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リコーのGXRが作る素晴らしき世界

 リコーから発表になった新しいコンセプトのデジタルカメラ,GXRを取り上げないわけにはいきません。

 名前の由来として,同社のコンパクトデジカメGXシリーズと,かつて同社が発売していた一眼レフ銀塩カメラXRシリーズをあげたあたり,ついついニヤニヤしてしまうオッサンとしては,XRシリーズの面白さってなんだったかなと考えてしまいました。

 XRはKマウントのカメラで,ペンタックスの豊富なKマウントレンズを使う事の出来る,非常にコストパフォーマンスの高いカメラでした。基本性能に特化し,普段余り使わない機能や性能にはお金をかけず,お金のない高校生なんかにユーザーが多かったように記憶していますが,これはこれで重要な価値がありました。

 ボディは基本性能さえしっかりしていれば,そんなに高価なものはいらないというのが私の考えです。高価なボディにはそれなりの理由もあるし,持っていてうれしくなる精神面での寄与が良い写真を生むトリガになるのも事実ですから,高価なものを否定する気はありません。

 しかし,ボディよりも,レンズが支配する割合が大きいのが銀塩写真の世界ですので,あの個性豊かなKマウントのレンズが,あんなに安い値段で使えるなんて,なんてうらやましいカメラだろうとXRシリーズに感じた事は,実は何度かありました。

 これはつまり,GXRシリーズの面白さに繋がるといえるのですが,GXRは撮像素子と光学系を1つのパッケージにし,ボディには画像処理エンジンとストレージ,そしてディスプレイと操作系を担わせたものであるわけで,レンズの交換によるメリットと共に,ボディ側の進化やシリーズ展開が期待できるということです。

 リコーも含め,報道でもこの点はあまり積極的に触れていないように思うのですが,私はこれを強く期待したいです。(そのためには長くこのシステムを継続してもらわねばなりませんし,魅力的なレンズユニットが登場することが必須ですけど,これは大丈夫なような気がします)

 つまり,耐環境性能に優れた完全プロ仕様のボディや,超大容量のストレージを内蔵したモデル,超高速化や超高画質化という流れもあるだろうし,電池寿命が極端に長いモデルもありでしょう。もしかすると2つレンズユニットを取り付けてステレオ撮影が可能なモデルもありかも知れません。

 逆に,液晶画面も小さく,耐久性もやや低い安いボディというのもいいですね。最初にこうした廉価版を買っても,後で高級なボディに買い換えるというステップアップも出来ます。

 製造の難しい光学系を電気信号で分離したことで,もしかすると他社の参入もあり得るかも知れません。こればかりはリコーの考え方によるでしょうが,各社の画像処理エンジンの性能差による画造りの差を楽しめたりするかも知れません。

 コンパクトデジカメを作る力があれば,このレンズユニットを作る事が可能という点で,こちらも様々なメーカーの参入が可能でしょう。光学系の製造は出来ても,画像処理はまだまだ,という海外メーカーは多く,それこそCarlZeissのような高級品から,旧ソ連のレンズのようなマニアックなレンズまで,それこそいろいろな可能性が出てくるように思うのです。

 これはもしかして,M42のレンズ沼になる可能性が・・・いや,それはちょっと気が早すぎるか。他社の参入があった時点で,その夢を膨らませることにしましょう。

 いずれにせよ,システムカメラとして一歩を踏み出す決意が,最初に50mm相当のマクロレンズをAPS-Cサイズの撮像素子で用意したあたりでうかがえるのは,私だけではないと思います。その長く険しい,容易に撤退することを許されない世界に飛び込んだ英断を賞賛したいと思います。

 技術的には,1つのパラダイムシフトといって良いと思います。レンズとボディは,連動無しから機械式連動になり,やがて電気信号を用いるようになりますが,ここまでは光学系と制御系が分離していました。

 しかしGXRではこの光学系についてもレンズで完結し,制御系共々電気信号に統合してボディに伝達するという,1つの到達点に来たように思います。

 このことによって,光学ファインダーを捨てることになってしまいました。逆の言い方をすると,光学ファインダーのせいで,光学系を電気系にまとめることが出来なかった,とも言えるかもしれません。

 電気信号になってしまうと,もうなんでもありです。

 レンズユニットとボディの接続に無線を使ってしまえば,レンズとボディは一体である必要さえなくなります。TCP/IPを実装すればインターネットに繋いで,世界中のレンズユニットと接続出来ます。距離という物理的な壁を越えるのです。

 レンズユニットから無線LANでPCにつなぎ,PCでボディを代替する方法もありですね。PCの巨大な演算能力をもってすれば,もはや何だって出来ちゃいます。

 いやー,夢はドンドン膨らみます。

Haynesが作ったAPOLLO 11のマニュアル

  • 2009/11/09 17:17
  • カテゴリー:散財

ファイル 333-1.jpg

 Haynesというイギリスの出版社は,昔から自動車やバイクのサービスマニュアルを一般向けに編纂し販売することで知られています。

 日本では馴染みがないかも知れませんが,特にヨーロッパでは自動車は長く乗るのが当たり前で,日々のメンテはもちろん修理も極力自分で行う事が普通に行われているんだそうです。そのためのちょっとした部品や工具は,少し大きなスーパーマーケットなら手に入ったりします。

 ですから,ヨーロッパではサービスマニュアルに需要があり,本屋さんでHaynesのものが買えます。日本では自動車のサービスマニュアルは基本的にメーカーが整備士向けに発行するので,一般のユーザーには手に入りません。外国車の面白いところは,こういったマニュアルや部品が割と楽に手に入り,自分でなんとかしようと考えている人が世界中にいて,実際になんとかなってしまう場合が多かったりする,という点ではないでしょうか。


 日本でも,今ほどたやすく入手できたわけではないのですが,Haynesのマニュアルを手に入れる事は出来ました。私も先日手放したプジョー306(N3)のサービスマニュアルを持っていましたし,父は私が子供の頃に当時乗っていたBMWの320iのサービスマニュアルを持っていました。

 会社の知人で,メルセデスの300TD(W124)に乗っていた人も持っていると言っていましたし,やっぱり知っている人は知っているシリーズなんですね。

 そして,このHaynesの最新刊が,なんとAPOLLO 11です。

 6月頃の話ですが,いつも楽しみにしているWiredVisionのメールマガジンを見ていると,HaynesのマニュアルにAPOLLO 11が登場する,というウソのような話が出ていました。

 日本のamazonでも買うことが出来るという事で,年末発売に向けて予約を受け付けていたのを見て,迷わずポチってしまったわけですが,それが一昨日,私の手元に届いたのです。

 面白い事に,6月後半には日本国内でも洋書の専門店では販売されている一方で,日本のamazonでは現在も予約中,しかも価格は3000円を超える値段になっています。紀伊国屋で頼んでもこのくらいの値段になるようですが,実際に手元に届いた伝票によると,2162円と大幅に安くなっていました。

 USのamazonでも22ドルくらいでしたから,結局円高のおかげで安く買えたというのもあるようですが,いずれにしてもこの本が2000円ちょっとというのは,随分得をさせてもらいました。

 Heynesのサービスマニュアルらしく,青く,硬い表紙に,おなじみの透視イラストが笑えますが,中身は結構真面目な本で,ジョークな本ではありません。

 もちろん,Workshop Manualといいつつ,メンテナンスの方法や分解方法などが書かれた部分はほとんどないので,この点についてはウソなんですが,ではなにがのっているかといえば,アポロ計画という壮大なプロジェクトを,機器や機材という面から見たものであるという感じでしょうか。

 今年はアポロが月に着陸して40年というメモリアルイヤーであり,多くのアポロ関連図書が世界中で出ているのですが,多くはいかにアポロ計画が壮大だったか,という話が中心に据えられます。

 もちろん,一般にそれがもっとも重く,人類の歴史に刻まれることだと思うのですが,しかし材料学,信頼性工学,電子工学,コンピュータ工学,放射線工学など様々な科学技術分野はもちろん,生物学,医学,精神医学といった分野であったり,プロジェクトを率いるリーダーシップのありかた,定量的な評価を行う開発手法など,人間の行動様式について探求された結果など,多岐にわたる成果が幾重にも連なり,あの壮大なアポロ計画が成功,賞賛されるに至っているわけです。

 ただし,それぞれの分野の成果はあまりに専門的すぎ,実際に我々の生活の中に直接間接に組み込まれているものであっても,気付かずに過ごしてしまいます。

 そんな中,Haynesらしいなあと思うのは,アポロ計画を自動車という得意な視点で本にしたことでした。

 Heynesのマニュアルを見たことがある人ならわかると思いますが,最初はその車の大雑把な紹介,それと距離ごとの定期点検,その後各ブロックの分解方法と電気系統の図面が続き,最後に用語解説と索引となります。

 基本的にこれをフォーマットとしているわけですが,いつもと雰囲気が違うのは著者のアポロに対する熱い思いと,開発中の様々な機材の美しい(本当に美しい)写真がふんだんに使われていることでしょうか。

 もっとも,サターンロケットの分解方法や定期点検を書いても仕方がありませんから,一言で言えば「Heynesがアポロ計画のガイドブックを作るとこうなる」という,実に興味深い内容になっています。

 正直なことを言うと,これはイギリス人らしいジョークで,本当にサターンロケットや司令船の組み立て方や修理方法が書かれていると思っていたのですよ。「こんなの知っててどうすんねん」という突っ込みを,くだらないことに全力投球するHeynesに対する賞賛と共に送るつもりだったのですが,それがどうしたことか,大人も子供も読み物として楽しく,写真の美しさにため息をつき,そして散々語り尽くされたアポロ計画について初めて知る情報が満載であることに,驚くことになりました。

 ほら,アポロ計画の関連の本というのは,舞台が宇宙ですから,どうしてもそういう方面の話が中心になるじゃないですか。私はこんな人ですが,宇宙とか天体とか星とか惑星とか相対性理論とかケプラーとかコペルニクスとか,あんまり好きではありません。好きなのはロケット(特にロケットエンジン),宇宙船,コンピュータ,宇宙服,生命維持装置,通信や制御装置といった機材,システムです。それに,人間である以上,スイッチは押したいし,つまみはひねりたいですから,あの強烈なコンソールもちゃんと見たいわけです。

 だけど,そんな本ってなかなかなかったのです。

 この本は,アポロ計画の概要に始まり,ロケット,司令船,着陸船の構造や詳細,開発の経緯などが書かれています。

 例えば,アポロ計画の成果の1つに,集積回路を使った超小型コンピュータの開発成功が挙げられます。私のようなコンピュータ工学に興味のある人間にとって,この成果はとんでもなく大きいものなのですが,私は日本のアポロ計画関連の本で,このApollo Guidance Computer(以下略してAGC)について詳しく触れたものを,見たことがありません。

 しかし,この本は貴重な写真と共に,その開発の経緯や役割が書かれています。もっとも,Haynesのマニュアルですので,アーキテクチャや回路図,プログラムの書き方が書かれているわけではありませんが,コアメモリの製造現場の写真,初期のブレッドボードの巨大なラック,そして自らの背丈ほどに積み上がったテストのプリントアウトに列んでほほえむソフトウェア技術者のMargaret Hamiltonさん(メガネっ娘属性の人にはたまらんものがあるんじゃないですか)と,始めて見る写真にドキドキしました。

 もちろん,司令船のコンソールもちゃんと詳細に書かれています。そしてなんといっても宇宙服です。初期の宇宙服からアポロ計画に使われたものに至る過程がしっかり記述されており,写真がその進化を雄弁に語ります。

 アポロ計画が好きな人にはもちろんですが,私のように少し宇宙開発に距離を感じているような人にとっては,アポロ計画が決して地球外生命体からもたらされたオーバーテクノロジーで一足飛びに作られたものではなく,あるいは一握りの天才が閃きと勢いで作り上げた奇跡ではなく,我々人類が1つ1つ基礎から積み上げて作った成果であったと認識させ,身近なものだと感じさせてくれる,正義のガイドブックであると思います。

 だって思いませんか,そこらへんのアポロ計画の本を見ても,すごかったんだなあ,というくらいの感想しか出てこないでしょう?私のような,月面着陸が生まれる前の話で,物心ついた時にはスペースシャトルが往復していた時代の人間にとって,やっぱりアポロ計画というのは,今ひとつリアリティがない,歴史の上のお話です。

 この本が素晴らしいのは,それが現実であったことを教えてくれることです。

 簡単に手に入るかどうかは分かりませんが,この本は中身を見ずに買っても損はしないと思います。英語?いや,そんなものは大丈夫です。写真を見るだけでも十分楽しいです。宇宙に興味のあるお子さんへのクリスマスプレゼントなんかに,最適ではないでしょうか。

安価な地デジブースターを考えてみる

 PCでテレビを見ることも板に付いてきた今日この頃ですが,多摩川沿いに住む私としては神奈川県の住民にもかかわらず,テレビ神奈川が安定しないという問題点にいまいちすっきりしていません。

 地方UHF局(テレビ放送からVHFが廃止された暁にはこの表現はどうなるのでしょうね)にそんなに躍起になるのもどうかと思うのですが,なにげにテレビ神奈川は面白い番組をやっているので,実は気に入っています。

 例えば「岡崎五郎のクルマでいこう」は全国枠でないのが惜しい良い番組だと思いますし,「天体戦士サンレッド」も楽しみにしています。実家にいた頃はずっと見ていた「探偵ナイトスクープ」もテレビ神奈川で放送されています。

 そんなわけで民放では最も見ているテレビ神奈川ですが,私の環境では少し受信レベルが低く,アンテナブースタなしではドロップがひどくて,満足に見ることが出来ません。

 そこで半信半疑で導入したのが,YAGIのDPW02というアンテナブースタです。ゲインは低く,その代わりノイズも小さいという「もうちょっと足りない」という用途に向けたアンテナブースタだそうですが,私が購入した6月時点のamazonの価格が約4300円とリーズナブルなわりに,私の環境では劇的な改善が見られました。

 ただ,安定受信ギリギリのところのようで,天候が悪いときなど,一瞬ですがドロップが起きているような感じです。別に実害もないのでほっときゃいいんですが,夜も眠れないくらい気になるのはやはり性格の問題でしょうか。

 アンテナブースタにもうちょっとゲインがあったら違うかも,そんな素人的な考えが浮かんで,少しamazonを散策してみました。すると,以前は見つからなかったユニデンのRB30Uというアンテナブースタが,非常に安価に出ているではありませんか。

 約3200円という値段ですが,ゲインは標準で30dB,NFは3.0dB以下というスペックです。ゲインは連続可変出来るようになっているので,安い割には使い道が広そうです。

 一方で私が今使っているDPW02ですが,ゲインは12から15dB,NFは2.0dB以下とローノイズが光るスペックです。価格は当時は4300円ですが,現在は3600円くらいまで値下がりしているようです。うむー。

 ノイズの差というのは実は結構大きいことが後々わかるわけですが,ゲインがこれだけ違ってくると,受信安定性も多少は良くなるんじゃないかと思いました。これも後々誤りであることがはっきりとします。

 そもそも,アンテナブースタというのは,テレビの手前に置いて使うものではなく,アンテナの直下に置いて,ケーブルや分配機による損失をカバーするために入れる一種のバッファと考えるべきものです。弱った電波を増幅する機能は確かにありますが,テレビの受信には電波の強さだけが重要なのではなく,ノイズの少なさ,平たく言うと電波の質こそ重要です。

 私のようなアパートでは,各部屋に分配するロスを補うためすでにブースタが入っているはずで,そこから何十メートルも同軸ケーブルで引き延ばされた後の電波を,室内のブースタで再び増幅したところで,一緒にノイズも増幅することになってしまい,電波そのものは強くなっても電波の質は改善しません。

 このあたり,なかなか直感的にモヤモヤするのですが,自分自身へのまとめとして書いておきます。同じくモヤモヤしている方は,辛抱して読んでスッキリしてください。

 まず,SN比についてです。信号とノイズの比率として馴染みのある数字ですが,通信分野ではSをキャリアの強さとしてCN比,もしくはCSNと書くことも多いようです。

 SN比は電力比で示され,信号レベルをS,ノイズレベルをNとした場合,

SN = 10*log(S/N) (dB)

 となります。ま,これはいいですね。

 次に雑音指数NFです。NFはある系における,入力と出力のSNの比を示します。つまり,その系を通ることで増える(もしくは減る)雑音がどれくらいあるのかを示すわけですね。入力の信号レベルをSin,ノイズレベルをNin,出力の信号レベルをSout,ノイズレベルをNoutとすると,

NF = (Sin/Nin) / (Sout/Nout)
= (Sin*Nout) / (Sout*Nin)

 となります。もちろん,それぞれの入力は電力です。

 もし,ある系が発生させるノイズがゼロだったとすると,ノイズの量は増えも減りもしませんから,入力と出力のSNが変化しない,つまりNF=1(=0dB)となります。

 さて,アンテナブースタ,同軸ケーブルや分配器など,チューナーまでのトータルのNFを考えてみます。なぜなら,結局のところ電波の品質,すなわち受信レベルというのは,系全体のNFが低いほどよいことになるからです。

 今,直列に繋がっている機器のそれぞれのゲインをG1,G2...とし,それぞれのNFをF1,F2...とします。全体のNFをFTとすれば,

FT = F1 + ((F2-1)/G1) + ((F3-1)/(G1*G2)) + ((F4-1)/(G1*G2*G3)) + ...
+ ((Fn-1)/(G1*G2*...G(n-1)))

 となります。(各値はdBではなく真数です)

 これを見て分かるように,NFに対する個々の機器のゲインの影響は後段になるほど小さくなります。また,初段のNFとゲインがもっとも系全体のNFに影響を与えることもわかります。

 ということはですね,同軸ケーブルのようにゲインは1以下,ノイズは増えるという装置を初段に置いてしまうと,後段でいくら高性能なブースタを入れてもほとんど効果がない,ということになるわけです。

 逆に,初段にブースタをいれてしまえば,後段に分配器や同軸ケーブルを入れても,あまり影響を受けなくなります。同軸ケーブルの長さを無視できる,分配する数を気にしなくてよい,というのが,アンテナブースタの本来の役割であることがおわかり頂けるでしょう。

 参考までに,いくつかのデータを紹介しましょう。

 まず,パッシブな機器のゲインとNFに対する考え方ですが,例えば分配器は2分配の場合に,4.0dBほどの損失があります。1つのエネルギーを2つにわけるのですから,損失が3.0dB以下つまり半分以下になることがないのは,ごく当たり前の話ですね。

 それで,この分配器のゲインはというと,-4.0dBとなります。ではNFはどうかというと,これは4.0dBとなります。結構なノイズ源になっていますね。

 同じように同軸ケーブルはどうかというと,BS用の5Cタイプ(直径5mmの太いやつですね)で,10mあたり約2dBの損失があります。安いケーブルは損失が大きく,高いケーブルは損失が小さいので,長く引き延ばすなら高価なケーブルを使わないとダメだとわかります。

 もし20mも伸ばすと,そのゲインは-4.0dBとなり,NFは4.0dBまで悪化します。これはなかなか強烈です。

 チューナーにも損失があります。空から飛んでくる電波のエネルギーを消費して信号を得ているわけですから,これも当たり前の話です。いわゆるゲルマラジオってやつは電池がいらないラジオですが,これは電波のエネルギーだけで音まで鳴らしてしまうゆえ,音も小さく感度も低いわけです。

 そのチューナーですが,損失は通常5.5dBと言われています。

 ここで分かるのですが,各部屋に分配されたその先で,複数のテレビやDVDレコーダを繋いで電波が弱った時に,各部屋でブースタを用いると効果がある場合があります。

 もちろん,チューナーの手前にブースタが入っていてもあまり効果がない,というセオリーが変わるわけではありませんが,それでも複数のチューナーを接続して電波が減衰してしまうような状況だと,室内のブースタでもそれを補う役割くらいは期待できるということです。

 さて,2分配器を入れ,同軸ケーブルを20m伸ばした先にチューナーを1つ繋げたケースで,トータルのNFをこれらの数字を使い,ちょっと計算してみると,さっと21.88となります。13.4dBというところでしょうか。

 ここでゲイン30dB,NFが3.0dBのブースタを用意します。最初にアンテナ直下にブースタをいれて,そこから2分配器と同軸ケーブルを経た場合のNFは,ざっと2.02です。ブースタのNFが3.0dB,つまり約2ですので,2分配しても20m伸ばしても,ほとんど悪化していないことがわかります。これはすごい。

 次に2分配器から20mの同軸ケーブルを経て,チューナーの手前でようやくブースタを入れた場合を計算します。すると12.52となります。ブースタなしより幾分良くなっていますが,やはりアンテナの直下が一番良いというのがよくわかります。

 では,今度はブースタをローゲイン・ローノイズのものに変えてみましょう。ゲインは12dB,NFは1.5dBとします。ゲインは先程のブースタの1000倍に対し,16倍まで低くなっています。これだけ低いとさすがに芳しくない結果が出るかと・・・

 まず,アンテナ直下に入れてみます。先程と同様に計算すると,2.70となります。このブースタのNFは1.5dB,つまり約1.4ですのでゲインが低い分,かなり悪化しているのがわかります。16倍程度のゲインだと,2分配とケーブルの損失を補うのは,けっこう重たい仕事だということになりますね。

 次に,このブースタをチューナーの手前に入れてみます。先程同様計算すると,9.73となります。

 比べてみましょう。

 ブースタの種類 アンテナ直下 チューナー手前

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地デジPCその後

 地上デジタルテレビへの移行をPCベースで行ったのが6月ですから,もう4ヶ月ほど経過しています。大容量1TBで無尽蔵に録画可能,ダブルチューナーで裏番組もしっかりサポート,xxxがyyyしてzzzなので@@@という点も素晴らしく,残しておきたい番組はMacのturbo264HDでH.264にして保存しています。

 今のところ番組を取り逃したことは少なく,その点では信頼性も低いわけではありませんが,時に復帰に失敗していることがあり,完全に任せられないなあと言う気分があるのもまた事実です。

 当初復帰の速さと仕組みの簡単さからスタンバイを使っていましたが,これだと1週間に一度くらい復帰に失敗します。考えてみると2GBもDRAMがあるんですから,そのうち1bitくらいころっと化けてもおかしくないわけで,それがスタンバイ前の内部状態と食い違っていたら即暴走です。実に危ういです。

 ということで,サスペンドを使う事にしました。仕組みが複雑ですし,デバイスやドライバがちゃんと対応しないと不安定になりますが,休止前の状況をHDDに残す方法であり,復帰時にはすべてのデバイスが一度リセットされる点でも,信頼性としてはこちらが上のように思います。

 結果,復帰失敗は1ヶ月に一度くらいの割合に減りましたが,それでも起きてしまった事実は消えません。

 そこでさらに,復帰後再起動をかける設定を行いました。復帰はあくまで再起動を行うためのトリガに過ぎず,録画はあくまで再起動後の綺麗な体で行うわけです。

 今のところこの方法で問題は出ていません。

 それでも心配なのは確かです。かといって電源を入れっぱなしにするのは,機器の寿命の問題もあるし,それに停電があったら完全にアウトですので出来ませんしね。

 そう考えると,PCではなく,ちゃんと信頼性のある専用機を買うのが筋なのかも知れません。データの融通性の高さをとるか,信頼性を取るか,難しいところです。

 もう1つ心配なのは,故障や破損です。

 汎用品ばかりですので,壊れたら買い直せばいいだけのことですが,問題はチューナーです。xxxをyyyするのに,特殊なチューナーが必要なわけですが,現在私のつ買っている製品は対策が行われており,xxxをyyy出来なくなっています。

 「けいあん!」でその筋に知られるメーカーの製品が,今やxxxをyyy出来るチューナーになっているのですが,私は一応予備機としてこれを9月に1台だけ購入してあります。xxxをyyy出来る事も確認済みです。

 こうして考えてみると,家電品の値段と今回PCを用意するのにかかったお金とを,単純に金額だけで比較して損得を云々するのは間違っているなあと思ったりします。やっぱ信頼性という点で,専用機にはかないませんね。

どんな本を持っているかを把握する楽しみ

 以前書いたかも知れませんが,MacOSXには,Booksというフリーソフトがあります。名前の通り蔵書管理のソフトです。蔵書管理など面倒なことこの上ないのですが,人間誰でも記憶力は落ちますし,一方で長く生きていれば当然所有物も増えるわけで,両方の限界点から私はこの年齢で蔵書管理の有用性を感じた,ということでしょうか。

 特に私は,実家と自宅に分けてあること,一部はPDFになっていて実体が廃棄済みだったりするので,持っているかどうかではなく,どこにどんな状態であるのか,を覚えておかねばなりませんが,これはなかなか大変なことです。

 BooksはISBNコードをiSightで取り込み,amazonにアクセスして書名や表紙の写真などを引っ張ってきてくれる便利なソフトです。それでもドイツ製ということでちょっと馴染まないUIがあったりして,手放しに満点を上げるソフトとは言えません。

 原則雑誌は登録しない,手に入れたらその日のうちに登録,場所と状態を正確に記録することなどを運用規則として決めてから登録を初めて約7ヶ月,ようやく登録が終わりました。

 全部で1369冊のエントリとなりました。もっと多いかと思いましたが,こんな程度なんですね。もっとも雑誌も入れれば2000冊くらいになりそうです。

 手元にある本は新しい本が中心ですし,冊数も400冊くらいですから比較的簡単に登録が終わったのですが,実家にある本が難航しました。実家に屋根裏にある倉庫に段ボールにいれてある本を1冊1冊取り出し,ISBNコードをデジカメで撮影します。(というのも実家にはまともなMacがないからです)

 ISBNコードがない古い本や,雑誌の別冊などは書名などのデータを記録するため,奥付を撮影します。また,ISBNコードの有無にかかわらず表紙の写真も撮影しておきます。(というのも実家にはスキャナがないからです)

 撮影したISBNコードの画像ファイルを直接Booksに流し込めればいいのですが,どうもそんなことは無理なようで,1つ1つ自分でコードを読み取って,テキストデータにします。このテキストをコピペしてBooksに打ち込み,amazonにアクセスします。

 ところが古い本はamazonにあるはずもなく,結局書名を手で打ち込むことに。さらに表紙写真がありませんから,撮影したデータをPhotoshopに取り込み,ゆがみをとって色を調整してコピペします。

 それでも撮影忘れがあったりするので,次の機会に撮影するようにメモを残し,また実家で撮影してきます。これを何度か繰り返して,ようやく実家のデータも揃えることができました。

 Booksの面白いところは,このデータをWEBに置くことができることです。FLASHを使ったもので,表紙をブラウズしたり,検索を行ったり出来ます。生成されたデータをサーバーに置くだけですので,とても簡単にWEBベースで私の蔵書を公開出来るというわけです。

 他人に自慢するような蔵書ではないので,ここで公開することはしませんが,私自身は例えば会社で「あの本どこにあったかな」という疑問をその場で解決出来ますし,本屋さんでも同じ本を二度買うことを避けられます。

 でも,こんなことをしていたら,持ち物全部をデータベース化しないと気が済まなくなりそうで,なんか病的な自分が嫌になります。そうだ,電子部品の在庫データベースを作るってのはどうかなあ・・・

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