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ユーザー「gshoes」の検索結果は以下のとおりです。

PC-386BookLのメモリを3.6MByteに

 PC-386BookLで遊んでいると,もうちょっとメモリが欲しいなと思う事があります。といっても,MS-DOSで真面目に2.6MByteを使い切ることなどなく,ディスクキャッシュや常駐ソフトの待避に使われるわけですが,HDDを1GBと破格の大きさにしたことで,ディスクキャッシュが相対的に小さくなって,パフォーマンスの低下が目立って来ました。

 これまで768kByteでも十分だったのは,HDDが40MByteと小さい事で,ファイル数も少なく,ディレクトリのエントリも少なかったからだと思うのですが,1GByteにもなるとディレクトリの一覧が出てくるまでに,ゴリゴリとHDDへのアクセスが発生します。

 自作したLスロット用2MByteのSRAMボードを改造して容量を増やし,もう少しディスクキャッシュにあてがえればと思ったのですが,当時そういうこともあるかと,増設の仕組み仕込んであったことを思い出しました。

 SRAMですので,考えるべきはアドレスデコーダくらいのものなのですが,デコード信号をHC138を使って作ったので,すでにデコード信号が1MBごとに8本も用意出来ています。このうち先頭の2MB分を使っているわけですが,現在の回路でも8MBまでは信号が用意出来ているというわけです。

 とはいえ,SRAMそのものをバスに敗戦する作業からは逃げられません。多くの先人達は,ここでICの上にICを重ねるという,カメカメと呼ばれる必殺ワザで増設をこなしてきました。

 かくいう私もカメカメは基本テクニックとしてすでにマスター済みですが,なにせ信頼性が低いので積極的にやるようなものではありません。それに,渥美も増えるので,実際には利用出来ないことも多いテクでもあります。

 今回のケースでは,配線がSRAMの上にも這い回っているという汚い実装で,カメカメが最適解ではないのが明確でした。とはいえ,他に方法もなく,やるなら重ねる以外にないでしょう。

 その前に,SRAMの在庫があるかどうかも見ておかなければ。幸いなことに,前回10個買ったSRAMの残りがそのまま残っているので,もう2つ追加してトータル3MByteのプロテクトメモリに仕上げましょう。

 追加の部品はSRAMだけ。これを重ねて配線し,HC138から0x30000から0x3FFFFまでをデコードした信号を取って配線するだけです。

 とはいえ配線数も多く,細かいハンダ付けが続くので,まさに修行。黙々と続けます。

 1時間半ほどで配線を終え,念のための確認をしてからPC-386BookLに取り付けます。まずは起動直後のメモリチェックはパスです。3MBを認識しています。

 次はTMEM.EXEというメモリチェックプログラムで,プロテクトメモリのままチェックをしますが,これもなんなくパス。

 そして最後に仮想86モードでEMSを設定し,EMSTEST.EXEでEMSとしての動作をチェックします。これもサクッとパス。

 いやはや,私には珍しいことに,何の問題もなく動いてしまいました。

 これで私のPC-386BookLは3.6MBになりました。これくらいになるとようやくメモリサイズを気にしなくても大丈夫な感じです。

 ディスクキャッシュを増やしたり,EMSとのバランスを取ったりして調整を済ませて運用に入っていますが,正直なところ,あまりその効果を感じません。そういえば当時も高いお金を出して増やしたメモリ(PC-98RLをフル実装で9.6MBにした)にたいして,それほど実感として変化を感じなかった,つまりは気分的な物で,結局DOSではどうにもならないことに馬鹿馬鹿しさを感じていたことを思い出しました。

 もうこれ以上PC-386BookLを改造したり拡張することはないでしょう。そういえば私が初めて買ったDOS環境であるPC-386VRも,メモリは増設後4.6MByteだったなあとか,そんなことを思い出しました。そう考えると,1991年頃の実機環境としては,このくらいで十分だという事でしょう。

 

ubuntuでつくるDOSアプリ

 実は,先日からubuntuの導入に四苦八苦しておりました。

 今どきのLinuxだからなんの苦労もなく,イメージをダウンロードしてUSBメモリに書き込んでブートすれば1時間後には使えるようになってるだろうと思っていたので,四苦八苦していると「なにをやってるんだ私は???」と思う事もしばしばでした。

 といいつつ四苦八苦した理由は簡単で,古い古いMacBookAirをターゲットマシンにしたからです。MacBookAirのLate2010という今から15年の前マシンです。当時円高が進んで,10万円を割るというので,11インチという小ささを生かした,メールなどの生活マシンとして買いました。

 メインメモリは長持ちさせたいという理由で4GBにしましたし,キーボードもUSです。今も思うのですが,大きさといい重さといい,キーボードの感触といい,このマシンはとても使い心地がいいです。

 そんなですから,電池は交換してありますし,SSDも240GBにしてあります。しかし,OSのサポートが早々に打ち切られたことと,CPUパワーの不足もあって,現在はM1のMacBookAirです。(これも買ってから5年もたつのか・・・)

 しばらく死蔵していたのですが,先日PC-386BookLがらみのある事情から,ubuntuを入れて再出発させることを思い立ち,行動を起こしたと言うわけです。

 そのある事情というのが,PC-386BookLのメモリへの不安です。

 高速のディスクコピーのツールには,EMSを使うものがあります。ところが,EMSを使うとどうもデータが化けるらしく,コピーが正しく行われないのです。

 同種のディスクコピーツールを使っても同じ結果が出ますので,メモリが自作である私の場合,メモリテストを行わないと心配です。

 もちろん,プロテクトメモリとして実装してありますし,プロテクトメモリとしてのメモリチェックは何度も行ってエラーがないことはわかっていますが,仮想EMSドライバなど相性もあると思いますし,特定の条件下で出るエラーかも知れません。とにかくDOSで標準化された方法で,EMSへのアクセスが正しく行えているかは調べておく必要があるでしょう。

 で,そんなツールがないものかと探してみたら,ありました。

https://github.com/pc98user/EMStest

 バイナリがないので自分でコンパイルすることになりますが,コンパイルに,見慣れないia16-gcc-elfを使っています。ん?なんじゃこりゃ?

 MS-DOSのアプリですのでDOS上のコンパイラ(MS-CとかTurboCとかLSI-Cとか)でコンパイルする物と思っていたら,gccというじゃありませんか。gccって8086に対応してた?もし8086のコードが吐けてもDOSでの実行形式にするためのライブラリは?

 なんでも,少し前からLinux上でMS-DOSのクロス開発を行うための,16ビットコードを吐くgccやらライブラリやらの環境整備が行われて,数年前にDOSで動作するアプリケーションをLinuxで作るのが流行ったらしいのです。

 そんな面白い事があったのかと不勉強を恥じたわけですが,私の場合Linux環境から作る必要があるので,まずはこのソースをMS-CやTurboCに移植することを試みました。

 しかし挫折。全然コンパイルが通りません。さすがに30年も昔のコンパイラですので,エラーが連発しますし,なんとかねじ伏せても,実装すると暴走します。今さらTurboCを勉強しなおすのも面倒なので,これを機会にLinux環境を常備することにしたわけです。

 そこで白羽の矢が立ったのが,眠っていたMacBookAir2010です。古いとは言えメジャーなマシンでしたし,遅いとは言えLinuxならそれなりに動くでしょう。

 ということで,イメージをダウンロードします。選んだのはubuntu-desktopです。計量のLubuntuなんかも考えましたが,最初はとにかく普通の物を選んでおくことにしました。

 バージョンは一番安定していて長くサポートされることを期待して24.04.2LTSにします。これをUSBメモリに書き込み,MacBokAirから起動します。

 ・・・上手くいきません。

 起動にすごく時間がかかる(USB2.0であることを差し引いてもものすごく遅い)上に,画面が真っ黒です。ごく希にインストーラが起動するのですが,これをインストールを行っても,再起動するとやはり画面が真っ暗です。話になりません。

 のちにこれは,GPUのドライバが問題である事がわかりますが,この時はそんなこともわかりませんので,1つバージョンを落として22.04.5LTSにしました。

 これだと起動も正常,インストールも進み,再起動も可能でした,(画面の右端にチラチラとゴミが出ていますが)

 とまあ,ここまで実は丸2日かかっています。いろいろな種類のイメージのダウンロードには結構な時間がかかるし,インストールが終わるまで1時間ほどかかりますから,大変でした。

 22.04.5LTSで正常の画面が出たのは,GPUのドライバがnouveauドライバというオープンなものを使っていて,これがMacBookAir2010のGPUであるGeForce320Mを正常に動かすことが出来るからみたいです。24.04.2LTSではこれが未対応のようで,画面が真っ暗になったり崩れた表示になってしまうようでした。

 とにかく世界中でMacBookAir2010にubuntuを入れている人はいるだろうから,ここからコツコツやっていこうと腹をくくったのですが,プロプライエタリなドライバ(nvidia-driver-470)を入れてみると,表示のゴミはなくなったかわりに,輝度の調整が出来なくなり,輝度最大に固定されてしまいました。

 さすがにこれはつらいので対策を探しましたが,見つかったXorg.confの修正を行っても解決しません。ならばとnVidiaの公式でLinuxに対応したドライバのバージョンを特定してみました。するとnvidia-340というのが該当するというのでインストールを試みるも,すでに公式には存在せず入手は不可能です。

 ただ,他の方が残してくれているのでリポジトリに追加してインストールしましたが,なんと再起動後に画面が真っ暗になり,ubuntuのインストールからやり直しです。

 ここまでまた丸2日。他の環境設定もやりつつだったので,インストールのやり直しはかなり痛い手戻りになりました。

 結局GPUのドライバはいろいろなバージョンを試し,いろいろな設定を試しましたが解決せず,失敗した時のダメージが大きすぎるので断念し,nouveauドライバでいくことにしました。

 まあ,輝度調整が出来ないドライバというのも手だと思いましたが,つまりACPIでバックライトの制御が出来ない事を意味しているので,省電力設定でバックライトを消したりできませんから,やっぱり実用は無理があると思います。

 ついでに24.02LTSでもドライバの入れ替えなどで試行錯誤を行いましたが,こちらも問題は解決せず。とにかく正常に画面が出ませんので手探りでやるしかなく,あきらめました。

 ということは,このMacBookAir24.04.2LTSへの移行は出来なくて,従って2027年移行は使えなくなりますということです。あと2年か・・・Linuxにも見放されるといよいよ厳しいです。

 さて,環境設定を進めていきます。WiFiも標準のままで問題なく動作しているのでBroadcomのプロプライエタリなドライバを入れる必要はありません。(いれるとサスペンドからの復帰に失敗するという話もあります)

 キーボードのレイアウトを変更したり,.bashrcを書き換えたり,mozcの再コンパイル(初期状態が直接入力になっていて,初期状態をひらがな入力にするには設定を変えて再コンパイルしなければなりません)したりと,なかなかに手間のかかる作業をひととおり終えてみると,そこには普段使い可能なマシンが完成していたのでした。

 WEBのブラウザもサクサクとはいいませんが実用レベル,メールもOK。日本語入力も快適に出来ますし,コピーやペーストのショートカットも,タッチパッドのジェスチャによるワークスペースの切り替えも問題なく動いています。

 もともとのキーボードの心地よさもあって,ターミナルでのCUI作業は快適で,なにも我慢を強いられません。絶対的な速度の遅さに我慢が強いられる場合もありますし,その割には電池の減りが早いので,M1のMacBookAir2020の進化に改めて感動するのですが,それでも片手でひらひらと持ち運べるMacBookAir2010の身軽さに比べて,ずっしりと重いMacBookAir2020は,AppleがモバイルマシンとしてiPadを割り当てたことを再認識させられます。

 さて,ここまでくるのに5日。えらい時間がかかりました。

 では,投書の目的のEMStestをコンパイルしてみましょう。実は,ia16-gcc-elfをインストールして指示通りにコンパイルをしただけだと,全然コンパイルできなかったのです。

 見つかった記事はHello World!で問題なく実機で実効できたよ,というネタに過ぎず,今回のエラーであるdos.hがありません,なんていう問題の解決方法は,なかなか見つかりませんでした。

 ということで,当たり前過ぎて誰も解説しなかっただけの,おそらく初めての日本語によるコンパイルの手順です。

(1)リポジトリを追加し,アップデート
sudo add-apt-repository ppa:tkchia/build-ia16
sudo apt-get update

(2)gcc-ia16-elfをインストール
sudo apt-get install gcc-ia16-elf

(3)nasmをインストール
sudo apt-get install nasm

(4)ライブラリをインストール
sudo apt-get install libi86-ia16-elf

(5)ソースを展開し,コンパイル
ia16-elf-gcc emstest.c emslib.c -li86 -o emstest.com

(6)フロッピーに書き出し,実機に転送し実行


 今回はバイナリのサイズが30kB未満ということで,tinyモデルで十分です。そこで実行ファイルはemstest.comとして作成しました。

 で,これを実機に転送するわけですが,USBフロッピーディスクドライブをMacBookAir2010に接続すると,さくっと認識されて使えるようになりました。書き込みには管理者権限が必要なのでCUIでsudo cp~としないといけませんが,こんなに簡単に使えて,ubuntuは大したものです。

 ドキドキしながらPC-386BookLで実行。

 なんら問題なく実行されて,テストが進んでいきます。結局EMSとして使える1616kBは,全エリアエラーを出すことなく,テストをパスしました。

 ・・・大変でしたが,emstestを実行するためにDOSのコンパイラに移植を試みたところから考えると,3週間ほどかかってしまいました。

 ubuntuでDOSのアプリが最新のCで作る事が出来る(MS-CやTurboCのコメントが//ではなく/*でないとエラーになることを知ってめまいがしました)というのもいいし,HelloWorld!どころではないEMSのアクセスという結構難しい物がきちんと動作していることも興味深いです。

 そのためにubuntuを整備したことも収穫でしたし,その結果レシピを見るのにキッチンに置いておける小さくて,水がかかったりして壊れても困らないマシンとして,古いMacBookAir2010を用意出来たことも大きいです。

 そして,想像以上にubuntuが使い物になること,日常的な作業はこれでなんなくこなせるだろうということがわかった上に,UXも最新のものを取り入れようと貪欲であることも好感触で,もうちょっとしっかりubuntuを使い込んでいこうと思いました。


 あ,今偶然見つけたんですが,ia16-gcc-elfって,DOSのバイナリもあったんですね・・・動くんかなあ。

PC-386BookLにYM2203を内蔵

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PC-9801の標準的な環境を再現するに,私のPC-386BookLで不足している最後のピースはサウンド機能でしょう。1980年代を代表するデジタル音源であるFM音源はPC-9801UV2という家庭用を意図したモデルで初搭載,その後小型モデルを中心に内蔵されて来ましたが,PC-9801の本流であるビジネスマシンのPC-9801DAシリーズにも標準搭載するに至り,4オペレータFM3声+SSG3声は日本のDOSマシンの「当たり前」になりました。

 PC-9801シリーズに内蔵されたFM音源はOPNと呼ばれたYM2203です。PC-8801mk2SRにいち早く搭載され,音楽機能が弱かったPC-8801シリーズを一気に国産機トップの能力を持つ機種に引き上げた立役者です。

 アーケードゲーム基板にも採用されたこのチップは,8音ポリのYM2151,6音ポリのYM2608等に比べると見劣りしますが,1980年代中頃において,本格的なデジタルシンセサイザで音作りが出来て,しかも和音を演奏出来るというのは衝撃的で,これが本体に標準搭載されることで,用途の柱の1つであったゲームが新しい時代に入ったと言えるでしょう。

 とはいえ,当時の私は,8ビット時代にはX1でYM2151を使い,16ビット時代にはMIDIに流れていましたので,YM2203を自分の手で鳴らしたことは一度もありません。当時使っていたPC-98RLにPC-9801-26K互換のボードを一応突っ込んでありましたが,どこかで馬鹿にしていた気もしますし,音が出るという事だけで済ませていた気がします。

 さて話は現在に戻ります。

 PC-386BookLは,ここまでコツコツと修理と改造を繰り返していますが,LCDがカラーになったことでレトロゲームマシンとしても期待出来るようになりました。実はフロッピーディスクドライブが2台入っていることも,ゲームには向いているんですよね。

 こうなってくると足りないものはサウンド機能です。残念な事にビジネスマシンのPC-386BookLにはFM音源は内蔵されていません。

 なにも1990年代のPC-9801-86と同じ水準のサウンド機能が欲しいとは思いませんが,色鮮やかなゲームの画面を見ていると,そのチープさがかえって当時を強く思い出させるPC-9801-26K程度のものがあるといいなと思うようになりました。

 しかしLスロットで拡張することは絶望的なので最初から無理と決めつけていたのですが,冷静に考えると大した規模の回路ではありませんし,部品さえ揃えればなんとかなるだろうとジャンク箱を漁ってみると,YM2203もYM3014もすぐに見つかりました。

 これは作るしかありません。

 早速手元の資料を調べてみると,YM2203は0188hと018Ahにマッピングされ,INT5に割り込みを突っ込めば良いらしいです。26Kに搭載されていたROMはBASICから使う場合に必要なだけで,独自のドライバがあれば必要がないので,EMSが使えないなどの弊害もあることから,実際にはほとんどのケースで切り離されています。

 結局YM2203を8ビットのデータバスでI/Oに繋ぐだけ,と言う簡単な話だとわかったところでちょっと考えてみると,アドレスデコーダはORゲート3つと74HC138で簡単に作れそうです。データバスとIOWとIOR,そしてRESETは面倒なので直結です。ここにバスバッファを入れるのが正しいのでしょうが,配線は短くしますし,YM2203以外にぶら下がりませんから,苦労してバスバッファを入れてもPC-386側のバスの負荷は変わりません。ならば省略です。

 そうそう,クロックは本体からもらってもいいんですが,決まった周波数(4MHz)が欲しかったので,これも手持ちの水晶発振器で手間をかけずに解決しました。

 IRQは,YM2203がオープンドレインで,本体にもオープンドレインで突っ込む必要があるのですが,あいにく論理が逆なので,トランジスタ1つで反転しオープンコレクタで突っ込んでやります。机の上をちらっと見たら,どこかから外した2SC945が出てきたのでこれでいきましょう。

 てことで,YM2203と74HC138,74HC32に4MHzのオシレータでデジタル部は出来そうです。

 次にアナログ部をどうするかですが,YM3014にOP-AMPが2つ必要,これにローパスフィルタとSSGとの合成にもう1つ必要なので,3つ必要になります。さらにPC-386BookLにはPC-9801シリーズのように26Kからのオーディオ出力を受けて本体のスピーカでならすコネクタもないので,スピーカを自前で持つ必要もあります。

 OP-AMPは手持ちの関係から最終的にTL082を2つ,パワーアンプは手軽で便利なHT82V739を使うことにしました。5Vで動いて外付け部品も少なく,ノイズも小さくて高音質ということで大変便利なICです。

 実はこのIC,ゲインが小さい事が唯一の難点なのですが,今回はノイズまみれの環境で使いますので,むしろゲインは小さい方が良く,これも好都合でした。

 電源のうち,OP-AMP用の±12Vは綺麗な方がいいので,LDOを使うのが正しいのですが,面倒なので大きめのパスコンを繋ぐだけで直結します。

 とまあ,ここまでは順調だったのですが,最大の問題は実装です。本体への取付はどうするのか,どこに収納するのか,そしてどんな基板に組み立てるのか,いいアイデアが浮かびません。

 思案した結果,2MBのメモリボードから信号をもらう事にしました。まず,小型の基板に回路を組み立てておき,メモリ基板の下側にビス留めします。2階建てのごっついモジュールになりますが,仕方がありません。

 そしてFM音源ボードをメモリ基板に来ているバスの信号と繋ぐという作戦でいくことにしました。ここで,Lスロットに転がしてあったバックアップ電池(単三x5のNi-MH)が邪魔になり,空っぽにしてあったバッテリーパックにバックアップ電池を移設しました。

 さて,一日1.5時間程度の作業で3日ほど,配線が終わったので本体に取り付けて起動してみました。

 すると,なんということか,2MBのメモリが認識しなくなりました。まさかの展開です。メモリボードが壊れたんじゃないかと焦りましたが,もしかするとFM音源は動くかもとゲームを試したところ,スピーカーからはギャギャーとおかしな音が出続けています。

 画面に合わせて音が変化するので,YM2203を叩いているんだろうと思いましたが,それにしても正常に動作していないものを放置するわけにはいきません。かといって,2階建てにしてしまったFM音源ボードは,プローブをあてて波形を見ることも出来なくなっていたので,なにが起きているかさっぱりわかりません。

 とにかくメモリが無事かどうかを知りたかったので,バス周りの配線を全部外して。メモリボードと分離して元通りにしました。

 これでメモリボードを試すと問題なく2MBを認識し,元通り動作するようになりました。まずは一安心ですが,振り出しに戻っただけです。

 FM音源ボードはもう一度配線チェックを行うと同時に,アドレスデコーダの設計をミスってないか確認しました。とりあえず問題はなさそうで,これでもう一度試してみることにします。

 今度は,Lスロットのコネクタのハンダ面に直接配線し,基板はLスロットのレールに差し込んで固定することにしました。

 今回は動作チェックにゲームではなく,FMPというサウンドドライバを使わせて頂くことにします。FMPは常駐型のドライバで,組み込み時に搭載音源やアドレス,割り込みを自動的に認識するというありがたいもので,組み込み時のメッセージでFM音源ボードが正常に動作するかがわかります。

 配線後,あまり期待しないで電源を入れると,以前は変な音が出ていたスピーカーは静かなままです。メモリも2MBが正常に認識されて,動作しています。

 しかし残念な事に,FMPではFM音源ボードは認識されませんでした。

 もう一度配線をチェックすると,一部に配線忘れがありました。ここを配線し最終チェックを行って試すと,設計通りのアドレスと割り込みにYM2203を認識し,軽快な起動音を鳴らして常駐することに成功しました。

 こうなるともう話は早くて,スピーカを固定し,さっさと本体を組み立てて完成です。

 これで私のPC-386BookLは,FM音源内蔵になりました。これでゲームにも対応します。

 早速名作,マーブルマッドネスを遊んでみました。懐かしいです。音があるとこんなに楽しいのかと,改めて思いました。

 ということで,私のPC-386BookLはこれ以上機能を追加することもないでしょう。本当にここで一区切りです。現在のスペックをまとめてみます。

CPU : Cx486SLC-25MHz
FPU : i387SX
メモリ : 2.6Mバイト
HDD : 1Gバイト
FDD : 3.5インチ 2HD/2DD 2機
ディスプレイ : 640x400ドット,4096色中16色,10.1インチTFTカラー
サウンド : YM2203(FM3声 + SSG3声)
マウス : USBマウス対応

 1990年代初頭のモデル,例えばPC-9801ES2やPC-386M等のマシンをCx486SLCに換装したかんじのマシンになっていると思います。DOSで使うならこれでもう十分でしょう。

 私の場合,1990年代中頃はMacintoshに完全に移行していましたので,640x480で256色と86ボードのPC-9821の時代は完全に未経験で,このあたりのスペックが私にとってのPC-9801の到達点ということになりそうです。

 強いて言うなら,メモリをもう1MBほど増やせればと思う事,メモリとCPUの速度をもう少し上げたいという事,CD-ROMやMOなどのSCSIを使いたいと言うこと,Ethernetに繋ぎたいなあ,くらいでしょうか。どれも必須ではありませんし,特にSCSIなんて,データの移行がおわったら用済みですから・・・

 さあ,このマシンで遊ぶぞ。

PC-386BookLに1GBの内蔵HDDを

 カラーLCDまで搭載してしまったPC-386BookL。ここまでくると,やはり内蔵HDDの40MBというのが窮屈で仕方がありません。

 かつてのPC-9801の世界では,ノート型が先鞭を付けた内蔵HDDのIDE化に対し,容量制限を突破することがマニアの間では常識でした。私も当時のバイト先がパソコンショップだった関係で,初のHDD内蔵の98NOTEであったPC-9801NSのHDDを,20MBから40MBにするサードパーティーのキットを販売したことがありますが,付属の特殊なフォーマッタがBIOSを騙して純正の20MBを越えて40MBを使えるようにしていた事例をよく覚えています。

 当時のNECはなにかと制限をかけたがるので,ハードウェアの柔軟性が削がれることが多かったのですが,これも今にして思えば動作の安定性を維持するという目的で理にかなっていたのかなと思います。(まぁ理にかなっていたことを実行出来たのも圧倒的なシェアがあってこそなんですが)

 で,我がPC-386BookLはどうかというと,純正では40MBまでが用意されてたみたいです。

 IDEのドライブをサポートする仕組みとしては,BIOSで内蔵SASIに見せかけて動かすという理屈ですので,SASIの制限である40MB以上のサポートはそもそも必要ありません。

 ですが,HDDのサードパーティーの雄であったICMから120MBあたりまで用意されていたことは覚えていて,ということは,PC-386BookLでも40MBの壁を越えることが出来るということです。

 しかし,具体的な方法については情報が全く出てきません。マイナー機ですし,内蔵出来るHDDも物理的なサイズの制限がありましたから,試みた人も少なかったのでしょう。

 とはいえ,小耳に挟んだ情報では,同様に容量制限のあるPC-386NOTEシリーズでも,容量制限のない別機種で一度フォーマットをかけて戻せば制限を突破出来るらしく,そういうことなら同系列のPC-386BookLでも可能性はありそうです。

 ということで,実は数年前も試してみたのですが上手くいかず,諦めていました。

 1GBのマイクロドライブを内蔵しながら,このうち40MBだけを使っての運用は,安定性という点ではなにも心配ありません。

 これでも決まった事をやるだけなからいいんですが,一番困るのはディスクイメージの書き戻しです。数枚組のゲームなんかだと,ファイルを解凍してFDに書き戻すのに10MBほど作業スペースがないとだめなのですが,もはやこの大きさを準備するのも難しく,カラーLCDになったときから,なんとかこの容量制限を突破出来ないかと,試行錯誤を行っておりました。

 そして先日,ようやく突破しました。PC-386BookLに,IDEモードで動く1GBのマイクロドライブを内蔵し,1GBフルを使うことが出来たのです。

 理屈はBIOSを騙すこと。これは他の機種でも原理的には同じなのですが,問題はPC-386BookLでそれが可能かどうかです。いろいろ試したところ,CLMODIFY.EXEというツールがバッチリ使えることがわかりました。(ありがとうございます>作者のかた)

 常駐型のツールで,BIOSを騙して設定したシリンダ数を返すツールです。このシリンダ数でフォーマットをかけてしまえば,あとは常駐させることなく運用することが出来ます。

 次の問題は設定するシリンダ数をどうやって調べるかです。当てずっぽうで試してみてもいいのですが,そこはやっぱり根拠が欲しいですよね。

 そこで,ICMのツールであるATFORM.EXEを使いました。IDEとして繋がっているHDDの情報を表示し,テストを行うことが出来るツールです。名前からフォーマットもできるんじゃないかと期待したのですが,そこまでの機能はありませんでした。

 この手のツールはいろいろあるのですが,PC_386BookLで動作する物がなかなか見つからなかったところ,どうもPackAシリーズに同梱されていたらしいという事で使ってみることにしたところ,上手く動作したというわけです。
 
 ATFORM.EXEで調べたところ,

2088シリンダ x 16ヘッド x 63セクタ x 512バイト/セクタ
= 1077608448バイト

 と出てきました。なるほど。

 PC-9801では,ヘッド数は8,セクタ数は17である事が知られています。なのでPC-9801でこのマイクロドライブを目一杯使うために設定するべきシリンダ数は,

1077608448 / 8/17/512
= 15475.76471

 となります。少し余裕を見て,CLMODIFYで15473をシリンダ数として登録します。

 この状態でICMのフォーマッタであるEXFORM.EXEを起動すると,計算通り1GBのマイクロドライブの全域を初期化することが出来るようになっていました。

 このまま装置初期化を選んでやると,結構長い時間がかかりますが無事に初期化が終了します。続けて領域確保を行いますが,私は純正のFORMAT.EXE(HDFORMAT.EXE)を使って領域確保を行いました。

 領域の確保は,使い勝手の問題から500MBのパーティションを2つ確保しました。

 DOS6.2をインストールする時にもCLMODIFYでシリンダ数を騙しておかないとエラーが出るので,インストール前に常駐させておけばあっさりインストールまで終了します。

 再起動を行えば,目の前に500MBの広大な海が広がっています。素晴らしい。

 起動も時間はかからず,全域が問題なく使えています。上手くいったようです。

 ちなみに,6GBのマイクロドライブでも試してみました。4GB分の装置初期化を行って,そのまま4GBのパーティションを作ったのですが,この場合起動にちょっと時間がかかってしまうようです。

 パーティションの大きさが問題なのか,4GBという装置全体の大きさが問題なのかはわかりませんが,どちらにしてもDOSのテンポの良さが損なわれるのは嫌ですし,DOSで4GBもあっても仕方がないので,1GBで運用することにしました。

 ということで,私のPC-386BookLは,前代未聞の1GBのHDD内蔵となりました。この当時,500MBのHDDでもデスクトップ機しかなかったんじゃないかと思いますし,私自身もDOSで1GBのHDDを扱う事は初めてです。

 そんなに容量があってどうするのよ,という話もありますが,ディスクイメージを保管しておくのもよし,当時容量不足で消したアプリケーションをインストールしておくのもよし,とにかく大きなHDDには心のゆとりも生まれます。もうこれで私のPC-386BookLに,HDDの容量の問題は完全になくなりました。

 さてさて,このPC-386BookL,Cx486SLCに換装済み,387SXも搭載し,メインメモリは2.6MB,FDDは2台あり,HDDも1GBに大容量になりました。カラーLCD内蔵でゲームも問題ありません。マウスだってUSBマウスが使用可能で,当時のPC-9801を完全に再現出来ています。

 そうなると,あと足りない物は・・・
 もしかしてFM音源・・・

2024年の散財を振り返る

  • 2025/01/15 14:36
  • カテゴリー:散財

 2024年は,娘の受験&進学や手術&長期入院があったりして,大変な年だったと思いますが,それでも自分の事を多少なりとも楽しむチャンスを家族が許してくれたので,ゆとりのない中でも面白い時間を過ごさせてもらうことが出来ました。

 散財については,欲しいものが見つかった時点で買うと言うよりも,amazonのセールに合わせて欲しいものをリストアップしておき一気に買う,そうでなければ発売日に手に入るように予約して買うという買い方が普通になったこともあって,衝動的な無駄遣いはあまりしなかったように思います。

 とはいえ,欲しいものを我慢したという記憶はあまりないので,欲しいものが少なくなったということがあるんじゃないかと思います。2024年は様々な物が値上がりしましたし,円安が強烈に進んだこともあって,単価も上がったと思いますが,例えばパソコンなどは40万円や50万円が普通だったバブルの頃に比べても,今はまだまだずっと安いので,物によりけりかと思ったりもします。

 ということで,毎年この時期にやっている「この1年の散財」,いってみましょう。

・楽器

 無駄遣いはしなかったと言いましたが,この段階でウソだったと白状します。ごめんなさい。楽器はいろいろ勝って楽しみました。

 まずSEQTRAK。少し前まで入手が絶望的と言われたヤマハの音楽制作ツールです。フレキシビリティに富み,音も良く,小さく持ち運びが可能で,その割には安いと言うこともあって大ヒットモデルとなったわけですが,私はピピッときて予約して買いました。

 しかし,結論をさっさと書くと,どうも肌に合わず,売却しました。この手の楽器としてはそれなりの値段で買い取ってもらえた(フジヤカメラにお願いしました)のは,新品同様だったことと品薄だったことがあると思います。

 あれこれかけるほど使っていないのですが,自分の思うように演奏することが楽器演奏の楽しみなのに,あれこれと制限がついてしまうのは,フラストレーションがたまる一方で私には苦痛でした。

 この手の楽器は,自由度と引き換えに制作の簡便さや楽曲の完成度の高さを目指したものでしょう。自分の頭の中で鳴っている音楽を再現したいと思っている人にとっては,あらかじめ用意されたパターンや音色から選んで配置しループさせるというものは,自分のやりたいこととの間のギャップを埋めるために大変な苦労をするものです。

 SEQTRAKは良く出来ているので,使えるパターンも音色も大量に用意されていますし,マニュアル操作で細かい演奏や編集が出来るようになっているあたり,さすがヤマハだなと思わせるものがありましたが,それくらいならリアルタイムでシーケンサーに打ち込めば早いわけで,結局私にはそれが一番楽しいのだと思い知りました。

 SEQTRAKをMIDI音源モジュールとして機能させる前提で,USB-MIDIのホストを持っていたなら手放さなかったと思うのですが,USBのデバイスしか持たないなら,必ずホストとなるPCが必要になってしまうわけで,それならもういいよ,となります。

 ミニ鍵盤の小さいMIDIキーボードと直結出来ると,音の良さだけで価値があると思うんですけどね。残念だったと思います。

 さてさて,次に買ったのはハモンドのM-soloです。バーガンディーが復活という情報を耳にし,初回に躊躇し買わなかったことを後悔した経緯から,今回は速攻で予約したのですが,久々に嫁さんの厳しい視線を浴びてしまいました。

 ただし,近年買った楽器で最も素晴らしい楽器だったと思いますし,安いとはいえ本物のハモンドオルガンを手に入れた喜びと,弾きこなすための学びには非常に新鮮な感激がありました。

 ハモンドオルガンって私が生まれるずっとずっと前からあるわけですよ。そしてシンセサイザやデジタルピアノのプリセットには必ず入っている音で,私もそれなり演奏して楽しいなと思う事も多かったのです。

 しかし,本物を演奏した経験は数えるほどしかありません。白と黒のキーを押せば音が出るという鍵盤楽器でありながら,実はハモンドオルガン特有の演奏方法やお作法は,やはり本物でしか知り得ないものです。

 上手いか下手かはちょっと置いておいて,これで私もハモンドオルガンを演奏していますと目をそらさずに言えるようになりました。本当に楽しい楽器です。

 それから,このM-soloを買った時のポイントを使うのに好都合だったのが,ヤマハのフィンガードラム,FDGP-30でした。

 とにかくヤマハとコルグとの相性が悪い私は,これらのメーカーの楽器に大きなお金を出すのが怖くて,フィンガードラム専用機というコンセプトにしびれても,上位機種を買うことは出来ませんでした。

 今にして思えば上位機種のFGDP-50を買えばもっと面白い事ができたのにと後悔している面もあるのですが,いやいやFGDP-30でも十分楽しいです。

 まず,音がいい。自分の指先からこれほどのドラムの音が出てくるとは夢のようです。それから,ちょっとしたニュアンスを指先で表現出来るのも素晴らしいです。もちろん,ドラムセットは全身で演奏する楽器ですので,指先だけで様々なニュアンスを表現するなど出来るはずもないのですが,これが電子楽器であるという前提でみれば,かなりの表現力を持っていると思います。

 惜しいのは,パッドの配置が練られすぎていて,私のように標準の配列では楽しく演奏出来ない困った人には,カスタマイズをしないと楽しくないということでしょうか。

 こういうのは新しい楽器として練習を重ねて弾きこなすのが正しいと百も承知ですが,それでも,右手でハイハット,左手でバスとスネアというキーボードドラムの人ってそれなりの人口がいると思うのです。私としては,ヤマハのFGDPという全く新しい楽器としての提案を受け入れると共に,一方ですでに他のレイアウトでフィンガードラムを楽しんでいる人を救う配慮があってもよかったかなと思います。

 少なくとも,レイアウトの編集結果が他のドラムキットにも反映されるような仕組みは欲しいです。今のように,ドラムキットごとにレイアウトを編集しないといけないというのは苦行です。

 ついでに書いておくと,RD-2000をRD-2000EXにアップグレードしました。円安が進んだ今となっては,やっておいて良かったと思いますが,そもそもRD-2000EXにしたところで希望アップしたところがほとんどありませんので,しなくても良かったかなと思います。

 もし,RD-2000EXとしてのアップデートが行われていれば,アップグレードはやっておいて良かったと思ったでしょうが,現時点でRD-2000EXのアップデートは一度も行われていませんからね。


・カメラ関係

 カメラ関連の値段もべらぼうに上がりました。日本の製品なんだから円相場なんか無関係だと思っていたらそんなことなくて,ドルベースで価格が決まり,それをその時々のレートで日本円にして国内価格を決めるんだそうで,もはやニコンもキヤノンもフジも日本のメーカーだと思わない方が幸せです。

 内外価格差を小さくするためだと分かっているし,海外で転売されることを防ぎたい気持ちもわからないではありませんが,もっと円安だった1970年代や1980年代中頃まで
がこんな状態だったという記憶はありませんから,当時のように国内モデルと海外モデルを分けるなどの手を講じて欲しいです。

 そんな愚痴はさておき,今年はZマウントのレンズをZf用に2本買いました。Z24-120mmf/4Sと,Z50mmf/1.8Sです。どちらも大満足で,買って良かったレンズです。

 Z24-120mmは24-120mmというズーム域のレンズへの悪いイメージを間然に払拭した,私にとっての記念碑的レンズです。Zマウントのポテンシャルのたまものだろうと思いますが,ともかくもこれが1本あれば全く妥協することなく,一般的な撮影で不安もを感じることがない,安心の高画質がとにかく素晴らしいレンズです。

 一方のZ50mmf/1.8Sですが,これはこれで欠点のない完璧なレンズの1つだと言えるんではないでしょうか。切れ味は素晴らしく,画面の五個を見ても破綻はありません。ボケも自然でうるさくなく,背景処理もそつなくこなします。

 そんな完璧なレンズも,価格を思い出せば「そりゃそうか」と思ったりします。かつての50mmレンズと比べるのが間違いで,私は中途半端な性能の50mmを安くばらまかれるより,ちゃんとした50mmを必要な人に向けてきちんと売って欲しいと思っていた人なので,単純な値上げや高級路線とは違う意味を感じて納得していますが,当然これには反論もあり,それらの声に応えるものが,同じ50mmでもf/1.4のシリーズなのだと思います。

 それはそれとして,このZ50mmf/1.8Sは本当にいいレンズです。F1.8という控えめなところが少々残念ですが,開放から切れ味抜群,周辺の画質低下もなく,色もしっかり乗ってきます。絞ればここからさらに画質が上がり,もう惚れ惚れするくらいで,このレンズは,むしろ絞って使うのが正解なんじゃないかと思うほどの静謐さです。

 被写体ブレを防ぐためにも明るさは正義。感度だってISO200やISO400の画像の軽やかさ,ISO3200やISO6400の湿った画像とは比較になりません。やはり明るさは正義なのです。

 さてこのZ50mmf/1.8Sですが,ほぼ衝動買いです。きっかけはZ35mmf/1.4の登場です。シグマの35mmF1.4Artと同じようなレンズがZマウントでも欲しかった私は,Z35mmf/1.4に期待をしたのですが,試写してみたところ傾向が全然違うことがわかりました。

 もともと狙いが異なるレンズなので当然ですが,こうなってくるとZ35mmf/1.8Sが気になりだします。しかしここで私は35mmを捨て,50mmを選ぶ事になったのです。価格も要因の一つですが,同じf/1.8でも,50mmの方がよりボケるということが決め手でした。

 開放から絞るにしたがって,なだらかにボケが締まっていきます。もはやシグマの35mmとは関係ないところまで来ましたが,私はシグマの35mmが気に入った理由が,解放から普通に使えるレンズあったことに気が付いて,その延長で50mmを選んでみたくなったのです。

 ZマウントでしかもSラインですから画質にハズレなし。逆光にも強く,その時ニコンが考える理想がそこに詰め込まれています。その点での心配はありませんでした。

 Zマウントの登場時にラインナップされたレンズだけに設計がやや古くい上に,デザインも旧世代のものです。光学設計の古さは性能の問題と言うよりも,流行遅れの画質である事が問題となる昨今ですが,マウントによる強い設計制約から解き放たれた工学設計者の,ゆとりを謳歌するのびのびとした設計が感じられ,その画質は私にとって結果は大正解でした。

 このレンズは,1本目に選ぶZ24-120mmの次に2本目のレンズとして買うと,もう他にレンズを揃える必要がなくなると思います。その意味で,Zマウントはかえってお金がかからないマウントだと言えるかも知れません。


・キーボード

 キーボードと行っても楽器ではなく,PCの入力装置の方です。

 いや,昨今キーボードブーム(あろうことか自作までブームになっている)ので,それに流されたんだなと思うなかれ,私は昔から手に馴染む理想のキーボードを求めて彷徨っておりました。

 しかし,私がキーボードを探しているときには激しいコストダウンの並が押し寄せ,高級なキーボードが理解されなかった時代です。PC-9801RやDシリーズのキーボードなどは実に素晴らしいキーボードだと思うのですが,当時はそんなものも「昔は無駄に高かったよねえ」と嘲笑の対象だったのです。

 ただ,キーボードブームはキーボードにお金をかけることの正しさが浸透したことと,意外にニーズがあることがわかったため,各社が高級なキーボードやキースイッチを展開するようになったため,私のような人間にもおこぼれがくるようになりました。

 CherryMXの特許が切れて,互換品が安価に出回るようになったことも大きいです。

 また,テンキー付きのフルキーボードは大きすぎ,私が求めていた小型のキーボードの選択肢が増えたこともありがたい話でした。

 昨年はREALFORCE RC1を買って満足しています。20年前からずっと使っているREALFORCEを,もう一度買うことになったわけですし,また買って満足したということも20年前と同じですが,やっぱり使っていていい気分になるキーボードに出会えたというのは幸せな事だと思います。

 私のRC1は30gの軽い物で,US配列です。シンプルな刻印,スペースキーが長い,Returnキーが横長というのが私の好みの配列ですが,最近はこういうUS配列のキーボードも普通に買えるようになり,選択肢が増えたように思います。

 RC1の最大の欠点は,Bluetoothの再接続に時間がかかることです。中国メーカーのワイアレスキーボードは即座に再接続するので省電力のための切断が全く気にならなかったのですが,RC1では再接続に時間がかかる上,再接続のトリガになった入力が無効になるので,省電力のための切断が煩わしい物になっています。

 しかし,長時間の放置で電力を消費するというのももったいないことですし,内蔵の充電池だけに切れた電池を交換して作業を即座に続行できるわけでもないので,上手く使いこなさないといけないところでもあります。

 RC1についてはこれが最大の欠点で,あとは刻印が見にくいとか,CTRLキーのキートップ位は付属しておいて欲しいとか,そのくらいが気になるところです。

 現在,私はRC1にHHKBのキートップを一部転用しています。ESC,Tab,Ctrl,Return ,Fn,Alt,Spaceは,HHKBの白いキーに置き換わっています。統一性やデザイン性を考慮するならSpaceキーなどは標準のままであるべきなのでしょうが,汚れやテカリが出てくるのも嫌なので,余っているキーに交換した次第です。


・kobo Libra COLOUR

 とうとうE-INKもカラーの時代に,ということで,kobo Libra COLOURを買いました。もっとも,以前からカラーのE-INKは売られていましたが,現実的な価格ではなかったので自分に無関係と決め込んでいたのですが,kobo Libra COLOURは現実的な価格だったので買いました。

 さて,kobo Libra COLOURを日常的に使っていますが,結論を言うとカラーであることはあまり関係ありませんでした。私がカラーのコンテンツを読む機会がないという話ではありますが,表紙がカラーで出てきても読書体験としては大きな違いはありません。

 なので結局,モノクロのE-INK端末としてもっぱら使うことになっています。

 表示の品質はKindle oasisが最高で,kobo Libra COLOURは表示が奥まったところにあり,表面からの視差が気になる事(紙の上にガラス板がある感覚といえばわかって頂けるでしょう),加えてフロントライトがギラギラしていて見にくいこと(Kindle oasisは暗所での補助光と言うより,紙の反射率に近づけるためにフロントライトを使っているので見やすいのです)が問題で,読書体験としては1ランク落ちます。

 しかし,PDFを直接読み込めること,PDFでも高い表示品質を持ち,かつ動作速度が落ちないこと,表示範囲を調整して余白をkobo Libra COLOURでカット出来ることは,非常に良く出来ていると思います。

 kobo Libraでは,内蔵のフラッシュを交換する技があったらしいのですが,kobo Libra COLOURではそうはいかず,フラッシュはオンボードで交換不能です。確かに容量を増やせたら面白いなとは思いますが,居間の運用で大容量のストレージは必要ないですし,私はこのままで全く問題ありません。

 本命たるKindleのカラー版が海外では入手出来るそうです。日本でのアナウンスはまだありませんが,この円安ですから,かなり高価なものになると思います。確かにコミックはカラーだとうれしい場合もあるのでKindleがカラーになるのは歓迎ですが,5万円もするようなら私は見送ることになると思います。

 

・テレビ

 偶然ですがオリンピックの前に,OLEDのテレビに買い換えました。レグザの55X8900Lですが,その鮮やかさにすっかり目が慣れてしまいました。それでもテレビを見ることが楽しくなりましたので,生活を少しばかり変える力が合ったのだと思います。

 55インチのテレビは今どき大画面でもなく,いわゆる売れ筋です。ですが,黒の締まり具合,緑や赤の発色の素晴らしさ,そして実はとても薄いことがOLEDのメリットで,これらは買ってからでないとなかなかわからないものだと思います。

 その55X8900Lですが,購入後3ヶ月ほどして,画面の右下に小さい傷があることに気が付きました。小さいとはいえ深く,尖った物をぶつけたかんじで,表面が盛り上がっています。

 1mほど離れればわからなくなりますが,50cmも近づくと目に入ってきます。色が白いので目立つのです。パネルの表面はハードコードされているので擦り傷などは着きにくいと思うのですが,何かが刺さったようなキズには当然無力で,我が家は新品のテレビを僅か3ヶ月で非可逆的なキズを付けてしまうのかと,心からがっかりしました。


・自転車

 自転車といっても新しい物を買ったわけではなく,古い自転車を改造したり復活させたりしたという話です。

 とはいえ,この部品代でちゃんとした自転車が買えたかもなと思うので,成功だったかどうかは怪しいところです。

 自転車のメンテというのは,特殊な工具やノウハウが必要な世界で,ちょっと工作に自信があるとか,自動車いじりを昔やってた,と言う程度ではなかなか前に進みません。

 特に工具は,自転車専用で,しかもある作業を1つ進めるためだけに存在していたりしているので,一々揃えないといけないですし,とても効率が悪いです。

 その上技術的にも日進月歩で,古い規格の物はどんどん選択肢が少なくなってきています。そういう状況でも古い自転車をメンテし続ける事が得なのかどうかは,なかなか難しいところだと思います。

 その自転車ですが,作業が落ち着いた秋頃までは乗っていたのですが,寒くなってからは外に出ることすらなくなりました。一応タイヤの空気は補充していますが,次に乗るのは春になってからでしょう。


・家電,設備

 この家も10年が経過しました。家にいる時間が長いのでどうしても痛みが出ますが,電気関係の設備の劣化も進んでいます。

 昨年は食洗機を夏頃に交換しました。クリナップのZWPP45R21ADK-Eという商品をamazonで調達,自分で交換したのですが,このモデルはリンナイのRKW-405A-Bの同等品で,我が家に備え付けの食洗機の後継機にあたります。

 円安も進み,今後高くなることはあっても安くなる事はないだろうと,セールの時に買いました。

 交換手順は難しくありませんし,別に資格も必要ありません。最大の問題は大きくて重いことです。もちろん,重いといっても一人で持てないほどではありませんが,大きいので抱えるのに不自然な姿勢をしなくてはならず,腰を痛めることが心配でした。

 商品は早めに届いていたので,ある夏の夜に突如思い立って交換作業を結構しました。作業そのものはとても簡単で,本当に交換という感じに過ぎなかったのですが,やはり重量物を不自然な姿勢で取り回すことはなかなか大変でした。

 幸いにして腰を痛めたり怪我をしたことはなかったのですが,それだけのリスクをおかして食洗機を交換しても,メリットはありませんでした。

 もちろん,新しい物にすることで安心して使えることは事実ですが,洗浄力がアップしたわけでもなく,食器がたくさん入るとか,入れやすくなったとか,そういう改善はまったくありません。

 それどころか,時間が倍ほどかかるようになったり,操作スイッチが上部に来たため開かないと操作できないとか,短時間で洗浄するモードが削除されていたりと,従来の使い方をそのまま継承できないような改悪がいくつもあり,辟易しました。

 本当にこれでいいと思っているんでしょうかね,作っている人たちは・・・

 もう1つ,インターフォンも交換しました。VL-SWZ200KLと言う安価なものですが,親機がない部屋でも応対が出来るようにと,ワイヤレスの親機が使いたくて交換しました。

 交換してみて,画面が小さくなったこと,カメラが広角レンズでなくなったことで,確実に使い勝手は悪化しています。安い物に交換したので当然の結果だとは思いますが,もう少し考えて購入すれば良かったかなと思います。

 そしてワイヤレスの親機ですが,これもまだ本格的に活躍してはいません。冬と言うこともあり,他の部屋で長時間過ごすことがなくなっていることも原因ですが,近日中に活躍することがあると思います。慌てず応対が出来るように,慣れることも期待しましょう。

 掃除機も買い換えました。満身創痍なダイソンV7からV10 Fluffyへの買い換えです。

 ただ,これもなかなか微妙で,手放しに買い換えを喜べるようなものではありません。掃除中の取り回しの悪さは,慣れたとは言えやはり不自由しますし,ゴミを捨てるのに下からではなく前からになったことは想像以上に面倒になりました。

 一番面倒になったのはFluffyヘッドです。これ,なにかとすぐに巻き込むのでなんでかなあと思って調べてみると,先端のカバーが大きく開いていて,これまでの感覚でゴンゴンぶつけて障害物をヘッドでどけていると,簡単に巻き込んでしまうのです。

 おかげで掃除がしょっちゅう中断しますし,少し飛び出たもの,たとえば冷蔵庫のハイスを受けるトレイの出っ張りとか,少したるんだカーペットとか,そういうものさえも巻き込んでしまうのです。

 これ,改悪だと思います。以前のヘッドの方が掃除しやすかったですからね。ダイソンで新しい物に買い換えて良くなかったのって,今回が初めてでした。

 さてさて,届いたのが2025年1月なので厳密には昨年の買い物ではないのですが,手続きは昨年だったので書いておきますと,トースターをリプレースしました。

 アラジンのトースターで,今回もヨドバシの夢のお年玉で購入しました。前回は2022年1月でしたから,3年ほど使って買い換えたことになります。

 まだまだ十分使えますし,不満もないので同じ機種ならそのまま使うつもりでいたのですが,届いたものはグリル機能付きの上位機種でした。

 正直グリルはどうでもいいのですが,庫内が広いのが素晴らしく,食パンが4枚同時に焼ける,イングリッシュマフィンが3人分入る,チルドのピザがそのまま入る,というメリットは従来機種の唯一の不満点が解決するので,即交換となりました。

 今回のモデルは,網の位置を上げ下げできるようになっていて,焼き加減を選ぶ事ができます。1cmほどかさ上げできるので,上側はカリカリ,下側はしっとりという焼き方が出来るのですが,個人的には従来と同じように,上下が同じ程度に焼ける方が美味しいと思いました。

 設置面積は従来と同じで,ほぼ倍の処理能力ですから,これは画期的でしょう。これだけ広いと,もうオーブン機能付きの電子レンジを選ぶ必要はないかも知れません。


・オーディオ関連

 そんなに新しい事はやっていませんが,T50RPmk4はいいヘッドフォンだと思います。T50RPシリーズはもともと安価なモニターヘッドフォンで,初代に比べると随分値上がりしたように感じても,相場を考えるとこの音でこの価格というのはバーゲンセールかも知れません。

 さて,実はバカにして相手にしてこなかった,左右別体のイヤホンに手を出していました。完全ワイヤレスというのは利便性はこの上ない,人類の長年の夢だったわけですが,所詮はBluetoothですし音質的に期待出来ないわけで,少々の不便で音質への妥協を許せるほど私は寛容ではなかったのです。それに,高エネルギー源である電池を耳の知覚にはめ込むなんて,なんと恐ろしいことかとビビっていたにも事実です。

 ところがタブレットで動画を見るようになると,やはりTWSのイヤホンが欲しくなります。試しに使ってみたところ,これがなにより便利。これは使い方次第ではいいんじゃないかと気合いを入れて上位機種を買ってみました。

 ソニーのWF-1000XM5です。3万円以上の商品ですから,なかなか思い切った買い物になりましたが,これは便利なこと以上に,音質の良さに驚きました。コーデックがAACならそれほど問題にはならないだろうし,杯ビットレートのLDACが使えるなら音質への心配もほとんどなくなります。

 R3proはLDACに対応しているので,これとの組み合わせなら文句なし。MacやiPadとの組み合わせでも音質に不満はありません。こういうイヤホンって高音が伸びなくてかまぼこ型になっていたり,音質の悪さをごまかすためにドンシャリになっていたりとろくな物もないと思っていた訳ですが,WF-1000XM5はバランスも良く,自然な音でとてもよいと思います。モニター的と言ったら違うかも知れませんが,MDR-M1STに慣れた状態でも違和感なく使えています。

 電池の関係でずっと使える物でもなく,3万円が数年で溶けてなくなるというのはなんだか悔しいのですが,便利さと音質を両立したこの機種なら,多くの人に「使ってみたら」といえると思います。

 昨今,この手の商品も1000円前後から10万円近い物までまさに玉石混淆です。音質や安全性,接続性を検討するにはある程度のコストもかかりますから数千円は論外としても,2万円を越えると一般には十分な性能と音質であり,そこから先は価格の割に違いが小さくなると思います。

 TWSは着け心地も重要で,これは個人差があるので一概には言えませんが,WF-1000XM5は小さく角がないよい形状なので,おそらく多くの人の耳に違和感なく装着出来るのではないかと思います。

 ノイズキャンセル性能も非常に高いので,電子耳栓としても私は便利に使っています。前述のとおり,いずれ電池がダメになるわけで,そのあとこの便利さとこの音質を両立出来る商品があるのか,心配になっています。


 そんなわけで,2024年の散財を書いてみました。これ以外にも腕時計の修理とか,娘の入学&入院などでいろいろ支出はあったのですが,そういうのは散財とちょっと違います。

 これまでの調子で際在するわけにはいかないでしょうから,来年は果たしてどうなることやら・・・

 

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