PC110のフロッピーディスクドライブをUSBに
- 2023/04/25 12:15
- カテゴリー:make:
実家がなくなってから,もう1年半も前の話になります。びっくりするほど今の私の生活になんの影響もないことと,でもどっかで自分の拠り所を失ってしまったという喪失感があり,思った以上に時間はこの問題を解決してくれそうにありません。
この時に実家で廃棄したものだけではなく,それ以前にも「もういいか」と廃棄したものが案外たくさんある事に今さら気が付いては,惜しいことをしたなあと思ったりすることも多いのですが,PC110という小型PCもその1つです。
これは1年半前の処分品なのですが,PC110の持病であるLCDの劣化がひどくて,捨ててしまいました。お金も手間も情熱もかけた思い入れのある機種だっただけに,悩んだ末の処分でしたが,やっぱり今でも悔やまれます。
本体とポートリプリケータ,そしてフロッピーディスクドライブの3点セットを新品でもらったのがきっかけで,そのころすでに入手が難しかった各種オプション品をコツコツと買い集めました。
秋葉原のT-ZONEがPC110に入れ込んでいて,ここが独自に販売していたものとして,緑色のトップカバーとボトムカバー,33.6kの内蔵モデムは,当時既に入手不可能と言われていたものだったので,上方を手に入れた日曜日の朝早くに秋葉原まで出かけた入手したことを良く覚えています。
4MBのメモリボードを改造してトータル24MBにしたり,内蔵のカスタムICを削ってクロックアップをしたり,PS2マウスコンパチの静電式タッチパッドを内蔵してみたりと,それはもう随分と楽しみました。
LCDのフレキも交換用に確保しましたし,Windows95を入れてEthernetにつないで,メール端末として実用マシンとして使っていた時期もあります。(その後VAIO Uに交代しましたが)
さすがに486SXに24MBのメモリではWIndowsも厳しく,ここでLinuxなどを入れおけばまた違って展開もあったかもしれませんが,結局使わないうちにLCDの劣化が進み,処分に至ったというわけです。付属品もすべて処分したのですが,純正PC-DOSくらい取っとけばよかったなあ。
で,処分の決定をしたその日の夜,やっぱりなにか残しとこうと思い立って,IBMのロゴがしびれる専用フロッピーディスクドライブだけ,処分しないで持ち帰ることにしました。薄型のフロッピーディスクドライブですので,交換部品としても,あるいはなにかの役に立つこともあるかも知れませんし。
そうして持ち帰ったPC110用のフロッピーディスクドライブですが,いよいよ復活の時がやってきました。
実はこの2年ほど,フロッピーディスクの世話になることが増えているのです。1つは修理に勤しんでいたレトロPCの復活。もう1つはオシロスコープからのデータの吸い上げです。
前者はPC=386BookLの話なのですが,ネットワークに繋がらないこの機種にとって,データのやりとりはフロッピーディスク,それも720kBの2DDだけが頼りです。
後者は主に測定時の画面のキャプチャなんですが,1.44MBで使っています。
ということで,うちにはUSB接続のフロッピーディスクドライブが1つあるのですが,これがいつ壊れるかわからない(新品で買ったのですが分解するとボロボロの中古品のドライブが出てきました。中国製恐るべし)
それに,会社と自宅の両方でフロッピーディスクを使うこともあるので,出来れば2台欲しいのです。もう一台買い増そうと思ったのですが,1台3000円と結構な値段がします。
そこで,このPC110用のフロッピーディスクドライブをUSB接続型として復活させることを考えました。
まずは分解。TEACの定番,FD-05HGが入っていました。これなら楽勝とばかりに,うちにあったUSB接続型のフロッピーディスクドライブを分解して,USB-FDD変換基板に繋いでみます。
720kBはあっさり認識。ここで1.44MBの確認もやるべきだったのですが,まさか20kBが読めたのに1.44MBが読めないなんて思わないじゃないですか・・・
気をよくして変換基板だけ売っていないか調べます。標準の34Pならいくらでも売っていますが,26Pのスリム型の変換基板はなかなか売っていません。するとみんな大好きaitendoに,1000円と微妙な値段で売られていることが分かりました。しかもこれ,うちにあるドライブに内蔵されたものと全く同じです。
背に腹は代えられません。フレキもないので最も安くなるパターンを考え,30Pのフレキを一緒に購入しました。380円(税抜き)もしましたよ。
あとは到着を待つだけ,なのですが,その前にテストをしておこうと,うちの基板とFD-05HGを繋いで動作の確認です。もしかしたら3モードかも知れませんし。
しかし,3モードかどうかを確かめる目的で始めた確認作業は最悪の結果になりました。なんと1.44MBがアクセス出来ません。720kBは問題ないのに,こんなことってあるんだなあと・・・
このままでは発注済みの基板が無駄になります。焦った私は,ネットで情報を探し回りますがダメ。ジャンパの設定があるかもとドライブを分解しますが,この時代の安価なドライブはジャンパで設定を変えるような面倒な仕組みを持たず,設定ごとに別の製品として出荷されるので,分解したところでなにも出来ません。
万策尽きたか。
ダメモトでいくつかのジャンパ抵抗を動かしたりしましたが,この1つに変化が見つかりました。ありがたい事に1.44MBへのアクセスが出来るようになったのです。しかし720kBはアクセス出来なくなりました。
DENSITY信号に関係するかもと調べましたが,あいにくなにも成果はなく,他のジャンパも当てずっぽうに繋げたり切ったりするも上手くいきません。最悪外部にスイッチを付けて手動で切り替えることにしようかとあきらめかけたとき,ふと閃きました。
なら,フロッピーディスクに開けられたノッチでHDとDDを検出出来るんじゃないのか。
ノッチ検出のスイッチからパターンを追いかけて調べますが,これはあまり役に立ちませんでした。しかし,検出スイッチを押して電圧が変わる部分を見つけることは出来ました。
この部分と先程のジャンパを繋いでやれば,DDでHigh,HDでLowになる仕組みを実現出来,自動切り替えが出来るはずです。
試したところ,うまくいきました。こういう改造がなぜ必要になったのかという,原理的なところまで解明できていないですし,これで壊れないものかと心配になりはしますが,とりあえず上手くいってるのでOKとしましょう。
後日,届いた基板を取り付けて動作確認をしますが問題なし。元のケースに組み込んでIBM純正風USBフロッピーディスクドライブの完成です。
NECのドライブと違って,TEACのドライブはカチッとした感触が素晴らしいです。アクセス音も好ましいですし,IBM純正らしくインユースランプも黄色で,ちょっとした特別感があります。
それからIBMらしいライトブルーのイジェクトボタン,そして誤操作防止のカバーと,イジェクトボタンを押すときに親指を置くトップカバーのくぼみも,さすがIBMだと思わせます。
IBMのこういう細かい配慮が私は好きで,IBMがPCから撤退したことは今もちょっと残念だと思っています。
今回はたまたま上手くいきましたが,通常この手の問題はあきらめるしかないものです。メカものであるフロッピーディスクドライブが2台になったことでしばらくは困ることもないと思いますが,果たして1500円近い費用を今かけることに,どれくらいの意味があったのか・・・もっと安いときに買っておけば良かったです。