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2021年10月04日の記事は以下のとおりです。

3ヶ月遅れで届いたZfc

6月末,不調が伝えられるニコンが,まさかのレトロ調ミラーレスを発表,Zfc(Zとfcの間にはスペースが入るのが正しいですが,間延びするのでここではZfcと書きます)と命名されたそのカメラは,往年のFM3Aのような外観を持つ,小型で安価なカメラでした。

 中身はZ50という,Zマウント機にしてAPS-Cというエントリー向けのミラーレスなのですが,Zシリーズ全般に今ひとつ存在感が乏しく,使ったことのある人からの評価は高いものの,話題に上ることの少ないカメラだったと思います。

 ニコンはFマウントとの決別を急激に進めている所であり,ZマウントにもFマウントにも元気がない状況には,期待よりも不安の方が大きいファンも多いのではないかと思います。私もその一人です。

 そこへ突然発表になったのが,Zfcです。ニコンは銀塩時代からプロ用モデルを頂点にアマチュアや写真を学ぶ人たち向けにも良心的なモデルを用意して来ましたが,ZfcがモチーフにしたFM3Aというモデルも,マニュアルで操作するカメラの定番として長く親しまれたものです。

 そのシルエットは1977年のFMから変わらず,持ちやすさと操作性を両立した大変息の長いカメラらしいデザインだと思います。

 それを元に登場するZfc,私は即予約をしました。

 最新のカメラには,機能と操作性とのバランスが考え尽くされており,古いデザインや操作性で新しい機能を実装するのはそもそも無理があると私は思うのですが,ダイアル中心で手にすっぽりと収まる銀塩時代のカメラには筆舌に尽くしがたい心地よさもあります。

 ただこれは,その操作性に見合った程度の機能しかないシンプルさに心地よさを感じているだけかも知れず,その点で私は最新のカメラと昔の銀塩のカメラとは全く別のものと割り切って使っていました。

 ですから,Dfなんてカメラが出た時には,D4譲りの画質という点以外に興味を持たなかったのです。しかしZfcは,ベースがZ50と割り切ったものになっている上,ミラーレスの特徴である「薄型に出来る」ことを最大限デザインの実現に利用して,本当に往年の銀塩の一眼レフのようなたたずまいを見せています。

 これは,銀塩の使い勝手と最新のZマウント機の画質を手に入れるチャンスではないか。

 そう考えて発表当日に28mmキットを,Zマウント機のデビューに向けて予約したのでした。とうとうZマウントデビューです。

 Zfcには3つのセットが用意されました,本体のみ,16-50mmズームレンズキット,そして外観デザインをAi-Nikkor風にした28mmF2.8レンズとのキットです。

 レンズの評判の良さと使い勝手の良さからいえば,ズームキットです。しかしその見た目はあまりに不格好で,Zfcのしっかりしたレトロデザインに全然マッチしません。

 なら28mmキットだということになるのですが,値段が微妙にあいません。レンズ単品だと16-50mmが実売で40700円,一方の28mmF2.8は実売で38500円と2200円ほど28mmレンズの方が安いです。

 しかしZfcのキットだと価格が逆転し,16-50付きが149600円,28mm付きが159500円と28mmの方が1万円も高いのです。何かの間違いかと思いましたがそうでもないし,なにか付属品に違いがあるのかとも思いましたが,そういうことでもなさそうです。

 推測するに,16-50mmの方が原価が安い,28mmは結構高いということではないかと思います。Zfc本体だけだと129800円ということですので,差額はそれぞれ2万円と3万円という事になり,16-50mmが破格であることがわかります。

 てなわけで,お得なのは16-50mmのキットであることは分かっていたのですが,このレンズはそんなに使うことがないだろう,使わないならいかにお得といえども無駄な投資だと考えて,使用頻度が高い28mmのキットを選んだのです。

 しかし,これが悲劇の始まりでした。

 発売日がすべて7月23日に決定し,KマウントやらMマウントやらのマウントアダプター,LCDフィルムなどを用意して発売を待ちわびていたのですが,直前になって28mmのキットの発売延期が発表,発売日未定となりました。

 本体と16-50mmのキットは予定通り7月23日です。予約した商品の違いで,くっきり明暗が分かれてしまいました。

 まあ,それでも1ヶ月くらいの遅れだろうと思っていたのですが甘かった。ようやく発表になった新しい発売日は,なんと10月2日です。予約から実に3ヶ月も待たされることになったのでした。

 いやね,zfcすべてが遅れるというならそれは納得するんですよ。だけど遅れたのは28mmのキットだけです。それなら16-50mmのキットを買って楽しみ,あとで28mmが出たら(このころ10月に発売予定とありました)買うというのが,費用面でも時間面でも最適解だったことになりますよね。しかしその最適解にたどり着くには運の要素しかないのです。

 いろいろ事情があったのだろうと思いますが,予約した人は28mmが欲しくて予約したのかも知れませんし,とりあえず本体が欲しくて予約したのかも知れません。3ヶ月も遅延するのであれば,真っ先に予約した人に対しては少なくとも,本体だけの予約にするかどうかの意思確認を行ったり,先に本体だけ特別に送って28mmレンズは準備ができ次第発送するとか,そういう「後始末」を行って欲しいと強く思いました。

 ニコンからも販売店からもなんにアナウンスもなく,果たして10月2日に「予定通り」届いたZfc,私は「遅れてしまったすみません」の紙ペラ1枚くらいは入っているものと思っていたのですが,それもなし。

 ニコンと,販売店の非誠実さを強く感じました。

 まさに,しれっと3ヶ月遅れで商品を黙って送りつけ,知らん顔。
ゴメンねの一言もなし。こういう大人になるなと,私は娘に言い聞かせました。

 そして,いの一番に予約した我々優良顧客は,完全になめられているなと。
次に潰れるのは,きっとニコンでしょう。

 ということで,ここまではグチです。本題のZfcのファーストインプレッションです。発売から3ヶ月経過していますので今さらレビューも珍しくないと思いますが,これが書かずにいられないくらい,どうもよろしくありません。

 10月3日の日曜日の午後,汗ばむような秋晴れのなか,Zfcに28mmレンズの組み合わせで娘と近所の散歩を1時間ほどしました。


・大きさ,重さ

 大きさはカメラのベストサイズであるFM系が少し分厚くなったくらいの感じですので,手に馴染み持ちやすく,軽快です。重さはびっくりするほど軽く,これも良好なハンドリングです。「軽いは正義」と何度も口走ってしまいました。

 これまで重いカメラを気に入って使っていて,軽いカメラには今ひとつ信用をおいていなかったのですが,Zfcを使ってみてその考え方が変わりそうです。


・デザインと質感

 長年愛されたFM系のデザインを踏襲したのですから,悪いはずはありません。いかにもカメラ然としたたたずまいは非常に格好良く,若い人が珍しがるのもわかりますし,私のような年寄りにも懐かしさと使い勝手の良さを提供するでしょう。

 銀塩のカメラよりも本体に厚みがありますが,そこはDfと違ってベースがミラーレスのZマウント機で,大変良くまとまっています。

 デザイン上の問題でいえば,Zマウントのマウント径が大きすぎて,小振りのZfcには似合わないということ,そして左肩のISOダイヤルが大きく目立ちすぎてしまうこと,でしょうか。

 ISOダイアルはロックがかかることもあり,そんなに触りません。なにこんなにいい場所に,こんなに大きく配置されているので,私にはどうも白々しさのようなものがあり,しっくり来ません。

 ただ,FM系の操作系で最新のデジタルミラーレスカメラが扱えることのうれしさと楽しさは想像以上のものがありました。

 質感は良くありません。カメラとしてどうなのよ,10万円を越える製品としてどうなのよ,と思うくらい,よくありません。

 ダイヤルはアルミの削り出しだそうで,お金もかかっており,精緻な感じがします。しかし,軍艦部やトップカバーはプラスチックに銀色の塗装です。いや,カバーがプラスチックなのは昔のカメラでも良くあった(CLEなんかそうですよ)ので気にしませんが,塗装と表面処理がどうも安っぽくていけません。銀色は艶がありすぎてテカテカしていて,せっかくのしっとりと沈んだ輝きのダイヤルと差があります。

 ボトムカバーもプラスチックですが,これはもう数千円クラスのコンパクトカメラの安っぽさです。塗装はテカテカで下品,電池のフタはパカパカと落ち着きがありません。エプロン部の疑皮が良い感じなのに,残念です。これは将来出るかもしれないブラックのZfcだと,格好いいかも知れません。

 スイッチやボタンの質感は良いのですが,ISOダイヤルとシャッタースピードダイヤルがグラグラしていて,もはやFMシリーズに対する冒涜だと思わせるレベルです。特にISOダイヤルがグニャグニャで,遊びが大きいのではなく,回転中心の軸が左右に動きます。

 kakaku.comを見ていると,露出補正ダイヤルがグラグラしていて,数日後に取れたので初期不良交換になったという書き込みがありました。ISOダイヤルのグラグラがこれほどひどいというのは私の個体の不良かも知れませんが,確かめようもないので今後お店で触ってこようと思います。


・画質

 画質は文句ありません。さすがZマウント機です。Zシリーズはその画質の高さで,使った人は皆褒めるのですが,それはZ50も同じでした。Z50そのままであるZfcの画質が悪いはずはなく,実際その写りの良さは,写真が上手くなったんじゃないかと勘違いするほどです。

 レンズの性能も良く,切れ味とボケ味の両立を高い次元で行っていることに感心しました。

 画質とはちょっと違う論点なのですが,画素数は2000万画素と少なめで,しかしなんの不満もありません。これ以上多くても意味はないように思いますし,そもそもAPS-Cというフォーマットに求めるものを考えると,もうこれで十分です。

 そのAPS-Cですが,手持ちのレンズの個性を楽しめないという不満が甦ったこと以外は,別にこれでいいんじゃないかという感じです。フルサイズで楽しめたゆとりであるとか,レンズの個性を生かせる面白さはありませんが,それでもZシリーズは高画質なので,FA43mmF1.9Ltdの優しい眼差しや7Artisans 28mm F1.4 ASPHの開放からのキレの良さも,ちゃんと感じられます。

 広角の28mmを好む私としては,APS-Cで28mm相当になる18mmのF2.8クラスが欲しいのですが,16-50mmのF2.8ズームがあれば,少々大きくても買うだろうと思います。

 サードパーティがZマウントにはないので,ニコンがDXフォーマットをどのくらい真面目に考えてくれるかが,Zfcの生き死にを決める事になるでしょう。


・レンズ

 3ヶ月つの延期の元凶となった(と思われる)29mmF2.8は,見た目がAi-S50mmF1.2みたいな大柄なのに,前玉が小さいので,あまり格好良くありません。写りは今どきのレンズらしく,開放からシャキッと写りますし,絞ればさらに良くなり,ボケも綺麗で自然なので,良くまとまった優秀なレンズだなと思います。

 しかし,悪くいえば無個性で,感激がありません。Zfcの一本目としては最適化もしれませんが,それは16-50mmのズームに任せて,28mmの方はもう少し個性を出して欲しかったと思います。

 そうそう,40mmF2も同時に買ったのですが,こっちは素晴らしいです。60mm相当なので中望遠に片足がかかるのですが,温かみと切れ味を両立して被写体を浮かび上がらせます。デザインがZシリーズ向けなのでZfcには不似合いですが,とりあえず35mm用のねじ込みフードをつければごまかせます。

 価格も安いですが,軽くて小さく,明るくて良い画質なので,これはお奨めです。


・電池寿命

 電池寿命はさすがに短いです。これまで電池寿命でメリットのある一眼レフを使い続けていましたし,Zfcは小さい電池ですので,常時撮像センサを駆動させ続け,長時間ディスプレイを点灯させないといけないミラーレスカメラは,やっぱり電池寿命で随分不利なんだなあと思いました。

 で,これは使い勝手にも関係するのですが,少しでも寿命を延ばそうとした低消費電力化が使い勝手を極端に悪くしている例がありました。

 特に無操作が30秒続くと電源が切れるという仕様です。いいなと思ってファインダーを覗くと真っ暗,シャッター半押しで再起動させてファインダーに像が出てきた時にはもうシャッターチャンスを逃しているという事が,もう何度も何度もありました。これは話になりません。

 せっかくファインダーの見え方は素晴らしく,光学ファインダーと並ぶほどだと思ったのに,消えてしまってはファインダーとしての機能を果たしてくれません。

 オートパワーオフを無効にすると,顔を近づけた時だけファインダーが動き出すので,今はこの設定で使っていますが,常時撮像センサが動いている状態ですので消費電力も大きいはずで,どれくらいの電池寿命なのかを,今度ちゃんと確かめておこうと思います。

 悲しい事は,背面のLCDの方が電気を食わないということです。だとしたら,もうファインダーなんていらんのと違うか,と思ってしまいます。小さい穴を覗き込むのをいかに人間が好むとはいえ,LCDの方が見やすく電気も食わないなら,光学ファインダーを模するためだけに無駄な事をやっていることになるわけで,早晩個の仕組みは使われなくなるかも知れません。


・使い勝手

 使い勝手はおよそ満足からは遠いです。

 まずはレリーズボタンです。なぜ汎用のレリーズケーブルが使えるようにしてくれなかったのかという不満に始まり,半押しまでの遊びが大きく,ストロークも深いですし,全押しの重さも深さも大きくて,せめてここくらいはD850なんかと同じくらいにしても良かったんじゃないでしょうか。

 ISO感度設定はあちこちで不満が噴出しているのであえて書きませんが,自動設定ももっと上手く実装して欲しかったですし,なにが良くないといってMモードでもISO感度が自動設定されてしまうのが最悪です。

 Mモードは,露出計を見ながら最適な絞りとシャッタースピードを選びますが,露出計が変化せずISO感度が動くのは,露出の補正を行うことが出来ないのでMモードそのものが使い物になりません。

 この場合,ISO感度は固定で使わなければなりませんが,その切り替えもメニュー深くにいるので簡単にアクセスできません。マイメニューに登録するのが一番ですが,マイメニューを呼び出すのも一苦労ですので,なかなか届かないというフラストレーションは大きいものがあります。

 メインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルは便利なのですが,サブコマンドダイヤルの場所が悪く,中指で操作することになります。しかし中指を器用に動かせる人はそんなに多くなく,大変使いにくいです。

 ファインダー像の拡大もわざわざ背面の拡大ボタンを押さないといけないのですが,ファインダーをのぞき込みながら拡大出来るボタンにさっと触れるようになっているべきではないでしょうか。私はFnボタンに割り当ててしまいました。

 AFモードも今ひとつです。瞳AFは優秀で驚きましたが,露出が1段ほど明るくなるのは余計な仕様なのでやめて欲しいです。

 それからMF。AFレンズをMFで使う時にはフォーカスエイドが利用出来ますが,MFレンズを使うとフォーカスエイドが使えません。これは意地悪ですか?

 ところで手ぶれ補正ですが,ボディには入っていません。私は手ぶれを押さえても被写体ブレを押さえることは出来ないと思っているので,手ぶれ補正の必要性をあまり感じていないばかりか,手ぶれ補正があるからと暗いレンズでもいいという考え方に実害出ていると思っているので,Zfcに手ぶれ補正がないことは大した問題と思っていません。

 ただ,超音波によるセンサークリーニングは絶対必要です。特にミラーレスには必要だと思うのですが,Zfcにはこれがありません。これは残念です。

 Zfcに限りませんが,ミラーレス器は常時シャッターが開いています。撮影時にはまずシャッターを閉じて,そこから露光という流れなのですが,つまりいつもセンサが露わになっているのです。

 なので,私としては電源OFF時にはシャッターが閉じる仕組みと,センサクリーニングは必要だと思うのです。

 前者のシャッターが閉じる仕組みは,ゴミの問題もそうですが,レンズ交換時にセンサを傷つけるといった問題を防ぎますし,レンズから入ってくる太陽光線やレーザーによってセンサが焼けてしまうことをも防ぎます。

 ちょっとしたことですし,他社では実際に行われていることなので,特許に引っかからないのであれば,アップデートで実現して欲しい機能です。


・アイカップとファインダー

 ファインダーが丸窓というのは「わかってるなあ」と思わずニヤニヤしてしまうポイントなのですが,これが過去のどの機種にもないような不細工なゴムの縁の丸い枠なのです。

 私が欲しいのは没入感を促進するアイカップです。せめてオプションで用意して欲しいのに,それもありません。

 DK-22にアイピースとアイカップを組み合わせてみましたが,残念ながら近接センサが誤動作するので,常時ファインダーがONになってしまいます。これではさすがに電池がすぐに切れそうです。

 そこで私は純正のアイピースのゴムの縁を切り取り,余っていたDK-2を瞬間接着剤で貼り付けました。一度は簡単に取れてしまったのですが,プライマーを使って接着して今は実用強度です。

 いずれアイカップが純正で出てくることと思いますが,こういうところに手が回っていないのは,以前のニコンにはなかったことだろうと思います。

 そうそう,ファインダーは想像以上の素晴らしい出来です。Z7なんかはこれ以上なんですよね,かなりすごいんじゃないでしょうか。

 このファインダーですが,すっきり見やすく,色も自然ですし,反応速度も上々です。確かに光学ファインダーには劣りますが,もうこれ以上の見やすさは趣味の世界のように思います。

 光学ファインダーのような精緻な感じはなく,やっぱりのぞき穴からテレビを見ているような感覚にはなりますが,気が付いたら夢中で被写体を目が追いかけていますし,光学ファインダーとの違いを意識させられるシーンも少なかったと思います。

 私の場合,撮影結果を反映しない設定にしたので,ミラーレスのファインダーのメリットを1つ潰して使っているのですが,撮影結果を反映すれば必然的に見にくいものになりますから,結局のところファインダーに何を求めるのかという話になるということでしょう。

 ただですね,表示される情報量が多すぎて,出てくるアイコンをすべて見切れません。しかもそのアイコンがなにを示しているのかわかりにくいですし,アイコンが消えていれば,その機能がもともとあったものかどうかもわかりません。


・シャッター音

 個人的には,このキレのないだらしないシャッター音は今ひとつに感じますが,だからといってダメかといえばそうでもなく,やはりカメラを使っているという感覚になり,どんどんシャッターを切るようになってしまうのは,さすがニコンのカメラという感じです。

 ただし,まるでモーターがゆっくりとミラーを上げ下げしているかのような音がするのは良くないと思います。ミラーなどないはずなのにねえ。


・総じて

 大きさと重さは○,デザインは○,画質も○,しかし質感は×,使い勝手も△と,結構がっかりしたカメラでした。
 
 軽いこと,持ちやすいこと,画質も問題なく,お値段も安い。それに今はやりのレトロデザインで,しかも格好だけではないFMシリーズで手に馴染むということで,割り切って使うなら良いカメラだと思います。

 ですが,使っていて思ったのは底の浅さです。設定ってこんだけ?とか,こういう設定って出来ないの?とか,このモードはないの?,選択肢が少ないよねえ,と感じたことがたくさんありました。

 そしてひとしきりZfcを使った後にD850に戻ると,やはりすべてが1つ上のレベルです。カメラが値段相応であることは,昔からかわらないことなのかも知れません。

 使い分けですが,やはりD850は本気のカメラで,Zfcは散歩のカメラです。そうなると16-50mmのズームが欲しくなるわけで,それなら最初からズームキットを買っておけば安くて3ヶ月も待たされずに済んだのにと,結局最初の話に戻ってしまいました。

 とにかく,Zfcについては,この誠実さのかけらもない発売延期がすべてだったと思います。これがニコンという会社の姿勢を見せてくれましたし,Zfcへの愛着も半減することに繋がりました。

 Zfcは,きっと長く使わないと思います。

 最後に,もうすぐ10歳の娘が,Zfcをいたく気に入ったようでした。軽くて小さくて自動化が進んでいて,画質も素晴らしいとくれば,あとはもう撮影するだけですもんね。

 はっ,ニコンが想定したユーザーが,私ではなく娘だとしたら・・・

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