを探し,それを切って貼ってすることしか出来なかったこれまでとは,もう根本的に違います。

 そのために図面の用意が求められますが,幸い高機能なCADが実質無料で利用出来る世の中になり,後は自分の腕を磨くだけという恵まれた状況でこの世界に足を踏み入れたことはとても幸福なことだと思います。

 データの作成にはもちろん困難がありますし,印刷には印刷の難しさがあります。なかなかうまくいかず,今回のような簡単なものでも,試行錯誤が必要でした。しかし,それまで世の中に存在しなかったものが目の前に現れるというのは感動があり,その存在によって得られる成果も一段高いものがあります。

 とはいえ,3Dプリンタは大きな設置場所も必要ですし,安定動作の難しさ,メンテナンスの面倒臭さもあって,値段云々よりも,個人での利用がまだまだ難しいです。まずは3Dプリンタがコンビニ設置されるようにならないと,身近な存在にはならないでしょう。

 私も,これだけにどっぷりはまり込むつもりはありませんが,欲しい部品を手に入れる銃弾の1つとして,自分に必要なレベルでの鍛錬はしておきたいと思います。

 初めて目にして8年半。いたく感動した3Dプリンタを,とうとう手に入れました。そして3Dプリンタで自分で描いた図面の部品を打ち出し,実際にそれが役に立つことを経験出来ました。

 一年のスタートに,私も新しいスタートです。


 

Blackberry Q10 おそらく最後のアップデート

 細かい事を書くといろいろ面倒なので,さくっと書くことにします。

 私が持っているマイナーでかつ古いBlackberry Q10ですが,随分前にOSのアップデートをOTAで行って以来,ずっとそのままになっていました。

 本当は細かい動作の問題や電池の寿命,セキュリティの話もあるのでこまめにアップデートを肢体のですが,なにせOTAで降ってこないので,どうにもなりません。

 そうこうしていると,他のユーザーの方々は,やれ10.3.3になっただの,ようやく最新版が出ただのと,なにやら羨ましい状態のようです。

 すでにBlackberryがandroidに移行した今日,QNXベースのBlackberryOS10のアップデートは見込めず,そろそろ意を決して最新版を入れていこうと考えました。

 もう歳ですし,頑張ってクラックするのもアホらしく,出来れば簡単に済ませたいものです。そこで見つけたのが定番であるsachesiというツールです。

 これは,使っているBlackberryを認識し,最新のOSをダウンロード,アップデートまでワンタッチでやってくれる便利ツールです。

 Blackberryのようにワールドワイドで使われる携帯電話では,国とキャリアによって用意されているOSのバージョンが異なるものですが,そうしたややこしい事情にも対応。カントリーコードとキャリアコードを入れれば,その最新版を探してきてくれます。

 しかし,OSのアップデートには危険が付きもの。私は無謀にもバックアップもとらずアップデートをに挑みました。バージョンは10.3.2.2876からになります。

 まず,カントリーコードとキャリアコードを234/010でサーチ。10.3.3.1435が最新となりました。OSとRadioのバージョンはそれぞれ2163/2164です。

 240ほどのファイルをダウンロードし,インストールが終わるまで2時間ほどもかかったと思いますが,もううまくいくかどうか心配で心配で。途中でコケたらどうしようとか,再起動できなかったらどうしようとか,データも設定も綺麗に消えていたらどうしようとか気をもみましたが,幸いに全く問題なくアップデートが終了しました。

 一通り動作させて問題のないことを確認して一日使ってみたところ,電池の消費も問題ありません。

 このまま使い続けることを考えていたのですが,sachesiを触っていると,もっと新しいバージョンが見つかる場合が出てきました。最新版は10.3.3.3057であることを私は知っているので,これに近づけばいいといろいろ調べると,302/720で10.3.3.1463,2205/2206というのが見つかりました。

 差分は60個ほどのファイルでいいらしく,ダウンロードとインストールで1時間。これも冷や冷やしながらでしたが,無事に終了。

 このアップデートを行っている間にさらに探してみたところ,234/015で10.3.3.2031という最新版が見つかってしまいました。OSとRadioはそれぞれ3057/3058です。

 今年の10月頃に公式リリースされた最新版らしく,これにしておけばまあ当分困らないでしょう。

 これも1時間ほどかけてアップデート。再起動も問題なし。もう慣れたものです。

 再起動後に一通り試しても問題なし。普段使っているソフトを動かしても問題なし。

 なにが変わったのか今ひとつはっきりしませんが,どうも日本語フォントに変更が入ったような感じです。

 これでしばらく使ってみて,消費電力とか通信の安定性とか,そういうところをもう少し見ていくことにしましょう。

AT-X 16-28 F2.8 調整から戻ってきた


 先日メーカーで調整をお願いしたトキナーのAT-X16-28mmF2.8 PRO FX。12月3日に発送し,12月10日に戻ってきました。

 金曜日に少し電話で話をしたのですが,後ピンの症状は確認出来たが,添付されていたCD-Rの画像が「加工されていた」ので症状を確認出来ず,基準ボディーで調整を行ったという話でした。

 加工するなという指示はなかったと思いますし,加工したといっても切り出しだけで,画像そのものをいじった記憶はありませんから,作業時間がちょっともったいなかったなと思いましたが,私としては最初かトキナーの品質基準に合致したものにしてくれればそれでいいと思っていましたので,全然構いません。

 とにかく,後ピンである事を確認してもらい,調整(と点検)をしてくれたことがありがたく,届くのを楽しみに待っていました。

 12月10日の朝に届いたので,昼からいろいろ確かめてみましたが,後ピンの傾向は大きく改善し,AF微調整でも補正値0という結果になりました。

 28mmでも16mmでもほとんど大丈夫ですし,被写体との距離にもほぼ関係なく,ぴたっとフォーカスが合います。

 AF微調整をD850で行うと,以前は調整範囲を超えてしまってエラーになることも多かったのですが,調整後はエラーは出ません。補正値も何度か試してみましたが±3までに入ってきます。これなら問題なしです。

 ということで,メーカーで調整してもらうとバッチリになりました。

 購入後1週間ほどだったとはいえ,調整費用はもちろん,往復の送料まで負担してもらいましたし,調整は完璧,汚れも傷も全く付かない綺麗な状態で返してもらい,しかも電話での応対も気持ちよくということで,今回は本当にトキナーにお世話になりっぱなしでした。ありがとうございました。

 私はカメラメーカーに勤めたことはないのでなんとも言えませんが,一般論として,安いものを売るには,数を売るしかありません。大量に作る方法が求められますが,そのための1つとして品質基準を下げるというものがあります。

 決められた手順で作れば調整の必要のない設計をすれば大量生産が出来る事は想像出来ますが,この方法では多少のバラツキを許容しなければなりません。

 一方で,1つ1つ完全に調整を行うなら,バラツキは小さくなりますが,製造にかかる時間も増えるので大量生産が難しくなります。当然価格も上がります。

 工業製品においては,基本設計が優れていることはもちろんですが,それだけでは「目の前にある1つ」が優れているとは言えず,その設計通りに製造されて調整されていることが必要で,そこにこそお金がかかるものです。

 こういう書き方をすると,純正のように高い値段で売れないレンズメーカーのレンズは,製造や調整で妥協しているといったような誤解を招くのですが,そういう事実があったとしても,価格に応じた性能や品質であるなら,それは極めて妥当です。

 今回のレンズは光学特性は優れており,問題になるのは逆光に弱いことくらいでしょう。しかし,やはり純正の1/3の価格である事の影響は製造や調整に出るものであり,私が買った個体の最初の状態は,この価格に見合った品質であったのでしょう。

 メーカーの言い分としては,ここで責任は果たしているわけですが,多くはきちんと後々の個別対応を受け付けてくれています。手間とお金をかけて1つ1つ調整をし,設計通りの性能が出るようにしてくれるのですが,その結果私が買った値段では,赤字になってしまうのではないでしょうか。

 純正では,高い値段でも買ってもらえますし,逆にその値段に見合う性能を求められるので,1つ1つ調整をしたり,品質基準を高めたりといった高価になる要因を組み込むことができます。だから,個別対応を求めると結構嫌な顔をされるのではないかと私は思っています。

 そこへいくと,トキナーにしてもシグマにしてもタムロンにしても,どこもこういう個別対応にはとても親切に対応してもらえます。安いのに申し訳ないという気持ちもありますが,その結果を体験すると,お願いして良かったなあと思うのです。

 口の悪い人などは,レンズメーカーのレンズは購入後に調整から帰ってくるまでが納期だといったりしますし,そのことで「もっと品質管理をしっかりせよ」と言うわけですが,私はそこまでは感じません。純正以上に売る努力をしないといけない人達が,絶妙なバランスで作り上げた製品と販売システムであり,おかげで我々は安価に高性能なレンズを使うことが出来るのです。

 カメラは100年を超えた歴史を持つ,お金のかかる趣味の1つです。当然口うるさいユーザーがいて,諸先輩の苦言が今のカメラの世界を作ってきたともいえます。

 だからこそ,主観に頼りがちなユーザーの主張を真面目に聞くだけの土壌がメーカー側にもあるのでしょうし,メーカーもそうしたユーザーのいう事を信じてくれるのだと思います。

 ともあれ,今回のAT-X16-28mm F2.8 PRO FXは,とてもいいレンズです。トキナーブルーは美しく,解像度も高いです。AFも満足ですし,16mmはやっぱり楽しいですし,28mmも開放から十分実用になる画質です。

 ともすれば,純正が買えなかった人の言い訳になるレンズメーカーの大三元ですが,私はこれは積極的にこれを選んだと,胸を張って言うことにします。

 さて,そうして喜んでいたところ,ほぼ同時に先日申し込んだキャッシュバックの郵便為替も届きました。本当に1万円戻ってきましたよ。

 いやー,当然なんですが,調整までしてもらってお金をもらえるというのは,なんだか不思議な気分です。トキナーさん,ありがとうございました。

 

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