ワンダースワン復活の道~その2
- 2024/12/13 14:55
- カテゴリー:マニアックなおはなし, make:
ワンダースワン復活計画,まずはスワンクリスタルの復活に成功しました。過去最大級の盛大な液漏れによる基板の破損に絶望的なレベルのビネガーシンドロームによるLCDの損傷という致命傷からの復活です。
これはうれしいですよ。ワンダースワンシリーズの最も完成度の高い機種であり,無改造品では最も実用性が高く,そのせいもあって最も高価な値段で取引されているものですので,これが復活出来たというのは,液晶の劣化(ビネガーシンドローム)が避けられないものであるスワンクリスタルとしては,非常に意味のあることだと思います。
と大きな事を言ってますがやったことは実に簡単で,基板についてはジャンク品の基板を移植,LCDについては劣化した偏光フィルムを貼り替えただけです。
まず基板。これはもう偶然としか言えなくて,使用感ありありで傷だらけの,動作未確認のジャンク品を手に入れました。価格は8000円くらいだったと思います。ちょっと高いなと思いましたが,LCDの程度もそんなに悪くなさそうだったので,どっちも使えたら儲けものだとさっさと購入しました。
数日後に届いたものを確認したところ,わずかな電池の液漏れがあったみたいですが基板は無傷,幸い正常に動作しました。ジャンク品ということで動作しない場合は面倒だと思っていましたが,それでも修復できるだろうと思っていたところ,正常に動作してなによりでした。
さて次はLCDです。このジャンク品についてきたLCDも,真ん中に少し膨らみがあり,色も全体に黄色くなっているのですが,目障りなほどではありません。十分にゲームを楽しむ事が出来る状態だと思いますが,せっかくですしビネガーシンドロームで完全に死んでしまった私のスワンクリスタルのLCDを復活させてみます。
この場合,なにより難しのは,新しい偏光フィルムを手に入れる事で,10年前なら絶望的だったでしょう。
しかし今は世界の工場,中国から誰も簡単に部品を手に入れる事の出来る時代です。円安かつ,中国の経済力が上がったとは言え,それでも小分けされたものを安価に手に入れる事が出来る状況は非常にありがたく,私もなにかとお世話になっています。
最大の問題は,その種類があまりに膨大であることです。これほど多いと何を買っていいやら,何が適合するやら,さっぱりわかりません。検索するのも一苦労なら,検索後に絞り込むのも至難の業です。めぼしい物が見つかっても試すわけにはいきませんし,気軽に返品できるわけでもないので目利きが重要という事になるでしょう。
私の場合,LCDにそんなに詳しいわけではないのですが,とにかく情報を集めてスワンクリスタルの反射型TFTに適合しそうな偏光フィルムをいくつか選び,一か八かで購入して試すことにしました。
aliexpressは安いし品数も膨大,しかしも最近は早いし信頼性も高いという事ですでに当たり前になった感がありますが,もう一度同じ物を買おうと思っても売っていなかったり,以前購入した業者があっという間になくなっていたりするので,まさに一期一会。リサイクルショップで掘り出し物をつり上げるくらいの気分で買い物をすることになります。
なので,例えば「これが使えたよ」というありがたい情報を入手しても,その通りの物を入手することはほぼ不可能です。仮に手に入ることがあっても値段が大きく変わっていることも多くて,実質的に入手出来ないことも多いですし。
しかし,有益な情報であることは変わりません。それを手がかりにあれこれ探ったところ,いけそうなものを2つほど選んで購入,価格もピンキリなので出来るだけ安いところを選んで購入しました。
最近は本当にaliexpressも早くなった物で,1週間かからない場合もあります。小さな物でもロストせずきちんとポストにはいているのを見ると,ここまで多くの人の手にわたって海を越えここまでやって来たんだなあと,しみじみ思ったりします。
さて,どの偏光フィルムを買ったのかですが,あいにく私もわからなくなってしまいました。スワンクリスタル用と書かれたものを買って,結果的にこれが一番マッチしたわけですが,それがどういう商品名だったか,どのお店で買ったかはもうわかりません。
で,届いた偏光フィルムを早速試してみようと,古い偏光フィルムを剥がしたLCDを繋いで動作させ,新しい偏光フィルムを上に重ねてみました。
しかし,残念な事に全く表示が出てきません。裏返しても,クルクル回してもだめです。
うーん,やっぱりそんな簡単な話ではないなあと心底がっかりしたのですが,晩ご飯を食べてから,ふと保護フィルム(というか糊のある面の剥離シート)を剥がしてみたらどうだろうと思い立ち,試してみたら綺麗に表示が出ました。
すごいですね,まさにあのスワンクリスタルの画面が復活です。感動しました。
確かに位相差フィルムを使って表示を出しているとは思いますが,まさか保護フィルムも位相差を作り出しているとは思いませんでした。保護フィルムを剥がすと正しい位相差になるというのが理屈だと思いますが,これはさすがに事前にはわからないですよね。
ということで,適当なサイズに切り出してLCDに貼りますが,糊のついた偏光フィルムはホコリが入ったり気泡が残ったりとなかなか難しく,悉皆するとやり直しが利かないので,実は私は1度失敗しました。2回目は綺麗に貼れたので良かったのですが,ちょっともったいないことをしました。
ところで,リスク回避という事でゲームボーイアドバンス用の偏光フィルムも買ったのですが,こちらも同じように保護フィルムを剥がすとスワンクリスタルでも綺麗に表示が出ました。ただ,よくよく見ると少し色が異なっていて,スワンクリスタル用として購入した物に比べて,黒が青みがかってしまいます。
おそらくですが,縦位置と横位置に合わせて,位相差を調整して色味を合わせているんだろうと思いますが,オリジナルのスワンクリスタルと比較して,黒がしっかり出ているものが近い方を選んで貼りました。
貼った物を早速動作させましたが,スワンクリスタルを初めて起動したときの感動が甦りました。ジャンク品についてきたギリギリ使えるオリジナルのLCDと比べてみましたが,地色の透明度が高く,発色も素晴らしいです。オリジナルは20年以上経過しているので,地色が黄色くなっていますし,透明度も下がっているのでコントラストも低く,色も良くありません。
見ていて惚れ惚れしてしまい,しばらくGUNPEY EXを夢中で遊んでしまいました。
ということで,まずは1台,スワンクリスタルが復活しました。これでとりあえずワンダースワンのソフトをプレイできる実機を1台確保できたので一安心です。
ちなみに,今回入手した偏光フィルムは,ワンダースワンカラーのFSTNカラーLCDの偏光フィルムとしても使えそうです。きちんと試したわけではないのですが,簡単に試したところネガポジ反転もなく,正しい色で表示が出来るとことまでは確かめました。ただ,オリジナルに比べて発色やコントラスト,明るさが十分かどうかは自信はありません。
もともと見にくいLCDでしたので,偏光フィルムを交換したくらいで実用レベルに達するとも思えませんから,これはもう深追いする予定はありません。IPS化する予定ですし。
それからやはりビネガーシンドロームでLCDが死んだモノクロの初代ワンダースワンですが,これもFSTNの白黒LCDがオリジナルで,巷でよく見るTN用の偏光フィルムによる緑/青のなんちゃって修理ではだめだと,なにか良い方法はないものかと考えていました。
もしかして今回のTFT用の偏光フィルムが使えたりしないかなと期待したのですが,これは全くダメでした。位相差フィルムを通した,白/黒モードの表示こそ,初代ワンダースワンのこだわりの1つで,安易に緑/青で修理出来たことにはしたくはないのですが,これを実現出来る偏光フィルムの入手がもう絶望的で,実はもう諦めかけています。
多くの修理例のように緑/青でいいか・・・なんて日和りつつあります。
さてさて,今回甦ったスワンクリスタルはうちのリファレンス機としてオリジナルの状態を保つ動態保存機の位置付けです。実用機はあくまでワンダースワンカラーのIPS改造品であり,これは割ってしまったLCDが届いてから作業開始です。
気長に続きます。