D850修理完了
- 2021/10/26 16:13
- カテゴリー:カメラに関する濃いはなし
D850の修理が終わり,返ってきました。かかった修理代は250303円で,最初の見積より5000円ほど安くなっています。
ニコンの見積は結構ドンブリで,あくまで概算というスタンスからぶれないことで知られていますが,多くのケースで見積よりも安い金額で済むので,見積にびびって修理に取りかからない場合があるとすれば,結構もったいない話だなと思います。
無論,逆の話もあり得て,修理費が見積を大きく上回ることもありますが,その場合でも分解してしまえば技術料が発生するというのは,引くに引けないユーザーという立場の弱さから言わせてもらうと,昔の日本のメーカーならそれは大目に見てくれたんだけどなと,つい思ってしまいます。
2000年頃までのニコンのサービス対応の素晴らしさは有名で,それが理由でニコンのユーザーになる人も,親子二代でニコンユーザーということも,普通でした。しかし,サービスというのはお金も手間もかかり,その割には利益を生みませんから,会社としてはなかなか高水準を維持するのが難しいもので,業績の悪化で真っ先に手が入るものだけに,このままニコンのユーザーでいいんだろうかと,考えさせれてしまいます。
さて,今回の修理は完璧のようで,今のところ不具合や気になるところは全くありません。故障箇所がはっきりしていて,かつ互いに確認出来ているのですから,問題になるようなことはないと思います。
部品代もLCDが2000円ほど,あとは分解のために交換する必要のある張り皮が1000円ほどで,合計3000円ほどでしたし,技術料が18000円で,あとは送料の実費ですので,妥当な金額だったと思います。
とはいえ,ニコンのサービスのシステムは結構変わるので,今回も戸惑いました。中には改悪と思うものもあったので,書いておきます。
まず,以前は修理伝票への記入は,電話でピックアップサービスを頼んだ人だけで,WEBから依頼した場合は記入の必要はないと明記されていたのですが,今回は削除されていました。WEBから依頼した場合でも記入することになり,WEBで依頼した時に出来るだけ詳しく書こうと気合いを入れたのが,空振りになりました。
修理伝票への記入は昔ながらの手書きですので,久々にボールペンで長い文章を書きました。
それから,見積が郵送される件です。しかも修理の続行はその見積をみて判断し,こちらから電話で続行の可否を連絡しないといけないシステムでした。これまで私が他社も含めてお世話になったケースでは,見積時に修理費用の上限を指定し,それを越える場合には電話で修理の意思確認があって,その場で判断というものでした。
今回は,WEBからの概算が30085円だったので,30000円以上なら確認と記入したところ,わずか85円の超過で修理が止まり,電話で進行の連絡をしないといけませんでした。
わずか85円ですからね,電話代でペイしてしまうくらいですし,金曜日の夜に普通郵便で受け取った見積への返答を月曜日の午前中にしたことを考えると,時間的ロスが大きいなあと感じました。
ネットとスマホでなんでも出来るこの時代にですよ,郵便と電話でって,なんちゅう逆行だと私は呆れてしまいました。
細かい事ですが,電話の相手をして下さった方が,修理進行の意思を伝えたところまでは明るい声だったのに,「ところで」とこちらが話すと微妙な間があって,明らかに不機嫌な声色に変わったのが,ちょっと怖かったです。そんなに警戒せんでもねぇ・・・
それで,郵送されてきた見積というのが,WEBの概算と全く同じなわけです。実機が届いて現象の確認が済んでから発行された見積なのに,WEB見積と同じ精度というのは意味がありませんよね。
私としては,実機を見た結果,その見積がWEBの概算を越えないなら修理を進めて下さい,という意味だったのですが,実機を見ても精度の低い見積で判断しないといけないなら,もう郵送の必要なんかないと思います。時間の無駄ですわね。
そもそも修理って,分解する前にそれなりの精度で修理代がわかるものです。もちろん,技術者の勘と経験に依存する世界なので,技術者のレベルが下がってしまえばだめでしょうし,そうした属人的なものを減らして行こうという近年の会社のあり方から考えると,誰がやっても同じ結果が出るようにするには,分解するまで見積の精度が上がらないというのは正しいのかもしれないですが,私はサービスくらいは属人的な方がいいんじゃないかと思いますし,かかった必要の多少の誤差は他の修理費用とまとめてしまえばいいでしょう。大きく異なる場合は事情を説明して了解を得るようにすれば揉めませんし,それは多くの会社が昔から使っている手段でもあります。
今回のケースでも,ざっと3万円ですという一発目の見積で実機を送り,エンジニアが25000円という見積を出して確認無しで修理を継続してくれれば,お互いに時間の無駄がなかったんですよね。
確かに85円オーバーし,それで修理が保留されたのは誠実ではあったのですが,結果は25000円で済む修理だった(そしてそれは予測可能だった)わけで,修理を止める必要は,本当はなかったはずでした。
以前のニコンは,こういう時間の無駄もなく,実にスムーズで,かつこちらの期待をいつも上回り,なにがユーザーにとって良いことかをいつも考えて対応してくれていました。
今回の対応も悪いものではなく,むしろいいものだったと思います。しかし,どうしても以前と比較をしてしまいますし,その結果として印象が良くなかったことも確かでした。
贅沢なことですが,年々,人を相手しているという感じが薄くなっていきます。
そういえば,Z7が発売になってまだ数ヶ月という時に,D850を新宿のサービスセンターに持ち込んだことがありました。
この時,私の隣にいたお年寄りが,泣きそうな声で訴えているんですよ。保証書を忘れたんだけど,どうにかならないか,と。
受付の女の人は,保証書がないと有償ですと,その一点張りです。
それは規則ですし,忘れた人が悪いんですけどね,でもね,Z7って1年保証の商品で,発売から1年経過していないものが壊れたと言って,修理を受けているんですよね。
このおじいさんがズルをしているわけでも,ウソをついているわけでもありません。発売からどうやっても1年経過しないのですからね。そのZ7が試作機とかサンプルとか,そういう保証対象外の機種かどうかは,シリアルを見ればわかることですし,そんなケースはほぼないでしょう。そもそも,そういうケースはあってはならないことです。
保証書という書類を重視するか,それとも1年間は壊れませんという品質の保証を重視するか,どちらがこの場合に本質的な問題なのかと考えた時,私はどうしても保証を重視するという結論にはならないのです。
とはいえ,ルールはルール。この時の最善の対応はおそらく,保証期間内の故障である事をまず詫びて(これは重要ですよね),無償修理を前提に保証書を送ってもらって,その内容を確認出来るまでは修理の進行を止めておく,結局保証書がなければ有償修理という話じゃないかと思います。
とにかくダメなんです,と言われ続けたおじいさんは,結局壊れたZ7をそのまま残念そうに持ち帰っていました。せっかく新宿まで来たのに・・・この受付の女の人は,自分の親にも同じ事をするのかなあと,こちらまで悲しくなりました。
幸い私の担当してくれた人は良い人で,満足な対応を頂きました。最終的には人によるんですけど,それを是正するのに属人的な要素を排するというのは後ろ向きで,担当者のレベルを高いところで揃えるのが本当の姿ではないかと思います。
あれこれ書きましたが,D850はまだまだ使えます。レンズも縦位置グリップも外したD850は筋肉質で,手に収まった時の感触の頼もしさから,買った時の感激を思い出しました。
Zfcもいいですが,やっぱりまだまだ。D850はうちのメインです。