Walkmanの修理~その6~WM-805(2つ目)編
- 2023/10/04 11:03
- カテゴリー:マニアックなおはなし, make:
8月から突然始めたWalkmanの修理ですが,今回のWM-805(2つ目)で一区切りです。もともと最初に手に入れた赤のWM-805が再起不能なものだった場合を考えて予備(と部品取り)で2台も手配した黒のWM-805ですが,赤のWM-805が苦労の末復活したことと,黒のWM-805が2台もあることから,せめて1つくらいは復活させようと思ったのでした。
2台の黒のWM-805は,1台は筐体の程度が悪く印刷がなくなっています。もう1台はキャプスタンが派手に錆びていてこのまま利用するのは難しいでしょう。ピンチローラーはどちらも片側が変形しています。
基板は1台が完全に壊れているのに対しもう1台は正常ですが,正常な基板にくっついているモーターは固着していて回転しません。
ということで,文字通りニコイチで復活させることにしました。キャプスタンを選別し磨いて取り付け,モーターを交換してベルトをかけます。ピンチローラーも交換しておきます。
これで動かしてみますがやはり基板の不良です。2枚あるどちらの基板も当時よく使われたの四級塩の電解コンデンサが液漏れしており,基板や部品を壊しているようです。もちろんそれらの電解コンデンサは交換してましたが,基板のうち1つはクロックの発振が安定しないという症状が出ており,直すのも面倒ということで別の基板と交換しました。
とはいえ,基板の交換はフレキのハンダ付けを外して付け直す必要があるため,そんなに簡単にできません。壊さないように慎重に作業を進めて基板を交換し,通電して動かせばとりあえず問題なく動いてくれています。
あとはテープスピードを調整し,完成です。
一方,筐体の方は普段使いを考えていたため,綺麗に仕上げるつもりはなかったのですが,重曹につけ込んでベタベタを取り除いたら白っぽくなってしまい,結局クリヤーを吹き付けることになりました。
抗して仕上げると,かなり綺麗になったと思います。ただ塗膜はただのラッカーですから,爪があたっただけで傷がついてしまいます。もったいなくて普段使いをしにくくなってしまったなと思います。
ということで,これにて一時期夢中になったWalkmanの修理は一区切りです。あとは実際に使うことを考えたいところですが,そのためにはGX-Z9100EVで20年ぶりに録音をしないといけません。
早速録音前の儀式であるキャリブレーションを行ったところ,BIASの調整が全然出来ない事が判明,調べてみると右チャネルの録音が全く出来ないことが判明しました。
嫌な予感はしていたのです。製造から30年も経過したカセットデッキですし,10年ほど前に電解コンデンサの交換はしたものの,ゴム部品はそのままですから,どうしても不安はあります。
調子を見てみると,かつて録音されたテープの音質は十分ではあるものの,前述の録音不良があります。しかも早送りや巻戻しが満足に出来ない状況ですし,電源投入時やストップモードにしたときの「カタカタ」が頻発してなかなか終わってくれません。
そしてさらに,別件で押し入れを見たとき,大量の録音済みカセットテープが出てきました。A-450時代の録音も含め,テープはMA-Xを筆頭に,ハイポジションからノーマルポジションまで様々な種類がありました。
中心はTDKで,MAとSA-Xです。そういえばSA-Xは物理的に弱いテープで,ドロップアウトが起きやすいテープでした。
AXIAのPS-IIs(ダブルコーティングのやつ)も大量に出てきましたが,これは低音から高音までバランス良くとてもいい音で感心しましたし,マクセルの安定感は当時と変わらない素晴らしさです。XLI-Sはずっしりと重く,音も素晴らしいです。
変わったところで,AIXAのSD-Masterが出てきました。これはFMエアチェック用のマスターテープに使っていたもので,わずか数回使ったところでテープのキズによりドロップアウトが発生し引退,FM802の開局記念放送をただ残しておくという次の役割に甘んじていたテープです。
正直そんなに性能のいいテープではありませんし,当時のフラッグシップモデルというのもハーフにお金がかかっているからじゃないかと思うのですが,短命だったことを考えるとAXIAらしい垢抜けた感じもなく,音質もの特筆すべきものがありません。
当時の事を思い出すと,PS-IやPS-IIが繰り返しの使用に耐える堅牢性を持っていたので,AXIAはエアチェック用のマスターに向いているかもと考えて,そのフラッグシップモデルを買ったということのようです。
音質も普通でしたが,なにより期待していた堅牢性に裏切られたことで,私の中でAXIAは3番手に落ちたのでした。
マクセルはUDIやUDIIでもいい音がしますが,XLIやXLIIは別格です。しかも安いテープでも物理的な堅牢性をちゃんと持っているので,結局ここが一番だったのかもなあと思います。
TDKはMAとSA-Xが中心で,なかなかお金をかけていたんだなと思いますが,SA-Xはドロップアウトがすぐに発生しますし,MAもそんなに耐久性があるわけではありません。しかしMAはこれぞメタルテープと思わせる破綻のない音ですし,SA-Xは超低ノイズで繊細な音が素晴らしいです。
今改めて聞いてみると,当時毛嫌いしていたノーマルポジションが実にいい音がしていることに気付かされました。ノイズの多さだけは問題ですが,大入力が入った時の破綻のなさからくるダイナミックレンジの広さは素晴らしいです。
まだデジタル録音できていないテープがザクザク出てきました。懐かしいNHK-FMのセッション93などもたくさん出てきましたので,コツコツと録音していきましょう。
GX-Z9100EVのメンテもやり直さないといけないですし,なかなか大変です。