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目の前に伝説の人がいるという驚異

 先週土曜日は,かのバート・バカラックのコンサートに行ってきました。大ファン(というかいわゆるポピュラーミュージックに触れるきっかけになった特別な存在だそうです)の友人が「もう80歳だからね,今回の来日は奇跡だ」と声をかけてくれたのです。

 出不精の私としても,せっかく東京近郊に住んでるわけですし,これはやはり見ておくべきだと,そのお誘いにのることにしました。

 繰り返しますが御年80歳。存命なのは普通の話として,失礼ながらステージに立てるのでしょうか・・・それも東京で2回,神奈川で1回,大阪で1回も,です。

 しかし,そんな心配は杞憂でした。2月16日18時。予定通りそのステージは幕を開けました。

 オーケストラに囲まれ,グランドピアノの前に座るその人は,間違いなくバート・バカラックでした。いやー,全然80歳にみえん!

 半世紀以上にわたって,まさにポピュラーミュージックシーンの先頭を走り,まさに道なき道を切り開いてきたその偉大な「発明者」は,演奏する曲があまりに多すぎて,フルコーラスを演奏した曲は少なく,何となく気ぜわしいメドレーが中心です。

 しかし,そのメドレーも違和感なくスムーズに繋がるのはさすが。あれよあれよといううちに,彼の世界に引き込まれていきます。

 注意力が削がれてしまうような夢心地に浸りながら,私は彼の「節回し」に思いを巡らせていました。

 私見ですが,バート・バカラックほど,受け手によって評価するポイントが大きく違う人もいないのではないでしょうか。ある人はコード進行の素晴らしさ,ある人は美しいメロディー,ある人は独特のリズム,という具合にです。

 それは受け手の勝手な解釈によって意見が割れるという意味ではなく,まして評価が定まっていないという事でもなく,これらすべての完成度が一様に高く,受け手がたまたまどれに感動したのか,という「第一印象」によるところが大きいという,そういう意味です。

 私の場合,コード進行でバカラック節」を意識するようになりました。

 面倒臭いのでキーをCにしますが,

C -> F -> G7 -> C

 という3コードは,あまりに普通すぎてつまらんのですが,これを,

Cmaj7 -> Fmaj7 -> FonG -> Cadd9

 とするだけで,随分中間色になる,といいますか,雰囲気が変わるんですね。

 私は,これを誰が最初にポピュラーミュージックに投入したのか,すごく気になっていたのですが,ひょっとするとバート・バカラックがその先駆者ではないかと,今回思ったりしました。本当にところは専門家に任せますが・・・

 同じようなコード進行は,カーペンタースにもよく見られますし,コードとして確立される以前には,オーケストラ出身のアレンジャー達によって普通に行われていたのですが,コンポーザーがこれを意識してスコアに明記するようになった現代とはちょっと事情が違うと思われ,アレンジの1つとして和音を組み立てるのではなく,作曲家が意識してこれらのコードを使いこなす時代が来たのは,やはり彼がきっかけになってるんではないかだろうかと思うわけです。

 カーペンタースについても濃いマニアがいるので,彼らからの異論は当然あると覚悟の上であえて言いますが,結局リチャード・カーペンターも,バート・バカラックのフォロワーに過ぎないということです。そして,それがカレン・カーペンターの声と組み合わさって,彼らの世界として定着しました。私の理解は,あくまでバート・バカラックが源流にあります。

 今回,彼の最初のヒット曲を演奏してくれました。まるで子供向けの音楽のような無邪気な曲だったのですが,彼が演奏前のMCで言うような「私の曲とは思わないかもしれない」という言葉と裏腹に,きちんとコード進行は後のバカラック節を彷彿とさせ,これはどう考えてもバート・バカラックの作品だと思わせるものでした。

 これを半世紀以上も前にやってるなんて,と私は絶句しました。

 今回のコンサートで耳にしたコード進行として,

Fmaj7 -> Em7 -> Fmaj7 ->Em7

 みたいな,坂本龍一が大好きな進行も

F -> GonF -> Em7 -> Am7add9

 みたいな,「威風堂々」のような進行も

C -> Cmaj7 -> C7 -> Fmaj7

 のような,ビートルズ(つかジョージ・ハリスン)の「Something」のような進行も,彼の引き出しから出てくる出てくる。

 あと,

C -> F

 なんかも,いきなりいかず,

C -> Gm7 -> C7 -> F

 ときちんとつないでいく丁寧さ。CからFだとトニックからサブドミナントへの移行に過ぎませんが,Fの前にC7を置くと,ここでCmajからFmajへの転調風味を加えることが出来て,ダイナミックな場面展開を印象づけることができます。

 でも,いきなりすぎるので,お客さんは戸惑います。そこでC7の前のGm7を入れて,CmajとFmajへの変化に階段を付けてお客さんを丁寧に導くのです。

Gm7 -> C7 -> F

 という後半部分はFmajだったとすると結局Fに着陸していますけど,もしこれがCmajだとすると,

Dm7 -> G7 -> C

 となり,この部分だけで独立して,きちんと終止形に落ち着くように構成されていることがよく分かります。Dm7は機能としてIVと同じですから「これからいくぞ」と思わせ,G7で終わりを予見させて,そして予定通りCできちんと終わるという道筋ですが,これを本来の「CからF」という流れの中に劇中劇として組み込むことで,さらにドラマティックになるんですね。

 音楽というのは,聞き手の期待に沿いつつ,適度に裏切ることが心地よい条件だと言われていますので,こうした組み立て方は聞き手に感動を呼び込みます。これに覚えやすいメロディーと印象的なドラム,そして美しいアレンジが加わることで無敵の曲が完成します。

 考えてみると,バート・バカラックの曲は,どれもこれに該当します。

 いやー,参りました。

 ・・・とそんなことを考えながらじっと彼のパフォーマンスに聞き入っていたわけですが,他にも,特にベースとドラムがうまかったということ,ストリングスに全くバラツキがなく,まるで1つの楽器のように鳴っていたことが素晴らしかったことも
付け加えておきます。

 しかし,なにより素晴らしかったのは,彼の肉声です。私はボーカリストとしての彼が大好きで,もっと彼の歌を聴きたかったのですが,もう80歳ですからね,あれだけ歌ってくれただけでも感動的でした。「Make It Easy On Yourself」を聞けなかったことがとても残念ではありましたが・・・

 ただ,3人のボーカリストは私の好みに合いませんでした。声も歌い方も好きではありませんが,なによりあの美しいメロディーを勝手に変えて歌っていることが受け入れがたいものでした。まあ,バート・バカラック自らの意志で彼らを選び,やりたいことを表現しているのでしょうから,私がとやかく言えるわけではありません。


 やはり,あらゆる世代から尊敬を受ける彼のような存在は,あまりに大きすぎるとしか言いようがありません。貴重な公演でしたから,きっと有名人もたくさん見に行かれたんだろうと思いますが,あの場所では少なくとも観客全員が「ファン」として同じ立場に立てたわけで,バート・バカラックという人の存在なくして味わえない連帯感のようなものに,改めてその特別さを痛感した次第です。

 一緒に行った友人は,ボロボロ泣いていました。感動というのは素晴らしいものです。

 コンサートでは,昔の曲だけではなく,新しい曲も聞くことが出来ました。アレンジも楽器も今風で,コード進行はより挑発的なものでしたが,こうして過去の栄光に安住せず,新しい挑戦をする彼のスタンスに,本当の「発明者」の姿を見たような気がしました。

PC-1246メモリ拡張大作戦

  • 2008/02/01 01:02
  • カテゴリー:make:

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 機械語が使えない,グラフィックも使えない,実は4bitCPU,見るからに安っぽい,ってな理由でポケコンマニアからも見放されているPC-1246。私もPC-1245を中学生の時に手に入れて以来,PC-1246は邪道も邪道と,そんな風に思いこんでいました。

 とはいえ,大きさはPC-1245やPC-1251などと同じで小さく,実はBASICの処理速度はPC-1200シリーズ最速ときて,実用レベルとしてはなかなか高いポテンシャルを誇っているのもまた事実。この後のモデルPC-1248がシートキーになるなど,さらにコストダウンが進んで使い勝手さえも犠牲にされてしまったことを考えると,結構気になる存在ではありました。

 登場からすでに20年以上の時間が経過した今,結構な人気機種になっているような感じもあり,オークションではそこそこの値段がつくようになっています。

 私も,当時のOh!MZの新製品紹介のページで見たPC-1246が忘れられず,とうとう手に入れてしまいました。決して安いという値段ではなかったのですが,程度もよく,説明書も綺麗な状態でしたので,よかったと思います。

 分解掃除をしてから実際に使ってみると,なかなかBASICのサクサク感が素晴らしく,これはいける,という感触をつかんだのですが,PC-1245がリファレンスの私としては,許せない問題が2つ。

 1つはBEEPが出ないこと。BEEPだけではなく,カセットからの音が聞こえないのはちょっとどうかなと思います。

 もう1つはあまりにメモリが小さいこと。PC-1245は2.2kByteですが,PC-1246は2kByte。1割も小さいというのはかなりです。実際フリーエリアを調べると,PC-1245は1486バイトなのに,PC-1246は1278バイトです。

 それに,私のPC-1245は10.2kByteにメモリを増設していたので,窮屈感はさらに高まります。BEEPよりも許せないです。

 ところが,PC-1247というPC-1246の上位機種では,この2つは解決しています。BEEPは鳴りますし,メモリは4kByteとなんとか実用レベルです。

 悔しいので,PC-1246をなんとか改造出来ないものかと,検討を始めました。

(1)BEEP

 BEEPについてはすでに知られているように,部品の追加で比較的簡単に利用可能になります。トランジスタと抵抗3本を追加するのですが,それ用のパターンは用意されているので,部品さえ手に入れば特に難しいことはありません。

 BEEP命令は削除されていないので,PC-1246でもBEEP1と打ち込めばピーッと音が出るはずです。

 ジャンク箱をあさっていたら,ちゃんと部品が揃いました。試してみるとちゃんと鳴ります。これは解決。

(2)メモリの増設

 これはなかなか大変でした。

 そもそもそういうことが出来るのかどうかから考えないといけません。実際,PC-1401はPC-1402というメモリ増設モデルがあるにもかかわらず,CPU内蔵のROMのバージョン違いによって1402と同じように増やしたメモリを認識できません。

 PC-1246は6116が1つ使われていますし,PC-1247は4kByteですので,理屈通りに考えれば6116をもう1つ取り付ければ増設は出来そうです。その場合,2つ目の6116のCEをどうやって探り当てるかが鍵になります。

 回路図があれば一発ですが,私は見つけることが出来ませんでした。やはり不人気機種の情報は少ないですね。それに改造ネタも,海外を含めほとんど見あたりません。

 そんな中で,PC-1247の基板の写真をドイツのサイトで見つけました。なるほど,6116が2つくっついています。アドレス線を1本増やしてメモリを増やすのではなく,CEを別に用意して増やしているということがはっきりしました。

 もう1つ重大な情報として,CPUがPC-1246と同一の「SC61720D03」であることもわかりました。これがPC-1248などになると,後ろの「D03」が変わることで,内蔵のROMの内容が違っているとわかります。そうすると,CPUのピンアサインが変わり(シャープのポケコン用のCPUはそういうものです),増設出来るかどうかわからなくなってしまいます。

 PC-1247とPC-1246は同一のCPUであるとわかれば,これはもう,もう1つ6116を増設できると考えて間違いなさそうです。問題はCEをどうやって見つけるのか,です。

 まず,CE端子ですから,普段はHighでないといけません。また,不用意にLowになったりするものでもないので,そのあたりから調べます。

 オシロスコープで調べていくと,これか,と思う端子がいくつか見つかります。しかし,それらは元々の6116につながっていたり,カセットI/Fにつながったりと,明らかに違うとわかります。

 1つだけ,どこにもつながらず,ずっとHighを出している端子がありました。しかし,リセットをかけても動きませんので,メモリを認識する動作をしていないということから,違ってる可能性も高いと思われました。

 その端子は,CPUの5番ピン。QFPのピン番は,左下のマーキングを1番とし,反時計回りに2,3,4...と数えていきます。

 とりあえずえいや,で試してみます。6116を元々ついていた上にもう1つ重ねてハンダ付けします。いわゆるカメカメですね。

 そして上にのせた6116のCEを,CPUの5番ピンにつなぎます。電源をつなぎ,スイッチをいれ,リセットをかけてから「NEW0」と打ち込みます。これが重要。

 お,見事に3326と表示されます。やりました,見事に4kByteのメモリを認識しています。

 RAMの厚みが増した分,内部フレームに穴をあけて,組み立てられるようにしておきます。

 これで,私のPC-1246はPC-1247相当品となりました。

 当時はこういう改造も行われたのではないかと思うのですが,中途半端な機種だし,時期的にも過去のネタになっているせいで,ネットではひっかからないんですね。

 この検討の過程で,いろいろ面白いことがわかりました。

 まず,4kByte以上の増設の可能性ですが,これは残念ながら無理そうです。というのは,アドレスバスがA10までしか出ていないようなのです。6264を使うにはもう2本アドレス線が必要ですが,このCPUの全ピンを調べてみても,結局アドレスが吐き出されているような線はA0からA10までの11本しかありませんでした。

 次,クロック。PC-1245は512kHzという低速っぷりですが,PC-1246は1MHzにパワーアップしています。CPUが全然違うので単純比較は無理ですが,クロックは高速な方がいいにきまってます。

 しかし,クロックは高速になると電池を食うのが世の常。そこでPC-1246では巧みに消費電力を低減させています。電源をいれてある状態で,なんの処理も行っていないときは,この1MHzのクロックは止まっています。代わりに36KHzくらいの低速クロックがCR発振で常時動いています。

 この低速クロックはLCDの表示を行う為のクロックと,同時にキーの入力などの割り込みを取り込むためのクロックになっています。キーが押されると割り込みが入り,直ちに1MHzのメインクロックが起動,処理を行ってからすぐにクロックは停止状態になります。

 こうして,普段は電池を食わないようにしておき,処理が必要になったら全力でぱぱーっと処理を終えて,すぐに休みに入る。そしてトータルの電力消費を押さえる。この考え方は,今でこそ常識ですが,1984年の段階できちんと実装されているとは少々驚きでした。

 あと,RAMは8bitアクセスです。CPUは4bitなので,つまりこのRAMは完全にデータエリアとして使われていると想像できます。下手をすると,I/Oとして接続されているのではないでしょうか。

 内蔵の18kByte程のROMにBASICインタプリタを含むファームウェアを全部収めておき,実行形式のバイナリはここ以外には配置できない構造になっているとすれば,PC-1246が機械語を封印された事実は説明がつきます。つまりユーザーに開放されているメモリは,BASICの中間コードを記憶するだけのデータメモリに過ぎないということです。

 てことは,LCDに表示を出すためのVRAMも,このRAMにはマッピングされているはずがありません。PC-1245が直接データをVRAMにPOKEする方法でビットマップのグラフィクスを可能にしていたのに対し,PC-1246ではその方法が全く使えないことも,これで説明がつきます。

 しかし,悪いことばかりではありません。結局RAMはデータをためるI/Oデバイスの1つという位置づけですので,プログラムカウンタの大きさによるアドレッシングの制約はありませんから,64kByteの壁もなくメモリマップも自由自在です。だから,このCPUを使ったポケコンの中には,フラッシュメモリを扱えたり,100kByteを超えるようなRAMモジュールが利用できる機種もあるのです。まあある意味で,この点がすでに「ポケットに入るパソコン」という感覚を薄めているように感じますね。

 そんなわけで,この情報で,未だ現役のPC-1246がパワーアップされればいいなあと思います。

 私はバリバリ使うことにしましょう。

 

ES2はだめかもしれない

 さて,先日「問題なし」としたES2ですが,やはり1/1000秒で後幕が先幕に追いつくという現象が再発しました。どうも,一晩おくと先幕の速度が落ちてしまうことも原因のようで,これはもう別の方法を検討せねばならんだろうと,とりあえずばらしてみることにしました。

 とにかく気になっていたことは,給油の問題です。

 このES2は私が最初に取り組んだジャンクカメラです。いわばこの道に入ったきっかけだったのですが,当時の私は無知もいいところで,ギアに油を差し,こすれる部分にはグリスをたっぷり塗るということを平気な顔をしてやっていました。恐ろしいことです。

 フィルム巻き上げを軽くスムーズにしたいとグリスを塗ったそのパーツこそ,シャッターを走らせる最重要部品であることを知るのは後のことですが,これが寒いときに粘度を上げてしまい,速度を落としてしまっているのではないかと考えたのです。

 ならば,そのグリスを落とすしかありません。言うは易し,しかし全部をばらしてベンジンで洗うという手の込んだ作業をする気力は今はありません。

 そこで,見るからにはみ出たグリスを拭き取った後,ベンジンを何度も染みこませて滲み出た油を拭き取るということを繰り返しました。結果はあまり変化がありません。

 そこで,シャッターを走らせるカムを直接拭き取ることにし,シャッタースピードダイアルを外すことにしました。

 思えば,不幸はここから始まりました。

 ES2はAUTOモードで回路の電源を入れるメインスイッチがシャッタースピードダイアルに連動していますが,この機構はボディの奥まった部分にあるため,外れてしまうとなかなか厄介です。そんなことに気が付かない私は案の定その連動機構を外してしまいました。

 手探りではめ込むのですがなかなかうまくいきません。そこで前板を外してなんとか入れようとしますが,前板を外しても奥まったところにあるためなかなか見えません。

 四苦八苦して入れたつもりが,シャフトの回転角がまずく,シャッタードラムにレバーがあたってしまい,綺麗だったシャッター幕に傷を付けてしまいました・・・

 致命傷にはなっていないのでこのまま使い続けることは可能ですが,精神的なショックがでかい・・・


 しかし,そんなショックなど序の口。

 カムにこびりついたグリスを拭き取り,綺麗に清掃をしますが,今度は組み立て方が今ひとつ分かりません。そこでもう1つの部品取りのES2を分解し,組み立て方を確認します。

 なんとか組み立てることが出来て,うまくシャッターも走るようになったのですが,膜の重なりがさっきよりもひどくなっています。

 幕速をあわせないといかんはずだと調整をしますが,幕速をあわせても1/1000で半分ほど重なるという危機的状況です。

 そこで,ラッカーで固定されていた2つのネジを調べることにします。1つはシャッターブレーキ,1つはストッププレートの調整ネジです。

 結局ストッププレートの調整ネジは,巻き上げ時にカムがそれ以上回らないように調整する物だったのでシャッターの動作にはあまり関係がなく,ブレーキも私も個体では調整によって変化はほとんどありません。

 さらに深みにはまります。後幕のラッチを外す機構を調整することにしました。ここでラッチを外すタイミングを調整すれば,後幕が走り始める時間が調整できるのです。

 ところが,ここをいじったのが運の尽き。1/125秒も出なくなってしまいます。非常に微妙な調整を繰り返し,なんとか出るようにしてみると,今度は1/1000秒で幕が重なります。

 これではもうどうにも追い込めません。

 そうこうしているうちに,あろうことか机の上から落下させてしまいました。

 ビスを入れたプラスチックのケースもとろも,1mの高さから落下するES2。

 裏蓋が変形し,締まらなくなった上に,メーターが断線して動かなくなってしまいました。この調子だとダイキャストが変形し,ピントが出なくなっているかも知れません。

 なんとか裏蓋の歪みをとり,目視でボディを確認しましたが,どこまでひどい状態にはなっていないようです。メーターは予備機から外して交換しました。

 こうなったら,もう幕速をいじるしかありません。先幕の速度を13ms,後幕の速度を14msくらいにして,意図的に後幕を遅らせます。これで1/1000秒も重ならなくなります。

 そうしてメカシャッターを全速あわせて一安心したのですが,今度はAUTOモードで1/500秒以上が出ていません。メモリコンデンサのタイミングスイッチの調整を行って高速を出さないといけないのですが,それも前回の調整の時に「調整範囲ギリギリ」ということでした。

 困った私は,調整機構を固定するネジをゆるめ,微調整を行うことにしました。これでなんとか1/1000秒まで出るようになりました。

 結局,やったことは後幕の速度を落としたことだけです。

 こんな事なら,余計なことをしなければよかったと思います。確かにやるだけやったという安心感はあるのかも知れませんが,落下にメーターの破損,それによって各部の調整が狂ったことも心配ですし,何より触らなくてよかった部分を触ってしまったことで,これまでかろうじて微妙なバランスを保てていたES2を,一気にだめにした可能性もあるのです。

 今週の寒さの中で様子を見た上で,1/1000秒がきちんと出ているなら,もうこれ以上は触らないようにしようと思います。その後試写をしてみて,正常に動作するかを見極めたいと思います。

 駄目だった場合・・・残念ながらES2は放棄せざるを得ません。

ES2の幕速が狂ってました

ファイル 171-1.jpg

 毎年この時期になると,私は決まって「1年で一番寒い時期」などと思うのですが,部屋の中でも10度を割ることがあるこの季節だからこそ,寒さに弱いカメラ,とりわけアサヒペンタックスES2の調子を確認しようと考えます。

 しかし,あまり気乗りがしません。おおむね悪い結果になるだろうと分かっているので,その後に発生する調整作業に憂鬱な気持ちになるからです。

 かといって絶好の確認の機会を逃すのも惜しいですし,問題が見つかったものをそのまま放置しておけるほど私はおおらかでもありません。

 ・・・ええい,そんなことをいっていても始まりません。意を決して防湿庫からES2を取り出します。

 そしておもむろに1/1000秒にシャッター速度を合わせ,バックプレートを開けてしシャッターをのぞき込みながら,レリーズボタンを押し込みます。

 ・・・音は期待通りで問題なしと言いたいところですが,やはり案の定,コマの左側,1/4程シャッターが開いていません。

 ああ,やはり,シャッターの幕速が狂っていました。

 私のES2は,弱点とされるソレノイドの調整がばっちり出来ているのですが,もっと基本的なシャッターの幕速が経年変化でじわじわ狂う,という致命的な問題を抱えています。シャッター機構をばらしていないので原因は分かりません。横走りシャッターの幕速が落ちるのはおおむねシャッター軸の油ぎれということだそうですが,一方でES2はSPと違って樹脂製の軸受のおかげでメンテフリー,注油は厳禁とも聞いています。

 一昨年の9月頃に同じような症状になり,再調整を行ってあったのですが,それ以降は調子を見ていませんでしたから,まあそんなもんかなという気もします。特に寒いときはこの現象がよく出るようです。うーん,やっぱ油が回っているんでしょうかね。

 厄介なのは,10回ほど空シャッターを切っていると,幕速が戻ってくることです。また数時間放置すると遅くなるので,調整そのものよりも安定した状態に追い込むことが面倒なので,非常に億劫です。部品取りのES2の方が,シャッターについては状態が良かったりするので,困ったものです。

 さて,こうなると幕速を測定しないといけません。幕速測定マシーンを久々に取り出し,測定してみます。先幕が17.4ms,後幕が14.6msとなりました。

 ES2は標準が13.6msということですので,どちらも遅くなっていますが,特に先幕が遅すぎです。左側が露光されていないという事から分かるように,先幕に後幕が追いついてしまってますね。

 ES2の幕速の調整はSPと同じで,底面のスクリューを回して調整します。マウント側が後幕,背面側が先幕の調整です。ここのテンションを調整することで,幕速をあわせていきます。

 どうせ時間が経つと遅くなるんですから,少し速めにしておこうと思ったのですが,そうはいっても1/1000秒もきちんと出さないといけないので,やっぱり13ms前後を狙っていくしかありません。

 先週の金曜日,何度か調整と測定を繰り返しました。

1st Curtain 17.4 14.25 12.90 13.35 12.57 12.51 13.19 13.75
2nd Curtain 14.6 13.87 13.17 12.90 13.34 13.52 13.77 14.19

 シャッター速度も1/1000が出ていますし,露光ムラもなさそうなので,まあ今日はこんな感じかなと,一晩放置しました。

 翌日の土曜日,また測定と調整を繰り返します。

1st Curtain 14.01 13.44 12.83 13.34 12.67 11.93
2nd Curtain 14.11 13.37 13.52 12.87 12.89 13.31

 やっぱ一晩放置すると,先幕の速度が落ちますね。どうしたものかなあと思いますが,少しずつ追い込むしかありません。最終的に1/1000が出ていることを確認して,また一晩放置します。

 そして昨日の日曜日。調整は行わず(実は土曜日にネジをペイントでロックした),測定だけ行います。

1st Curtain 12.95 12.49 12.64 12.59
2nd Curtain 13.56 12.91 12.65 12.86

 まあ,こんなもんでしょうね。念のため1/1000や他の速度が出ていることも確認しました。

 基板を元に戻し,組み立て直しますが,露出計が動きません。かなり焦ったのですが,シャッターダイアルのAUTOモードの接点がちょっと接触不良だったようで,いじっているうちに直りました。

 スローシャッターもこの寒さの中で全く問題なく動作していますし,実用機として使い物になるかどうかは少々不安が残るものの,現時点においては完調!です。

 フィルムを通してやろうと思いましたが,もうすっかり夜になってしまいました。試写は来週まで取っておきましょう。(来週また調整が狂ってしまっている可能性が高いのですが・・・)

 角の部分の塗装の剥げをタッチアップして改めて眺めてみると,ES2はSPと兄弟機でありながら,高さが増した分だけかっこいいなあと。程度のいいSPなどと比べて,巻き上げやレリーズの感触は良くない個体ではありますが,それでもちょっと引っかかる感触も指が覚えるほど触っただけに,とにかくこいつだけはずっと持っていようと,そんな風に思いました。

2007年の「こんなもの」

  • 2008/01/16 16:20
  • カテゴリー:散財

 毎年恒例となった,「昨年を振り返る」という企画ですが,今年はちょっと趣向を変えて,これは買って大失敗,というのを書いてみようかと思います。


AVRライタキット

 AVRマイコンの1つ,ATmega8515を焼きたいと思って,私も使っている秋月のPICライタのオプションとして用意された,AVRライタキットを買ってみました。
 買ってはみましたが,結論からいうとATmega8515は,このライタでは焼けません。ということで,もともとAVR使いでもない私は,このキットはどこに行ったか分からないくらいのお蔵入りです。
 で,大阪に年末帰省した折,デジットで良さそうなライタキットを買ってきました。まだ開封もしていないのですが,こっちの方がずっと良心的な気がします。

電波男

 PLANEXが出している,WiFiの探知機です。小さな(しかしドットマトリクス表示)のLCDを搭載し,内蔵電池を持っているためスタンドアロンで動作し,暗号化の有無,SSIDやCHの表示が可能です。しかもUSBに繋げば無線LANインターフェースとしても利用できるという優れもの。
 ・・・というふれこみでしたが,iPodTouchを手に入れた今となっては,完全に無用の長物です。ただ電波を探すだけなのに,あんなに簡単に電池が切れてしまっては,本当にゴミになりますよ。
 それでも作りや質感が良ければ使うのですが,汚い成型に厚ぼったい塗装,見える部分を露骨に削って現物あわせをしてある有様と来れば,私にとっては「こんなものUSBハブ」に匹敵するほど「こんなもの」です。
 しかも,特価だったので買ってみたら,他のお店ではもっともっと安くて,買い方も大失敗。もはや記憶からも消し去りたいアイテムです。

ハードディスクケース

 MacOSX10.5の目玉機能の1つであるTimeMachineという自動バックアップ機能を使いこなすには,大容量の外付けHDDが必須です。私の場合,HDDは320GBを昨年夏頃に買ってあったので,必要だったのはケースでした。
 そこでMacOSX10.5と同じ時に,Macminiと同じ形のケースを買ってきたのですが,これがまた大失敗。3000円もしたのに全部プラスチックで,塗装もいい加減。LEDはアクセスランプではなく電源ランプで,しかもまぶしい青色。
 唯一の救いはUSB-IDE変換基板に使われている変換ICが割とまともだったことくらいで,ケースはまるで中国製の洗面器のようです。
 せめてHDDのマウンタくらいは金属製であって欲しかったのですが,頼りないプラスチックが熱のせいで「ぽりっ」と折れてしまうことは,いずれやってくることだと覚悟をしておかねばならんでしょう。
 悔しいので,ランプを改造しました。電源は緑,アクセス中はこれがオレンジ色になります。ゲートICを1つ追加して光らせるだけなので簡単です。
 ただ,直径1.5mmのケースの穴から光っていることを見せるために,光学繊維(三菱のエスカ)を使って仕上げています。本来ならここはアクリルか何かを使ってやるべきなんでしょうが,このケースのように透明なパーツを省略し,LEDを強烈な輝度で光らせて逃げてしまうこともあったりするので,困ったものです。
 繰り返しますが,HDDのケースもバカにせず,真面目に選びましょう。カメラ量販店で買うのは御法度。面倒でも秋葉のPCパーツ店で買うのがよいです。やっぱ,店員さんの目利きはバカには出来ません。

MC-2200

 昨年の末頃,思い立ってポケコンをオークションで何機種か手に入れたのですが,PC-1245のOEMであるセイコーのMC-2200を落札しました。
 数が出ていないレアアイテムで,実用機というよりコレクションの対象という感じだったのですが,本家PC-1245よりも色遣いが秀逸。赤と黒,白をふんだんに使って緊張感のあるデザインになっているのが特徴です。
 私も写真で見たときに気に入ったのでいつかは欲しいと思っていましたが,液晶が真っ黒になってしまった故障品が出ていたのでついつい落札。
 届いてみると,本当に真っ黒でしてね,動作そのものはしているようなのですが,画面がこれではどうにもこうにも。
 入札の時は持っているだけで十分だと思っていましたが,手に入れてみると邪魔なだけだなあと,反省してる次第です。
 液晶が交換できればと思うのですが・・・余談ですが,シャープのポケコンはとにかく液晶がにじみます。にじんでしまうと使い物にならないですし,修理する方法もないので,こうなってしまうと本当にゴミになってしまいます。どうにかならんもんでしょうか。

技術士一次試験

 昨年の秋,技術士の一次試験を受けてみました。エンジニアとして10年以上やってきたわけですし,まあ一次試験くらいはさくっと通るだろうと思って直前になってから問題集を開いてみると,うむー・・・仕事で使ってないような事柄がいっぱいです。
 受験料も1万円を越えていて,しかも大学の卒業証書を実家から取り寄せたりと大騒ぎをしたこともあって,あわてて10日ほど勉強をして本番に臨みましたが,自己採点の結果,結構いい点数で合格。
 技術士?という方のために少しだけ説明を。医者,弁護士などと同じ国家資格です。医者が医学の,弁護士が法律の資格なら,技術士は技術者の資格です。なかなか権威ある難しい資格でして,若い奴がちょろっと勉強してもまず通ることのない資格です。
 幅広く,かつ深い知識と技術が求められ,この資格を取れば晴れて「技術士」を名乗ることが許されます。合格率も低く,エンジニアが取得できる資格としては最高位に位置づけられるといって過言ではありません。
 ただ,医者や弁護士と違って技術士でなければ出来ない仕事はないですし,技術士になったからといってなにか仕事が舞い込むわけでもないので,これで食べようという人は技術コンサルタントを開業するのが関の山です。
 多くは,メーカーを定年退職したエンジニアが,自分の人生の総仕上げに取得するというのが多いとか。
 このあたりですでにがっかりなのですが,実はこの資格は土木・建築関係がメインです。というのは,唯一といっていい仕事の技術コンサルティングがなんとか成立している業界が土木・建築で,いわゆる公共事業とそれなりに密接な関係があるとかないとかうわなにをするやめqあwせdrftgyふじこlp
 ・・・この技術士という資格,近年技術士を国際的な基準で位置づけようという動きに加え,人数を増やそうという話もあったりなかったりで,敷居が随分下がりました。重力に魂を引かれた旧世代の連中は「権威の失墜だ」とお怒りのご様子ですが,そもそも定義が国際ルールに改められるのですから,権威もくそもありません。そんなに権威が大事なら,鎖国でもしてください。
 とはいえ,このことで最も影響があったのは今回私が合格した技術士一次試験でしょう。それまでは技術士になるための最難関,といわれるほど難しかったようなのですが,人数を増やすという施策の一環として,指定大学を卒業すると一次試験が免除されるという制度を導入したことにより,相対的にレベルが低下,実質的に二次試験を受けるための「受験資格取得試験」に成り下がったのです。
 しかも分野によって難易度が大きく異なる上,二次試験と違い一次試験はどの分野を受けても良いので,みんな簡単とされる情報工学分野に流れ込んできてしまいます。
 私も情報分野で受験しましたが,なんとまあ今回の受験者に対する合格率は46.1%。例年はもっと低いので,今年は大失敗ですね,ふふ。
 落ちた人はもう少し真面目に勉強してから受けて下さい。
 そんなわけで,二次試験を受けるつもりも失せましたし,一次試験は履歴書にも書けないようなクソ試験だったというオチで,本当に無駄だったなあと思います。

カーナビのアップグレードキット

 三洋のカーナビを買ったのが一昨年,国土交通省が道をボンボンつくるせいで,カーナビの本当のおいしさを味わえる期間が短くなっているように思います。そのために地図データのアップデートが行われるのですが,これが決して安くないのです。私の機種で25000円ほどかかるのですが,DVD-ROMが2枚と,違法コピー防止のメモリカードが付属しています。
 地図データの作成にはお金も時間もかかるので,この価格はやむを得ないのですが,HDDモデルの場合HDDに入っているものを消してしまうわけで,このアップグレードキットをあとで誰かに売ろうと思っても出来ないんですね。
 こういう仕組みってどうなのかなあと思いつつ,アップグレード。
 当然,普通に使えるわけですが,25000円も投資したのに,その恩恵を実感できないというのは,なんとも寂しい限り。相変わらず自動車に乗る機会はほとんどなく,そもそもこのアップグレードを行うべきではなかったのではないかと,そんな風に思ったりします。


技術書のたぐい

 昨年も出版界は厳しかったようで,いくつもの出版社がつぶれていきました。技術書もますます入手が難しくなったという印象がありましたが,個人的に憂いているのは,その内容のレベル低下です。
 趣味でやってる人をそそのかして詰めの甘い回路で本や記事を書かせる,基礎的な知識もないまま専門書を書く,など,まるでWEBで公開しているような無責任な内容の本が目に付きました。
 深刻なのは,技術書の専門出版社でもこうした傾向が見られたことで,これは出版社そのもののレベルが低下していることを示す,極めて憂慮すべき事態でしょう。
 この出版社は,それでも志は高くて,トップがその分野の第一人者を口説き落として,しっかりした本を作ることを続けているので好感を持てるのですが,特に出版社名にもなっている月刊誌とその関連の書籍の体たらくが痛々しいです。

・「ソフトウェア・ラジオの実験」
 電波を受ける所まではハードウェアで行い,復調はパソコンで行うという「ソフトウェア・ラジオ」がアメリカのホビーストの間で火が付いて,日本でもそれなりに知られるようになりました。
 なにせソフトウェアで受信機の主たる構成部分を実装するわけですから,いろいろな実験も簡単にできて,まさにアマチュア向けだなあと思うのですが,CQという雑誌が特集を組んだところこれが結構売れたらしく,調子に乗って基板まで付けて別冊に作り直したのがこの本です。
 付録の基板に部品を買ってきて組み立てれば完成するのは大変に結構なのですが,致命的なのはこうした新しい技術に関する理論的なアプローチがなく,作って「はい終わり」になってしまっていることです。
 これって,そこらかしこでやっている「電子工作キットを作る会」で子供らを公民館に集めて,2時間ほどでキットが動いたらメデタシメデタシ,というのと何も変わりません。
 こんな事では,技術的にもう一歩先に進んで,自ら探求するという本来の楽しみに到達できません。こういう新しいテーマだからこそ,理論的な体系をふまえつつ「作って学ぼう」というスタンスが必要なんではないかと思います。その内容の薄さに,私は軽いめまいを覚えたほどです。

・「エレキジャック」
 志は買いますが,中身はなんとも・・・作ってみよう,面白そうと思う物がないですし,どれもこれも作って終わり,そこから先の話がほとんどありません。それに,作っている方々のレベルも低く,基礎的理解が欠如していると思われる回路も散見されます。本来なら編集がストップをかけるんでしょうが,もうそんな力も残ってないのでしょう。
 あと,賛否両論あったのですが,この雑誌をバックアップしているマルツ電波が独占的にパーツを供給することで成り立っている記事もあり,作ったり実験したりしようとしても,自分たちの努力ではどうにもならない記事が出ている(しかも基板が付録についている)んですね。
 その独占パーツというのが,プログラム書き込み済みのマイコンだったりするから余計に始末が悪い。プログラムはソースはもちろんバイナリも公開されていないので,マルツ電波からマイコンが含まれるパーツセットを購入する以外,入手は不可能です。
 記事は,そのマイコンが含まれるパーツセットを買ってきて,付録の基板にハンダ付けするまでの話を書いてあるだけです。
 そんなもんね,わざわざ記事にするようなもんと違います。
 ただ,こういう事があると,元気のある業界ならGPLに準拠したオープンソースの互換品が発表されたりするんですが,私も含めみんな文句を言うだけで終わりです。もう電子工作の世界も死んだも同然です。
 今月末には第5号が出るそうです。乗りかかった船なのでとりあえず買いますが,鉄道データファイルと共に早く休刊になって欲しい雑誌です。

・「赤羽がんこモータース」
 これは技術書ではなくコミックですが,「ボルト&ナット」の田中むねよしの単行本です。メジャー誌への連載という事で期待したのですが,いやはやつらい内容でした。
 一番残念だったのは,すでに彼は自動車に対する夢と情熱を失っており,食べるための手段としてこのジャンルのマンガを書き続けているということが見て取れたことです。
 初期のボルナツは,押さえようのない情熱が吹き出していましたが,その点で言えば,エンスーマンガというジャンルの先兵だった彼の旬は,もう過ぎてしまったと見るべきでしょう。第2巻が出ても出なくても関係ないというコミックになりました。
 ちなみに,早く第2巻が読みたいのに当分でないだろうと思われる「WAVE」というコミックに先日出会いました。1980年代,8ビットのコンピュータでなんでも出来ると信じたあのころ,舞台は新世界,日本橋。台詞は全部大阪弁。まさに私の20年前の姿です・・・いやー,こんなマンガおもろいと思う人,私以外におらんでしょ。(実際連載誌のアンケートでは最下位を取って他の雑誌に飛ばされたそうですし)

・「プレミアムオーディオマガジン」
 上質の紙を使い,近頃盛り上がっている「高級オーディオ」を取り上げる雑誌として誠文堂新光社から登場したのですが,価格もプレミアム。「無線と実験」の2倍の価格です。強気ですねえ。
 これが超高級輸入オーディオ機器の紹介や視聴記事だけならウンコ扱いなわけですが,さすがに「無線と実験」を擁する誠文堂新光社らしく,自作派のテイストを残しつつ真空管アンプを大々的に取り上げています。
 ただ,真空管が生まれて間もない頃に作られた,戦前のドイツの真空管を実際に動かすという無茶をしたあげく,その音に主観たっぷりの評価をくっつけているあたり,もう頭がおかしくなったとしか言いようがありません。
 こういう古典球が実動作可能な状態で残っていることも驚嘆すべき事ですし,それを実際に動かすということをやってしまうこともすごいことではありますが,そのことがどれほどオーディオファイルの好奇心を満たすか,さらに貴重な歴史的遺産を壊してしまうリスクを冒すに見合うだけの物だったのかどうかを考えると,こういってはなんですが,とても手間のかかった「居酒屋での与太話」レベルであったと言わざるを得ません。
 ただ,厚生労働省で本業がお忙しいはずの,とある先生がお書きになった現代真空管の紹介とコメントは秀逸でして,私はこれが読みたいがために,この高価な本を勇気を出して買うことにしたのです。
 余談ですが,誠文堂新光社からは,実在しているんだかしてないんだかよく分からない「初歩のラジオ編集部」のクレジットで,真空管のラジオとアンプの本をいくつか出していますが,その内容はあまりにプアで,「初歩のラジオ」というブランドに盲目的な忠誠を誓ったはずの私でさえ,買うことをしませんでした。
 過去の初歩のラジオから抜粋した別冊が2つほど出たときには,内容を見ずに買ったのですが,写真にモアレが出ているありさま。これは編集という寄り,社内資料をコピー機で作ったようなもんですよ。
 こういう過去の資産を食いつぶすような小遣い稼ぎは,そろそろ立ちゆかなくなるんじゃないですかね。細く長く生きて欲しい出版社なので,気をつけて欲しいと思います。
 

 そんなわけで,昨年は,大きな買い物を余りしなかった割に,そこそこの値段の買い物を何度もしたということで,かえって無駄遣いをしてしまったように思います。全体的にものの値段が安くなり,少し前の基準なら驚いてしまうようなものも多くある一方,ガソリンの価格は高騰していますし,長く据え置かれた食料品の値上げも次々に行われています。(ビールは頻繁に値上げしてるし,私も最近あまり欲しいと思わなくなったので,今後おそらく自分で買って飲むことはしないと思います。第三のビールとか,おかしなまがい物を数字をでっち上げるために見境なく売りまくって,ビールのおいしさを若い人に知ってもらう機会を奪ってきたことの代償は大きいと思い知って下さい。)

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