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PC-386BookLのメモリを3.6MByteに

 PC-386BookLで遊んでいると,もうちょっとメモリが欲しいなと思う事があります。といっても,MS-DOSで真面目に2.6MByteを使い切ることなどなく,ディスクキャッシュや常駐ソフトの待避に使われるわけですが,HDDを1GBと破格の大きさにしたことで,ディスクキャッシュが相対的に小さくなって,パフォーマンスの低下が目立って来ました。

 これまで768kByteでも十分だったのは,HDDが40MByteと小さい事で,ファイル数も少なく,ディレクトリのエントリも少なかったからだと思うのですが,1GByteにもなるとディレクトリの一覧が出てくるまでに,ゴリゴリとHDDへのアクセスが発生します。

 自作したLスロット用2MByteのSRAMボードを改造して容量を増やし,もう少しディスクキャッシュにあてがえればと思ったのですが,当時そういうこともあるかと,増設の仕組み仕込んであったことを思い出しました。

 SRAMですので,考えるべきはアドレスデコーダくらいのものなのですが,デコード信号をHC138を使って作ったので,すでにデコード信号が1MBごとに8本も用意出来ています。このうち先頭の2MB分を使っているわけですが,現在の回路でも8MBまでは信号が用意出来ているというわけです。

 とはいえ,SRAMそのものをバスに敗戦する作業からは逃げられません。多くの先人達は,ここでICの上にICを重ねるという,カメカメと呼ばれる必殺ワザで増設をこなしてきました。

 かくいう私もカメカメは基本テクニックとしてすでにマスター済みですが,なにせ信頼性が低いので積極的にやるようなものではありません。それに,渥美も増えるので,実際には利用出来ないことも多いテクでもあります。

 今回のケースでは,配線がSRAMの上にも這い回っているという汚い実装で,カメカメが最適解ではないのが明確でした。とはいえ,他に方法もなく,やるなら重ねる以外にないでしょう。

 その前に,SRAMの在庫があるかどうかも見ておかなければ。幸いなことに,前回10個買ったSRAMの残りがそのまま残っているので,もう2つ追加してトータル3MByteのプロテクトメモリに仕上げましょう。

 追加の部品はSRAMだけ。これを重ねて配線し,HC138から0x30000から0x3FFFFまでをデコードした信号を取って配線するだけです。

 とはいえ配線数も多く,細かいハンダ付けが続くので,まさに修行。黙々と続けます。

 1時間半ほどで配線を終え,念のための確認をしてからPC-386BookLに取り付けます。まずは起動直後のメモリチェックはパスです。3MBを認識しています。

 次はTMEM.EXEというメモリチェックプログラムで,プロテクトメモリのままチェックをしますが,これもなんなくパス。

 そして最後に仮想86モードでEMSを設定し,EMSTEST.EXEでEMSとしての動作をチェックします。これもサクッとパス。

 いやはや,私には珍しいことに,何の問題もなく動いてしまいました。

 これで私のPC-386BookLは3.6MBになりました。これくらいになるとようやくメモリサイズを気にしなくても大丈夫な感じです。

 ディスクキャッシュを増やしたり,EMSとのバランスを取ったりして調整を済ませて運用に入っていますが,正直なところ,あまりその効果を感じません。そういえば当時も高いお金を出して増やしたメモリ(PC-98RLをフル実装で9.6MBにした)にたいして,それほど実感として変化を感じなかった,つまりは気分的な物で,結局DOSではどうにもならないことに馬鹿馬鹿しさを感じていたことを思い出しました。

 もうこれ以上PC-386BookLを改造したり拡張することはないでしょう。そういえば私が初めて買ったDOS環境であるPC-386VRも,メモリは増設後4.6MByteだったなあとか,そんなことを思い出しました。そう考えると,1991年頃の実機環境としては,このくらいで十分だという事でしょう。

 

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