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2025年01月04日の記事は以下のとおりです。

PC-8201のLCDを復活

 1983年,PC-8001,PC-6001,PC-8801でまさに帝国を築こうとするNECがハンドヘルドコンピュータとして世に問うたマシンがPC-8201です。

 A4サイズ,単三電池4本で駆動,デスクトップ型と全く同じキーを備えたキーボードに大画面のLCD,そしてN-BASICと互換性のある強力なBASICという本気のマシン。

 その上レッド,アイボリー,シルバーという,どれも従来のパソコンとは一線を画す3色の本体色で,当時中学生だった私には,138000円という価格もあって,とてもまぶしく見えました。

 PC-8201に搭載されたN82BASICもマイクロソフト製のBASICですが,このBASICこそ,ビル・ゲイツが最後に書いたコードをを含んでいることでも知られています。

 さらに,PC-8201にはタンディとオリベッティに兄弟がいて,すべて京セラのOEMだったということもエピソードの1つです。

 そんなPC-8201ですが,単三電池で動かすためにすべてCMOSのICで構成することになります。Z80は当時まだCMOSでは手に入らず,CMOS化で先行していた沖電気の8085が搭載されています。

 このころの電池で動くマシンのCPUの選択肢には制限があって,PC-2001に至っては8080系でさえありません。そういう過渡期のマシンというのも,実は結構面白いものだと思います。

 さて,そんなPC-8201ですが,私が入手したのは随分後です。とはいえ入手から30年も経過しています。当時既に傷んでいましたが,この30年でさらに劣化が進んでしまいました。ケースもすでに塗装が剥げてしまっていますし,黄変も見られます。

 その劣化のうち,最も深刻なのは先日発覚したLCDのビネガーシンドロームです。発見したときの悲しさといったら・・・

 表示は正しく出ていますが,画面の中央に色の違う楕円が浮き出ていて,いかにもLCDがだめになっている感じがします。こうなると時間の問題で,分解してLCDを取り外しきちんと確認してみると,ビネガーシンドロームに特徴的な,すでに斜めのキズのような物が浮き出ていました。

 ここまで来るともう偏光フィルムの交換しかありません。PC-386BookLのLCDの修理に失敗した悲しみが癒えないまま,私はある一面ではPC-386BookLよりももっと大切なマシンの修理に進むことにしたのです。

 作業そのものは簡単。ますはLCDの端っこをめくって,手持ちの偏光フィルムが使えるかどうかを試してみます。悲しいかな,このLCDは先日入手したA4サイズの偏光フィルムを斜めにしないとコントラストが最大にならず,結局1枚の偏光フィルからは斜めに1枚分しか採ることが出来ない,無駄の多い結果となってしまいました。

 大きさを測って切り出した後は,元の偏光フィルムをLCDからエイやっと剥がしてアルコールで綺麗にします。

 あとは覚悟を決めて,新しい偏光フィルムのシールを剥がして貼り付けます。少々大きめに切り出しておくと,少し斜めになったくらいで失敗したりしないのでオススメです。

 書くと簡単ですが,ホコリは入る,気泡も入る,斜めになって端っこが張り切れないととにかく失敗の可能性が高い作業です。しかも偏光フィルムの糊は一度貼ると使えなくなるので,チャンスは一度きりです。それでも偏光フィルムが複数枚とれればまだ安心なのですが,前述の通りA4の偏光フィルムから1枚しか採れない以上,本当に一度きりです。

 こういう時大体失敗知るのが私なのですが,今回はホコリは入らず,気泡も数カ所で済みました。強く指で押すと気泡は消えるものなのですが,押しすぎるとガラスが割れてしまうので注意が必要です。

 しかし,3ヶ所の気泡が消えず,うち1ヶ所が黒ずんだ謎の気泡です。しかし,これを深追いするとろくな事がないと,これまでに痛い経験を重ねてきたもう一人の私がやめておけとブレーキを踏んでいます。

 なんとかしないとと思う気持ちを抑えて,今回はこのままでいきましょう。余った端っこを少し切り落とし,LCDは一応完成。本体に組み込んで組み立てれば作業終了です。

 劣化した偏光フィルムを交換したのですから,視認性も向上。非常に見やすくなりました。ますます愛着がわいてくるから不思議です。

 問題の気泡は,なんと小さい物は3日ほどで,黒ずんだ物でもどういうわけか5日くらいで綺麗に消えてなくなりました。やはり深追いは禁物でした。希望については神経質になることはなかったということです。

 そんなわけで,今回のビネガーシンドロームには勝利。PC-8201は無事に復活することができました。登場から40年以上ですからね,自分でメンテ出来る人しかレトロマシンを所持してはいけないと,そんな風に自分に言い聞かせて,今後も維持していこうと思います。

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