小文字を持ったAppleII Plus
- 2022/08/10 09:42
ADTProが動き出したわけですが,実はこれまでに気が付いた事がありました。
それは,ProDOSの起動画面が,おかしな数字になっていることです。
実はこれ,CPUをW65C02にしてから変わったことで,それまでは全部大文字で表示されていたのです。
ADTProはProDOS8の2.4.2で起動します。いつのバージョンからか忘れましたが,ProDOS8はCPUが6502か65C02かを判別し,65C02なら拡張された命令を使うようになっています。
で,65C02と判定されたなら,そのマシンは自動的にAppleIIeかAppleIIcなので,小文字のキャラクターが搭載されているわけで,起動画面の小文字が使われるようになっているのです。
私のAppleIIPlusは過去にも書いたとおりW65C02に換装してありますので,ProDOS8は小文字を出そうと頑張るわけですね。でも,なんで数字になるの?
そう,もともとAppleIIは大文字しかキャラクタを持っていませんでした。汎用のキャラクタージェネレータをそのまま使った関係で,小文字は使えなかったそうです。
ですが,AppleIIのRev7以降は,キャラクタージェネレータに倍の容量を持つ2316/2716が使えるように回路が修正された関係で,実は小文字が使えるようになっていました。しかし互換性の関係から,そのエリアには数字が繰り返し書き込まれているということだったのです。
なるほど,こういうことなら当時小文字を出すROMを売っていた業者がいたに違いない,と思って調べてみると,やはりありました。LCA-2というROMです。Rev7以前のAppleIIにはLCA-1という基板セットを装着することになるのですが,Rev7以降はROMだけでOKです。
よし,これを2764に焼いて(私は2716を持っていない)交換してみようと,早速変換基板も作って試したのですが,画面全体にゴミが出てしまい,所々表示される文字もおかしいのです。
いやー,これは参った。真面目に考えないといかんなあと,回路図を広げたりキャラクターをすべて表示させたりして規則性を探しました。
すると分かってきました。
うちのAppleIIPlusは,J-Plusであったことを忘れていました。
J-Plusについては,情報があるようでありません。カタカナが出るとはいいながら,どうやったら出るかを説明したサイトは見当たりませんし,キーボードにカタカナが刻印されているとは書かれていても,どうやったらカタカナが入力出来るか,説明したサイトも見当たりません。
それ以上に,Plusとの違いが正確に説明されたものもないのです。
F8のROM,AUTOSTARTがJ-Plus専用のROMに変わっており,同時にVideoROMというキャラクタージェネレータもカタカナを含むものに交換されているのですが,せいぜいこの2箇所くらいです。少々気の利いた本には「他にも改造箇所があり動かないソフトもあったらしいが,自分はそういう経験をしていない」とありましたが,それでもその程度です。
しかし,大変重要な改造がJ-Pulsにはなされていたのです。
J-Plusは,ゲームポートのAN2を使ってカタカナとASCIIを切り替える仕様となっていました。そのための仕組みがF8ROMに書かれています。AN2がHighだとASCII,Lowだとカタカナになります。
なので,ゲームポートのAN2とVideoROMのA10が繋がっています。また,面倒なので正確なことは解析していませんが,実はA9も改造されて配線が変更になっています。この結果,本来はスペースを全画面に表示するはずが,小文字の先頭に存在するバッククォートが全画面に出てくるようになっていたのです。
最初はJ-PulsとPlusを両立出来ないかと思案しましたが,小文字を使う以上は無理と判断して,J-PulsをPlusに戻すことにしました。3箇所のジャンパをはずし,切断された9と10と11のタイを繋ぎ直します。
これで先程の小文字がきちんと表示されるようになりました。
ちなみに,AppleIIやPlusでは,一番下のドットが空白になっていて,次の行との隙間を作ります。しかし,AppleIIeでは一番上のドットが空白になっているので,実はAppleIIeでは,全体に1ドット上に表示されています。
これ,Plusまでは小文字を持たなかったので汎用のキャラクタージェネレータと同じで済んだのですが,AppleIIeで小文字を持つ際に,jやgやyなどの,下にはみ出る文字を扱うために,空白を一番上に持ってきたようです。
先程のLCA-2はこれを嫌ってか,むりやり空白を一番下に置いた上で,小文字をデザインしています。従って小文字を構成するピクセルが足りず,その品質は低いです。やっぱりAppleIIeの文字は見やすいです。
ということで,私のAppleIIはPlusと同じ回路となり,キャラクタはIIeと同じ物をつ持つに至りました。ProDOSもちゃんと起動しますし,ADTProもファイル名を小文字で表示表示してくれるようになりました。(ただし反転は出てきません。それは仕方がありません。)
ちなみに,F8のROMとVideoROMをJ-Plusに変更し,CTRL+Tを押すと,ちゃんとカタカナが入力出来ますよ。ただし,AN2がA10と繋がっていませんので,このエリアにある数字との共存はできません。まあ,聞くところによるとJ-Plusの専用ソフトはほとんどないということですし,実際私も1つも持っていません。ケースのロゴもPlusになっていますし,東レ時代のJ-Plusなのでちょっとさみしいですが,実用品として考えればPlusに戻すのもありでしょう。
まだまだ続きます。