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PC-6001と日本語ワープロの思い出

 この季節になると,年賀状をどうするかで頭を痛めたことを思い出します。我が家は父が営業職だったこともあり,一般家庭よりも多い年賀状を出す必要がありました。

 仕事の年賀状は当然父がやるとして,親戚を含めたそれ以外の年賀状はすべて母の仕事となり,寒くなると母が毎晩夜なべをしていたことを思い出します。

 宛名書きも大変ですが,裏面の図案も大変で,母は結局干支の版画を彫ることにしていました。12年後には彫らずに済む,と頑張っていましたが自分の所に不幸があった年は版画を作りませんでしたし,結局あまり楽になった印象がありません。

 無論,当時から印刷をすることは選択肢としてあったわけですが,我々は印刷をするのは最後の手段と考えていたところがあって,結局一度も使わなかったと思います。

 小学生だった私は,自分自身が面倒だったこともありましたし,母親が心血を注いでいるのを見ては,これがパソコンで楽になるんじゃないかと思っていました。

 以来,コンピュータを使って住所の管理や印刷などをするのは,私の夢となったのでした。

 当時の私のマシンはPC-6001です。今でいう全角文字すら扱えず,データはカセットテープで管理せざるを得ませんでした。そのせいもあってか,小学生の私には「ファイル」という概念がさっぱり理解出来ず,せっかくビル・ゲイツが用意してくれたPRINT#やINPUT#という命令を使いこなせないままでした。

 ただ,それらが解決したとしても,相手は紙という実体ですので,プリンタが必要です。プリンタがまた当時は高価で,私が手に入れたのも確か小学校6年頃じゃないかと思います。PC-PR401という,サーマルプリンタです。

 サーマルプリンタは安価で静かなのですが,よく知られたように感熱紙という特殊な紙を使います。当時の郵政省は葉書といえば普通の紙の1種類しか用意せず,かといって感熱紙になっている葉書用紙も市販されておらず,現実的にサーマルプリンタで郵便物を印刷することは出来ませんでした。

 ですが,工夫を厭わなかった当時の私は,なんとかPC-6001とPC-PR401で郵便物を作成出来ない化と試行錯誤を繰り返しました。いつしか,郵便物作成の省力化という本来の目的を忘れ,とにかくPC-6001で葉書を作る事に心血を注いだのです。

 まず,日本語をどうするかです。PC-6001mk2には漢字ROMが入っていましたが,それも大きさが他のキャラクタとは合わず,また1024文字しかないのであまり意味がありませんでしたが,なによりうちのマシンは初代PC-6001です。

 ですが,あるもんですね,漢字ワープロというソフトが初代PC-6001向けに売られていたのです。隣町にあった今はなきニノミヤムセンの,見るからに長期不良在庫だったのですが,子供のお小遣いとしては破格の3800円を払って買いました。

 このソフト,かな漢字変換などという気の利いたものはないのですが,32kByteのRAMとカセットテープ,そして簡単なプリンタで日本語が使えるようになっていました。

 まず,画面はテキストではなくSCREEN4のグラフィックモードを使います。テキスト画面と同じ解像度ですので,文字数は32x16行です。

 英数字とひらがな・カタカナは,標準のものをそのまま使います。これはキーボードから直接入力します。

 問題は漢字です。これは,他のキャラクタと同じドット数でデザインされた900文字程度の漢字を,独自のコードを使って入力していくのです。

 これで,漢字と英数字,カナが画面上で編集できるようになりました。

 問題は印刷なのですが,これがなかなかうまい方法で,ただ画面のコピーを取るだけです。

 プリンタに漢字ROMが内蔵されている,いわゆる日本語プリンタが繋がっていれば印刷は高品位かも知れませんが,そんなものはPC-6001よりも高価です。

 それならばと,漢字やかながグラフィック画面に表示されている状態で,そのままハードコピーを取って印刷してしまおうというのがこのワープロです。純正のサーマルプリンタPC-6021は40桁のプリンタで,ロールペーパーの幅がちょうど葉書の短辺くらいの長さです。一文字の大きさも12ポイントくらいですし,画面に出ているものがそのまま印刷されるという仕組みは,画面の編集機能がそのまま印刷にも生きるという事を意味していて,とても合理的です。

 もっとも,画面の解像度やサイズ,文字品質がそのまま印刷の質に直結するので,印刷物としては話にならないのですが・・・

 とはいえ,アイデアでPC-6001のハードウェアの限界に挑んだ,まさかに漢字ワープロですから,実用性は別にして私はすごいなと今でも思うのです。

 当時の私は,これで雑誌の投稿を1つか2つ,無理に作ってみた記憶があります。ただ,感熱紙のロールペーパーゆえ,印刷した紙を葉書サイズに切り抜き,上下に2枚糊で貼り付けて葉書1枚を作りました。

 感熱紙ですので,すぐに変色したり脱色して読めなくなります。PC-6021やその後継のPC-PR401は印字濃度が薄いので,ますます見にくくなります。

 ですから,葉書のようなものに感熱紙を貼り付けたところで,それが届く頃にはもはや読めない葉書になっていたのではないかと思います。

 結局,そもそも文書を作る必要性が低い子供のこと,面白半分で使った程度でもう使わなくなってしまいましたが,今思い出してもなかなか面白いシステムだったなあと思います。

 その後,我が家にはX1turboが導入され,本気の日本語処理に24ドットの熱転写プリンタが組み合わされ,一気に日本語の処理が身近になったのですが,PC-6001というファミコンにも負けるようなマシンで,日本語ワープロを動かしたという事実は,私にとってとても思い出深いものになっています。

 

Kindle oasisを買いました

  • 2017/11/01 15:56
  • カテゴリー:散財

 2014年の11月にKindle Voyageを買って3年,日々の読書に手放せないアイテムとなりました。300dpiの電子ペーパーが奥行きのない表面に表示する文字は,まさに紙に書かれたそれといっても違和感がありません。

 暗い所で見るためのものでななく,より紙に近づけるためのフロントライトを装備したのがPaperwhiteであり,その後のVoyageで300dpiを実現したKindleは,3年間大きな進歩もなく,このままになってしまうのではないかと心配していました。

 昨年のoasisは,コンセプトは別にしてVoyageよりも高価な割には優位点がほとんどなく,私のような人でさえ購入を見送ったほどですから,あまり売れなかったのではないかと思います。

 しかしamazonが偉いのは,そのoasisを徹底的に改良し,新しいフラッグシップとして新登場させたことです。

 新しいoasisは9世代目といわれていて,価格は約34000円。キャンペーンとクーポンを使えば3万円ちょっとまで安く買えますが,Voyageの登場時に2万円ちょっとだったことを考えると,かなり高額です。

 そしてその改良点は,

・Kindle発の7インチ電子ペーパー搭載

・旧機種ではカバーにも電池が収められていたのに対し,新機種では電池があるのは本体だけ。カバーなしでも他のKindle並みの駆動時間になった。

・安いモデルでも内蔵ストレージが8GBにアップ。

・IPX8の防水になり,風呂場でも本が読める。

 とまあ,かなり根本的に直してきました。

 3年間毎日使ったVoyageがかなり傷んできていること,ストレージが不足しつつある事,電池の寿命が短くなってきつつあることから,買い換えを考えていた私としてはまさに好都合,昨年oasisをパスしたこともあり,今回のoasisは早めに予約を入れておきました。

 めでたく昨日届き,早速セットアップをしました。

 さっと使ってみた感想です。

 まず,第一印象は「大きいなあ」でした。事実一回り大きく,これまでの機種のような「小さい」という印象は全くありません。前世代のoasisと比べても大きくなっていますので,これはもう言い訳無用でしょう。

 ただ大きいというよりも横幅が大きくなった感じが強くするので,小さめのカバンにきちんと入るだろうかと心配になりました。

 ただ,背面は金属になり,全体の剛性感も触った感じの質感も上がっていますので,値段相応の高級感はあると思います。

 大きくなったこともあるし,もともとそんなに重いという印象が薄いKindleですが,oasisでは200gを切っていて,実はVoyageよりも軽くなっています。確かにPaperwhiteよりも,Voyageよりも,軽く感じます。持った手をひねるような力が小さくなっていることと,指がうまい具合に引っかかることとで,とても快適です。

 電源スイッチは上面にうつり,せっかく慣れたVoyageの背面のスイッチからまた移動しました。Kindleの唯一の残念な点は,機種が変わるとボタンの配置が大きく変わることです。

 ページ送りのボタンは,Voyageのタッチボタンから物理的なスイッチになりました。私はそれでもよいのですが,これもVoyageで慣れましたし,表面が完全フラットになることの美しさから考えると,今さら物理的なスイッチに戻さなくても良かったんじゃないかと思います。

 画面はさすがに素晴らしく,7インチは伊達ではありません。わずか対角1インチの差ですが,この差はとても大きくて,6インチでは文庫本の印刷エリアくらいだったものが,7インチだと文庫本そのものが入り,文芸書版の印刷エリアにさえ匹敵します。

 1つ大きな判型の本が,そのまま読めるようになるというのは全く新しい体験であり,ムラのないフロントライトとより紙に近づいた色味も相まって,もうVoyageには戻れません。

 確かにVoyageは300dpiですが,6インチという大きさは自宅で落ち着いて読むには小さく,自宅で読み始めるときには「本来外で使うものだしなあ」という割り切りが必要だったわけですが,このくらいになると家の外でさっと本を開くことと,家でじっくり読書をすることが,この1つでシームレスに出来るようになると思います。

 読書というのは多分に気分に左右されるものでもあるので,これは結構大きな話です。


 8GBのストレージでも十分に大きく,私の使い方では何の問題はありません。32GBの方が売れているという話ですが,価格差を考えるとお得とは言え,そこまで必要になることは少ないと思います。

 ストレージについていえば,喜ばしいのはUSB経由での書き込み速度が大幅に上がっていることで,Voyageでは他のUSBメモリに比べて随分遅かったものが,oasisではかなり速度が上がっています。

 画面が大きくなり,ファイルサイズが大きくなっていることを考えると,転送時の待ち時間が減ることは大歓迎です。

 ページをめくるときの反応速度も改善されていますし,大きい割には軽く,持ちやすくなっている上,左右を持ち替えたときには画面がくるっと回転してくれますので,読み始めてしまうと読書に集中することが出来ます。もはやKindleだからとか,電子書籍だからとか,そういう「覚悟」を読み始めるときにする必要はないと思います。

 今回のKindleで,惜しいなと思う事がないわけではありません。1つはWiFi。未だに2.4GHzのみの対応です。大容量のストリーミングをするわけではないですから,別に5GHzの11acにする必要はないのですが,2.4GHzがこれだけ混雑していると,自宅では5GHzで使いたいなと思うシーンも多いでしょう。

 USBのコネクタについても惜しいところがあります。MicroBについては賛否両論あり,私はこれでもいいと思うのですが,せっかくIPX8相当なんだから,キャップを付けて欲しかったと思います。

 水没するような使い方をするつもりはないのですが,このコネクタが左手で持ったときに上に出てくるのがくせ者で,水しぶきがかかって中に入り込むことが容易に想像出来ることを考えると,充電の必要性も低いマシンだけに,キャップがあっても良かったんじゃないかと思うのです。

 物理的なスイッチは3つ付いていますが,これもタッチ式にした方が良かったかもしれません。確実な防水や掃除のしやすさがその理由です。

 ページ送りのボタンについても,Voyageでは下側が次ページ,上側が前ページだったのに対し,oasisは逆になっています。このあたりのポリシーのなさがKindleの弱点だと思えるのですが,これは設定で変更出来るのでよしとしましょう。

 とても残念なのは,ネットワーク機能でしょうか。せっかくWiFiで繋がっているのに,NASなどのファイルサーバに繋げません。これができればいちいちUSBでつないで転送といった面倒な事がなくなりとても便利になると思うのですが,amazonで購入したコンテンツで出来ていることが,自炊コンテンツでも出来るようになるという愚策を,amazonがするはずもありませんし,仕方がないですね。

 充電もワイヤレス給電を採用してもらえれば,コネクタを完全に廃止できます。そうするより美しく,より本に近くなり,そして完全な防水だって可能になるはずです。次のKindleでは,こうした点が改良されることも期待したい所です。


 画面が大きくなったことの恩恵は,テキストベースの電子書籍よりも画像を中心としたレイアウト済みの電子書籍にあると私は思っています。テキストベースのものでは,見にくければ文字サイズを大きくすれば済み,大画面化は1ページあたりの文字数に関係するだけであり,極論すれば1冊読むために必要なページ送りの回数が減るかどうかなのに対し,レイアウト済みの画像による電子書籍は,画像が表示される面積がすべてですので,画面が小さいと文字が潰れて読めなくなります。

 解像度が上がることはどちらの電子書籍にとってもメリットがあります。その点でいえば,コミックを読まない人や自炊をしない人にとってのKindleはVoyageがベストという事になりますが,コミックや自炊の本を読む人は,今のところoasisがベストという事になるでしょう。

 繰り返しになりますが,持ち歩きならVoyageがベスト,家でも外でも読むのであればoasisを選ぶ価値があると思います。voyageなら荷物の隙間に入れられますし,oasisなら家の中でも我慢せずに済みます。

 私?

 私はもうoasisに全面移行です。この見やすさは,多少大きくなっても,家の中でも外でも魅力的ですから。

 

D850の画像をLightroomで眺めてみる

 昨日もD850の画像をLightroomから眺めていました。

 今回は高感度の特性とノイズについて注目してみました。D850は裏面照射型のCMOSセンサを採用し,高画素数と高感度を高い次元でバランスしたものではありますが,この高感度というのが案外くせ者で,画像処理エンジンで積極的にノイズを潰して高感度を謳うものも多く,そうしたものはJPEGでは有効でもRAWでは意味がありません。

 もっとも画像処理エンジンにとってはJPEGにすることなど仕事の一部に過ぎません。一番大事な仕事はCMOSセンサからのアナログ信号を取り込んで様々な加工を施し,それらしいものに整えて,ようやくRAWにするという仕事です。

 CMOSセンサから出てきた本当のデータなど,もう見るに堪えないものであるわけで,これをNEFファイルにするところまで考えても,膨大な画像処理が入っていることは,我々も普段あまり意識しません。

 ということで,感度を上げた写真を見てみました。D800ではISO3200が個人的な限界で,これはノイズが問題というよりも,コントラストや発色が問題となっていじりようがなくなるから,という理由からでした。

 同じような気持ちでD850をみてみると,コントラストや発色はISO12800までは大きく悪化しません。むしろノイズがISO3200くらいから増えてしまい,ISO12800ではかなり厳しいため,ISO6400を一応の限界にしないといけないなと思ったくらいです。

 ですから,ISO8000くらいの画像に対しても,輝度ノイズを強めに除去するだけで十分に使える画像が出てきます。すごいですね,これ4500万画素なんですよ。

 それ以上に私が驚いたのが,JPEGの綺麗さでした。JPEGにする時にノイズの除去などが行われますが,これがまた巧みで破綻がなく,私が見たところISO256000までは十分に扱えそうなくらいの画像でした。多少輪郭がデコボコしますし,ノイズの塗りつぶしに不自然なムラが出てきますが,そこは高画素機ですので縮小すれば気になりません。高画素機のメリットはこういう所にも出てくるんですね。

 正直に言うと,Lightroomで手間をかけて現像するよりも,JPEG撮って出しの方が綺麗に仕上がるんじゃないかと思いました。古いD2HはRAWをLightroomで処理すれば今でも使えるカメラになりますが,D850くらいになるともうそういう話は通用しないのかも知れません。

 いずれにせよ,ISO128000くらいまでは発色もコントラストも実用範囲,ノイズの除去で十分使える画像になります。さすが裏面照射です。

 それから,やはりハイライトで飛んでしまったと思われる情報がちゃんと残っているのもすごいです。

 先日のオーディオの修理の話で,XC-HM86がキズだらけになって帰ってきた話を書きました。実は,D850を購入したその日に,あれこれと部屋の中を試し撮りした際,偶然XC-HM86が写っていたのです。

 ただし,黒い被写体に合わせた露出のためシルバーのXC-HM86は完全なオーバーで,その上光が反射して真っ白に飛んだ状態で写っていました。

 これじゃどうにもならんなと思ってはみたものの,遊び半分で画面の隅にちょこっと写ったXC-HM86を等倍で拡大,そこから露出補正を-2.5ほどかけると,なんとまあ正面パネルのヘアラインが綺麗に浮かび上がってくるではありませんか。

 少なくとも,今回指摘した1cmの大きなキズもなければ,ボリュームツマミのキズも皆無です。9月初旬の画像で,修理に出したのが10月初旬ですからこの1ヶ月を指摘されれば弱いですが,この間ラックから出すこともせず,なにかをぶつけた記憶もないことを考えると,やっぱり私が付けた傷である可能性は低いなあと,思った次第です。

 あと,10月の満月をD850で撮影した画像もちょっと感動しました。満月って結構明るいので高感度云々はそれ程重要ではないのですが,それでもコントラストの大きな被写体になるので,月面の模様がきっちり出てくるというのは,なかなか大したものです。

 AF-S70-210/F2.8VRにテレコンで280mm相当,F8まで絞り込んで撮影したものは,手ぶれもきちんと補正されていますし,画面の真ん中に小さく移ったお月様も,高画素機で拡大すればその模様もしっかり確認出来ます。

 汚れた窓ガラスによってぼやっとしてしまった事は残念ではありますが,肉眼では見られない月の姿をとらえたこの写真を見て,D850はこんなことまで出来るんだなあと感心しました。

 一通り写真を印刷してみて思ったのは,まだまだD850を使いこなせていないという事です。特に色の傾向をまだつかめていない感じで,D800の頃には何の苦労もせずに出せていた深みのある緑や茶色が出ていないこともあり,特にホワイトバランスに気をつけないといけないと思いました。

 インタビュー記事でも出ていましたが,D850には自然光AUTOというホワイトバランスの設定があります。人工光と自然光は全然傾向が違うので思い切って分けたという話ですが,私が今回子供の撮影を行ったのは野外,それも晴天の午前中でしたから,もともと青みがかった色だったはずです。

 背景には常緑樹の濃い緑が頻繁に入るのですが,どうもこの緑の記憶色との間にずれが生じているんじゃないかと思います。これから屋外では,AUTOではなく自然光AUTOにして撮影しようと思います。

 こうしてみると,D850というのは実に高い次元で性能がバランスした,優れたオールラウンダーだと思います。

 4500万画素はトリミングを躊躇なく行える画素数ですし,センサは高感度でも処理の難しいコントラストが低下せず,ソフトでどうにかなるノイズが増えるくらいで済むのがうれしいですし,それがISO12800くらいまでは対応可能というのですから,明らかに撮影領域が拡大しています。

 それでいて最大9コマ/秒の連写に高速高精度なAFシステムが被写体に食いつきますし,D800に比べてほとんど気を遣うことがなくなった露出の正確さも地味に素晴らしい改善点です。ホワイトバランスも難しい条件でなければ,特に室内の人工光では,AUTOにしておくだけで大変に好ましい結果を出してくれます。

 XQDを使ったメモリシステムは高画素と高速をスポイルしない足腰を持っていますし,軽快なシャッター音に上品な振動は,撮影者をその気にさせます。

 つまり,撮影時にあれこれと考えないといけないことが,圧倒的に少ないのです。


 今もって品薄が続くD850ですが,40万円もするカメラがなぜそんなに馬鹿売れなのかという素朴な疑問は,このカメラを手に取って撮影すれば,おそらく大半の人が即座に理解出来るのではないでしょうか。

 

LightroomでD850のRAWを現像できた

 Lightroom6がようやくD850に対応しました。バージョンは6.13です。一応年末にもう一度くらいのマイナーアップデートがあるそうですが,今のところそれが最後になるという話です。

 まあ,D850が対応してくれさえすれば,しばらく使い続けられますので安心です。

 DNGコンバータは一足先にD850に対応しているので,NEFをDNGに変換して古いLightroomで処理する方法もあったのですが,それだとプリセットが対応しませんので,正式な対応まで現像するのを待っていました。

 果たして,D850のプリセットがちゃんと用意されていました。同じ画像を本体でJPEGに書き出したものとNEFを現像したものを比べてみたところ,完全に同じとは言えないまでも,一応それぞれのプリセットの方向性は同じであると分かりましたし,私はLightroomでこれまで通り,現像をすることにしました。

 4500万画素という事で,どんなに重たいものかと覚悟していましたがストレスはほとんど感じなく,D800のころと同じか,むしろ軽いくらいじゃないかと思ったほどです。

 SanDiskの外付けのドライブも素晴らしく,全く速度の低下を感じません。

 てなわけで,改めてRAWデータから現像を氏,等倍でD850の画像を見てみた印象です。

 第一印象ですが,正直に言うと,D800の時ほどの感動はありませんでした。もっというと,D800との違いが思った以上に少なくて,ちょっと拍子抜けしたというのが本音の所です。

 確かに発色はD800に比べてこってりと記憶色を軸に置くようになりましたし,ホワイトバランスもほとんど外しておらず,フォーカスもしっかり食いついているので歩留まりは圧倒的に上がっています。

 しかし,画像園ものを見てみても,D850にしてよかったなあと思うような写真が,案外少ないことに気が付きます。私のレベルではD800もD850も変わらんものなのかとちょっとがっかりしました。

 むしろ,D800では気にならなかったレンズの粗がD850では目に付くようになりました。特に色収差が目立ちます。AF-S 24-70/F2.8ですからね,最新のレンズではありませんが,それでも大三元ですしね,神レンズとはいわれないまでも,高性能で知られた標準ズームを使って,これだけひどい色ズレを見てしまうと,厳しいなあといわざるを得ません。

 高画素になると,より高い性能のレンズが必要になるというのは本当のことで,同じ土俵に上げてはいけないとは思いつつも,同じ35mmの画角を得るのに,安い18-35を使った場合も,24-70を使った場合も,何回かシャッターを切っただけで結局シグマの35mm/F1.4に戻ってきてしまいました。

 その高画質を,レンズの性能にがっかりすることで体感したわけですが,そうなってくるともはやレンズは資産などといってられないことに気が付きます。ボディが消耗品といわれて久しいデジタルカメラの時代にも,レンズだけは資産として残るものと考えていただけに,純正のレンズでさえこんな状況になっていることに,私は腕を組んで考え込んでしまいました。

 それにしてもD850はさすがです。構図の失敗はトリミングでどんどんカバー出来るし,露出の失敗は広いダイナミックレンジで救えます。白く飛んだところや黒く潰れたところから画像が浮かび上がってくるのをみると,ちょっとしか感動さえあります。

 救えないのは手ぶれやフォーカスのズレくらいで,それもVRと校正のAFで失敗が少なくなっている昨今,もう人間が撮影する時に注意しないといけない事など,なくなってしまったんじゃないかと思うほどです。

 画素数が少ない頃はトリミングなどできませんから,しっかり構図を決めて撮影することが求められました。D800くらいになると,構図に失敗した時にも救えるというくらいの認識になったのですが,いろいろ話を聞いていると,D850はもはやトリミング前提で,とにかくシャッターを切り,あとで構図を考えるというのが当たり前になってきているような感じです。

 画面のどこかに被写体が入ってさえいればそれでいいという状況は,もはやカメラマンは職人芸を持つ必要がなくなってきたといっていいかもしれません。高画素機は,シャッターチャンスと写真芸術の世界に,少なからず影響を与えてしまいそうです。


 さて,そんなこんなでサクサクと写真を選び,トリミングをし,ちょっとだけ露出を調整して印刷を行おうと思ったのですが,なにやらうまくいきません。

 OSアップデートしたせいなのか,リストアを行ったせいなのか,Lightroomをインストールし直したせいなのか,それとも他の原因かわかりませんが,CanonのツールであるPrint Studio Proが起動しません。再インストールで起動まではするようになりましたが,今度は環境の保存と呼び出しが動かなくなっています。

 試行錯誤をしましたが,なかなか解決しません。なにが問題って,PRO-100やPRO-100Sのドライバのダウンロード先に,Print Studio Proが登録されていないことです。仕方がないので,Googleで探して最新版を落としてきました。

 海外のCanonのサイトには登録されていますから,単なる抜けではないかと思うのですが,それにしてもOSがアップデートしたこの時期に,最新版をダウンロード出来ないというのはちょっと問題ですよね。

 

XC-HM86の修理~その2

 なかなか便利で使い勝手も良く,音質も満足しているパイオニアのXC-HM86ですが,CDのトレイが出てこなくなり,修理を依頼したところ,傷だらけになって戻ってきたという話を先日書きました。

 この話の顛末です。

 戻ってきたXC-HM86は,まず油や指紋でベタベタに汚れており,触る気が失せました。渋々拭き取って改めて見てみると,その前面パネルに1cmほどの大きなキズがある事に気が付きました。

 自分がつけたキズの可能性を考えましたが,こんなに目立つところに自分でキズを付けた記憶はないし,キズが付いていたという記憶もありません。家族もそういっています。

 輸送中のキズについても考えましたが,こういうことを避けるために,わざわざ全面を段ボールで覆って発送しましたから,それもちょっと考えにくいです。

 おかしいなと思ってあちこち注意をしてみると,あるわあるわ,小さなキズがあちこちにあります。

 前面パネルの1cmのキズを筆頭に,角をぶつけた箇所が2つ,ボリュームツマミに打ちキズ,,上面の操作ボタンにも打ちキズ,ディスプレイに縦方向の擦りキズ,背面にひっかき傷と,全部で20ヶ所ほどありました。

 それだけならいいんですが,さらによく見ると,ACコードのストッパー(ほら,ACコードの根元についている,抜けどめがあるでしょ,あれです)の一部が,被せた上ケースの内側に入り込んでいます。このことで背面パネルは内側に湾曲しています。

 うわ,これは安全上の不安もあるな・・・

 さらによく見ると,基板を交換したときのネジの締め方が強いようで,パネルが歪んでいました。これはひどい。

 ということで,パネルのキズで相当がっくりしていた私は,再修理をしてもらっても駄目だろうという気持ちになってきました。

 キズだけなら,再修理で構いません。むろん,どっちがつけたキズなのかで揉める可能性はありますが,購入してからまだ半年も経っていないものとは思えない傷の付きっぷりから,私ではないと認めてもらえると思います。

 しかし,ACコードの問題は,私が中をあけてみることが出来ないものである以上,ずっと不安を抱えて使い続けるのはかなりしんどいものがあります。

 ネジの締め方による歪みもそうですし,そもそも汚れた手でベトベトに人の持ち物を汚しておいて,そのまま返してくるような人が再修理をしたとしても,気持ちよく,不安なく使い続けることはもはや不可能だと,一晩考えて思ったのです。

 これは,とりあえず新品への交換を希望しよう。ダメモトだけど,こちらの気持ちは伝えよう,その上で,一流の担当者に丁寧な修理をしてもらおう,とそんな風に思って先方と相談しました。

 終始紳士的な対応をして下さったその担当者は,とりあえず現物を見るまでなんとも言えないので,まずは送り返して欲しいといってきました。とても丁寧な方でしたが,私を疑うようなことも,出来るとも出来ないともいわず,とにかく見てから判断したいと安請け合いすることも逆に突っぱねることもしませんでした。

 これも,先方にすれば安易に約束をせずに冷静に判断するために必要な時間で,怒っているだろう相手の頭を冷やしてもらう時間を稼ぐ意味でも,悪い言い方をすれば時間稼ぎとも言える,とても賢い作戦だと思うのですが,同時に私にとってもメリットがあります。

 出来る事は出来る,出来ない事は出来ないときちんという姿勢は,とてもよいことです。

 すぐに返送の宅急便を手配してくれました。送ったのが先週の土曜日でしたが,水曜日に経過を確認するために電話をし,週末までにという返事をもらった後,木曜日の夕方にもらった電話の折り返しを,金曜日の朝にしました。

 すると,新しいものへの交換品が手に入ったので,今日送りますというお返事です。交渉した方とは別の人と話をしましたが,平謝りでした。

 私は私で,無理を言ってすまなかったとお礼を言って,翌日無事に新しいものを受け取ったのです。

 新品ですからなにも問題はありません。

 品薄の中ようやく届いた以前の機械には愛着があり,さみしい思いがするのは事実ですが,やっぱり気分の問題もありますし,こうして私の所に来たのもまた何かの縁です。大事に使っていこうと思います。

 こういう場合,双方の意見が食い違って揉めることが多く,私も覚悟はしていました。それは立場の違いからくるものですし,相手にも出来る事と出来ない事があるわけで,特に厳しいオーディオ業界なら当然のことと思います。

 考えてみると,修理を受けて返すだけでも何万円もかかっています。保証期間内だから私は1円も支払っていませんが,それが最終的に全部無駄になり,あげく新品に交換されたわけですから,手続き上は私の持ち物を買い取り,新しいものを提供したことになるわけで,それはもう大変な金額になるはずです。

 XC-HM86はそもそも高価なものではなく,実売も安いですから,これ1台で稼げる利益も少ないでしょう。今回の私の対応にかかったお金を取り戻すだけで,一体何台のXC-HM86を売らねばならないのかと考えると,私も悪いことをしたなあと思うのです。

 でも,ここで思うのは,そもそも保証期間内に壊れてしまったことがすべての始まりです。壊れた原因はICの不良でした。数円程度のICだと思いますが,これが半年で駄目になったことで,これだけ大きな話になったことを,よく考えて欲しいと思うのです。

 販売店は在庫が,メーカーは品質が業績の足を大きく引っ張ります。それだけ大きな負担になると言うことですが,裏を返すとこれらを少しでも改善すれば,目に見えて数字が良くなるという事です。

 私の事例を正当化するものではないですし,まして私が役に立ったなどというつもりは毛頭ないのですが,今回の件では結局誰も得をしていない,みんな不幸になるケースだったことを思い出して頂きたいなと,そんな風に思いました。

 そして最後に,これまでとても良い印象を持っていたオンキョーのサービスが,一度地に落ちてしまいましたが,今回の無理をきいて下さったことで,規則に縛られるのではなく,個々のケースでユーザーの気持ちを最大限汲もうとする姿勢は健在でした。ありがとうございました。

 

 

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