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ミノルタオートコードがまた壊れて,そして復活させた話


 コロナ禍という言葉が日本の社会に根を下ろして1年。

 この1年で変化したことも変化していないこともありますし,それら1つ1つに対して思う事感じる事も人それぞれだと思いますが,もともと出不精で人が苦手だった引きこもり体質の私にとって,まさか家に引き籠もることを正負が推奨する時が来るとは思っておらず,ある程度の不自由は受け入れるか,と割り切って生活を続けています。

 コロナのせいで直接間接に変化することに対応することが,家にいて変化を感じにくい生活ゆえに難しい事も感じています。いつの間にやら電車が減っていた,いつの間にやらお店が潰れていたなど,それまでの生活で当たり前だった事や物が失われていくのは,理由が理由だけに恐ろしい気がします。

 閑話休題。

 その,ちょうどコロナが騒がれる少し前に手に入れた私にとって初めてとなる中判カメラ,ミノルタオートコードは,私の写真の楽しさに全く別の物を追加してくれた,豊かな写真体験を提供してくれたのでした。

 そのオートコードが,またも壊れてしまいました。

 少し前から1秒が遅くなって1.5秒くらいになっていることは気が付いていました。ただ,動かないわけではないですし,もうあんな地獄を味わうのはゴメンだと逃げていたのです。

 しかし,状況は叙情に悪化,レンズを上に向けるとシャッターが切れなくなるという問題が出始めたと思ったら,とうとうどんな向きでもシャッターが閉じなくなってしまいました。これはもう放置出来ません。

 問題は1/2秒や1秒と言ったスローで発生しているので,状況からスローガバナーの問題です。上手くすればガバナーのメンテだけで済むかも知れません。

 ということで,ちょっと時間を作って分解です。とはいえ,出来るだけ影響範囲を小さくしたいので,無闇に分解することはしません。

 とりあえずシャッターを開腹。ガバナーをとりだして指で動かして見ますが,なるほど動きが渋いです。どうやら,油ぎれのようです。

 そう,ベンジンにつけ込んでガバナーを清掃したのですが,その後の注油がちょっと不足していたようです。ベンジンで薄めた油を注油したのですが,薄めすぎかも知れません。

 特にガンギの部分に,少し濃い油を爪楊枝でちょいちょいと塗りつけてやると,実に軽快に動き出しました。これならいけそうです。

 ここまでの分解なら高速側のシャッター速度に影響はないだろうし,フォーカスの無限遠の確認もファインダーのテストも必要ありません。分解と注油,組み立てにかかった時間はわずか30分です。

 翌日シャッター速度の測定を行ってみました。

1 970ms
1/2 512ms
1/5 194ms
1/10 118ms
1/25 40.4ms
1/50 23.6ms
1/100 13.7ms
1/200 7.0ms
1/400 5.16ms

 低速側は漢文に復調したという感じです。ただし,1/400秒と1/200秒は絶望的で,これはもはや使えないと言っていいでしょう。原因はシャッターの劣化でなければ,おそらく注油不足じゃないかと思います。

 こうなると気になって夜も眠れません。分解し,シャッターを動かす機構に注油を行っていきます。羽根に回り込みそうな場所に注油することは怖いのでしなかったため,おそらく性能回復は限定的な物になるでしょう。

 結果は以下の様な感じです。

1 940ms
1/2 484ms
1/5 194ms
1/10 105ms
1/25 40.4ms
1/50 21.2ms
1/100 13.8ms
1/200 5.08ms
1/400 4.44ms

 おお,良いじゃないですか。1/5秒,1/10秒,1/25秒,1/50秒,1/200秒など,ほぼジャストといっていいでしょう。1/400秒が遅いのは残念ですが,これもまあこの程度の分解で済ませた結果なら,立派なもんです。

 せっかくですのでレンズの中玉を清掃(ゴミだらけでした),これでいけると組み立てて,張り皮まで貼ってから,そう言えばとセルフタイマーをテストしたら,これがNGでした。ヨレヨレになりながらもどうにか戻って行くセルフタイマーですが,最後にシャッターを蹴飛ばしません。

 私は久々にくずおれました。

 しかし,このまま放置できません。再度分解,セルフタイマーを確認しますが,どうもグラグラになっているので固定したネジの緩みと判断。

 はて,そのネジとやらはどこにあったんかいの,と探してみますが見当たりません。これはきっとシャッターユニットの裏側だろうと,意を決してシャッターを本体かrあ取り外します。

 この時点で,無限遠出しは必要になり,自動的にファインダーのテストも必須となりました。

 シャッターユニットの裏側を見ても,それらしいネジはありません。きっと更に分解しないといけないんだと,あやふやな記憶をたどって裏側のネジを4つ外しました。

 すると,バラバラとシャッターが分解し,目の前にはバラバラになったシャッター羽根が出てきました。

 ああ,やってしまいました。そういえば,このネジを外すとシャッターの羽根を組み直さないといけないんでした。忘れていましたよ・・・

 この段階で,かつて徹夜をした地獄のシャッター組み立て作業が必要となり,しかも高速側のシャッター速度出しも必要になりました。

 1/400秒は調整出来るものではなく,出たとこ勝負なので,永遠に出ないかも知れません。なんと言うことをしたんでしょうね。

 激しく後悔しながらも,ほっとくわけにいかんので,作業開始です。

 まずはセルフタイマーです。これ,思い出したのですが,ネジで留まっているのではなく,シャフトに差し込んで固定するタイプでした。ネジが見あたらなのも道理です。

 で,せっかくですのでとりだして確認すると,どうも油ぎれでガンギの部分が渋いです。結局スローガバナーと同じことが起きているのでした。

 一応ベンジンで清掃して,濃いめの油を注油し,スムーズに動くようになりました。

 次に最大の難関,シャッターの組み立てです。2度失敗しましたが,これは案外簡単に作業が終わりました。ただ,シャッターを閉めるバネが外れて閉まっていることに気が付かず,後になってパニックになりました。

 続けてスローガバナーの組み付けです。ここがなかなか上手くいかず困りました。取り付けたのはいいが,シャッターが閉まりません。原因は前述のバネの外れでした。バネを引っかけるのにガバナーを再度外して,それからまた取り付けます。

 上手くいったかに思えたのですが,また1/10秒が上手く動作しないという頻発しました。スローガバナーが正常な位置に取り付けられないと,1/10秒でガンギ車が空回りして,/100秒くらいでシャッターがしまってしまうのです。

 この段階で翌日に持ち越したのですが,翌日は作業がスムーズに進み,1/10秒も万全になりました。ここでシャッター速度をチェックしますが,概ね許せる範囲です。

 後はシャッターユニットを本体に組み付けて,フォーカスと平行度を確認,その後ファインダーのテストを行って作業終了。正直もうダメかと思いましたが,なんとかなりました。

 最終的なシャッター速度は,こんな感じです。

1 890ms
1/2 452ms
1/5 174ms
1/10 89.0ms
1/25 35.6ms
1/50 19.6ms
1/100 12.1ms
1/200 4.64ms
1/400 3.84ms

 1/400秒がダメなこと,そしてスローが速いことは気になりますが,常用域では良く揃っていると思います。一番調子が良かった頃の速度が,

1 920ms
1/2 484ms
1/5 194ms
1/10 98.0ms
1/25 36.9ms
1/50 19.2ms
1/100 12.2ms
1/200 4.00ms
1/400 2.92ms

 でしたので,これに比べると今ひとつなわけですが,速い速度は経年変化で遅くなるでしょうし,まあいいことにします。

 それより,1/10秒が結構大きめにばらつくことがわかりました。速いときでは78ms,遅いときでは110msくらいになります。特に-20%というのは厳しいなあという感じなのですが,ここにこだわってしまうと本当に壊してしまうので,あきらめました。

 そして,作業中に油が付いたボディの内面を手直しです。当初つや消し黒を塗ったのですが,どうもうまく艶が消えず,ベンジンで拭き取って1mm厚のモルトを貼りました。どんなもんんかは,試写の結果を見てみないといけません。

 とまあ,こんなわけで,シャッターの音は確実に良くなりました。レンズも綺麗にしましたし,フォーカスもばちっと出ていることを確認し,ファインダーも掃除してテストしています。

 結果オーライ,気持ちよく安心して使えるミノルタオートコードになりました。
ちょうどフジのPRO400Hをまとめ買いした所なのですが,その前にお気に入りのイルフォードのFP5を通して見たいと思います。

 不思議と新しい二眼レフを買おうと言う気が起きないのは,やっぱりこのミノルタオートコードが気に入っているからだと思います。あとどれくらい使えるか分かりませんが,治して動く間はなんとか使っていこうと思います。

 

PC-1401のRAMを12kByteに

 入手の段階で,すでにかなり使い込まれていて使い潰すことに決めたポケコンのPC-1401ですが,入手時の2007年12月の段階で,RAMを標準の4kBから10kBへ拡張してあります。

 しかし,フリーエリアは増えず,4kBのままでした。

 PC-1401は&3800から$3FFFまでの2kBと,&4000から&47FFまでの2kBの合計4kBです。それぞれ別チップ(6116)で,このアドレスでデコードされたCEがCPUから出てきます。&3800から&3FFFまでがF05,&4000から&47FFまでがF04のようです。

 このうち1つの6116を64kbitのSRAMに置き換えるのですが,腐るほどある256kBitを64kbitの代わり使うことにし,トータル10kBを狙った改造を当時行っています。

 しかしあいにくBASICのフリーエリアは4kBのまま増える事はなく,その後も問題の解決には至っていませんでした。

 当時の資料が見当たらなかったので実機を見て確認したのですが,6116はF04に,MB84256はF05に繋がっていました。そしてMB84256にはA11とA12がちゃんと配線されており,8kBをアクセス可能なようになっています。結果としてPC-1402と同じ回路になっているということです。

 メモリマップから考えるに,F04は1401と1402に共通の2kBである&4000から&47FFまで,F05は&2000から&3FFFまでの8kBがデコードされているようです。

 これだと,6116がF05に実装された場合,本来のメモリ&3800のイメージが&2800にも見えるはずで,当時の文献(I/Oです)を調べてみると,やはり&2000と&2800と&3000にイメージが出ていると言うことが書かれていました。なるほど。

 同様に,&5000から&57FFが&4000から$47FFまでのイメージになっているということで,それならF04の領域もフルデコードしてやれば夢の16kB実装になるんじゃないかとワクワクしたんですが,PC-1401はワークエリアが&46A0から&47FFまで置かれており,BASICのエリアは&45CFまでと決められていたのでした。

 あとでわかったことですが,どうやらF04は&4800から&4FFFまでと&5800から&5FFFまではデコードしておらず,Lowになりません。なんでそうしたのかわかりませんが,&4800移行にはメモリは存在しないことになっており,不用意に外部メモリへのアクセスが発生しないように,しっかり作ってあるという事かも知れません。

 それでも,&4800から&4FFFと&5800から&5FFFまでを除いた,&5000から&57FFまでの2kBがマシン語エリアとしても利用出来るなら,それはそれでかなり便利になると思います。(モニタを置いたり後述のBASICエリア拡張プログラムを置いたりすればBASICのフリーエリアを圧迫しません)

 とりあえず,現在の10kBのになっている状態をもう少しきちんと確かめていきます。まず&2000に実メモリがある事を確認します。&3000とは別の値が書き込めているのでこれは間違いなさそうです。

 したがって,私のPC-1401は&2000から&3FFFまでの8kBと,&4000から&47FFまでの2kBのトータル10kBというのが,結論です。

 しかし,MEMで返ってくる値が3534と,メモリ拡張改造前と変化しないのはどうしてかといえば,それはBASIC格納エリアを示すアドレスを示したワークエリアを見ればわかるはずです。

 PC-1401のBASICのスタートアドレスは&46E1から2バイト,エンドアドレスは&46E3から2バイトで格納されています。リセット直後の状態ではスタートアドレスは&3800,エンドアドレスは&3801となっています。

 これはメモリの拡張を行っても同じです。だからBASICのエリアが増えないんですね。スタートアドレスを&2000としてNEWとすれば,MEMは9678と返ってきて,見事にBASICのエリアが増えるのです。

 しかし,PC-1401は電源を切ると&3800に戻ってしまう仕様のため,&2000から置いたBASICのリストが電源を切ると見えなくなってしまうと言う事態に見舞われます。&2000に戻してやれば復活しますが,いちいち手動でやるのは面倒ですし,エンドアドレスも電源を切る前にメモしておかないといけないので大変です。うっかり忘れるとプログラムが戻せなくなってしまいますしね。

 そこで,久々のマシン語でBASICエリアを拡張するプログラムを作ってみました。プログラムを&2000から置いてCALL&2000とすれば,&201AをBASICのスタートアドレスとし,BASICのプログラムの終わりである&FFをサーチして,そのアドレスをエンドアドレスに設定してくれます。

2000 03 20 02 1A 01 01 13 02
2080 84 0A 82 10 46 E1 1B 24
2010 67 FF 29 04 10 46 E3 84
2018 1B 37

以下はアセンブルリストですが,ハンドアセンブルですのでアセンブラにはかからないと思います。

ORG $2000;
LIB $20 03 20 ;Start Address H
LIA $20 02 1A ;Start Address L
LIJ $01 01 01
LIQ $02 13 02
LP $04 84
MVB 0A ;XL<-A, XH<-B

LP $02 82
LIDP $46E1 10 46 E1
EXBD 1B ;$46E1<->A,B

loop:
IXL 24
CPIA $FF 67 FF
JRNZM loop 29 04
LIDP $46E3 10 46 E3
LP $04 84
EXBD 1B ;&46E3<->X
RTN 37

 使い方ですが,まず&2000から&45CFまでのRAMが存在するよう,改造が済んでいることが先です。もちろん,プログラム中のStart Addressを書き換えればどんなエリアもBASICの格納エリアに出来ますが,せっかくですので10kBのメモリ拡張を行っておいて下さい。

 リセット直後だけのおまじないで,POKE&201A,255,255として,空っぽのBASICエリアを&201Aから作っておいて下さい。

 その後CALL&2000とすれば,BASICのスタートエリアは&201Aに設定され,MEMの結果も9652になってくれます。以後は電源を入れる度にCALL&2000とすれば,書き込んだBASICもちゃんと復活してくれます。

 このプログラム,久々にマシン語を書いたと言うことで,とても楽しいものでした。白状するとPC-1200系のCPUできちんとマシン語のプログラムを書いた経験はなく,今回はレジスタの確認から始めて,ニーモニックの詳細までを見る事になりました。

 なんと言いますが,直交性が低いというのはこういうことを言うんだなあと痛感しました。特に,レジスタの値をRAMに書くと言うことが,なかなか出来ないのです。RAMの値をレジスタに書くことは出来るのですが,その逆の命令はなく,交換ならあるという感じです。交換だとレジスタが壊れてしまうので,他のレジスタに保存する必要があったりするのですが,そういうことをやっているとどんどんコードが増えていきます。

 Z80という直交性がそれ程良くないというCPUに慣れている私が思うくらいですから,68000のようなCPUに慣れた人だと,もう無理だと投げ出してしまうんじゃないでしょうか。

 直交性の悪さというのは,やりたいことが出来ないというストレスを生みます。それは,命令がないのか,どういうことが出来ないのかを記憶しておかなくてはさっとプログラムが書けないという事なので,習熟に時間がかかるという事も意味しています。

 つまり,ポケコンのCPUは「難しい」CPUだと言うことです。

 ただ,この制限があることで,マシン語のプログラミングはまるでパズルを解くかのような楽しさがあります。動くようにするまでに1度,そしてそれを最適化するのにもう一度,楽しさを味わえるんですね。

 おかげで,久々に徹夜をしました。楽しくてね・・・

 だからこのプログラム,結構短く書けていると思います。白状すると後半は「ポケコンマシン語入門」の記事からもらってきたのですが,それ以外は結構真面目に書いています。まあ,コアの部分をパクっているわけで,これをオリジナルというのは両親が許しません・・・

 ということで,改造から13年の時を経て,ようやくBASICのフリーエリアを拡大しました。

 次のテーマは,&4800から&5FFFまでの6kBを使えるようにすることです。前述のように,この部分にBASICのプログラムを置くことは出来ないので,MEMの返値を大きくすることは出来ないでしょう。

 しかし,現在メモリ拡張プログラムを&2000から置いているせいで,26バイトBASICのエリアが狭くなっています。これが気に入りません。&4800からこのプログラムを置けば(こんなこともあろうかとリロケータブルです),&2000からのエリアを潰しません。

 のみならず,マシン語モニタを置けばさらに便利になります。考えようによっては,BASICインタプリタから完全に保護されたマシン語領域を別途作る事が出来るという事です。他の機種のユーザーは,マシン語エリアをわざわざCLEAR文で確保していますが,そうなるとBASICのフリーエリアも小さくなってしまうわけで,むしろすっきりメモリを分けられることになるので,好ましいとも言えます。

 新たに&4800から&5FFFまでのメモリを配置する方法ですが,一番楽なのはF04エリアにある6116を84256に置き換えてしまうことです。

 でも,それでは今ひとつ芸がありません。そこで,先日PC-1245を18kBにした改造と同じように,256kBitのSRAMを有効活用し,ワンチップで16kBにしてみましょう。

 改造そのものは簡単で,6116を1つ取り外し,A13まできちんと繋ぎます。そしてF04とF05のORをとってCEを作り,F04かF05のどちらかをA14に突っ込みます。これで前半16kBをF04に,後半16kBをF05に割り当てることが出来ました。

 改造が済んだら正常に動作することを確認して,POKEで&4800と&5000,&5800などがちゃんと読み書きできるかどうかを確かめます。

 ところがここで問題発生。&5000から&57FFまでは問題なく読み書き出来ているのですが,&4800から&4FFFと&5800から&5FFFまでが書き込めないのです。きっとF04がこのアドレスのアクセスでデコードされておらず,出力が出ないせいだろうと考えて,それならデコーダを外部回路で作るまでだと意気込んでみましたが,あいにくA15がCPUから出てきていないことが判明しました。

 A15が出ていないなんてそんな馬鹿な,と思ったのですが,PC-1401の回路図ではA15は出ておらず,代わりに&8000から&FFFFまでに配置された外部ROMのCSが出ています。

 なんだ,&8000から&FFFFまでのCSってことは,つまりA15の反転だよなと,ここを使うことを考えました。デコーダはHC139を使って,A13が0,A14が1,A15が0の時にLowになるような回路を作りました。

 A14とA15の反転(ROMのCS)をHC139のAとBに,A13をGに入れます。そして出力のY3を84256のCEに繋ぐわけです。これで&4000から&5FFFまでがデコード出来るはずです。

 あれ,このCEって正論理だったのかもなあと,Y3ではなくY2につなぎ替えます。しかし結果は同じです。

 いろいろ理由を考えてみました。動かない理由を考えるというのは後ろ向きで嫌なもんですし,所詮は推測なので,他の理由で動かないのかも知れません。

 まず,PC-1250シリーズやPC-1400シリーズのSRAMは,OEがGNDに固定されています。ということは,積極的な出力の制御を行っていないのですから,CEを動かす前にリードなのかライトなのかを決めて,リードならアドレスを,ライトならアドレスとデータをCPUがバスに乗せておく必要があるわけです。

 つまり,アドレスを乗せただけではデータバスに出力が出てこないようにしないと,ライトの時にデータバスが衝突することになります。そう,F04というCPUからのCE信号には,OEも含まれているという事です。

 これを私のやったように,単にアドレスをデコードしただけだと,アドレスが出てきただけでデータバスに出力が乗ってしまいます。アドレスとデータとR/Wが一斉に動くなら話は別ですが,そういうタイミングは許されていないのでアドレスを先に乗せているなら,ライトをしようとデータをCPUが乗せてしまうとRAMもデータを吐き出しているという事になり,衝突が起こります。

 こうなると正常な書き込みなど出来るはずもなく,起動しないという事ではないかと思います。推測と勝手な前提による考察に過ぎず,波形を見て確かめてはいないのですが,可能性は高いでしょう。

 ということで,SRAMのCEにはOEもデコードしないといけないと考えたわけですが,OEがCPUから出てきていないため,ここで終了。結局&4000から&47FFと$5000から&57FFまでの4KBを選択するF04をそのまま使うことで手を打ちました。

 &4000から&47FFまではすでに実装済みでしたので,増えたのは&5000から&57FFまでのたった2KBに過ぎません。

 されど2KB。ここにBASICのスタートアドレスを書き換えるプログラムを置いてやれば&2000から&47FFまでがスカッとBASICのフリーエリアになり,9678バイトというPC-1402と同じ容量になりますし,さらにモニタを置いてやればフリーエリアを邪魔せず読み書きできるようになります。それでもまだおつりが来るほどの自由空間です。

 ということで,まずは先程のプログラムを改造です。BASICのスタートアドレスを&2000に修正し,&5000から書き込みます。POKE&2000,255,255としてCALL&5000としてNEWすれば,MEMの結果はちゃんと9678バイトと返ってきます。もちろんBASICの読み書きもバッチリです。

 以下は改造後に,クロスアセンブラを使って実際にアセンブルしたlstファイルです。

00001:5000 ORG $5000
00002:5000 START $5000
00003:5000
00004:5000 0320 LIB $20 ;Start Address H
00005:5002 0200 LIA $00 ;Start Address L
00006:5004 0101 LIJ $01
00007:5006 1302 LIQ $02
00008:5008 84 LP $04
00009:5009 0A MVB ;XL<-A, XH<-B
00010:500A
00011:500A 82 LP $02
00012:500B 1046E1 LIDP $46E1
00013:500E 1B EXBD ;$46E1<->A,B
00014:500F
00015:500F loop:
00016:500F 24 IXL
00017:5010 67FF CPIA $FF
00018:5012 2904 JRNZM loop
00019:5014 1046E3 LIDP $46E3
00020:5017 84 LP $04
00021:5018 1B EXBD ;&46E3<->X
00022:5019 37 RTN

 ダンプリストはこんな感じです。&5000から置いてください。

5000 : 03 20 02 00 01 01 13 02 : 3C
5008 : 84 0A 82 10 46 E1 1B 24 : 86
5010 : 67 FF 29 04 10 46 E3 84 : 50
5018 : 1B 37 : 52


 続けて,ポケコンの本からPC-1401用のリロケータブルなモニタを探してきます。アドレスが固定されていたり,BASICのプログラムが必要なモニタは却下です。

 ちょっと長いプログラムしか見つからなかったのですが,それは問題なし。&5100からさっさと入力してCALL&5100とすれば,モニタが起動します。

 これで,&5000から&57FFまで,BASICやワークエリアとは完全に切り離されたフリーエリアを持つPC-1401が完成し,ここにモニタやマシン語のプログラムを置くことが出来るようになりました。使い勝手は上々です。

 もうちょっと頭をひねれば,もしかしたら&4800から&5FFFまでの6KBが自由に使えたかも知れませんが,マシン語のフリーエリアが2KBから6KBになったところで,今の私に出来る事は限られていますから,もうこれでいいことにしましょう。


 しかし,今レトロPCブームが来ているとはいえ,ポケコンこんな風に使って遊んでいる人はいないでしょう。PC-1245,PC-1251,PC-1211のLCDが復活したことがきっかけになっていますが,改めて手帳サイズですぐ起動,マシン語で遊べてそこそこメモリもあるというコンピュータがいつも手元にあるというのは,頼もしいというか楽しいというか,いいもんだなと思いました。

 

 

PC-1255とPC-1211も復活,PC-1245は18kバイトのRAMに

20210126143034.jpg

 PC-1251とPC-1211のLCDが,アメリカからようやく届きました。

 PC-1245のヘビーユーザーだった私にとって,上位機種であるPC-1250系は高嶺の花で,あまり思い入れもありません。

 しかし,PC-1245はPC-1250の廉価版ですから,オリジナルのPC-1250系を買わないわけには行かないと,CE-125を買うついでに手に入れました。

 表示桁数が24桁であることはメリットと思いましたが,リザーブキーをユーザー定義しないといけない事,文字が大きいことがどうも慣れませんでした。

 PC-1255相当にメモリを増設してあるのですが,あまり使う事なくLCDが死んでしまいました。

 PC-1211は,PC-1200シリーズの源流ですので,これもやはり使ってみたかったということで手に入れたものです。PC-1210も手に入れたのですが,CE-121とCE-122も持っているので,先にCE-121と一緒に手に入れて,あとからCE-122が欲しくて買ったら付いてきた,と言う感じでしょう。

 独特の黄色いLCDと高級感のある外観,この頃のシャープの関数電卓のテイスト満載のなかなか綺麗なデザインですが,2つの4ビットCPUに仕事を分担させて,よっこいしょとBASICが走っている姿はけなげで,実用マシンではないのですが,なぜか手元に置いておきたくなります。

 しかしこれもLCDが死んでしまいました。

 この2つの機種は,私にとっては実用マシンではありません。コレクションの1つに過ぎないのですが,それゆえLCDの復活は非常にうれしいことで,互換LCDを作って頒布してくれた方には,頭が上がりません。

 昨日カリフォルニアからはるばる届き,早速交換作業ですが,どっちもちょっと苦労しました。

 PC-1251は,これはメモリがメイン基板にないので,通電しながらLCDが綺麗に表示される場所を探り,固定するという技が使えません。この方法は下手をすると壊れるのでお奨めしませんが,導電ゴムに付着したゴミや位置ずれ,フレームをきつく締め過ぎたなどのトラブルを回避するにはとても良い方法です。

 PC-1245はこの方法が有効に使えたのですが,PC-1251はROMもRAMも別基板です。しかもこれを接続しているのは別の導電ゴムです。基板をフレームにきちんと固定しなければ,起動してくれません。

 どうしたものかと思案していたのですが,とりあえず電源を入れてみたところ,どうもCPU内蔵のROMまでは起動しているらしいです。BUSYが点灯していますし,コントラストを最大にすればLCDの導通までは確かめられそうです。

 幸いにして一発で位置決めが出来,フレームの爪を曲げて固定します。あとは磨いて組み立てて修理完了です。

 しかしこのLCD,先日のPC-1245のものとは違って,低い電圧で動くもののようです。コントラスト最大では文字色が黒から青に変わるほどです。あまり電圧を上げると劣化しますので,ここはコントラストを出来るだけ下げて,文字が黒くなるところで使わなければなりません。

 次にPC-1211です。PC-1211は以前LCDを外して修理を試みた時にバラバラにして,そのままになっています。しかもLCDを紛失している(すでにすてたかも)ので,PC-1210から外さねばなりません。

 PC-1210を分解し,LCDをフレームごと取り外します。フレームからLCDを外すにはドライヤーで暖めるのが一番です。

 ここでも電源を入れながらLCDの位置決めをするのですが,悪いことに全く表示が出てきません。おかしいなともう1つのPC-1210で試すと,こちらは表示が出てきます。

 PC-1211の基板が壊れているという事なので,良く確認してみると,コントラスト調整用の半固定抵抗がなくなっていました。こりゃダメです。

 PC-1210から移植しようとするも,ペイントでがっちり固定されているので,簡単には外れません。無理に外そうとして壊してしまいました。

 値はちょっと珍しい250kΩです。手持ちがなかったので500kΩをとりあえず取り付けておきました。

 これでLCDが表示されるようになったので,位置決めして固定。上手くいきました。

 しかし,バラして5年ほども放置していましたので,もう組み立て方を覚えていません。バネを付け忘れる,電池端子をなくしているなど,何度も組み立ててばらしてを繰り返して,どうにか組み立てが完了しました。

 完成したPC-1211をちょっと触ってみたのですが,やっぱり遅いのは困ったものです。処理速度もそうなのですが,起動時間がかかるというのは不便です。

 LCDは電池残量表示まで再現された完成度の高いものですが,色が緑色で,オリジナルの黄色とはかなり違います。それならPC-1212のようにグレーにしておいても良かったんじゃないかと思ったのですが,それでもPC-1210と1211の個性は,あのLCDの色にありましたから,これはこれで良いとしましょう。

 ということで,うちのポケコンはすべて甦りました。

 PiOやI/Oに掲載された殺人的に長いダンプリストも,OCRによって楽に入力できる世の中です。エミュレータで楽しむのもよいですが,やはり実機には実機の面白さがあります。簡単な回路,素人にも修理や改造が出来る実装レベルと,長く使えるマシンだとも思います。(LCDが復活するまではそうも言えなかったですが)

 なにより,この小ささでフルキーボードにテンキーまで持ち,BASICが走るというのが面白いのですが,すでに過去の遺物になっていることが残念でなりません。

(追記)
 すっかり忘れていたのですが,もっとも程度の良い別のPC-1211を片付けてありました。最初からこれをLCDの交換機にすればよかったと思ったのですが,よく見るとキズも多いですし,まあいいか。

 でこの別個体,コントラスト調整用の半固定抵抗がちゃんと実装されていて,しかもペイントが緩めだったので外せそうでした。そこで壊さないように外して,LCDを交換した個体に取り付ける事にしました。

 慌てたのは,LCDを交換した個体を分解したら,ボリュームの厚みのせいでキーボード基板にぶちあたり,メイン基板がねじれてしまっていたのです。これはまずい。すぐに交換することにします。

 念のため,外した500kΩの半固定抵抗の抵抗値を測定するとなんと380kΩ。これ,オリジナルのボリュームである250kΩの調整範囲を超えていますよね。LCDを交換するとコントラスト電圧の仕様も大きく変わってしまうようです。

 とりあえず交換してみますが,やはりLCDが黒くなります。最適な濃度にするには調整範囲が足りません。そこで基板上の100kΩを330kΩに交換しました。交換前はトータルで480kΩだったので,このくらいの値に調整範囲が入ってくればよいでしょう。でもギリギリなので,もう少し大きめの値を入れておけば良かったかなあ。


・おまけ PC-1245の18kByte改造

 むかしのI/Oを見ていたら,PC-1245を18kByteにする改造が出ていました。拡張RAMのCSに,A13をフルデコードしたRAMをあてがってやると,0xa000のイメージにみえる0x8000が独立したエリアになるというやつです。

 手持ちに腐るほど256kbitのSRAMがありますので,中学生の時に改造して以来ずっとそこにあったuPD4364Gとその下のHM6116を取り外し,富士通のMB84256をハンダ付けしました。

 FO3とFO4の2つのCSはANDをとり1つのCSにまとめ,FO4をA13にくっつければ完成です。これでメモリはめでたく17870バイトになりました。

 BASICのスタートアドレスはこれまでの0xa000から0x8000になりましたし,メモリチェックもパスしたので問題なさそうです。あるエミュレータの開発者が0x8000からのエリアは0xa000のイメージでないとBASICが入力出来ないと行ってらっしゃいましたが,うちでは少なくともそういうことは起こっていません。

 

ScanSnapを買い換えた

  • 2021/01/25 10:57
  • カテゴリー:散財

 

 本と雑誌が大好きな人に共通の悩みというのが置き場所です。対象がコミックを含む人は特にそうですが,そうでない私のような人でも置き場所は深刻な問題です。

 そんな人たちを救い出したのが,電子化です。文書のスキャンに特化したドキュメントスキャナと,PDFというプラットフォームに依存しないファイルフォーマットがデファクトになったこと,そして十分な解像度を扱うに足るCPUパワーとメモリ,そしてストレージが現実的なものとなったことが,本の電子化を一気に庶民に引き寄せてくれました。

 それまでは,実体を失う事はすなわち内容を失う事だったわけですが,電子化によって実体と内容が分離され,実体を残さねばならないもののみの場所を確保すれば良くなったことで,新しい本や雑誌をさらに蓄えることが出来るようになったのです。

 ドキュメントスキャナの定番,ScanSnapを最初に導入したのが2007年でした。この時の機種はS500でしたが,良くなったとは言えまだまだ使いこなしの難しい機種でした。

 30万枚を越えたあたりでix500に買い換えたのが2013年。6年も使ったS500はもうヨレヨレでした。

そして2021年,新しいScnanSnapが発表になったことをきっかけに,ix1400という新機種に買い換えました。

 ix500は7年半ほど使いましたから,S500よりも長く使っています。スキャンした枚数は322321枚と少しだけ多いのですが,もはや大した差ではないですね。

 しかし,S500がボロボロだったのに対し,ix500はまだまだ全然大丈夫です。消耗品も長持ちするので,交換は1回だけ,それでも特に不調はなく,画質,紙送り共に問題は感じません。

 これまでに壊れたのはUSB3.0のコネクタが割れてしまったことで,これはコネクタだけ買ってきて交換しました。筐体は割れたり傷が付いたりしていますが,性能面で問題となるものはなにもありません。

 もうしばらく使おうと思っていたのに,なぜ買い換えることにしたのか・・・

 今回の新製品は,それまで全部入りの1機種だけだったものが,WiFiの有無とソフトウェアのライセンスの数の差で,上位機種であるix1600と下位機種のix1400に分かれたのです。

 従来機種と同じスペックが欲しい人にとっては1万円の値上げ,それらが必要なかった人にとっては1万円の値下げになります。

 私は後者なので安くなったことに喜んでいたのですが,ありがたいのはスキャン性能に差がないことです。WiFiを使うこともなく,私だけが使う我が家では,ix1400こそ最適なモデルなわけです。

 メカものは初物に手を出すと痛い目に遭いますから,少し値下がりするころに様子を見て買おうと思っていたのですが,そんな私の心を見透かしたように,PFUから登録ユーザー向けの優待販売の案内が届きました。

 価格を書くとちょっとまずそうなので今は書きませんが,S500もix500も37000円くらいで買っていた私にとっても,最安値となる値段でした。

 ix500の後継品が安くなったわけではなく,機能を削減した下位機種が安いだけなので別に得な話ではないのですが,使わない機能を削除してこの価格になっているならとてもうれしいお話です。

 ix500はまだまだ使えますが,購入後7年以上も経過していること,性能が劇的に上がっていること(毎分25枚から毎分40枚),使い慣れたScanSnapMAnagerが今後も使用出来るようになった事,そして今後もスキャンすることが続くことを考えて,買い換えることにしました。

 購入手続きは1月19日,発売日である1月21日に届きました。シリアル番号は1000に満たず,製造も昨年11月となかなか初々しいですねえ。

 さて開梱して動かしてみましょう。ix500からix1400につなぎ替えただけでは認識せず,ScanSnapmanagerをアップデートする必要がありました。

 しかし,ix1400専用と言うことではなく,これまでにインストールされていたScanSnapからのアップデートで問題なくix1400を認識してくれるので,環境も含めて完全に移行できました。

 早速雑誌を1冊スキャンしてみます。

 うーん,確かに速い。紙がにゅーっと出てくる感じから,がっと飛び出してくるような印象です。これで給装も問題なく,もちろん画質も従来通りというのなら,素晴らしいです。

 ただ,速さというのは慣れしまうとそれが普通になるものなので,4冊程度の雑誌をどのくらいの時間でスキャンできるかというトータルの時間で考えたいところです。

 ところが,スキャン2枚目にして縦筋が発生。ix500でも発生しますし,それはScanSnapの宿命なので文句はないのですが,縦筋軽減機能を謳っているのに,ix500と同じ程度の能力なんじゃ,ないも同然です。これはいきなりがっかりでした。

 もう1つ,画質の差です。これは良し悪しではないのですが,ix500と比べると結構なさがあります。まず色合いです。ix1400の方が青っぽくスキャンされるようです。これはix500の結果と比べるとはっきりとした差で,個人的にはix500が好みでした。

 もう1つはモアレです。カラー印刷の網点で,ix1400はモアレが出てしまいました。ix500では発生しないのでix1400での画質の差となるわけですが,これはなかなか判断が難しいです。

 一般にモアレが出るというのは,解像度が高くなったことが要因となるからで,ix500よりもix1400の方が光学的な解像度が上がっているということでしょう。

 あるいは,ix500が経年変化でボケているのかも知れませんが,どちらにしてもモアレという結果で目に付いてしまうことを,どう割り切るか結論を出さねばなりません。

 ix500の画質は,画像のキレも色合いもよく,気に入っていました。モアレも出ることが少なかったので,スキャン結果についての疑問はなにもなかったのです。

 対してix1400はキレは問題ないですが色は青っぽく,モアレの発生もあります。果たしてix500を置き換えて良い物かどうか,ちょっと迷います。結果の質が良いのですが,i500との差が結構あるのです。

 とはいえ,速度がこれだけ上がり,画像そのものも悪いものではないなら,置き換えないという選択肢はありません。ix500はまだ使えますから,もう少し手元に置いておき,ix1400への全面移行を徐々に進めるようにしたいと思います。

 印刷物が減っていること,いわゆる自炊ブームが去ってしまったことで,ドキュメントスキャナの今後は明るくありません。一方でテレワークの浸透でドキュメントスキャナへの需要は高まったという話もあり,いずれにせよドキュメントスキャナがハードもソフトも最新のもので居続けられるのは,そんなに長くはないように思います。

 少なくとも私は,10年前と同じだけの雑誌を定期的に購入してほぼすべてをスキャンしていますし,本も相変わらず買っていますから,なにも変わっていませんし,今後も急に変わることはないでしょう。

 S500とix500あわせて60万枚以上の紙が電子化され,処分されました。

 長く生きるということは,こうやって澱が溜まることなのかも,知れません。

PC-1245の奇跡の復活

20210117160658.jpg

 ある日,PC-1245などLCDに持病を抱えるポケコンの現状が気になり,google先生に尋ねてみました。

 すると,なんとPC-1250系に互換LCDを作った人がアメリカにいて,その人から購入したLCDでPC-1251を復活させた人の話が飛び込んで来ました。

 いやー,とうとうこういう人が現れましたか。交換するしか修理の手立てがないLCDの問題を,こうして根本的に解決するというのはなかなか出来ない事ですが,昨今のレトロPCブームのおかげで個人ではなく会社やお店がやってくれるんじゃないかと,ちょっとだけ期待してはいました。

でも,まさか個人でやってるとは。

 考えてみれば,LCDのカスタムメイドは初期費用も大きいですが,1回で製造される数が膨大です。1つ1000円で作れたとしても,最低3000個とかいわれたら,それだけで300万円ですからね,ポケコンの修理代として300万円はあまりに非現実です。

 ですが,昨今中国でLCDを作ることが当たり前になりました。初期費用も数万円程度,単価も100円とか200円とか,そんなもんで,数も少なくて済むケースがあると思います。仮に1000個で作ってもらえたら,30万円ほどで作れちゃうんじゃないでしょうか。

 そしてそのLCDを欲しい人に3000円くらいで買ってもらえて,そんな人が100人もいれば元は取れてしまいます。中国でLCDが作れることが,これだけ物事を変えていくと言うことでしょう。

 このアメリカの方はPC-1250系だけではなく,PC-1210系のLCDも復刻させています。価格は良心的な$17程度で,送料を入れても悔しくない価格です。

 私はPC-1251とPC-1211を持っていて,どちらもLCDが死んでいるので迷わず注文しました。

 そして,ついでにPC-1245のLCDも同じように作っている人がいるかもと思って調べてみたのですが,そうするとなんと,日本の方が作ってくれていました。昨年あたりから一部の人の間で話題になっていたようで,私は乗り遅れていたような感じです。

 あわてて注文をします。価格は5500円と結構高価ですが,修理代として出せない金額ではありませんし,なにより自分では出来ない事をやってくれているのでから,そこは感謝です。

 4つまでの購入制限があるので,我が家の3台のPC-1245に予備を1枚でなんとかギリギリ。金額的にも厳しいので4つだけ買うことで辛抱しましょう。

 さすがに日本だけって数日で到着。うれしくてその日のうちに交換作業を敢行しました。

(1)MC-2200

 いきなりこれか,という声が聞こえてきそうですが,そう,セイコーにOEM供給されたPC-1245である,MC-2200です。

 同じ大きさ,同じキーボード配列ですが,真っ黒なボディカラーにクリーム色と真っ赤なキーがアクセントになった,なかなか格好いいマシンです。PC-1245のLCDが左にオフセットしているのに対し,MC-2200は中央に配置されています。

 実物を目にした人が少ないということでなかなか貴重なマシンとして扱われているようなのですが,これもPC-1245と同様にLCDが劣化しますので,完動品はほぼ絶滅でしょう。

 私はLCDが死んだものを安く入手してありました。もしかするとLCDを復活させる方法が見つかるかも知れない,もしかするとLCDだけ生きている壊れたPC-1245が手に入るかもしれないと,入手しておいたのです。

 それがこうして役に立ちました。

 湿気を吸っているため,基板にゆがみが出ていますが,慎重に作業を進め,復活しました。最初の交換作業ということもあり,上手く表示が出ずに何度かやり直す羽目になりましたが,最終的には上手くいきました。

 MC-2200がちゃんと動いているなんて,夢を見ているようです。


(2)PC-1245

 2台目は,私が中学生の時に買ってもらったPC-1245,そのものです。10代の私は常にこれを鞄に入れていました。中学でも高校でも大学でも,いつもこれが私の計算機能を担っていました。

 処分価格で出ていたものをねだって買ってもらったのですが,これがこんなに長年の友となるとはその頃思っていませんでした。

 面白がって改造し,RAMは10.2kBまで増設してあります。これも若気の至りと言いますか,結構乱暴な改造をしてあったりしますし,使っているSRAMもよく分からずに選んでいた感じもあって,恥ずかしいものです。

 社会人になって日頃の仕事にも活躍してくれていましたが,10年ほど前からLCDが黒ずみ始め,現在は真っ黒になってしまいました。少しずつLCDが見えなくなるのを見るのは辛く,不治の病に冒されて朽ちてゆく長年の友をなんとかしようとするも,交換以外に方法がないという現実を受け入れ,同じ大きさで同じように使えるPC-1246を主力機にするという決断をしたのでした。

 それがまたこうして,甦ります。感激です。

 で,会社に置いてあるPC-1246は,気分だけでもPC-1245を継承したいと,PC-1245オリジナルのゴムキーを,PC-1245が持つプラスチック製のキートップのキーボードに交換してしまいました。

 手元のPC-1245は確かに中学生の頃から使うPC-1245に間違いはないのですが,キーボードだけはPC-1246のものに交換されてしまっています。

 いずれPC-1246は会社から取り返してくるとして,先にこのPC-1245のLCDを交換しましょう。

 MC-2200で困った点を注意して,作業を進めます。

 古いLCDをフレームから取り外すのが難しいのですが,私はアセトンなどの溶剤を使わず,ドライヤーで熱を加えて外しました。この時,腕時計の裏蓋を外す工具をLCDの表面からフレームに差し込み,少しずつ隙間を広げていくと上手く外れます。

 裏側からこじるとガラスが割れてしまいますので,無理はしない方が安全です。

 ゼブラゴムは同じ場所,同じ面を使わずにローテーションすると上手くいきます。それから汚れを綺麗にアルコールで拭き取らないと,表示が書けたりリークで余計なドットが表示されたりします。特にLCD側に接触する面にゴミがあると,簡単に表示不良になりますので注意が必要です。

 それから偏光板です。オリジナルはLCDの表面に偏光フィルムが貼り付けられておらず,偏光板が鉄のフレームの上から重ねられています。しかし今回のLCDは偏光フィルムが最初から貼り付けられているので,オリジナルの偏光板は必要がなくなります。

 もちろんあっても表示は出るのですが,暗くなるので外さないといけません。そうすると偏光板の厚みだけ薄くなりますので,LCDの表面を覆うプラスチックの透明カバー(風防と言います)がガタガタします。でも,それはそれで大した問題はないのでOKとします。

 そして,組み込みの際には,電源を入れて動かしながら行います。鉄製のフレームから出ている爪は基板の穴に差し込んで裏側で折り返すわけですが,先にすべての爪を曲げてしまわず,左側から表示を確認しながら1つずつ曲げていくのです。

 爪をさらにきちんと曲げて強く固定し,交換完了。最終組み立てを行って電源を入れますが,起動しません。あちゃー,壊してしまいました。

 ああ友よ,さっきまで君は元気に動いていたじゃないか。

 なのにリセットをかけてもBUSYと出るばかり。

 なにせ私にとっては特別な1台ですから,急遽修理を始める事にします。まずは電源とリセットですが,これは大丈夫。ならばクロックを確認しないととオシロスコープの電源を入れて確認をすると,これも大丈夫です。

 バスのアクセスはどうなっているかと確認すると,これはリセット解除後からずっとパタパタ動いており,少なくともCPUやROMが死んだというわけではなさそうです。

 概ね,基板,それもスルーホールやパターンが切れたんだろうと今度はテスターでパターンを追います。回路図を見ながらCPUとROMとRAM, そしてLCDCのデータバスとアドレスバスを見ていきます。

 すると,一部データバスがショートしているのがわかりました。これは面倒くさいです。バスのショートはハンダのブリッジが主な原因ですが,どこでブリッジしているかは目で追いかけるしかないからです。

 それでも見つからないと,今度はICの不良の可能性を疑うことになりますが,その段階で修理を終わらせるのはかなり困難になってしまうことが確定です。

 バスのショートは,どういう訳だか2本ではなく3本のショートであることがわかりました。そして偶然,LCDのフレームともショートしていることがわかったのです。

 取り付け中までは正常動作していたのですから,問題が起きたのはその後,つまり爪を曲げ直ししたところで起きたのでしょう。強く曲げすぎたせいで鉄製のフレームが基板のどこかに接触してしまったのかも知れません。

 そこで爪を少し起こして緩めてやると,今度は無事に起動しました。あー,よかった。

 同じような失敗をしないように慎重に最終組み立てを行って完成。今度はちゃんと動きます。
13歳の私が初めてにしたモバイルマシン。私の計算能力のほぼすべてと記憶の一部を担った真のポケットに入る小型コンピュータがここに復活です。


(3)PC-1245

 PC-1245は特別なマシンですので予備機を1つ,機会があるときに購入してありました。程度は良く,綺麗な状態で手に入ったので無改造のままです。部品取りになるか,置き換えになるかはわかりませんでしたが,もう1つあるという安心感こそが重要でした。

 これがやはり,LCDの劣化という不可避の病を発病してしていました。

 分解と交換作業は手慣れたもので,手際よく進みます。爪を曲げすぎると暴走するという問題もそのまま再現し,爪を起こして正常動作をするようにしてから最終組み立てを完了です。

 この個体は常用しませんので電池は入れないのですが,少し使ってみると程度の良かった昔のPC-1245を思いだし,そういえば中学生の時の病院の待ち時間で,随分活躍してくれたなあと,懐かしい思い出が蘇ってきました。


 ということで,うちにあるすべてのPC-1245が復活しました。もう完全にあきらめていただけに,この喜びは大きく,こういうチャンスをくれたことに本当に感謝しています。

 期間限定であり,これを超える形での修理はもう二度と出来ないだろうと思うのですが,今回はうまくチャンスをつかまえることが出来ました。

 高価だとは思いましたが,5000円で修理出来ればありがたいくらいです。そして今後は,別の機種にも手を広げて下さるとうれしいのですが,PC-1245やPC-1250のような数の出たモデルではあなく,品種も増え,しかもそれぞれに異なるLCDを持つものばかりですので,難しいだろうと思います。

 私が持つLCDに持病を持つポケコンは,PC-1401,PC-1246です。どっちも不人気機種でしたし,LCDの交換をしてまで修理しようという熱意のある人はいないと思います。PC-1246はマシン語が走りませんから不人気と言うよりも悪者扱いでしたので,私は好きなマシンですがこれはもうこのままになってしまうでしょう。

 さて,次はアメリから届く予定のPC-1211とPC-1251です。まだ発送もされていませんし,海外から届くので時間もかかるでしょう。本命はPC-1251ですが,性能面で実用性の乏しいPC-1211も,実はあの独特の表示を見るのが楽しみです。



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