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2022年09月27日の記事は以下のとおりです。

PC-386 Book Lの復活劇 その7 ~画面の乱れを修理

 PC-386 Book Lですが,ここへきて動作の不安定さが無視できなくなってきました。

 ちょうどクロックアップによって画面表示が乱れるようになったことを先日書いたところですが,起動時などコンパクトフラッシュへのアクセスで乱れることがひどくなりました。翌朝まで放置すると嘘のように症状が消えているのですが,午後になると復活し,夕方には画面が出てこなくなるほどです。

 フロッピーディスクドライブの2へのアクセスで画面が乱れたり,特定のアプリを起動すると乱れたりと,もう何が何やらという感じなのですが,高負荷がかかると発生するような気がしたので,電源まわりを確認してみることにしました。

 しかし結果は問題なし,綺麗な電源が供給されています。

 そうこうしているうちに画面に縞模様が出始めてしまい,本気で修理をしないといけなくなってしまいました。

 縞模様も画面の乱れも既知の問題で,前者はLCDコントローラとLCD用のVRAMの接続の問題で,かつては液漏れしたコンデンサの電解液で腐食して切れたパターンを修復して解決しました。

 後者はLCDコントローラの水晶発振子の足下に染み込んだ電解液のせいで発振が止まっていたことが原因だったのですが,発振波形を見てみると正常で今回はこれとは関係がなさそうです。

 まずわかりやすい縞模様から。VRAMの波形を見ていると,クロストークがひどい信号が見つかりました。仮に正常に動いていてもこの波形は放置できないので,パターンをカットして修復します。

 結果,クロストークはもちろん,縞模様も解決しました。これは1時間ほどで解決。

 難航したのは表示の乱れです。なにせ現象を安定して再現出来ないですし,外部ディスプレイではなにも問題がありません。なかなか尻尾がつかめず時間ばかりが過ぎていくわけですが,どうもLCDコネクタの信号の1つに,表示の乱れと同期して波形が変化するものがあることが判明しました。

 この信号,表示が消えているときは0V,表示がONの時には-15Vになるものです。どういう信号かよく分かりませんが,電源のように大電流の回路ではないので,なにかの信号だろうと思います。

 これを追いかけて行くと小さなトランジスタに行き着きます。おそらくLCDのON/OFFを制御しているのだろうと思い,暫定的にこのトランジスタを常時ONとしてみました。

 すると画面の乱れはなくなったのですが,画面の文字や表示内容が出たり消えたりとなってしまい,結局使い物になりません。LCDをOFFするのと同時に表示内容も消すという丁寧な回路なんだろうと思いますが,こうなってくるとそれらの回路に指令を出す部分がおかしいという事になりそうです。

 しかし,それを追いかけるのはちょっと難しく,現状が再現しなくなったことで一度組み立てたのです。

 しかし,ゲームで遊んでいると,ドライブ2へのアクセスで画面が出てこなくなり,もう一度分解して修理を行う事にしました。

 今度は,メイン基板を裏返して動作させ,徹底的に波形を見て回ることにしました。どうせ電解液による基板の腐食が原因でしょうから,中間電位が出ていたり,クロストークが出ていたら,そこがあやしいです。

 あちこち触っていると,ぱっと画面が正常になる事がありました。いよいよ尻尾をつかんだかと思ったのですが,再現性がありません。指で触っていくと反応が出てきますが,どうも指ではなく,手のひらの腹の部分で基板に触れていたところが問題の箇所だったようで,ここに指を近づけると画面が正常になります。

 再現性は100%。ここに何かがあるに違いありません。

 更に範囲を狭めていくと,1つのスルーホールに絞られました。ここに指を近づけるだけで正常になり,1cm以上離すと画面が乱れます。

 早速スルーホールの導通を確認しましたが,やはり高抵抗を示しています。配線はゲートアレイから74HC74に入っていて,この出力が画面表示のトランジスタを叩いているようです。

 スルーホールを補修して両面を接続し,この配線を修復したところ,問題が完全に消えました。ビンゴ,これが原因だったようです。

 それ以後は嘘のように画面も動作も安定し,しかもクロックを25MHzまで上げても問題がないことまでわかりました。

 ということで,現在のクロックは25MHzとなり,ノートンのSIでは4.77倍にまで処理速度が上がっています。もともとメモリがない機種ですので仮想86モードで動かす事もありませんので,クロックを上げても問題が出にくいのかも知れません。

 実に快適,DOSマシンとしてはなかなか実用的なマシンになったのですが,これまで無傷でやってきたLCDの表面に,今回の修理で傷を付けてしまいました。最後の最後にこういうことをやってしまう自分のいい加減さに落胆するもの,まあそれも私の持ち物の証か,という気分もあって,愛着が沸いてくるから面白いものです。

 さて,残りのテーマは数値演算コプロセッサとメモリです。先に書いておくとメモリはどうにも手がありませんが,数値演算コプロセッサは手があります。待て次号。


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