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ユーザー「gshoes」の検索結果は以下のとおりです。

結局FE103Enに交換した

  • 2015/08/26 12:58
  • カテゴリー:make:

 ということで,捨てるにはあまりに惜しい出来となった,ステレオ誌別冊ムックの付録,バックロードホーンのエンクロージャキット。どうしたものかと考えていたのですが,ここはやっぱり毒を食らわば皿までと,FE103Enを買うことにしました。

 土曜日の午前中に注文,日曜日の昼過ぎには届きました。もはや自分で買い物に行くのが,バカバカしくなってしまいます。お値段は約5300円だったと思います。

 かくいう私,フォステクスが好きな割には,フォステクスのユニットを買うのは始めてです。先日書きましたが,なにせ木工が下手で,エンクロージャをわざわざ作っても,残念な結果にしかならないことがわかっていますから,ユニットだけ買っても仕方がないことを,痛いほど知っています。

 普通,大人になると賢くなるものですが,私の場合,若い頃の方が賢かったようです・・・


 そんなこんなで,手元に届いたFE103Enは,しっかり重たく,クリーム色のコーンが実にさわやかで,とてもいい音がしそうです。

 もうすぐ4歳になる娘に「スピーカー一緒に作るか」と声をかけると,ぴょんぴょん走り回って,作る作ると大喜びです。黄色が良かったけど茶色の絵の具しかなかったんでしょ?次は黄色にしようねと,先日色塗りをしたときの会話を覚えています。

 リビングにP1000を取り付け済みのエンクロージャを2つと,箱に入ったままのFE103Enを持ってきます。あとはプラスドライバーです。新聞を広げて,エンクロージャを置いて作業開始です。

 娘は興味深そうに,私のやっていることを見ています。エンクロージャは出来上がっていますから,「作る」といっても,交換作業だけです。

 4つのネジを外します。しかしP1000はニスのせいでくっついていて,外れません。娘に「ありゃ~」と言いながら外れないと言うと,娘もおどけて,困ったようなリアクションを真似しています。面白いですねえ。

 四苦八苦していると,ピリ,という音がして,ユニットが緩みました。これで外れそうです。娘も大げさに喜んでいます。でも,P1000のフレームの跡が残っています。

 ユニットを外して,配線を外す作業を,娘も注意深く見ています。不思議とやりたいとは言い出しません。ようやくエンクロージャを分離したP1000を床に置きましたが,娘が持ちたいというのでいいよというと,右手でがしっと掴んでいます。

 ああああああー,エッジに親指がーーーー!

 それはこうやって持ってよ,と教えると,教えたとおりに持ってくれます。重たいでしょうというと,余計に頑張って持ち上げようとします。

 そして外したビスを,スピーカーのマグネットのくっつけて「おもろいでしょ」というと,目をきらきらさせて「やりたい」と言い出しました。ちょっと遊んでもらいました。

 危ないからこっちに貸して,片付けるから,というと,あっさりとスピーカーを渡してくれました。
 
 次はFE103Enの取付です。マグネット径が大きくなっているので取り付けにくかったのですが,無事にケーブルを取り付けて位置決めをし,新しいビスで締め付けます。残念ながら,P1000のフレームの形状とFE103Enの形状が異なるため,P1000のフレームの跡はFE103Enでは隠れませんでした。

 ビス留めをします。今回はワッシャも入っていましたが,娘はこのワッシャに興味があるようで「これはなに」と聞いてきます。

 私はウソをつくのが嫌ですし,適当にごまかすのも嫌なので,これはワッシャというのだとと言いました。そしてビスに通して使うのだと,偉そうに説明をしました。

 なんとか1つ目が完成し,次は2つ目です。

 2つ目は簡単に外れて,交換もスムーズです。位置決めもさくっと進みました。娘は私の作業を見たり,ネジとワッシャで遊んでいます。

 ここで,参加意識を持ってもらう作戦に出ます。「じゃ,ネジにワッシャを通して渡してよ」とお願いすると,わかったと,目を輝かせて通したものを,手渡ししてくれます。

 ばっちりばっちりとお礼を言って,これをぎゅぎゅっと回してユニットを固定していきます。結局2本ほどしか用意してもらえなかったんですが,それでも「完成したよ」というと,わーいと一緒に喜んでくれました。

 じゃ早速音を出すか,とリビングのCM1をどけて,このスピーカーにつなぎ替えます。CM1に比べて小振りで,威圧感が少ないですし,色もCM1に比べて濃いので,リビングがスッキリします。むき出しのFE103Enも綺麗ですし,見た目はこっちの方が楽しいですね。

 そして音を出します。

 うーん,確かにP1000に比べれば,高音もスッキリ出ますし,ボーカルの定位もよいです。アンプのと相性は良さそうで,無難になっているのは分かるのですが,どうも,低音が不足していて,CM1に比べるまでもなく,今ひとつだとわかります。

 しかし,ならしていくうちに,なんだかとても心地よくなってきました。CM1はとてもストレートなモニタースピーカーですから,情報量も多く,誇張がありません。

 ですから,いい音だなと思う反面で,結構疲れるというのと,やっぱりアンプの性能差がよく出てきてしまうんだなと思いました。

 このFE103Enバックロードホーンは,CM1よりも帯域が狭く,まあラジカセに毛が生えた程度な感じがしますが,1時間ほど慣らしていくと元気で明るく,さわやかな音になってきたように思います。耳が慣れたんでしょうね。

 情報量は確かに少ないのですが,各々の楽器の定位はしっかりしているし,動きません。ボーカルには奥行きもツヤもありますし,派手さはないけどとても溌剌としてて,とても好ましいです。

 なんといっても聴き疲れしません。いつまでも聞いていたいという気持ちがするのと,アンプの悪いところがウソのように見えなくなります。まあ,それだけ情報量が少ないということでしょうが・・・

 バックロードホーンらしい音になっているのかといえばそうではないと思いますし,FE103Enの本当の能力を発揮できているかといえば,全然そんなことはないでしょう。でも,リビングにはこんな感じの音がふさわしいんだなあと,気が付きました。CM1で聞いていたら,やっぱり楽しくないのですよ,リビングでは。

 お,娘も踊りまくっています。楽しそうです。夕食を作っている嫁さんの所に走って行って,自分が作った事をアピールしています。

 てなわけで,うちのリビングは,CM1からFE103Enバックロードホーンに変わりました。小型でスケール感もありませんが,リビングにはぴったりです。昨日特に好印象だったのは,カーペンタースであったことを,書いておこうと思います。

 もし,私が中学生くらいで,この音を手に入れていたら,きっとその後のオーディオとの向き合い方は変わっていたんじゃないかと思います。お金をかけることだけがすべてではないし,お金をかけなくても,これだけの音が手に入ったんだろうと思いますが,そうした出会いも運だったというのも,また認めざるを得ません。

 思えば,私が使っていたオンキョーのS-4000というスピーカーも,大きいだけで今ひとつなスピーカーでした。それでも頑張って慣らしていたのですが,定位も悪く,レンジも狭く,大きさから来る安定感だけが取り柄だったように思います。

 私が始めて手に入れたHiFiスピーカーがこれでしたから,これがいいものか悪いものかは,わかりません。しかし,FE103Enを聞いてみれば,明らかににFE103Enの方がいいとわかります。

 ああ,苦手でも,FEシリーズで自作を1回やっておくべきだった・・・

 さて,そうするとCM1をどうするか,です。これはやっぱり元の検討部屋に戻すべきでしょう。そうすると,PE101をどうするかという問題が出ますが,まあそれはおいおい考えましょう。

 CM1はならしにくい,CM1はモニターだ,CM1は楽しくない,という意見に対して,認めた上で「それがどうした」と居直っていた私でしたが,ようやくにしてその意味が分かった気がします。

 

はじめてバックロードホーンを作った

  • 2015/08/25 07:54
  • カテゴリー:make:

 最後のネタですが,すでに毎年恒例となった感のある,ステレオ誌のスピーカーの付録です。

 さすがの私も,毎年彼らに付き合うほどスピーカー作りが好きなわけではないのですが,今年はその祭りに参加してみました。

 スピーカー工作というのは,まさに夏休みの工作らしく,子供でも大人でも楽しめるもので,かつ実用性もあるものですが,そうはいっても数が必要なものではないですし,それなりにかさばるものですから,作ったあとどうするかを考えると,ちょっと頭が痛くなります。

 そういう理由で,スピーカー工作を避けてきた私ですが,今回は付録のスピーカーにあわせて用意された,エンクロージャーのキットが大変興味深く,これなら作って見る価値があると思ったのです。

 それは,側面がA4サイズのバックロードホーンのエンクロージャです。

 私は,バックロードホーンには昔から興味があるのですが,ある程度の大きさがないとダメだろうし,なにかとクセも強そう(だから市販品にほとんど存在しない)だと思っていて,なかなか手を出せずにいました。

 ただ,私が今の道に入るきっかけの1つになった,叔父が自作したスピーカーがバックロードホーンだったこともあり,いつかは自分の耳でその性格を確かめてみたいものだと思っていました。

 とにかく小さいものでないと置く場所もないし,ということで,数年前にはブックシェルフくらいの大きさの,小型のバックロードホーンのエンクロージャを,見よう見まねで設計まではしたのですが,なにせ木工が昔から下手だった私の事,実際に作ることまでせずに来てしまいました。

 それが,今回はキットになっています。価格も5000円未満です。

 ということで,私はこのキットと,せっかくだから付録のスピーカーも手に入れるため,雑誌の方も手に入れました。木工はほとんどやらないので,木工ボンドと水性ウレタンニスも用意しました。

 木工なんて中学生の時以来じゃないでしょうか。

 付録のユニットはフォステクスのP1000で,全く同じ物ではないとはいえ,1500円程度で市販されている10cmのフルレンジです。付録ですからそんなに期待してはいませんが,このご時世に,1500円くらいでちゃんとしたHiFi用のスピーカーを用意してくれているというのは,大変うれしいことです。1980年代には,フォステクスをはじめ,テクニクス,コーラル,パイオニアと,ユニットもいろいろ選べたんですが・・・

 ちょうど東京は真夏日の連続記録を更新中という酷暑の真っ最中でしたが,夜中に汗をタオルでふきふき,組み立てていきます。

 他でも紹介されているように,切り出されたMDFボードの加工精度は高く,あまり余計な事を考えなくても,普通に木工ボンドで接着すれば完成します。ただ,バックロード本は内部に細かい仕切りがありますから,これが傾いたりしないように,直角だけは意識して組み立てないといけません。

 そのために,組み立て方としてクラフトテープで固定しながらの作業が紹介されていました。私は手持ちの関係でマスキングテープを使いましたが,これでも十分です。

 誤算だったのは,板に押された数字のスタンプが消えないことでしょうか。私はてっきり,消しゴムで消えるんだろうと思っていたのですが,残念ながら紙やすりで削るしかないようです。

 組み立てそのものは問題なく,さくさくと進んだのですが大変だったのは塗装です。MDFですから塗装しないとちょっと格好悪く,いろいろ考えた末に,随分と使いやすくなっているという,水性ウレタンニスを使う事にしました。

 木目のビニルシートを貼ることも,奮発して突き板を貼ることも考えましたが,どっちにしても買いに行かないといけませんし,夏休みの工作っぽいのは,やはりベタベタと厚塗りをした,ニスで仕上げることです。

 組み立てたエンクロージャをmサンダーで研いで表面を滑らかにします。といってもMDFですから,そんなに気合いを入れる必要はありません。

 そしてニスを塗ります。この水性ウレタンニスは,私は始めてつかいますので,どうも勝手が分かりません。大きめの刷毛でベタベタ塗ったところ,刷毛のムラが強烈についてしまい,さながら木目のようです。いかにも不細工で,これはいけません。

 何度か重ね塗りをしてから,今度は400番のサンドペーパーで磨き,表面を滑らかにします。そして軽く,仕上げ塗りをしようという作戦です。

 ただ,細かいカスがいっぱい出てあたりを汚すのは間違いないし,目詰まりしてすぐにサンドペーパーがダメになるのは目に見えているので,ここは意を決して風呂場で水研ぎです。

 茶色いカスが水に溶け,それはそれはひどいことになってしまったのですが,スポンジで擦れば落ちる汚れですから,気にせず磨いていきます。途中,嫁さんと娘に見つかり,「ありゃー」と嘆かれることもありましたが,なんとか作業を終了。

 良く乾かしてから,水で薄めたニスで仕上げ塗りです。この薄めるという話は非常に重要で,乾きが早いとムラになりがちです。水で薄めて,乾く時間を遅くしてやると,表面がすーっと滑らかに広がってくれます。

 そして完成。おかしいなあ,まるで木目のような模様が出ています。

 ぱっと見ると,なかなか味のある仕上がりです。決して上手ではないのですが,これはこれでありだなと,思いました。

 実はこの塗装の前に,問題が1つ残っていました。スピーカーのターミナルが外れてしまったのを,どうするかです。

 側板を接着する前に,ユニットとターミナルを繋ぐ配線をして,通した穴をホットメルトで埋めたのですが,ターミナルをネジ止めせず磨いていたら,抜けてしまったのです。

 少し余裕を見て長めに配線しておけば問題はなかったのですが,うっかりギリギリにしてあったので,抜けた配線をターミナルに差込直すことが出来ません。最悪ハンダ付けで配線を延長するかなと思っていたのですが,それもうまくいかずに,困っていました。

 そこで,ホットメルトを剥がして,長さを調整することにしたんですが,失敗すると取り返しがつきません。慎重に作業を進めると,うまく2cmほど,後ろ側に引っ張ることができました。

 めでたくターミナルもユニットも取り付けることが出来て,これで音が出せるようになりました。

 早速音を出します。

 ・・・うーん,なんだか,期待外れです。完全なかまぼこ形で,中音域だけしか聞こえてきません。まずなんといっても,高音がさっぱり出てこず,まるでラジカセの音のようです。

 低音についても,伸びる伸びないという話以前に,全然出ていません。開口部に耳を近づけると,なるほどボンボンと低音が出ているのがわかりますし,バスレフのような弾むような音ではなく,迫力はないとは言えホーンスピーカーらしいズドーンとした音の傾向があるのはわかります。

 しかし,帯域と量が足りません。バスドラムの音がポンポンと言っています。ベースも良く聞こえません。

 でも,フルレンジならではの定位の良さはさすがで,ボーカルは真ん中にばちっとはまって,動きません。人の声は心地いいです。

 元のパイオニアのフルレンジに戻すと,とてもいい音です。高域も低域も伸びているし,定位も抜群です。

 これはもう,ユニットの性能差だなと思い,このバックロードホーンを常用するのは,あきらめました。

 10cmのユニットをもっといいものに交換するとよいように思います。数年前のステレオ誌の付録にあった,スキャンスピークの10cmフルレンジをとりあえず取り付けるのもいいんですが,せっかくですからフォステクスのFE103Enなんかを取り付ければ,きっと満足のいくスピーカーが出来そうです。

 でも,2本買うと12000円ですからね。ちょっと考え込んでしまいます。

 エンクロージャそのものは,なかなか良く出来ましたから,これは継続検討です。
 
 ところで,この検討で改めて感心したのが,同じステレオの付録についてきたデジタルアンプ,LXA-OT1の素性の良さです。

 実は,リビングにあるCM1の音が物足りないのは,もしかするとDENONのアンプが悪いんじゃないか,と思っていり,かつてボーカルの再現性や定位感が感動的だったことの理由は,ひょっとしてLXA-OT1が良いものであったから,ではないかと最近思っています。

 LXA-OT1で今回のバックロードホーンのエンクロージャも試して見ましたが,やはりボーカルは素晴らしく,定位感もよいのです。パイオニアのスピーカーに変えてもその傾向は同じで,実に心地よいのはやっぱりLXA-OT1のおかげじゃないかと思っています。

実体顕微鏡を買う

  • 2015/08/24 13:15
  • カテゴリー:散財

 実体顕微鏡なるものが,世の中にはあります。

 何を今さらというなかれ,浅学ゆえ私は,少し前まで知りませんでした。顕微鏡など,小学校でタマネギの皮をみた,あの顕微鏡くらいしか知らないのです。

 もちろん,お医者さんにいったりすると,両目で見るような顕微鏡も置いてあったりしますし,デジタルカメラがついている顕微鏡もあったりしますが,それはそれ,顕微鏡のバリエーションの1つだと思っていたのです。

 それが,まさか実体顕微鏡なんて立派な名前がついているなんて。

 私ももう年齢が年齢なので,小さいものが見えにくくなっています。昔なら得意の肉眼でどんな細かいハンダ付けも出来たし,どんな小さなクラックやブリッジも見逃さない自信があったものですが,今はもう全然だめです。

 潔く老眼鏡という手もあるのですが,それよりはもっと根本的な対策として,その「実体顕微鏡」の導入を検討したのです。ほら,そこはあれですよ,ハルちゃんみたいな若い人でも実体顕微鏡が欲しくなるんですから。

 実体顕微鏡の定義は,両目で見ることの出来る顕微鏡であることなのですが,同じ画像を両目で見るのではなく,左右の光路がちゃんと独立していて,ちゃんと視差があることが重要です。

 こうして,左右で視差があると,凹凸が立体的に見えるわけですね。だから実体顕微鏡といいます。

 思うに,普通の顕微鏡というのは,見たいものを薄くスライスし,光を透過させて拡大して見ます。薄くスライスしてスライドガラスにのせて,カバーガラスをかけます。この段階ですでに凹凸などなくなっていますから,両目の視差を利用する価値はなくなっています。

 この手の顕微鏡を生物顕微鏡というそうなのですが,実体顕微鏡の特徴として,倍率は20倍から40倍程度であるということ,下から透過させた光を見るのではなく,上から反射させた光をみるということ,見たいものとレンズの間がとても広く,顕微鏡を見ながらの作業が容易であること,があります。

 要するに,顕微鏡といいつつも,両目で見る虫眼鏡くらいに考えた方がよさそうです。

 ただ,実体顕微鏡には大きなメリットがあります。もちろん立体に見えることもそうですし,顕微鏡を見ながら作業がしやすいこともそうなのですが,プレパラートを作る必要がないということも大きいでしょう。

 普通の顕微鏡は,標本を薄くスライスし,ガラスで挟むという準備が必要です。スライス出来ないものはアウトですし,プレパラートを作る用意も環境もなかったら,そこでアウトです。

 実体顕微鏡なら,なにも準備することなく,いきなり標本を拡大して見ることができます。ゆえに,山や川,海などのフィールワークで威力を発揮します。

 考えてみると,電子顕微鏡は内部を真空にしないといけないし,標本をいきなり見る事が出来る顕微鏡は実体顕微鏡だけということになります。

 こんな顕微鏡ですから,きっと専門的で高いのだろうと思っていたら,なんと1万円ちょっとからある事がわかりました。それも中国製のへんな輸入品ではなく,ケンコーやビクセンと言った,日本の光学機器メーカーの製品です。

 まあ,光学機器というのは値段相応なものですから,1万円の顕微鏡は1万円なりのものですが,あるとないとでは大違いですから,これはぜひ手に入れなければなりません。

 調べてみると,どうもビクセンのものがよさそうです。SL-30という形式のものですが,定番品らしく,ヨドバシやビックでも普通に在庫があります。

 善は急げ,会社の帰りに寄り道して,買って帰りました。14070円でした。

 私が買ったものは長期の不良在庫だったようで,箱は色褪せていて,おまけに入っていた鉱物標本は粉々になっていました。他の部分には問題がないので,こういうことは大目に見ます。

 安い中国製のものなどは,左右で視力差があった場合に補正出来ないことがあるのですが,このSL-30はこれも配慮されていて,左右で独立で視度調整ができます。まあ矯正視力で観察すればいいだけの話で,実用上はなにも問題ないと思いますが,私のように裸眼で左右にちょっとした視力差がある人間にはありがたいものです。

 ワーキングディスタンスは50mmと十分,倍率は30倍と,ちょっと難しい倍率です。しかし小型でかわいらしく,ライトもアームの途中に差し込むLEDペンライトで,明るさも角度もばっちりです。

 左右の接眼レンズの間隔を調整し,早速覗き込んできます。

 しかし,なかなか視野にきちんと入ってきません。油断していると,左右どちらかが真っ暗になってしまいます。

 問題なのは,片側が真っ暗になっても,もう片側はちゃんと見えているので,気が付きにくいのです。立体的に見えず,左右別の絵に見えることもありますし,なんかぺったり平面的だなあと思っていたら,実は片側が見えてなかったとか,そういうことが良くおこります。

 もしかすると,高価なものはこのあたりが良く出来ているのかも知れません。また。100倍くらいまでのズームがついているLCD搭載の顕微鏡も3万円半ばで売っていますから,そっちの方がよかったのかも知れません。

 しかし,慣れてくると,まあ面白いこと。レーザーマーキングしたICの型番が手に取るように見えます。別に立体で見えないといけないものでなければ,片目で見てもよいわけですし,あんまり意地になることもありません。

 ブリッジもクラックも簡単に見つかりますし,ピンセットの先端がこんなに大きく見えるなんてのもちょっと感動的です。

ただの時計にTCXO

  • 2015/08/21 08:04
  • カテゴリー:make:

 夏休みの仕事,第2弾は時計です。

 昨年の9月に,aitendoの時計キットを大幅に改造して,大型LED表示の時計にしました。あれも夏休みに始めたことでしたので,ちょうど1年ぶりという事になります。

 この時計の誤差は,マイコンに与える12MHzのクロックの精度そのものですので,私はここにトリマコンデンサを付けて,周波数カウンタで調整をして精度追い込んでいました。

 水晶の温度変化は実はそんなに大きくないはずで,一度合わせれば問題ないと思っていたのですが,夏と冬で大幅に時計が狂い,3ヶ月もすると1分くらいずれるようになります。これではさすがに悔しいです。

 よくよく考えてみると,水晶発振子の温度特性よりもむしろ,トリマコンデンサの温度特性の方がはるかに大きいのではないかと。これと水晶発振子の誤差とが掛け合わされると,そりゃ100ppmくらいずれることもあるでしょう。

 この問題を根本的に解決するには,電波時計やGPS時計のように誤差を自動補正する仕組みを入れるか,もっと温度特性の良い発振回路を用意するかのどちらかです。

 前者はマイコンを作り替えることになりますし,それだともうこのキットを使った理由はなくなりますので,あまりうれしくありません。後者は12MHzというクロックをどうやって高精度で用意するかが最大の問題です。

 手持ちの12.8MHzのTCXOから,12MHzを作ることも考えました。PLLで10MHzを作ることはできていますので,分周比を変えるだけで出来ることは分かっていましたが,これも何だか面倒くさいです。

 で,探してみると,あるものですね。大阪の共立電子に12MHzのTCXOがありました。オーディオの原クロック用に用意されたものですが,TCXOでも700円ほどと,そんなに高価ではありません。

 このTCXOは,TCXOのくせにちゃんとしたCMOSレベルの出力があるというありがたいもので,電源電圧として3.3Vの電源を入れてやれば,正確な12MHzを吐き出し続けてくれます。精度はざっと2.5ppm。

 ということで,3.3VのLDOも一緒に注文してありましたが,夏休み中にちょこちょこと基板にまとめました。

 注意点ですが,1ピンはNCとなっているのでオープンにしていたところ,たまたま指でこの端子を触った時に周波数が変動することがわかりました。オープンの時には12.0000004MHzくらいだったのですが,ここをGNDにすると,11.9999998MHzになりました。

 まあどっちも大した差ではないし,そもそも周波数カウンタのTCXOも同じくらいの精度しかないので,最終桁など信用出来ないんですが,それでも値が変わることは事実で,オープンにして不安定なのも嫌なので,しっかりGNDに落とす事にしました。

 これを時計に組み込みます。

 昨年改造した箇所を忘れていて動かなかったりしたのですが,それもちょこっと直して,ちゃんと動くようになりました。ちょっと失敗したのは,TCXOに3.3Vを供給するLDOの電源を,マイコンのVccから取らなかったために,停電時のバックアップ電池からTCXOに電源が供給されず,この間マイコンが完全停止してしまうことです。

 これも修正をすれば済んだ話なのですが,時計合わせがものすごく面倒な時計で,せっかく正確に合わせた時計をもう一度止めるのも気が滅入ってしまい,このままにしてあります。

 まあ,停電したら停電したと分かる状態になっている方がうれしく,これはこれでいいかなと思います。

 それで1週間ほど経過しましたが,少なくとも私が意識出来る程のズレは出ていません。長期的にはズレが溜まっていくでしょうが,この夏の過酷な暑さとエアコン使用時の温度差にもめげずに,期待通りに動きをしてくれています。

 TCXOですから,一応ちょっとした計測器に入っているタイムベースと同じレベルのものです。長期的な誤差は蓄積するから仕方がないとしても,温度安定性に加え,絶対精度がすでに調整済みという気楽さもあり,難易度が非常に低い解像でも,高価は絶大という,ちょっと拍子抜けな改造となりました。

 成功したかどうかは,もっと長く様子を見ないといけません。引き続き検討していきます。

今どきのアイロンの修理

  • 2015/08/19 15:02
  • カテゴリー:make:

 大人の夏休みがどんどん短くなっていくなあと,今年も思ってしまった夏休みですが,短いなら短いなりに密度を上げようと考えるのが大人で,この夏休みも私はなかなかいい仕事をしました。

 ネタは4つありますので,4日に分けて書くことにします。

 最初は,アイロンの修理です。

 2011年に買ったアイロンは,パナソニックのNI-WL600という機種で,前と後ろの両方が尖っている,ダブルヘッドアイロンというタイプの第一弾モデルです。それまでのアイロンと全く違った形状から,本当に使いやすいものでない限り,一発屋で終わってしまうだろうなあと思っていたら,今年も主力商品として後継機種が出ているようです。

 実際,このアイロンは使いやすく,慣れてくればますます効率よくアイロンがけが出来るようになります。うちはどうしたことか,嫁さんがアイロンがけが好きだという人なので,最近は嫁さんに任せることが増えましたが,たまにかけると自分もアイロンがけが上手になったと錯覚することがあります。

 先日,久々に自分でアイロンがけをすることになったのですが,どうもアイロンの具合が良くないのです。温度設定用のLEDが薄暗く,スイッチを入れてもカチカチ音がして温度が上がりません。

 何度かいじっているうちに温度が上がったのでそのままアイロンがけをしましたが,後日嫁さんが,とうとう「こわれた」と言い出しました。

 嫁さんはものを壊す名人なので,この故障もきっと自分のせいだろうと落ち込んでいたようなのですが,購入後4年もすれば壊れてもおかしくはないわけですし,今のアイロンは昔のアイロンと違って,華奢になっていますから仕方がないところでしょう。

 とはいえ,それなりに高価だったアイロンですので,やはりここは修理を試みるのが,エンジニアの矜恃です。

 そういえば,40年ほど前の技術家庭科の教科書なんかには,アイロンの構造とか点検方法がのってました。中学生でこういうことを勉強したというのもびっくりですが,当時のアイロンは温度で伸びる率が異なる2枚の金属を貼り合わせた「バイメタル」によって,ヒーターをON/OFFして温度調整を行うという原始的な方法でしたし,動きも故障も目で見て分かるものですから,診断も修理もたやすいでしょう。

 ですが,ボタンで温度を設定するアイロンの内部構造をみたことは,そういえば一度もないことに気が付いて,こりゃ手探りになるなあと覚悟したのでした。

 冷静に考えてみると,このアイロンはボタンで温度設定を行いますから,おそらくマイコン内蔵です。コードレスアイロンでもありますので,スタンドから離れている間(つまりアイロンがけ作業が行われている間)は,電源供給が断たれています。

 でも,スイッチの状態がリセットされることはなく,スタンドに戻せば設定した温度のLEDがきちんと転倒しているのですから,状態の記憶が行われているはずですし,そのためにバックアップ電源が内蔵されているか,あるいは不揮発メモリが使用されているか,いずれかという事になります。

 アイロンの本体は高温になりますので,電池などを内蔵する場所はちょっと難しいです。一番温度が上がらない場所に仕込むのですが,それはおそらく取っ手の部分です。この窮屈な場所に,熱に弱い部品をすべて仕込むのは,結構大変でしょう。

 と,ここまで考えていざ分解です。

 最初に,スタンドと本体の接点を磨きました。メッキを剥がしてしまうとまずいので,3Mから出ている回転式のクリーナーをリューターに取り付けて,磨きます。ピカピカになったところで動作チェックをしますが,状況は変わりません。

 スタンドを先に分解し,テスターで断線などを確認しますが,こちらも委譲はなし。こうなると本体の問題です。

 本体を分解しますが,ボタンのシートで隠れたネジが1つあり,そのためにシートを剥がさねばなりませんでした。すべてのネジが外れて,はれて中身を見ることが出来ました。

 マイコンやボタンは片面の基板にのっており,これが取っ手の中に納まっています。スタンドとの接点から直接基板に繋がっているので,この基板でAC100VをDC5V程度に変換して使っているのでしょう。ただし,トランスでの絶縁はされていないので,このマイコンの端子にさわると,感電するかも知れません。こわいこわい。

 基板に2ピンのコネクタが出ており,これがヒーターのあるベース部分に繋がっています。よく見るとガラスシールされたダイオードのような部品に繋がっています。これがどうやら温度センサのようです。

 私は今どきのアイロンの回路図を見たことがなく,この温度センサがどんなものか,まったくわかりません。200度以上の温度を測るセンサですから,半導体ではないと思いますが,かといって熱電対のような微弱な出力では扱いづらいですから,なにか便利な他のものだろうと調べてみると,なるほど,こういう用途に作られたサーミスターがあるんですね。250度くらいまでなら動いてくれるもので,形状もそっくりです。

 ただ,そこはサーミスターですから,初期値も温度に対する抵抗値の変化もたくさんの種類があります。このサーミスターがどんなものか分からない限りは,好感は出来ません。

 とりあえず,このコネクタを外し,サーミスターが繋がっていない状態で電源を入れてみます。結果は,全く変化無し。LEDは薄暗く,カチカチとリレーの音がして,しばらくすると電源OFFのLEDが点滅します。ということは,サーミスターの断線の可能性があります。

 ああ,サーミスターの不良なら交換出来ないし,残念だけどここであきらめて捨てるしかないなあと思ったわけですが,一応抵抗値を測定しておこうとテスターで測定したところ,最初は200kΩ以上あった値が,指で触ったりアイロンの温度がちょっと上がったりすると,抵抗値が大幅に小さくなることがわかりました。

 これはおそらく,このサーミスターは生きています。生きている確証はありませんが,死んでいると決めつけるには惜しい挙動なので,このまま修理を続行です。

 次に確認したのは,ハンダのクラックです。無鉛ハンダは脆く,温度が高い場所で使うと案外ひび割れたりするものなのですが,そういうものをいちいちみるのも大変なので,怪しい部分はとにかくハンダを付け直します。

 後日書きますが,前日に購入した実体顕微鏡が早速役に立ちました。

 ハンダ面は絶縁のためか,シリコーンが塗られて固められており,これを剥がしての作業になりますが,作業後の確認では,やはり改善せず,まったく同じ挙動です。原因はこれではなかったようです。

 気を落とさずに,次は電解コンデンサの確認です。電解コンデンサは名前の通りケミカルなものですので,温度が10度上がると寿命が半分になります。取っ手の温度はちょっと熱いと思うくらいになっていますから,内部の温度はそれなりに上がっているでしょう。

仮に25度で3000時間使えるなら,45度なら700時間ほどになります。5日で1時間とすれば3500日であり,およそ10年で必ずダメになります。

 それくらい脆い部品ですが,これも工業製品故に当たり外れがあり,すぐに壊れるものもいれば,案外長持ちする奴もいて,どっちにしても電解コンデンサは電子部品の中でも良く壊れる部品の1つだと思っておいた方がいいです。

 基板には,3つの電解コンデンサがあります。47uFの35V,47uFの50V,そして1000uFの6.3Vです。3つしかありませんので,取り外して容量を確認してみることにします。

 最初の47uF-35Vは,35uFくらいに容量が減っていましたが,一応機能している様子です。劣化が進んでいるので交換しなければなりませんが,交換しても直ることはないでしょう。

 次に1000uFを調べます。800uFくらいに減っています。これも原因ではないようです。最後に47uF-50Vですが,容量計の値をみて目が点になりました。1800nFです。ほとんど容量が抜けています。何度計っても結果は同じです。

 これだけ劣化していると,これが原因で故障している可能性が高いです。交換してみる価値はあります。在庫を調べると,あいにく47uFの50Vは,オーディオ用のFineGoldしかありません。アイロンに金色のオーディオ用というのももったいないですが,仕方がありません。

 交換して試して見ると,おお,LEDはしっかり点灯し,リレーがカチカチいうこともなくなりました。ちゃんと温度が上がり,規定の温度になったらヒーターが切れるようになりました。動作は正常です。やったー,直りました。

 これは推測ですが,この電解コンデンサは,電源の平滑用だったんじゃないでしょうか。5Vか3Vか,そこらへんの直流を作るのに,ダイオードで半波整流し,これを平滑するものだと考えると,この電解コンデンサの容量が抜けて,電源が脈流になってしまい,これがマイコンに供給されたことで,マイコンの動作電圧以下になって誤動作をしていたということでしょう。

 LEDが薄暗くなりちらついたのは電源が50Hzで0V付近まで下がり,しかも半波整流だと半周期はずっと0Vですから,この間マイコンは動作せず,LEDも薄暗くなったのだと思います。

 他のコンデンサ,1000uFはおそらくスタンドから本体を外したときの短時間の記憶用のバックアップ電源でしょう。これが800uFくらいになっても,大した問題は出ません。あいにく交換用の在庫がないので,このまま使う事にします。

 もう1つの47uFが気になりますが,予防的に交換しておきます。

 これで動作を最後に確認し,問題がなさそうなので組み立てて,最終チェックをします。ちゃんと温度設定も出来るし,スチームもバンバン出ますので,これでよしとします。

 ちょっと遊び心が出てきてしまい,温度設定表示用のLEDの色を少し変えてみました。OFFが緑で,低中高は黄色,オレンジ,赤です。カラフルで面白くなっただろうと期待して組み立ててみましたが,案外つまらないのでがっかりしました。

 修理後の嫁さんの感想も上々で,これでアイロンは修理完了です。

 今どきのアイロンの構造など全然知らなかっただけに,いい勉強になりましたが,バイメタル方式のアイロンと違って,こうした電子部品を使うことが寿命を短くし,信頼性を下げてしまうのだなあと,つくづく思いました。

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