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PC-1210をあえて味わう

  • 2023/05/10 11:02

 連休中のポケコンについては,実はPC-1210も復活させています。

 少し前にPC-1246のLCDを注文した時,同時にPC-1210用のLCDも追加で注文してありました。すでにPC-1211は復活させていますが,不動品がもう2台あり,そのうち1台がPC-1210ということで,ぜひこの最初期モデルを復活させようと考えたのです。

 PC-1210はPC-1211とならんで,シャープのポケコンの初代モデルです。両者はメモリの大きさが異なり,PC-1211は1.5kByte,基本モデルのPC-1210はわずか0.5kbyteしか搭載していません。(プログラム可能なステップ数はわずか400ステップですよ)

 しかし,PC-1210やPC-1211が処理速度や貧弱なBASICであることからすでに実用性はないと見るべきで,もはや1kByteの搭載メモリの差など意味はありません。どちらかというとわずか400ステップしかないメモリを味わうことこそが,このモデルの価値でしょう。

 そんなわけで,残った部品から1台分の部品をかき集めて,LCDの交換を済ませます。仮組みして動く事を確かめたら組み上げるのですが,問題になったのはコントラスト調整用のボリュームです。

 実はPC-1211を数年前に復活させたとき,このボリュームを壊してしまいました。そいこで部品取りの基板から取り外して移植したのですが,移植の時にもう1つ壊したらしく,結局2つ分の基板のどれにもボリュームは残っていませんでした。

 もともとPC-1210のコントラストは半固定であり,一度調整したら,あとはもう調整をしないものになっています。温度の変化に合わせてコントラストを自動で調整する仕組みがあるからですが,それならここを固定抵抗にしてしまえばいいということで,新しいLCDにあわせて抵抗を決めて,動くようにしました。

 ということで,PC-1210とPC-1211が揃いました。デザインも質感もキーの押し心地も,私の中では最高峰で,電池もLR44が4個というのもなかなか面白いです。

 LCDは24文字表示が可能でPC-1245よりも情報量は多いですし,フォントが独特で見ていて飽きません。LCDの色はオリジナルは黄土色で,これがまた趣があるのですが,新しいLCDでは深い緑色となっていて,これはこれでレトロっぽい雰囲気があります。

 ただ,実用マシンとして使えないと思っているのは,電源ONからキーの入力が有効になるまでに1秒ほどの間があることで,電卓代わりにさっと使えない事が致命的なことと,PROモードとRUNモード切替がスムーズではなく,途中でDEFモードとRESERVEモードを必ず通らねばならないという煩わしさがあることです。

 これらの問題点は第2世代のPC-1250できちんと解決しているわけですが,1970年代のテイストをもつPC-1210がもう少し使えるモデルだったらなあと,残念な気分です。

 ちなみに,nCrという,組み合わせの計算を行うプログラムを走らせてみましたが,40C9なんかの計算をさせると10秒ほどダンマリです。同じプログラムをX-07で行うとほぼ一瞬ですので,この性能差は大きいなあと思いました。

 

PC-1261のLCDを交換

 PC-1261を入手した話を少し前に書きましたが,シャープのポケコンの持病であるLCDの劣化がこのモデルにも例外なく発生していて,それで比較的安価に入手出来ました。

 表示エリアに劣化が進んでおらず,しばらくは実用になるとふんで購入したわけですが,劣化は進むものでもあり,いずれダメになることがわかりきっている以上,他のモデルと同様に交換用のLCDが登場することを待ち望んでいました。

 すると連休の直前,日本の有志がPC-1261用のLCDを作成し頒布していることを知りました。価格は6200円と少々高めですが,それでもこの値段でPC-1261が完全に修理出来るなら安いものです。迷うことなく注文しました。

 連休の間に届いたLCDに早速交換してみました。作業そのものは他のモデルと同様ですので心配はないのですが,今回はちょっと失敗をしました。

 LCDの取付位置をきちんと記録していなかったのです。

 これまでは,古いLCDを取り外す前に,LCDとLCDを貼り付けている枠の位置関係を,枠に傷を付けて印をつけていました。しかし今回はうっかりそれを忘れてしまい,かなり適当な位置に固定することになってしまいました。

 問題になるのは左右の位置ずれです。これがズレると接点の位置もズレてしまうので,最悪表示が出なくなってしまいます。これだけは間違ってはいけないと慎重に作業を進めたのですが,これに気を取られてしまい上下方向の位置は正確な記憶もなく,適当にせざるを得ませんでした。

 取り付けてから電源を入れると問題なく表示が出たので安心して組み上げますが,完成してから気が付いたのはDEGやRADの表示を行うドットが低い位置にきすぎて閉まっていたことでした。

 ドットがベゼルの下側に一部潜り込んでいる感じで,角度を変えるとドットが薄く見えてしまうほど隠れています。これはさすがに気になります。

 そこでもう一度分解し,LCDの位置を上に目一杯にずらして固定しました。するとドットとベゼルの間に隙間が出来たのはいいんですが,上が結構ギリギリです。もう0.5mm程下にした方が良かったかなあと思うのですが,さすがにもう一度分解すると壊しそうですし,鉄の枠からLCDを取り外すときにかなり無理をしたので,割れてしまうことも心配です。ですので,もうこれで良いことにします。

 新しいLCDにすることで,くっきりはっきりの表示が美しいですし,SHIFTやカナの表示も出ているのはとてもありがたいのですが,なによりこれ以上劣化が進むことを心配しなくていいのが素晴らしいと思います。

 一方で,やっぱりオリジナルのLCDへの未練というか憧れも残っていて,一番いいのはオリジナルのまま,交換はあくまで修理という位置付けであり,アップグレードとして新品のLCDに交換するという選択肢はないなあと思いました。

 PC-1261は関数電卓とほぼ同じ大きさと厚みを持つ真のポケットコンピュータであり,その中でもっとも高機能なモデルです。ハードウェアの改造の余地が残っていないのでつまらないと言えばそれまでですが,PC-125x系のマシンとしては最も完成度が高く,今でも人気は高いです。

 以前も書いたと思いますが,なぜこれをPC-1245の後継機種として当時買わなかったのかと後悔していて,PC-1245のように日常的に持ち歩いて使っていればもっと楽しかっただろうなと思います。今手に入れたこともうれしいですが,やはり当時道具として使い込むことに勝るものはないでしょう。

 

5月の紫外線とレトロブライト

 多くの製品の筐体に利用されているプラスチックに,ABSというものがあります。粘りがあるプラスチックで,割れにくく,落としてもへこんだり形が変わったりしないし,衝撃を吸収して内部を守ってくれ,軽くて安くて様々な色に着色も可能と,誠にありがたいものなのですが,大きな問題の1つに黄変があります。

 その名の通り,黄色く変色してしまう現象で,古いプラスチック製品が黄ばんでいるのを見たことがある方も多いでしょう。白やクリーム色のプラスチックがまるで煙草のヤニで汚れたように黄色くなっているのを見ると,古さと同時に汚いものだという印象も受けてしまうものです。

 私のように古いPCやポケコン,ゲーム機に愛着を持つ人が増えていますが,そういう方々の頭痛の種がこの黄変で,かつては全塗装するしか解決出来ないと思われてきました。しかし全塗装は同じ色合いを出すのが難しいだけではなく,塗装によって変わってしまう表面の艶やざらつきなどの質感も失われてしまいます。

 しかし,2008年,ドイツのコモドール64のマニアの掲示板で,黄ばんだ部品を過酸化水素水に数日間漬け込むと白色に戻るという発見が偶然されたそうで,これが同じドイツのamigaの掲示板にも飛び火,これを知ったイギリスの化学者を中心に検討が進み,RetrObrightというプロジェクトでその方法が確立しました。

 この話は2010年頃には同じ悩みを抱える日本のマニアの間でも少しずつ広まっていきましたが,海外とは違って高濃度の過酸化水素水の入手が難しいなどの問題もあり,「ハイターEXパワー」を使って長時間(数日)日光に晒すという方法が一般的になって現在に至ります。

 私も2010年頃に,レトロマシンのレストアの最終関門が突破出来る画期的な方法として追試を行うつもりでいたのですが,いろいろバタバタとしていたこともあり,結局追試を行うことはありませんでした。

 しかし,先日手に入れたPC-1475Uのキーがあまりに黄色く(というより茶色)なっていたので,レトロブライトに取り組む事にしました。

 ABSの黄変には2種類あるそうです。1つはABSそのものの変色,もう1つは添加剤の変色です。このうちABSそのものの変色はもうどうにもななりません。

 しかし,添加剤による変色は元に戻せます。添加剤は酸化防止剤と難燃剤の分かれており,それぞれで白くなるメカニズムが違っています。酸化防止剤の変色は酸性溶液に漬け込み紫外線を当てることで元の色に戻るそうです。

 難燃剤の変色は,難燃剤に含まれる臭素が紫外線によって一酸化臭素となることで発生し,元に戻すにはより強い共有結合で水素に吸着させるんだそうです。

 この添加剤による黄変を一気に漂白するのに,過酸化水素水と紫外線暴露が効くらしく,これに漂白を加速するTAEDなどを加えたレシピが確立しており,これにUVランプや日光を数時間照射することで,元の色に戻せるわけです。

 繰り返しますが日本では,このレシピをそのまま再現することは難しいものがありました。しかし,過酸化水素水の濃度が低いことを除いて代用可能なものが,ハイターEXパワーと知られるようになり,日本でも多くの実施例が紹介されるようになってきました。

 しかし,濃度が低いことを長時間のつけ込みでカバーする日本の方法は樹脂の劣化や印刷のかすれを引き起こすこともあり,なからず成功するというものでもなさそうです。

 さて,5月と6月の紫外線は特に強いわけで,この紫外線を使わない手はありません。ドラッグストアでハイターEXパワーを買ってきて,PC-1475Uのキーをレトロブライトしてみることにしました。

 まず分解してキーを取り出します。これを薄いプラスチックの板に両面テープで貼り付けて,ジップロックに放り込みます。ここにハイターEXパワーを注いで屋外に放置,という作戦です。

 途中でキーが剥がれて浮いてしまう等の問題が発生したり,14時頃からスタートしたこともあって翌日の昼過ぎまで時間がかかったなどの問題もありましたが,翌日取り出して見ると,完全ではないにせよ,変色した茶色のキーがかなり元のグレーに戻っているようです。

 これ以上は印刷がかすれてしまうと判断し,ここで中止しました。のべ6時間ほどの照射でしたが結果は良好で,大変綺麗になりました。写真は処理前後の比較です。

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 これに気をよくして,X1turboIIIのキーの黄変を処理してみました。SHIFTやリターンなどのグレーのキーが黄変しているので,これが綺麗になるならと慎重に作業を行いました。のべ5時間ほどの照射でしたが,これも綺麗になりました。

 これだけ綺麗になるならと調子に乗った私は,さらにレトロブライトを進めます。PC-2001のキーと,X-07のキーです。特にX-07のキーはひどく,これが白になるならとてにうれしいです。

 これは処理前の写真です。かなり黄色くなっているのがわかります。

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 まずはX-07の予備のキーを処理。7時間ほど放置したところかなり白くなっています。

 翌日は昨日の続きと,PC-2001のキー,そしてX-07の実機のキーを漬け込みます。X-07の予備のキーは述べ15時間漬け込んだので,もう真っ白です。しかし,印刷も薄くなってしまいましたし,オレンジや青のプラスチックも白くなってしまいました。

20230508121744.jpg
 PC-2001とX-07の実機のキーは8時間ほどのつけ込みでしたが,やはり印刷のかすれや,プラスチック自身の退色が目立つようになっています。PC-2001についてはムラも出てしまい,完全に失敗といってよいと思います。

 印刷のかすれについては,どうも処理後の水洗の時に剥がれたものも多くあるようで,印刷が弱くなっていること,そして乱暴に扱うことでひどくなったようです。

 最後に,PC-386BookLのバッテリのケースが黄色くなっていたので,少し大きめのものをラップでくるんで処理できないかという実験を目的に処理してみました。これは6時間ほどの照射で十分白くなりました。心配していたムラもありません。

 総括すると,

(1)白以外の樹脂も白くなり退色する
(2)印刷が弱くなっているので少し乱暴に触ると剥がれたりかすれたりする
(3)ラップでくるめば十分
(4)5月の紫外線なら処理時間は5時間程度でも秋分

 という感じです。

 X-07は,結局予備のキーからも印刷がかすれていないものを選抜して組み立てることにしましたが,処理時間の違いから目で分かる程度の色の違いが目立ちますし,印刷のかすれも残っています。

 PC-2001はムラがひどく,その原因はわかりません。オレンジ色のキーも退色してしまっているので,さらに失敗だと言えるでしょう。なかなか難しいものです。

 大きなものは処理が難しいとは思いますが,キーや手のひらサイズものであれば,上手く処理できると思います。気を付けないといけないのは,成型色がそもそも白やグレーでないといけないこと,印刷が剥がれる可能性があることでしょう。

 過酸化水素水やTAEDなどの物騒な薬品に,強烈な紫外線を長時間浴びせるわけですから,プラスチックにとってはかなり過酷な状況でしょう。処理は最低限度にとどめ,やり過ぎはリカバー不能な失敗に繋がります。

 なにせお天気まかせですし,数時間から数日かかる処理です。失敗すると元に戻せませんし,処理後のABSが今後数年間でどんな変化をするのかもわかりません。

 気軽に試すものと言うよりも,最後の手段として考えた方がよいというのが,今回の結論です。

 

multiEVOの新しいアタッチメント

  • 2023/05/01 16:25
  • カテゴリー:散財

 電子工作が好きな私ですが,意外にメカ的な工作に興味があることを最近意識することが増えました。というのも,私は電子工作が好きな人は必ずケースや基板の加工から逃げられないので,自ずと切るとか開けるといった工作のために工具を揃える事が当たり前だと思っていたところ,最近は基板はCADで描いてしまえばあとは発注するだけ,ケースも加工しやすいケースを使えば済む,あるいはケースを使わない場合もあり,ということで,案外こうした加工に対する投資やこだわりがない人がいるんだと思ったことがきっかけでした。

 昔から,アマチュアの電子工作は性能はともかく,見栄えがさっぱりというのが定説で,我々のような旧世代のホビーストはそこをなんとかしようともがいてきました。

 作業が素早く終わるものは仕上がりも綺麗,というのが私が経験から導き出した結論で,つまりパワーツールを使えば早く,かつ綺麗に仕上がるということです。前後にギコギコ挽く手動ののこぎりよりもテーブルソーは圧倒的に楽に綺麗に仕上がりますし,紙やすりで表面を均すときもサンダーを使えば早く綺麗に出来上がります。

 そのパワーツールも近年値段が下がると共に,売っている場所も増えてきたことで,アマチュアには好都合な環境になってきました。ならば積極的にパワーツールを活用したいところです。

 そんなアマチュアの強い味方が,ブラック&デッカーのmultiEVOです。モーターが組み込まれた本体部に先端部のアタッチメントを合体させ,一台で何役もこなせる電動工具がmultiEVOで,私は10年前に初代のモデルを購入しました。

 ちゃんとした充電ドリルが欲しかったことと,実質数千円で新しいパワーツールが手に入るというメリットを存分に味わった10年で,ドリル,ドライバー,空気入れ,サンダー,レシプロソーと,本当に活躍してくれています。

 新しいアタッチメントが出るとmultiEVOはさらに加工範囲を広げることになるわけですが,今回新しく出たアタッチメントに,私は久々に物欲が強く喚起されました。

 「ディテールサンダーヘッド」と呼ばれるものがそれです。EDS183という型名の新しいアタッチメントは,私がベルトサンダーと呼んでいるもので,本来のベルトサンダーはもっと大型なので,ベルトサンダーというのは誤りなのかも知れませんが,昔からこの名前で親しんでいるので,もうこのままいきます。

 multiEVOの購入時に書いた10年前の日誌を読み返すと,この時新しいアタッチメントとして「ベルトサンダー」を希望していると書いてあります。出たら絶対に買うとまで言いきっています。

 そして10年後,本当に出てしまいました。

 実は,ベルトサンダーはすでにプロクソンのものを買っています。硬質のアルミのシャシーやケースに角穴を開ける時は,平ヤスリで削っていくのですが,これが時間がかかって疲れる上に,綺麗に仕上がりません。また,アルミのダイキャストを削る作業も同様で,鉄道模型の電動車にDCCデコーダを組み込むときには,いつも苦労していました。

 ある時,幅9mmのベルトサンダーを使わせてもらったら,ものの数分で綺麗に仕上がったことに驚き,早速購入を決めました。1万円ほどしたのですが,劇的に作業が楽になり,綺麗に加工出来るようになったのですが,やっぱりAC式であることが問題で,あまり使わなくなってしまいました。

 そこへ,長い間切望していた,multiEVOのベルトサンダーの登場です。昨今の価格高騰もあってか,10年前のように5000円未満で買えるような話はないのですが,それでもポイントを差し引くと実質6500円ほどで買えたことになりますので,まあ想定内です。

 取り寄せという事で時間がかかることを覚悟していましたが,案外早く届いたベルトサンダーですが,これまでのアタッチメントでも最も大きなものでしょう。実のところ,multiEVOのメリットは丸鋸にしても空気入れにしても,専用品より一回り小さい事にあり,これが使い勝手の良さにも繋がっていると思うのですが,ベルトサンダーについてはアタッチメントだけで専用品に近い大きさがありますので,これはちょっと残念なところです。

 実際に使ってみると,ベルトサンダーとしての実用性は十分です。パワーも回転数も十分ですし,速度調整が可能なところも,集じん器が繋げるところも好ましいです。パワーについてはプロクソンのものよりも強く安定していますし,発熱も小さいです。

 消耗品であるベルト状のサンダーも汎用品と互換性があるようですし,コードレスでさっと使ってさっと片付けることが出来るのも大きなメリットです。いや,これは本当に便利です。

 平ヤスリはヤスリ加工の基本で,直角を出すこと,水平を出すことが大切ですが,これがなかなか難しいです。案外見落としがちなのはヤスリの品質の良し悪しで,たかがヤスリですがその切れ味は千差万別です。

 よいヤスリに出会った人はヤスリがけが楽しみになりますし,悪いヤスリを使えば疲れるし綺麗に出来ないしで,苦手意識を持ってしまうものです。私はちょっと高価なヤスリを買ったことで作業効率も仕上がりも劇的に改善された経験があるのですが,その平ヤスリの加工がパワーツールで大きく改善されるというのは,本当に助かります。

 その昔,電子工作の本に出ていた作例は,綺麗に加工されたケースと共に写真に映っていました。この当時の電子工作の達人は,同時に金属加工や木工の達人でもあったのでしょう。

 私も,苦手な木工はあきらめるとしても,作品の見た目を左右する金属加工については腕を上げるべく長年練習を重ねてきましたが,金属加工には力がいりますので,子どもには難しいものもありました。工具も危険なものがあり,いなす力がないと大けがをします。

 大人になって金属加工が楽になったのは当然のことと言える理由がここにありますが,最近はそうした金属加工が作品の仕上がりを決定付けることもなくなってきているようなので,パワーツールはもっと大きな工作,それこそ家のリフォームなどを趣味とする人が中心になっているように思います。

 ボール盤や旋盤,フライス盤などの据え付けが必要な大型の加工機の導入はある程度の覚悟が必要になりますが,使わない時は片付けておけるハンドツール,しかもアタッチメントの交換でいろいろな加工に使えるmultiEVOは電子工作メインの人には1つの解であり,電子工作に限らず様々な日常の作業に使える事を考えると,この10年で買った工具のうちで最も満足しているものの1つなんじゃないかと思います。

 

"ラムダッシュ"の故障と買い換えの顛末

  • 2023/04/27 13:17
  • カテゴリー:散財

 髭剃り器を買い換えました。今度もパナソニックのラムダッシュです。買ったモデルはES-LV7V-Aで,お値段は25300円にポイント10%です。

 それまで使っていたES-LV7Cが,突然動かなくなってしまったことが買い換えるきっかけになりましたが,ES-LV7Cを買ったのが2018年2月ですので,5年ちょっとで壊れたという事になります。

 一応5年使ったので仕方がないんですが,その前のES-LA72は8年(それも壊れたわけではない)使いましたから,正直なところもう1年くらいは動いてくれると思っていました。

 そのつもりで高価な外刃と内刃を交換したところでしたし,内蔵された電池も交換したばかりでした。

 しかし,予兆はあったのです。

 1ヶ月ほど前ですが,スイッチの反応が極端に悪くなってきました。何度も押さないと動かないとか,ずっと押されたままになっていてロックがかかってしまうとか。そうしたスイッチの問題が出ていました。

 こんなものは交換すればいいと,分解してスイッチを交換し復活したのですが,この時内部に浸水があり,スイッチの故障もこれが原因であることが気になっていました。この時は電池の交換を行ったときに,組み立て不良があったんだろうくらいに考えていて,今度は浸水を意識して,正しく組み立てることにしました。

 しかしそれから1ヶ月,残念ながら時々スイッチが入らなくなるという問題が出てきてしまい,今朝とうとう動かなくなってしまったのです。

 ひげ剃りですから,朝の忙しい時間に使いますし,使えないからまあいいや,では済まないものでもあります。捨てずに部品取りとして取ってあったES-LA72を急遽動くようにしてその場をしのいだのですが,ES-LV7Cを修理するか,買い換えるかを選ばねばなりません。

 修理をしてみるかと分解したところ,これがまたひどい浸水で目も当てられません。1ヶ月前に拭き取ったはずなのに,あちこち腐食しています。これはひどい。

 基板を取り出してみましたが,もう手の施しようがないほど腐食していて,これはもうあきらめるしかありません。

 amazonが都合良くセールをやっていたので,自動洗浄機のない下位機種のES-LV5Vを買った(というのも手元にある自動洗浄機が使えるかもと思ったから)のですが,あいにく本体に端子が出ておらず,流用は無理という話を知り,あわててキャンセル,自動洗浄機があるES-LV7Vをヨドバシで買い直しました。

 それはそうと,ES-LV7Cが浸水で壊れたことが気になったのでさらに分解することにしました。自動洗浄機を使っているので自分で掃除をすることはありませんでしたし,風呂で使うこともなかったですから,この個体が液体に触れるのは自動洗浄機の中だけということになります。それでも浸水ですからね,疑いたくなります。

 自動洗浄機には本体を逆立ちして差し込みますから,本懐の下側からの浸水ではありません。当然頭の方から入り込んでくるのですが,そこは厳重に防水されているはずですし,私もそこは分解していません。

 分解を進めていくと,なんとリニアモーターが水浸しです。そう,どうやらモーターや刃が格納されているヘッドから浸水しているようなのです。モーターが水浸しになるほど浸水している訳ですから,そこから本体に流れ込んで来るのは当たり前でしょう。

 ちなみに同機種のkakaku.comのクチコミで,動かなくなってしまった原因が浸水で,浸水の原因がヘッドのゴム部品の劣化だったという話が出ていましたが,おそらくこれでしょう。5年経過したんだからもういいかと思う一方で,もうちょっとしっかり作ってくれないと火事になるよと,心配になりました。

 おそらくこういう故障が他にも持ち込まれているはずですから,最新機種では改良されていると信じたいのですが,ES-LA72ではこうした問題が全くなかったことを考えると,個体差というのもあるのかも知れません。

 ところでこの自動洗浄機もなかなか問題があります。ES-LA72の時は洗浄剤の不良で泡が立ちすぎ洗浄水があふれてしまい,洗浄機に浸水,壊れてしまいました。

 洗浄カートリッジが高価だった問題も,ES-LV7Cでは改良されてランニングコストは下がりましたが,複雑だった水の流れもシンプルなものになり,故障しなくなることを期待していました。

 しかしこれも半年ほど前,洗浄機の足下がベショベショになっているのが見つかりました。何が起きているのかを観察していると,洗浄水があふれてこぼれてしまっていました。やっぱり完全メンテフリーは難しいんだなあと思ったのですが,この時の原因は油脂などの汚れが排水パイプを詰まらせていたことが原因でした。

 分解してパイプを洗浄してこの時は解決し,以後は全く問題なく動作してくれていましたが,やっぱり液体を扱う電気機器というのはなかなか難しいものがあるんだと思います。

 そういう意味では,本体も自動洗浄機もほぼ同時に壊れた(ひょっとしたら自動洗浄機の故障が本体を壊したのかも知れませんが)ので,ここらへんで買い直すという判断は正しいのかも知れません。

 うーん,ラムダッシュはよく剃れるのは間違いないんですが,ちょっと壊れ方がみっともない,というか深刻な被害が出そうな怖さがあります。ブラウンはかつて使っていたときの印象も良かったので,今回はブラウンにしようか,あるいは独特の機構を持つフィリップスにしようかと悩んだんですが,ちょうど新機種の切り替えで旧機種が安くなっていて,またラムダッシュです。これが良かったのか悪かったのかは,数年後には答えが出ていることでしょう。

 あ,数ヶ月で答えが出ている可能性もありますね。そうならない事を祈ります。

 ということで,昨日新しいラムラッシュが届きました。早速使ってみましたが,とにかく新しいものはなにもなく,驚くほどこれまでのES-LV7Cと同じです。

 剃り心地はもちろん,音も持った感じも,形さえも同じで,違うのは色くらいのものでしょうか。見えないところでの改良(浸水の対策とかソフトの改良ですね)は入っていて欲しいですし,そうでないと困るのですが,5枚刃のラムダッシュについてはこれが1つの完成形ということなのかも知れません。

 前述のように,私は刃を交換してから1年未満ですので,新しい機種の刃は温存して,まずは古い刃から使い潰すことにしましたから,さらに代わり映えしないと感じるのかも知れません。というのは,ES-LV7CとES-LV7Vの剃るという性能の違いは刃の改良にあるそうで,しかも交換刃には互換性があります。

 ということは,ES-LV7Cに最新の交換刃を取り付ければ剃るという基本性能も最近機種に並ぶという事ですし,今回のようにES-LV7Vに古い刃を取り付けてしまえば違いがないというのも,また頷ける話です。

 ということで,ES-LV7Vとしてのインプレッションは付属の交換刃を装着してからということになってしまうのですが,見たところ旧機種と同じだというのが,私の第一印象です。分解していないのでわかりませんが,おそらく電池も同じ物でしょう。

 一方,洗浄機は改良されているようです。外形が同じ,交換刃にも互換性があるのできっと洗浄機も流用出来そうですが,私の場合古い洗浄機は一度浸水しているのでもう使うのをやめ,新しいものを使うことにしました。ただしACアダプタは全く同じなのでそのまま古いものを流用することにしました。

 古い洗浄機はRC9-20という型名ですが,新しいものはRC9-25です。見た感じは色を除いて全く同じですが,細かいところを見ていくとポンプのモーターが小さくなっていることや,洗浄液のトレイに重ねて使うフィルタの底面に形状の違いが見られます。

 他にもファンの右側にある洗浄液を吸い込む口の形が変わっていたりして,細かな違いはあるようです。実際に使ってみればファンの音が甲高くなっていることに気が付きますが,これが風量をアップしたからなのか,それとも別のファンの品種に置き換わったからなのかはわかりません。

 取説には,洗浄液があふれた際の対応方法がFAQにかかれているほど,ありがちなトラブルのようですので,そういうことの対策が盛り込まれていることを期待したいところです。

 ということで,買い換えた髭剃り器は私に新しい感動を与えることなく,すぐに日常に組み込まれてしまいました。それだけこれまでの髭剃り器の完成度が高かったということでもあり,それゆえに浸水による故障というのが残念だというのが,私の現在の感想です。

 付属していた最新の刃に交換するのは1年後になると思いますが,この時きっと違いを感じることになると思います。それまでは「昨日と同じように良く剃れる」ことに満足しながら,使うことにしましょう。

 

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