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ユーザー「gshoes」の検索結果は以下のとおりです。

その後のIDEOS

 IDEOSですが,毎日使ってみると問題点が出てきました。

 特に気になる問題は,電池,圏外,よくわからん,テザリング,というところでしょうか。

(1)電池

 1200mAhの電池を搭載するIDEOSですが,かなり電池の持ちはよくないです。設定にもよりますし,更新周期でも大きな差が出るものですが,私の場合で1日持たず,12時間経過で残り30%くらいになっていることもあります。

 私の場合,USBがあることでは充電を必ず行っているのであまり問題になってはいませんが,これは確実に予備の電池が必要になると考えて,現在品定め中です。

 また,面倒なことに満充電にならないという問題もちょくちょく出るようになってきました。一晩中ACアダプタに繋いでおいても,朝みると85%程度の充電で現在も充電中ということが何度かありました。電池の劣化にしてはまだ早いですし,どうしたものかなあと思っています。

 いつもいう事ですが,電池の切れた携帯機器はこれすなわちゴミです。邪魔になるだけで何の価値もありません。電池が切れないようにすることは持ち歩く機器を使う人間として,なにより優先せねばならないことなのですが,後述するようにどの設定が電池を食うことに繋がるのか,試行錯誤の結果が分かりにくいので,不安なことは確かです。


(2)圏外

 某巨大掲示板でもしばしば話題になるのが,圏外になったままになる「圏外病」です。

 これは,地下鉄など電波の届かないところで一度圏外になると,次に電波が届いている場所に出ても繋がってくれないというものです。人口カバー率が売りのFOMAを使っているIDEOSですが,圏外になったままでは携帯電話としてどうなのよ,とがっかりです。

 圏外になった状態から復帰するには,一度電源を入れ直す必要があります。機内モードにして電波を止めて復帰機内モードを解除しても,直ってはくれません。

 なにやら,ネットワークを一度2Gに切り替えて戻すと繋がるという話も聞くのですが,まだ試せていません。少なくともこの問題だけは,なんとか日本通信に直してもらいたいなあと思います。


(3)よくわからん

 これはもう私のせいなので文句をいうものでもないのですが,androidというOSがよくわかっていません。「このアプリはおすすめ」という記事を見てandroidマーケットで検索しても見つからないとか,データを他のアプリケーションと共有したいと思っても出てこなかったり,更新周期を長くしたり更新しない設定にしてもそれが反映されなかったりと,思った通りになかなかなってくれずにイライラすることがとにかく多いのです。

 標準で使わずアプリケーションを追加して使っている以上,トラブルがあっても自力で解決するのが当たり前のことですが,このあたりがいかにもPDAっぽいのです。だから私はPDAだと思って触っていますが,PDAには維持費はかからないわけで,今回のように買い切りでなければ,毎月の使用料金が負担に感じたのではと思います。

 特にわからないのが,電車の運行状況を示してくれるアプリですが,これがどうも上手く動いてくれません。自動的に更新する設定をしても更新してくれないし,手動での更新を行っても何度かに一度は更新がされません。便利そうなアプリだけに,役に立たないことは残念です。


(4)テザリング

 IDEOSは,USBによる有線のテザリングと,WiFiを使った無線のテザリングの2つが,公式に認められているのですが,実はどちらも信頼性は高くなく,なかなか使える状態になってくれない,突然繋がらなくなるなどの問題があり,いつも冷や冷やしながら使っています。

 WILLCOMのデータ通信カードはダイアルアップで繋がるもので,繋がってしまえばほとんど切れることもなかったのですが,IDEOSの場合はNDISドライバで繋がったネットワークカードに見え,これが結構トラブルを起こします。

 IDEOSと日本通信を選んだ理由の1つに,このテザリングがありますので,私としてはここだけでも確実に動いてくれないとなと思っているのですが,なかなか難しいようです。騙し騙し使っていかねばならないでしょう。

 というわけで,いろいろ書いてみました。アドエスとWILLCOMの組み合わせが全く使いものにならなかったことを考えると,IDEOSは十分つかいものになっているとは思いますが,それでも不安定なことや電池に不安があることは「まあいいか」で済まない話のように思います。

 これがもし,携帯電話と考えると全然ダメということになります。常に繋がっているという前提の通信機器において,切断されている状態が続いてしまうことはさすがに致命的と言わざるを得ません。

 一方これがPDAなりおもしろガジェットで,問題克服も楽しみの内という見方をすれば許されることでしょうし,実際に私はそういう気分でIDEOSと付き合っています。値段のこともありますし,まだまだこの業界は,品質と価格に相関があることを認めねばなりません。

 ただし,シビアな見方をすれば,問題克服を楽しみにしたところで,問題が克服されねばいけませんし,自分が目的とした事が出来るようになって始めて,かけたお金と釣り合うかどうかを考える事が出来るので,この点だけはぶれないようにしないといけないと思っています。

MacBookProの故障とGeniusBarでの出来事

 9月の末に持ち込んだ大量の本も,ようやくあと1日あれば全てスキャンが完了する,と言うところまでやってきました。思えば長い道のりでした。季節は進み,日差しがまだまだ厳しい9月から,もの悲しい秋,年末年始,そして雪のちらつく厳しい寒さ,と,この数ヶ月の時間は決して平坦ではありませんでした。

 1月中に終わるというのは,実はほぼ予定通りという事もあり,私は1月最後の土曜日に,スキャンをしているMacBookProをスリープから解除しようと,気分良くLCDを開きました。

 電源は入り,HDDも回転しているのですが,全く画面が出てきません。キーボードもトラックパッドも反応がなく,画面は相変わらず真っ黒のままです。MacBookAirから画面共有でアクセスするも反応無し。

 これはもう再起動しかないな,とCOMMAND+OPTION+POWERでリセットを押してみますが,これも反応無し。いよいよ最後の手段ということで電源ボタンを長押しして,電源を落とします。

 ま,この手の問題はままあることです。

 気を取り直して電源ボタンを押します。

 DVDドライブが「うぃーん」と音を立てて起動し,HDDに回転がかかって,電源が入った事が分かりますが,いつもの起動音が鳴る前に電源が落ちてしまいます。

 私の背中にも冷たい汗が落ちていきます。

 壊れたようです。

 落ち着け。こういうときは,PRAMリセットです。

 しかし,電源がすぐに落ちるのでリセットがかかりません。電池とACアダプタを外してしばらく放置しPMUをリセットするも,変化なし。相変わらずすぐに電源が落ちます。

 電源ボタンの長押しをすると電源は落ちないのですが,スリープのランプが点灯して何の反応もないままです。結局完全に壊れたという感じです。

 うわーーーー,これは大変なことになった。大事に使っていたのになあ。

 困ったときのgoogle先生に相談すると,先生は「このマシンは無償修理対象かもよ」と教えてくれました。

 私のMacBookPro,MB134Jは2008年の生まれです。このマシンはGPUにGeForce8600Mを搭載していますが,なにやらこのGPUの一部にパッケージングの問題のある不良品が混じってしまったとのことで,発熱によってチップが破損してしまう場合があるそうです。

 Appleはこの問題をリコールすることはなかったのですが,GPUの問題が原因で壊れた場合は,無償で修理することにしました。当初購入から2年だった期間は,現在4年まで延長されており,実質GeForce8600Mを搭載するMacBookProは全機種対象になっていると考えて差し支えありません。

 対象となる症状は,画面が真っ黒になる,画面が乱れる,ということですが,この場合でもMac自身は動作しているんだそうです。私のように動作しなくなってしまうのは,厳密には対象外となります。

 でも,バスにくっついたLSIが壊れてしまっても,ハングアップしないで壊れた部品がないまま動作するシステムにするには,わざわざそういう設計にしないとダメだと思うのですが・・・結構大変だと思いますよ。

 気の動転した私は,もう少し悪あがきを行う事にします。

 ・・・もしかすると,電池が怪しくなったからかもしれないなと,ふと予備に買ってあった新品の電池を箱から取り出して装着しようとしました。

 果たしてその電池は,美しく,グラマラスな三次元曲面を描いていました。

 膨らんでいます。それもふたが開いて,中身が見えるほどです。

 いやあああああああ

 まるでハマグリのような電池を,恐る恐る手にとって嫁さんに見せると,「妊娠したのね」と笑っています。

 1万円以上の電池が,あっけなく死にました。なんと不憫なことよ。

 いやいや,こんな事をやってる場合ではありません。MacBookPro本体をなんとかせねば。

 google先生は言います,無償修理になった人もいれば,電源入らずになったケースでは有償修理になった場合もある,と。電話の対応よりもどうもGeniusBarへ持っていった方が良さそうという事も耳打ちしてくれました。

 私はあわてて,その日のAppleStore渋谷の,GeniusBarの予約を確認しました。いつもいっぱいの予約で結局あきらめてしまうGeniusBarですが,今日に限って夕方があいています。よし,16時30分に予約です。

 予約の際に,画面が黒くなって再起動をかけたら電源が入らなくなったことと,電池が膨らんでしまったことを書いて送っておくっておきました。こうしておくと話がスムーズに進むのでおすすめという話を以前耳にしました。

 Appleの場合。有償修理は定額料金です。特別なケースやモデルごとの金額は知りませんが,MacBookProの場合約5万円だそうです。5万円でMacBookProが買えるわけでもないし,まだまだ使う気でいましたから,有償でも修理しようと覚悟は決めていいます。

 しかしその前に,xxxやyyyでzzzなファイルを,なんとしてもHDDから消してしまわねばなりません。これは,私という個人の,人間性と尊厳にかかわる大問題です。

 嫁さんは「男の人ってのは大変だねえ」とニヤニヤしています。そんなの誰も気にしないよ仕事だもん,と嫁さんは言いますが,一方で「サービスセンターに持ち込まれた,xxxなレンタルビデオを噛み込んだままのビデオデッキの話ってのも良く聞くよねえ」と,私を崖っぷちに追いやる発言。

 あと3時間。3時間もあればどうにかなると,私はマッハの速度でMacBookProを分解します。

 取り出したHDDをUSB経由でMacBookAirにつなぎ,外付けの別のHDDにつないでコピーを取ります。そしてオリジナルは消去。神業の速さです。

 そしてまた組み立てます。私の目の前には,以前と同じく,MacBookProが鎮座していました。どうやってばらしたのか,どうやって組み立てたのか,もう全然覚えていません。

 なんだかんだで予約時間に遅れそうになりながら,何食わぬ顔で渋谷のAppleStoreに到着します。名前を呼ばれてからしばらく待たされた後,初めてGeniusBarに座ります。

 向かいのお兄さんは,私のメモを既に読んでくれていたようですが,一応私に症状を尋ねます。

 私は,ウソにならない範囲で,画面が黒くなり,電源を切って再起動をしたら,電源がすぐに切れるようになったと答えました。

 確かに,これはウソではないですが,正しいわけでもありません。

 スリープから復帰させようとしたら画面が真っ黒のままだったので,電源を切りました。その後電源を入れてもすぐに切れるようになったというのが正しい言い方でしょう。

 しかし,この言い方では,厳密にはAppleの無償修理の条件には合致しません。人によっては有償修理になってしまうかも知れません。

 私は,Macのハードウェアについては素人ですが,半導体の使いや壊れ方には一般的な見解を持って仕事をしている人です。熱なり静電気なり,半導体が壊れる条件はいろいろありますが,壊れてしまったあとの状態として,内部でショートをおこし,大きな電流が流れてしまうと言う壊れ方は珍しい物ではありません。

 この場合,正しい動作はしないのは当然としても,電源がショートするのですから,大電流が流れて電源電圧が上がらず,回路によっては保護回路が働いた上で,電源が切れてしまいます。

 今回の電源の切れ方というのは,まさにそれだと思うのです。

 また,GPUとはいえ,コンピュータ内部で繋がっている部品です。壊れてしまえば,他の回路に影響を与えて,システム全体が動作しなくなることはむしろ普通の事です。

 私の場合,スリープからの復帰で画面が真っ黒,システムは一切反応せず,再起動後は電源が入らないというものでした。GPUが熱によって壊れた場合,こうならないと断言できないし,むしろこういう結果になることは,十分な可能性があると私は思います。

 お兄さんは私の話を聞いて早速電源を入れようとしますが,一瞬で電源が切れるため手も足も出ない様子です。それでも機種を特定して,引き出しから「nVidia」と書かれたUSBメモリを差し込んで,ここからの起動を試みます。

 すでに無償修理対象の機種あることはわかってらっしゃるようですが,いかんせん電源が入らね,該当するかどうかの判断が出来ません。

 しばらくして,お兄さんは手を止め,私に言います。

 -- お客様の場合,最初に画面が出なかったと言うことから,GPUの問題である可能性があります。電源が入らなくなったことは別の要因で起こっているのかもしれないけども,GPUのせいで壊れた可能性もあります。どちらにしても確認が出来ないのでわかりませんが,今回は無償修理とさせて頂きます。

 同じように壊れていても,画面が出ないままシステムが動作する場合に限って無償修理で,それ以外は有償というのは,ちょっとおかしいかも知れません。ただ,我々はこの件でお金儲けをしたいわけではなく,お客様にちゃんとしたMacを使って頂きたいと思っているのです。だから,今回は無償で結構です。

 電池についても,無償で交換します。電池は大なり小なり膨らむものですが,外装が割れてしまうほど膨らんだものは交換させて頂いています。

 こんな話があって,結果的に私の修理は,全て無償ということになりました。水濡れがあったりすると10万円かかるらしいですが,それは私の場合ありません。

 もしも,全然GPUに関係のない故障で電源が入らなくなった場合でも,極端な話HDDの入れ替え中に基板をショートさせて壊したような場合でも,同じことをいえば,無償修理になってしまったことになります。

 私の場合,本当に画面が黒いままスリープから復帰せず,次から電源が入らなくなったので,やっぱりGPUが故障原因じゃないかとおもっていますが,電源が入らなくなってしまうという症状は少ないようです。最初は電源が入らない場合でも,PRAMをクリアすれば起動したとか,そういう話は見つかったのですが,私のように結局電源が入らないケースというのは,そう多くはないのではないかと思います。

 今になって考えると,お兄さんはGPUに関係のない故障かもしれない,あるいは私がネットで仕入れた知識で無償になるようなウソを言っているのかもしれないという疑いの中で,私の話を信じ,5万円という決して安くはない修理費用をゼロにしてくれたのです。

 これは,結構重たい話です。単純な損得では割り切れません。

 それはそれとして,GeniusBarは今回初体験だったわけですけども,噂通りの,心地よい対応を頂きました。狭く,人でごった返した騒々しい室内で,決して落ち着くわけではありませんし,非常にてきぱきと短時間で処理されていく様子は,さながら病院のようです。

 じっくり長い時間をかけてくれるというサービスとは異なるのに,この手際の良さでなぜこれほど心地よいと感じるのか,非常に不思議なものがあります。

 単純に,私が望む結果以上の対応をしてもらったからでしょうか。そんな損得の話だけで,私は心地よいと感じたのでしょうか。対面なら安心?国内メーカーのサービスセンターだってそうですよね。

 彼らにだってできる事とできない事があります。現場に権限がないことだってあるだろうし,仮に修理を行うにしても,1ヶ月以上かかるような特殊な修理だってあるはずです。

 でも,GeniusBarの悪い評判を聞くことはほとんどありません。

 GeniusBarに来る人は,たいてい困ってやってきます。困っている人をサポートすることをテーマに動いているのがGeniusBarです。彼らは,このことを誇らしく思っているのではないでしょうか。

 またAppleStoreのスタッフの中でも,資格を持つ,精鋭でなければ,GeniusBarの担当にはなれないといいます。GeniusBarでお客さんの対応ををするということは,非常に名誉なことであり,同僚からの尊敬も受けるものであるわけです。

 そう考えると,なるほど,彼らが彼らの仕事に胸を張り,困ってやってくるお客さんがホッと安心して「よかった」と店を出て行く姿を見ることがどれほど価値のあることなのか,それは創造に易いことです。

 自然と彼らのペースになっていることに,時々気付いていました。何度も言うように,それも全然不快ではありません。

 こうしてテーブルの向かい側に座っている彼らに任せておけば,やがて最善の方法によって問題は解決するのだという安心感と期待感が,電話をすればピックアップしてくれる便利な修理サービスを使わず,あえてAppleStoreまで持ち込もうという人が多い理由なのかもしれません。

 ということで,土曜日に預けてきたMacBookProですが,修理が終わったという連絡の電話がかかってくるのを待っています。修理が終わったら,会社からの帰りに寄り道して,引き取りに行く予定です。

 つくづく思うのは,メーカーに取っては数多くの中の一台,に過ぎないものでも,使っているユーザーにとっては,まさに特別な一台なのですね。当たり前の事ですが,手元からなくなる不便さも深刻なら,5万円の修理代が無償になるということも,やはり個人レベルでは大変な事件です。

 早く戻ってくることを願っています。

 さて,その「妊娠した」電池ですが,あわてていたので写真を撮らずにAppleStoreに行ってしまいました。GeniusBarで気が付いたので,手元にあったIDEOSで写真を撮りました。

ファイル 448-1.jpg

 画質が悪いのはお許し下さい。

100円ショップのイヤホンが,電子ブロックのイヤホンとして使えるのか

  • 2011/01/31 15:33
  • カテゴリー:make:

 先日,ある方からメールを頂戴しました。

 お子さんのクリスマスプレゼントに電子ブロックをプレゼントしたが,クリスタルイヤホンをなくしてしまった。いろいろな実験で使うだけに困っているが,代わりに使えるものはないかと思案されているそうです。

 100円ショップなどでイヤホンが売られていますが,電子ブロックに繋がるよう,配線の端っこをうまく加工すれば使えるものですか?という質問を頂いたわけですが,自己解決されたということで,お返事を躊躇していました。

 ただ,どうして使えないのか,どうすれば使えるのかと言うお話はなかなか興味深く,イヤホンをなくしたことをきっかけに,そのお子さんが「知る」きっかけになれば,大変良いのではないかと思って,ここに書こうと考えた次第です。

 結論からいうと,100円ショップで売られているイヤホンは,電子ブロックでは使えません。

 まず最初に,イヤホンの種類について整理します。

 イヤホンには,大きく分けて,磁力を使ったものと,圧電効果を使ったものがあります。

 磁力を使ったものは,マグネチックイヤホンや,ダイナミックイヤホンと呼ばれるものが属します。ウォークマンやiPodなどで使われるのがダイナミック型,ラジオのイヤホンとして売られているものは,マグネチック型が主流です。

 ダイナミック型は,電磁石に薄いフィルムを貼り付けておき,コイルの内側には永久磁石を置いておきます。

 コイルに音声振動が流れて電磁石になると,そこから出る磁力と永久磁石の磁力とが引かれたり反発したりして,コイルが動きます。これがフィルムを振動させて,音にします。スピーカと同じ仕組みです。

 マグネチック型はダイナミック型とは似て非なるもので,コイルの内側に磁石を置くところまで同じです。

 そして,その磁石の近くに鉄の薄い板を置いておきます。磁石からの磁力が鉄板を引っ張っている状態が続くのですが,この状態でコイルに音声信号が流れると,コイルの磁力と磁石の磁力があわさって,鉄板を引きつける力に変化が生まれます。

 この結果,鉄板が振動し,音が発生します。

 この2つは,原理は異なるものの,コイルに電流を流すことから,電圧と電流が必要です。電圧と電流の積は電力ですので,このイヤホンを動かすには,電力が必要になるということになります。

 その代わり,音が大きく,音質も良いものが得られ,小さく作ることも可能です。だから現在主流になっているのですね。

 さて,圧電効果を使ったものについては,クリスタルイヤホンが該当しますが,現在は作られていないはずで,セラミックイヤホンがこれに代わっています。

 クリスタルイヤホンというのはその名の通り,結晶を使ったイヤホンです。有名なものはロッシェル塩の結晶を使ったもので,出力が大きく音質もよいのですが,湿気を嫌い,吸湿すると性能が落ちるため,現在は使われていません。

 そこで現在は,同じような性質を持つセラミックを使っています。これがセラミックイヤホンで,クリスタルイヤホンに比べて音も小さく,音質もあまり良くないのですが,同じようなものとして扱って構いません。

 ある種の物質には,電圧を加えると変形し,また変形させると電圧を発生させる性質を持つものがあります。この性質を圧電効果といいます。

 圧電効果を示す物質にはいろいろありますが,特に強力なものはロッシェル塩の結晶や,チタン酸バリウム,チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)といったセラミックがあります。

 これらは高い誘電率を持つ不導体であり,電流は流れません。つまり変形はあくまで電圧がかかることで起きる現象です。(詳しい理由は難しいので割愛します)

 これらにフィルムを取り付け,音声信号を加えると,その信号に応じて結晶が変形します。この変形がフィルムを振動させて,音が発生します。

 先程書いたように,圧電効果は結晶を変形させると電圧が発生するので,セラミックイヤホンにむかってしゃべると,音に応じた電圧が発生します。つまりマイクロフォンになるのです。

 先程書いたように,結晶そのものは不導体ですので,電流は流れません。電力が電圧と電流の積なら,セラミックイヤホンは,ほどんど電力を消費しないことになります。

 ただ,圧電効果の高いセラミックは誘電率が高く,容量の大きなコンデンサになる傾向があります。コンデンサは電気をためる性質があるので,音声信号として電圧が加われば,コンデンサを充電するのにいくらかの電流は流れます。しかしたまっているだけで消費されるのではありませんから,消費電力はほとんどゼロといってよいのです。

 こうして,非常に小さい電力しか消費しない発音体という利点を生かし,例えば腕時計のアラームに使われる圧電ブザーや,電源を持たないゲルマラジオに不可欠なイヤホンとして,使われています。

 しかし,物質の変形を利用する以上,大きな変形を作る事は難しいですから,大音量を作る事も,広い周波数を再生する高音質な音を出すことも苦手です。また,大きな音を出すためには高い電圧をかけねばならず,これが欠点といえるでしょう。

 さて,電子ブロックです。

 電子ブロックは,基本的な電子回路の実験が出来るものですが,ダイナミック型やマグネチック型といった,電力を必要とするイヤホンが駆動出来るような増幅回路を構成するだけの部品が用意されていません。

 そもそも,そうした複雑な増幅器を組み立てるのは,電子ブロックの主旨から外れます。電子ブロックは,簡単な電子回路を実際に組み立てて,その動作を原理を学ぶためのものです。

 電子ブロックに用意されている小信号用トランジスタが1つ2つで可能な増幅回路は,せいぜい電圧増幅回路です。電流を供給する回路を作るのは難しく,自ずとイヤホンは電圧だけで駆動できるもの,つまりセラミックイヤホンを使う事になります。

 また,前述の通りセラミックイヤホンは,セラミックマイクにもなります。カラオケのマイクや携帯電話のマイクに使われるエレクトレットコンデンサマイクや,ダイナミック型のマイクと違い,出力電圧が大きく,マイク用に特別なアンプもひつようなく,電子ブロックの実験にはもってこいです。

 こうしたことから,電子ブロックにはセラミックイヤホンが使われています。

 それでは,100円ショップなどで手軽に入手できるダイナミック型やマグネチック型のイヤホンを,電子ブロックでならすにはどうすればよいでしょうか。

 先程書いたように,電子ブロックの部品では電力増幅器を作る事は出来ません。だから素直に考えると「方法はない」が正解です。

 しかし,実は電子ブロックには,電力増幅器がこっそり用意されているのです。

 本体の右上にスピーカがついていますが,これはICアンプと呼ばれるモジュールです。このスピーカはダイナミック型ですので,電力増幅器がなければ駆動できません。

 当然,電子ブロックの部品ではとても駆動できるものではないので,このユニットの中に,LM386という定番のパワーアンプICを使った電力増幅器を内蔵し,音声信号を入れればスピーカから音が出るようにしてあります。

 この,スピーカの代わりにダイナミック型やマグネチック型のイヤホンを接続すれば,十分駆動することができます。そのためには分解が必要になりますし,復刻版の場合はオリジナルと違ってICアンプの部分だけ本体から外れるようにはなっていませんので,こんな実験を行ったら,まず間違いなく壊してしまうでしょう。

 というわけで,ちょっと詳しくセラミックイヤホンの話を書いてみました。

 ほとんど目にすることはなくなったとはいえ,このイヤホンの代わりになるものは存在しません。今でもゲルマラジオを作るにはこれが不可欠です。もっとも,ゲルマラジオが実用品であるわけではなく,我々に身近なイヤホンでないことは間違いないでしょう。

 ですが,こういう種類のイヤホンが世の中にはあって,電気をほとんど消費しないのだという事を知っておくと,知識の幅は広がることと思います。

 貴重なセラミックイヤホンですので,安易に分解してみろとは言いませんが,もし分解すると機械的に動く部分はほとんどなく,コイルも磁石も見当たりません。これで本当に音が出るのかと不思議な気分になることと思います。もし機会があったら,見てみて下さい。

androidに明るい未来を見た

  • 2011/01/28 15:20
  • カテゴリー:散財

 そして最後,私にとって初めてのandroid,久々に買った手のひらサイズのガジェット,IDEOSです。

 先日,WILLCOMのデータ通信カードを落としてしまったことから,解約を行ったことと,その後継として日本通信のb-mobileSIM U300を検討している途中に,IDEOSの存在を知って購入,というところまで書いたと思います。

 なかなかよく売れているらしく,その上ぽつりぽつりとレビュー記事が上がり,概ね好意的な内容であることから,慢性的な品薄状態が続いているようです。

 IDEOSは中国のファーウェィから出ているグローバルモデルということで,日本を除く多くの地域で安価に売られているのですが,これを並行輸入したものは技適が通っていないので,使用できません。

 日本通信は,このモデルを独自に輸入し,技適を通して国内で使用できるようにした上で,10日間のお試し可能なb-mobileSIMを同梱して,26800円で売っています。ファーウェィの日本法人は「自分らは日本で売る気はないし,日本通信が勝手にやってることなので,問い合わせなどしないよーに」と商売っ気のないことを言っていますが,キャリアと端末メーカーの力関係には,いろいろなものがあるようです。

 IDEOSは私が今持っている携帯電話より小さく軽い,android2.2をOSに搭載したスマートフォンです。日本通信の思想に準じてか,海外モデルに対して可能な限り制約がないようにしてあり,とても好感触です。

 CPUは500MHz程度,メモリも少なく(どうもユーザーが使えるのは128MByteくらいのようです),画面もQVGAでタッチパネルはマルチタッチに対応しません。確かに非力ですし,今の水準で考えると不安に駆られるスペックですが,思い出してみるとiPhoneだって昔はQVGAで500MHzのクロックだったことを考えると,まあいいんじゃないかと思います。

 同梱されるb-mobileSIM U300は,IDEOS専用ということになっています。10日間のお試しが終わったらチャージを行えば継続使用できます。通常のb-mobileSIMと違って,29800円で利用出来る期間は,初回のチャージのみ14ヶ月です。最初の1年だけは,月額2128円ということになりますが,2年目以降は12ヶ月に戻るようです。

 端末の動作が遅いこと,実力で300bps程度の通信速度とあいまって,サクサクとした軽快感はありません。使う人にそれなりの我慢を求めるものですが,私がやりたかったメールとWEBブラウズくらいなら,別になんてことはありません。

 androidについては,とにかく全く初めて触りますから,なにも分かっていません。それまでほとんど興味もなかったのですから,全くの白紙です。

 いろいろ触っていて思うのは,androidはWindowsMobileとiOSの間に位置するOSだなあということです。

 iOSは標準で十分快適に使えるように作られいます。アプリを追加して機能を増やすことは可能ですが,それはAppleが認めたものに限られます。だから日本語入力を賢くしたいなと思っても,ATOKは手に入らないわけです。

 一方のWindowsMobileはアドエスで散々触りましたが,これはもう標準ではどうにも使い物にならず,とにかくカスタマイズを行わなければまともに運用できません。その代わり,アプリの入手には制約も制限もなく,みんな勝手気ままに作っています。

 androidはまさにその中間です。標準のままでもそれなりに使えますが,アプリを使えばもっと便利になります。そのアプリの入手はWindowsMobileのようにユーザーが自分で探すわけではなく,androidマーケットにまとまっています。しかしandroidマーケットは制約も少なく,開発者登録費用の25ドルを支払えば,あとは登録も無料です。

 もちろん,androidの自由度はiOSよりも高く,様々なソフトを作る事も可能で,これを自由に公開できるわけですから,大変上手くまとまっていると思います。私はカスタマイズをしたいわけではなく,使いにくさを解決したいだけですので,出来るだけ標準のアプリで過ごし,どうしてもダメなものをアプリを探して解決するので,この程度のスタンスがちょうど良いと思っています。

 ところで,私個人はPDAを長く使っており,今はPalmTXを使っています。これでなにか特別なことを仕様というのではなく,使い慣れたPalmでスケジュールとアドレスの管理をしたいだけですから,ここにコンピュータの姿を見ることは(今は)ありません。

 先日,タブレットやスマートフォンとPCの根本的な違いについて考えたところ,後者はコンテンツを作成するもの,前者はそのコンテンツを消費するもの,という位置付けだと気が付きました。

 私は自炊にしても写真のレタッチにしても,PCを使わなければならない事が多いので,基本的にコンテンツを消費するマシンにはそれほど興味はありません。だからiPadも欲しいとは全然思わないわけですが,メールとWEBについては,もう文房具のようなものですから,肩肘張って使うものでもありません。

 もし,スマートフォンが便利だとすれば,文房具としてどれだけ便利かに尽きると思うのですが,その第一条件は,やはり持ち運びの負担の軽さです。小さく軽い,これが第一の条件であり,これを満たさないものはどれだけすごいマシンであっても,私は欲しいと思いません。

 だから,kindleは大好きですし,iPadは嫌いなわけです。そしてIDEOSは,私の所有欲を満たし,かつ私の生活を変えようとしています。

バランスドアーマチュア初体験

  • 2011/01/27 13:20
  • カテゴリー:散財

 3回目は,久々に買ったインナーイヤーのヘッドフォンです。

 先日,あるパーツ店のblogを見ていると,ZERO AUDIOというブランドで,新しいヘッドフォンが発売になったと紹介がありました。ケーブルで知られた協和ハーモネットのオーディオブランドがZERO AUDIOで,ここが昨年末に発売したのがZH-BX500とZH-BX300という,ヘッドフォンです。

 価格は前者が8000円ほど,後者が5000円ほどですが,この価格にしてバランスドアーマチュア型だというから驚きです。バランスドアーマチュア型が高級なヘッドフォンに使われるようになり,今や高級品の代名詞となった観すらありますが,それがこの価格で味わえる,しかもそれなりに評判も良いという事で,これは一発衝動買いです。中野のフジヤエービックで7100円でした。

 そもそもバランスドアーマチュアってなんだ,という恥ずかしいレベルの私は,まず勉強することにしました。

 電気を音にするのですから,電気の強弱で振動板を振動させて,それが空気を振動させて音になるという原理はとても単純ですが,現在主流のダイナミック型は永久磁石が作り出す磁束の中に電磁石を置いて,この電磁石発生した磁力の強弱によって電磁石の位置が変化し,これにくっついた振動板が振動するという仕組みです。

 大事な事は,電磁石が動くという事です。

 一方,マグネチック型と呼ばれるものもあります。オーディオ用ではなく,ラジオ用に売られている片耳だけのイヤホンは,このマグネチック型だったりするのですが,永久磁石の周りに電磁石を巻き付けておき,その上に振動板となる鉄の薄い板を置いたものです。

 磁石によって振動板は一定の力で吸い寄せられていますが,電磁石に信号が流れ,磁力が発生すると,磁石からの磁束に変化が生じ,振動板を吸い寄せる力も変化します。これが空気の振動を生むわけです。

 ここで大事な事は,電磁石は動かないという事です。

 マグネチック型は,ダイナミック型が登場するまで,主流だった方式でした。大きなスピーカーだってマグネチック型で作られていましたが,さすがに鉄の薄い板を大きくするわけにも行かないので,紙で出来たコーンにロッドと呼ばれる針金をくっつけ,この針金を振動板の代わりに置いた鉄片に繋ぎました。

 鉄片は動くため可動鉄片とよばれますが,これをアーマチュアといいます。

 ダイナミック型はいわばリニアモータで,振動板を軽く作ったり,大きなストロークを得られたりと,周波数特性が非常に広いことが特徴です。一方のマグネチック型は動く範囲が小さく,ストロークを大きくできないことや,振動板を軽く出来ずに高域が出にくいということで,帯域が狭く,なんとか音声帯域をカバーするのがやっとだったといわれています。

 ラジオのスピーカーはマグネチック型だったのですが,オーディオが音声から音楽を扱うようになり,Hi-Fiになるに従い,広帯域を再生できないマグネチック型が消えて,ダイナミック型に切り替わっていきました。

 なら,イヤホンだってダイナミック型にすればよかったのに,と思うかも知れませんが,ダイナミック型は原理的に強い磁石が必要になるため,小型化が難しかったのです。近年の強力な磁石が誕生して,ようやく小型化が可能になったと言う方が正しいです。

 マグネチック型は磁束の変化で振動板を動かすのですから,原理的にそんなに強い磁石を必要としません。それで小型ならマグネチック型が使われ続けていたのです。

 マグネチック型にはもう1つ欠点があります。それはひずみです。ダイナミック型は,フレミング左手の法則に従って,流れる電流に比例して動きます。ゆえにひずみは出にくいです。

 マグネチック型は,磁束の変化で吸引力が変化し,それが振動板を振動させるわけですが,厄介なことに吸引力の変化は,磁束の変化の二乗に比例するのです。つまり,原理的に比例関係にないことから,二次高調波というひずみを発生させてしまいます。

 この欠点を解決するための仕組みが,バランスドアーマチュアと呼ばれるものです。

 可動鉄片を磁石で挟み込み,それぞれに電磁石を配置します。2つの磁石の磁力がバランスしてゼロになる所に可動鉄片を置けば,この部分にかかる磁力はゼロになります。従来のマグネチック型では,常に磁力がかかっていたのに比べると,大きな違いです。
 
 電磁石に信号が流れると,表側の磁力が強くなる時,裏側の磁石には磁力が弱くなるようにすれば,片側の磁石が引っ張り,もう片側が押すようになります。これにより,二乗に比例する二次高調波成分は打ち消され,純粋に信号の変化に比例して振動板が動くようになるのです。

 うーん,なんだか狐につままれているような気がしてきました・・・

 ですが,いわばプッシュプルということですので駆動力は倍になり,感度はダイナミック型に比べて大きくできます。もともとマグネチック型の発展型だったわけで,超小型に出来るという素性の良さに加えて,ひずみを押さえ,また小さい電力で大きな音を出せるというこの方式は,補聴器用のイヤホンとして決定版となりました。

 声を明瞭に再生することをテーマに改良が重ねられたわけですが,強力な磁石が利用出来るようになるなど,Hi-Fi用として利用出来るだけの周波数帯域を持つことも可能になりました。

 そこで近年,小型であること,軽量であること,感度が高く小さな音を再現できること,そして(おそらく歪みを打ち消している事が理由なのでしょうが)解像度が高い事を積極的に利用して,高級なヘッドフォンとして理世売れるようになってきたのです。

 構造が複雑で小さいため,精度が要求され量産に向かず,高価になりがちという事もありますし,超小型であることを生かし,2Wayや3Wayのスピーカーのように帯域ごとに2つ,3つを搭載するものまであったりして,ますます高額になる傾向があります。

 基本的な性能から言えば,ダイナミック型の方が安く,しかも低域から高域までバランスを持つように作る事ができるのでしょうが,ダイナミック型にある大味な感じとは対照的に,繊細で解像度の高い音を得る方法として,好まれているのだと思います。

 私個人は,ダイナミック型の躍動感,低域から高域までカバーする広帯域が好きで,もともと小さいものに豊かな低音は望めないということから,大きなヘッドフォンに抵抗もなく,バランスドアーマチュアにはあまり興味を持っていませんでした。

 しかし,インナーイヤーのヘッドフォンが,かつては1万円でも高級だったのに,最近は3万円で中級,5万でようやく高級という状況を知り,やはりその原動力となったバランスドアーマチュア方式というものを体験してみたいと思っていたところでした。

 そこに登場したのが,実売8000円のバランスドアーマチュア型,ZH-BX500だったというわけです。

 さて,届いたZH-BX500を,早速試して見ます。小さく,軽いのはさすがです。金属製の筐体も高い質感を持っていて,装着感も良好です。耳の中に吸い付くような感じがあって,密閉感も非常に高いものがあります。

 なんといっても小さいために,耳への負担が小さい事はうれしいです。

 音を出してみますが・・・あまり良くないです。

 全体に奥行き感が小さく,平面的に聞こえます。ボーカルも奥行きがなく,随分手前にいるように聞こえます。

 低域の細さと,高域のだら下がりが,帯域の狭さを印象づけます。私が長く愛用しているATH-CK7と,最近のリファレンスであるQC15と比べると,パワー感やタイトなベースが聞こえてきません。元気がないです。

 そしてスタックスを使って見ると,ぱーっと頭の中に空間が広がり,その中でびしっと楽器が定位しています。この表現力はやはりすごい。

 ZH-BX500も,2時間ほどならしている内に随分馴染んできたようですが,それでも前後の奥行きが乏しく,平面的な音になっている傾向は変わりません。

 高域が強いとは言え帯域は狭いので,サシスセソが濁ることはありません。中域に大きなピークがあるようなおかしな癖もないので,音そのものは大変素直です。

 また,よく言われる解像度は確かに高いと思います。感度の高さもあってのことでしょうが,ノイズがよく聞こえるになったことと,音が消える瞬間の歪みが良く聞こえるようになりました。

 また,楽器の個性を良く表現していて,情報量の多さには多少の疲れを感じるほどです。

 位相特性も良好のようで,楽器の位置が動きませんし,周波数によって位置が変わることもありません。

 総じて,まるで測定器のようなヘッドフォンだと思います。音を楽しむ,声の豊かさを味わう,そうした用途にはちょっと厳しいですが,解像度の高さと情報量の多さは,他にないものを持っていると思います。

 惜しいのは,明らかに高域の帯域が不足していていることでしょうか。低域のエネルギーは原理的に望めないとしても,この高域の伸び不足にはフラストレーションを感じます。

 ZH-BX500の良いところは,

・小さく軽く,装着感の良さからくる,体への負担の小ささ
・感度の高さと歪みの小ささからくる,小音量時の再現性の高さ
・感度の高さからくる,アンプの消費電力削減
・解像度と低位の良さ
・色づけのない,素直な音
・価格以上の音

 悪いところは

・低域の貧弱さ
・高域のだらしない落ち方
・一聴して感じる帯域の狭さ
・奥行きがない,平面的で,ヘッドフォンの欠点がそのまま出ている空間再現能力

 というところでしょうか。

 他のヘッドフォンと性格がかぶらないので,これはこれで私の常用モデルとなりそうですが,それにしてもこんな味付けのないヘッドフォンがこれだけ話題になるというのは,なんだか日本のオーディオファンもよく分からないものです。

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