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ユーザー「gshoes」の検索結果は以下のとおりです。

ボスフリースプロケットの交換とハブのグリスアップ

 クロスバイクCOM-70Mのメンテの続き,今回はスプロケットとリアのハブです。

 まず,COM-70Mの後輪のギア,スプロケットは7段のボスフリーです。一方方向にしか回転しないラチェットをスプロケットに組み込んで,ホイールにスプロケットをねじ込んであるものをボスフリースプロケットというそうですが,安価なママチャリを含めてほとんどの自転車がこれだそうです。

 7段なら7つ,8段なら8つのギアはひとまとまりになっているので,ギア単位で外したり交換したりは出来ませんが,安価ですのでよく使われているんだそうです。

 で,これを外すにはボスフリースプロケット抜きという特殊工具が必要で,それも何種類かあるそうです。たぶんこれだろうと思うものを買っておいたのですが,既に届いている新品のシマノのMF-TZ510-7という安物に交換するのが今回の作戦です。

 リアのホイールを外し,自宅の玄関に持ち込みます。外で作業すると蚊に刺されるし近所の目もあるし,夜は作業できないしで困るものですから・・・

 このスプロケット抜きですが,スプロケットの中央部に差し込んでメガネレンチ(24mm)をかけて回そうとしても,力が斜めに入ってしまいスプロケットから外れてうまく力がかかりません。

 そこで先人達は,スプロケット抜きをスプロケットに差し込んだあとに,クイックリリースで締めてスプロケットから外れないようにするという知恵を授けてくれました。

 これで力が存分にかかるのですが,やっぱり固着してびくともしません。またもや自転車のメンテは体力勝負だと痛感させられたのですが,ここで新兵器登場です。

 ワコーズのラスペネです。錆びたり固着したネジを緩めるために生まれた潤滑剤で,556でダメでもこれなら外れるんだそうです。

 ほんまかいなと思っていたのですが,絶賛のレビューを試してみることにしました。どのみちボトムブラケットも固着していることですし,もう試せることはなんでも試してみます。

 これ吹きつけ30分ほど悪戦苦闘しました。インパクトドライバを使ったり足で蹴ってみたりといろいろやりましたが,最後があっけなく,普通に腕に体重をかけて押し下げると,スルっと緩んでくれました。ラスペネ恐るべし。

 こうして外してみると,子どもの頃からの疑問が少しずつほどけてきます。男の子はいくつになっても分解が大好きなんですよ。

 さて,このまま新しいスプロケットに交換してもいいんですが,せっかくですのでハブのグリスアップをしましょう。左右の車軸のナットにレンチをかけて回すと,左右どちらかのナットが緩みます。

 ナットを外したらコーンと呼ばれるベアリングを押さえる部品を車軸から抜き取ります。この時ホイールを寝かしておかないと,ベアリングがボロボロとこぼれてしまいますので要注意です。

 すぐに変形してしまうような柔なキャップを慎重に外してやると,ベアリングが顔を出します。今回は9つのボールが出てきました。グリスはまだ残っているようですが,真っ黒けです。

 ボールを取りだして清掃,続けてハブ側のカップ部分のグリスを拭い,清掃します。

 車軸を抜かないようにホイールを裏返してから,車軸を抜き,キャップを外して,同じように清掃です。

 終わったらシマノ純正のプレミアムグリスをカップに充填,洗ったばかりのベアリングを埋め込んでカバーを掛け,車軸と一緒にコーンを押し込みます。ここで片側の車軸からコーンを抜かなかったのは位置がずれてしまうことを避けるためです。

 終わったら裏返して同じようにグリスの充填,ベアリングをおいてキャップをします。今度はコーンを車軸にねじ込み,仮留めをします。そしてコーンを固定するナットを締めながら,コーンの位置を調整して,スムーズに回りつつガタが小さくなるような位置にして,ナットを締めて完成です。

 後で同じ要領でフロントのホイールのハブもグリスアップしたのですが,これでスムーズに転がるようになったはずです。

 ここまでで来たらいよいよスプロケットを取り付けます。正ネジですので右回りでいいのですが,ラチェットのおかげでスプロケットが空回りしますから,最後には先程のスプロケット抜きを使って締め込みます。

 この時,ハブとスプロケットの両側に薄くグリスを塗っておくのが良いそうです。

 さあ,これで完成です。別に作業を済ませておいたフロントと一緒に自転車に取り付けて問題がなければ次に進みましょう。楽しみですね。

コッタレスクランク抜きの話

 いきなりタイトルが専門用語で特殊工具の名前で恐縮ですが,1ヶ月前の私の記憶にも残っていなかった言葉なのに,ここで書いてみようと思ったにはそれなりの理由がありました。

 夏頃から自転車のメンテを続けている話は備忘録も兼ねてここにも書いているのですが,いじればいじるほどあちこち悪いところが目については,調べてみると案外自分でなんとかなりそうだったりするので,キリがない状態が続いています。

 これはもう素人を超えた領域だと割り切っても,部品も安く手に入り,作業もそんなに難しくないとわかれば手を出したくなるのが人情というもの。かくして我が家には交換用の部品が一山出来ている状態です。

 先日はチェーンを交換したわけですが,なにせどの部品も20年以上前のものです。無条件に交換が必要なものだと思っていますので,(技術的にも経済的にも気分的にも)気になるものはさっさと交換するに限ります。

 それに,ギア比については以前からずっと気になっていて,ちょっと低すぎて平坦な道で速度がのってきているときに,漕ぐ回数(ケイデンスというそうです)が多すぎて疲れていました。

 現状のギアの歯数を調べてみたところ,前は36,後ろは14から28でした。ギア比は一番軽いところで1.286,一番重いところで2.571とやはり低めです。一漕ぎで2.5回転ではそりゃ漕ぎまくりですよ。

 そこで,前のギアをもう少し歯数が多いものに交換することを考えました。COM70MのクランクはPCD110mmの5穴スパイダーですから,これに適合するギア(チェーンリングと言うそうです)を探します。

 amazonをみていると,シマノの46Tが2000円ほどで買えるのでこれを注文しました。チェーンカバーがなくてズボンの裾が汚れそうですが,カバーは追々考えましょう。チェーンの長さも変わるかも知れないので,ピンも予備を買っておきます。

 さて,これらの部品が届くまでに,とりあえずチェーンリングを外しておこうと,クランクに固定しているチェーンボルトを緩めて,チェーンリングとチェーンカバーを外してみることにしました。

 しかし1本だけボルトが固着していてなかなか外れず,これはもうクランクごと外してしまうのがいいんじゃないかと,クランクを外すことに方針変更です。

 ここで必ず必要になるのが,冒頭のコッタレスクランク抜き,なのです。

 多くの自転車はクランクの端っこに四角い穴があいていて,ここに軸が圧入されています。これを抜くのは簡単ではありません。簡単に抜けたら危ないですよね。

 そこで,クランクに切ってあるネジにはめ込み,四角い穴の内側から軸を別のネジで押し込んでクランクを軸から抜くという特殊工具を用意します。これをコッタレスクランク抜きといいます。

 「コッタレス」ってのがなにやら気になるわけですが,cotterとはくさびのことで,昔の自転車はくさびを打ち込んでクランクを固定していたそうです。これがいらない仕組みとして一般化したのがコッタレスクランクというもので,これを抜くのがコッタレスクランク抜きというわけです。

 ただ,このコッタレスクランク抜きは失敗がつきものらしく,クランクにこの工具をねじ込むのに失敗してネジ山を潰してしまえば,二度とクランクが抜けなくなります。

 なので,精度の高い信頼性のあるしっかりした工具を買う必要があるのですが,私は数年前(そう,リアディレイラーを交換したときです)に,こんなこともあるかもとシマノのTL-FC10を買ってありました。

 正直なところ買ったことすら忘れていて,工具箱に転がった見慣れない,一度も使ったことがない工具をみて,これなんだっけ?という感じだったわけですが,今回こんな所で出番が来るとは思ってませんでした。

 で,早速使ってみることにしたのですが,なんとクランクにねじ込めません。錆やゴミで回りにくいのかもと力を入れてねじ込むとポロッと外れて,ネジ山が削れていました。

 これはこのまま続けるとえらいことになると,反対側のクランクで試しますが同じです。他の自転車で試してみると,固いですが一応最後までねじ込むことが出来ますので,工具の不良ではなさそうです。

 仕方がないのでチェーンボルトを緩める作戦にもう一度トライ。なんとか外してチェーンリングとチェーンカバーを取り外しました。

 しかし,やっぱり気持ち悪いですよね。なので,amazonで安いコッタレスクランク抜きを買ってみました。シマノの工具で失敗したという話は皆無でしたので,ダメモトです。

 左がシマノのTL-FC10,右がamazonで買った安い奴です。

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 届いた翌日,早速安い工具で試してみました。確かに固いのですが,しっかりかかっている感じがするので,ネジを切る要領で進めて戻してを繰り返し少しずつ回し進めると,最後までねじ込むことが出来ました。これは意外な結果です。シマノの工具ではダメだったものが,amazonの安物で可能になりました。こういうことがいやだったので,高いけどシマノの工具を買ったんだけどなあ。

 このまま軸を押し出すネジを回して抜いてしまおうと考えたのですが,これが固くて回りません。あまり無理をすると工具やクランクを壊してしまいます。

 よく見ると,安い工具のネジの先端にはなにもついておらず,シマノの工具は先端に軽く回る分厚いワッシャのようなものがついていて,軽く回るようになっています。

 そこで安い工具を抜き,シマノの工具をはめ込んでみます。すると,一度工具がねじ込めたからでしょうが,あれほど入りにくかったシマノの工具もねじ込めるようになっているではありませんか。

 しっかりねじ込めたことを確認して,恐る恐る軸を抜くネジを回していくと,実に軽くまわって,やがてクランクがあっさり抜けてくれました。簡単すぎてびっくりです。

 反対側のクランクも同じように抜いて,難関だったクランク抜きが終わりました。同じ役割の特殊工具を2つも買わないといけなくなるとは思ってませんでしたが,シマノの工具だけではダメだったというのは,ちょっと意外な経験でした。

 シマノの工具は精度も高く,ネジの山も綺麗に整っています。一方,安い工具はガタも多く,ネジの山も単純です。おそらくですが,アルミ製のクランクのネジ山が錆びて窮屈になり,精度の高いシマノの工具でははまらず,精度の低い安い工具だからこそねじ込めたのでしょう。

 一度ねじ込めれば,ネジ山も綺麗に整いますので,これでシマノの工具もねじ込むことが出来たというわけです。まるでねじ切りのタップみたいです。

 さて,チェーンリングの交換作業を外したクランクで進めようと眺めていたら,やっぱりチェーンカバーが必要だよなあと言うことになり,改めてamazonを調べみました。2000円ほどでPCD110mmのカバーが見つかったのですが,3000円ちょっとでカバー付きのチェーンリングとクランクのセットがあるじゃありませんか。MTB用だとこんなに安いのですね。

 せっかくだからと,購入したのはシマノのFC-TY501の48Tの3段です。もともとCOM-70Mはフロントに変速がない自転車ですので,48Tのシングルとして変速なしでいいんじゃないかという発想です。

 一応確認してみると,どうも軸の方も適合する物に交換しないといけないらしいです。この軸の部分を,ボトムブラケットといいます。

 で,交換の評判がとにかく良いのが,このボトムブラケットという部品です。BBと略されることがあるほどメジャーでかつ最重要な部品の1つでです。

 ここが重要な事はわかりますが,回転数は車輪の方が何倍も多いわけで,そんなに乗り心地に影響はないだろうと思っていたのですが,どの人も交換後の乗り心地を絶賛しています。それに,漕いだときのゴリゴリという感触の原因は概ねこの部品の破損にあるそうで,言われてみれば私のCOM70Mもゴリゴリという感触があったりします。

 うーん,これを変えるにはどうすればいいのか・・・みんな気軽に交換してるし。

 調べてみると,またもや専用の工具が必要らしいです。BBツールと言うそうです。

 台湾製の品質の高そうなものが安くありましたのでこれを注文。しかし肝心のボトムブラケットは適合するBB-UN300(D-NL)というタイプが在庫切れで,すぐには手に入りません。

 手をすぐに動かせないフラストレーションから,amazonをダラダラみていると,せっかくだから,せっかくだからと,いろいろな計画が頭に浮かんできます。気が付いたら,フロントの変速を新規に取付てみるとか,ペダルがもう回らないくらいにゴリゴリいってるので真っ先に交換しないといけないのはこれだろうとか,実はすり減っているリアのギアを交換するとか,そもそもブレーキワイヤを一度も交換してないよなとか,フロントの変速レバーを取り付けるにはグリップを壊さないといけないなとか・・・

 調べてみるとどれもなんとかなりそうです。思いつきで部品を購入,翌日から着々と部品が届き,やがて山を作る事になるのでした。

 とまあ,先行してボトムブラケットを外しにかかりますが,固着してびくともしません。軸に工具をしっかり固定するために,M8のボルトを注文しました。ほんとキリがない・・・

 ボルトが届く間に,ペダルを外します。クランクも同時に交換するのですから,ペダルは外さなくてもいいんですが,ちょっと外してみたくなりました。ところがこれが一苦労です。モンキーレンチは分厚くて入らず,プライヤーは固着したネジに負けて変形してしまいました。

 仕方がないのでペダルスパナを注文。翌日に作業を続行するも,なかなか外れずもはや全身運動になりました。苦労の末なんとか外せましたが,再利用するわけでもないので外して終わりという,むなしい結果に終わっています。

 23年間ですからね,もうあちこち固着しているでしょう。すでにシートポストは固着していてサドルの高さは変えられなくなっていますし,毎度の交換作業の最初の難関が固着を緩めることにあるというのはなかなかしんどい話で,自転車屋さんを改めて尊敬しました。

 でもまあ,そこは知恵と工夫です。他人の物ではなく自分の自転車ですから,もうやりたい放題出来ますし,部品もそんなに高価ではありませんから,思い切って作業が出来ます。大きなプラモデルでも作っている感じで楽しいのですが,予想以上に体力が必要で,結構疲れることに後で気が付きます。やっぱ自転車屋さんってすごいです。

 さあ,ボトムブラケットが届いたらすべての部品が揃います。今回のメニューは,

・ボトムブラケット交換(BB-UN300 D-NL)
・クランクセット交換(FC-TY501)
・ペダル交換(三ヶ島)
・フロントディレイラー新設(FD-M310)
・スプロケット交換(MF-TZ510-7)
・前後ハブのグリスアップ
・ハンドルグリップ交換
・ブレーキワイヤ交換

 と盛りだくさんです。気長にコツコツ進めるのがよさそうですね。もはやレストアと言ってもいいような感じになってきました。

 これで3x7の変速で,ギア比は最高3.43,最小1.29と,ようやく今どきの自転車になり,坂道から平坦まで快適になるでしょう。走行に関係するボトムブラケットを交換しますし,ハブにグリスを充填しますので軽く回るようになるでしょうし,ペダルも思い切って評判のいい高級品を調達しましたから,走りは良くなるはずです。

 それから,前回散々苦労したグリップですが,薄いゴム製だったので早くもねちゃねちゃしてきましたし,手触りも良くありません。そこでちょっとお高いものを選びました。寒くなるこれから,グリップの感触が悪いと乗る気もなくなりますし。

 そういえばハンドルの高さも調整したいと思っていますが,必要かどうかも含めてもう少し検討が必要でしょう。

 それにしても,ですが,自転車の工具というのは特殊なものばかりで,自動車で使うものや一般的な大工道具では間に合わないと聞きました。そんなことあるかいな,と思っていたのですが,実際にメンテを続けてみて,つくづくその通りだと思うようになっています。

 プラスドライバーやメガネレンチはほぼ出番がなく,最も使う道具がアレンキーというのが最初の試練で,しかも8mmのアレンキーなんかあまりみませんから,ここでお手上げになったりします。

 もちろんそれ以外に,ペダルスパナ,コッタレスクランク抜き,BBツール,ボスフリースプロケット抜き,チェーンカッターなど,その時しか使わない工具も多数です。そんなに高価ではないのが救いですが,置き場所の問題もありますし,自転車屋さんの存在意義という物を痛感します。

 工具の難しさもありますが,屋外で使用され保管されるされる乗り物ですので,錆や固着も深刻で,その大きさや重さもあって,結局最後は体力勝負になります。

 いつだったか,自転車屋さんは長く続けられない商売だと聞いたことがあるのですが,その理由が腰痛でした。屈んで作業し,力仕事ですから腰を痛めることも多いらしく,しかも屋外での作業は体に応えるので,若いうちにやめざるを得なくなることが多いんだそうです。
 
 それでいて工賃は安いですし,肝心の自転車の販売は量販店はもちろん,スーパーでも,amazonでも買える世の中ゆえ,さっぱりでしょう。安い自転車を他で買われて,メンテだけ安い料金で請け負うというのでは,確かに割が合わないですよね。

 子どもの頃の私にとって,自分の体ほどもある乗り物を楽々分解し組み立てる自転車屋さんは,まさに魔法使いでした。見よう見まねでやってみては失敗し,どうやったら上手くいくのだろうかと思い続けていました。

 工具と部品が手に入り,ノウハウがネットに流れている今になって,その魔法使いになることの出来る時がやってきましたが,これを商売にすることがどれほど難しいか,やってみてわかるというものです。

 

自転車のチェーンを交換してみた

 自転車のチェーンを自分で外したり取り付けたりすることが出来ることを,私は子どもの時から羨ましく思っていました。特殊な工具を使わないメンテナンスや調整は見よう見まねでやってきましたが,チェーンはプロだけが触ることを許される聖域だと思っていました。

 自分でチェーンを付け外ししたいと思った事が何度もあったからそう思ったのでしょうが,自分でやった修理の代表がパンク修理やチューブの交換なわけで,その作業にチェーンを外す必要などなく,なんでそんなことを考えたのか良く思い出せません。

 思い出すのは,1970年代や80年代の一般的な自転車というのは,なにかとメンテがしにくい構造だったなあということです。ママチャリはチェーンカバーがチェーンを完全に覆い隠していてアクセス不能,ブレーキもドラムブレーキなので後輪がさっと外せず,パンクの修理も大変です。

 前輪にはダイナモがついていて,これも修理には(もちろん走行にも)邪魔でしたし,そういえば今や気休めにもならない鍵も前輪についていました。鍵を夜の草むらで落として泣いた覚えが何度もあります・・・

 同じくらいメンテの障害だったものが,部品と工具の入手性です。自転車は街の自転車屋に持っていくのが普通だった時代,部品も工具もそこにしかありません。自分でやってみたいと思う人にも,やむなくプロの世話になっていた人が多かったんじゃないでしょうか。

 そして現在,なんでも通販で買える時代です。工具も部品も自分で選んですぐ届く。しかも安いとくれば,もともと自分でやろうと思っていた人にとってこんなにうれしい話はありません。

 私も自分の自転車(購入後23年)と,電動アシスト自転車(購入後9年)をこの夏にメンテして乗れるようにしたわけですが,部品の入手も簡単になり,メンテの手順もWEBで調べることが出来てと,本当に面白い時代になったと思います。

 そして,ひととおりのメンテが終わったと思ったところに,ふとチェーンの交換を思いつきました。

 チェーンは消耗品です。摩耗するので1000から2000kmごとに交換しないといけませんし,そうでなくても劣化が進むので10年くらいで交換する必要があるものです。とはいえ,交換しなくても乗れますのでいちいち自転車屋に持っていくこともなく,私もこれまで一度も交換したことなどありません。

 しかし,ちょっと調べてみると実に簡単にできることがわかり,やってみようと思い立ったわけです。

 まずは工具から。チェーンカッターが必要な事は分かっていましたが,分かっていなかったのはこの工具についてでした。私はてっきり,大きなハサミのようなものを想像していたのですが,それは「鎖」を断ち切るもので,自転車やバイクの駆動力を伝えるチェーンを切る物とは違いました。

 amazonでチェーンカッターを調べてみると,1000円くらいで手のひらサイズのものがいくらでも見つかります。チェーンのピンを押し込んで抜いてしまうもののようです。

 こんな簡単な工具でいいのか?,チェーンってそんなもんで切れてしまったらかえって危ないんじゃないのか?と思ったのですが,競技用のものでも同じ仕組みのようですので,これでいいんでしょう。ということで,PWTというブランドのBT-15Rというチェーンカッターを選びました。1280円。安い。

 チェーンのピッチは今も昔も変わっておらず,種類も1つしかないみたいですが,変速機の多段化で,薄いものがあって,これは互換性がないと言うこともわかりました。

 チェーンを繋ぐことも実は簡単で,変速する自転車の場合はピンを押し込む,変速なしか内装のものはミッシングリンクという専用のコマをCリングのようなクリップで固定するだけ,とわかりました。なーんだ,簡単やないけ。

 ではプジョーのCOM70Mから交換してみましょう。チェーンはシマノの7段用の安い物を調達しました。CN-HG40というもので,リンク数は116。お値段1914円。一昔前は1000円ほどだったそうです。

 届いた新しいチェーンはとても綺麗で,しなやかです。こんなものがamazonで買えて数日で手元に届くなんて,もうなんでもありだなと思いました。

 作業は土曜日の昼前に始めました。まずチェーンカッターで古いチェーンを切ります。テンションが一番小さくなるようにディレイラーを一番重くなるところにセットしておきます。

 次にどれでもいいので適当なピンを自転車の外側から押し込むと簡単に抜けます。チェーンを抜けばおしまいです。

 抜いたチェーンと新しいチェーンのリンク数を同じにするため,新旧2本をリンクごとに並べていきます。長さで揃えてしまうと,古いチェーンが摩耗で伸びてしまっている可能性があるので禁止です。

 同じリンク数のところでチェーンカッターでチェーンを切ります。これで交換の準備は済みました。

 続けて自転車に取り付けます。ディレイラー周りがややこしいのですが,元のようにチェーンを取り回していきます。今回のチェーンには表と裏はありませんのでどちらでも大丈夫です。

 1周したらチェーンクリップでチェーンを引っかけで,新しいチェーンに付属していたピンを差し込んでおきます。

 最終確認を行ったら,そのピンをチェーンカッターで押し込んで完了。綺麗に変速が出来るかどうか確認して終了です。30分ほどで終わるはずです。とても簡単でした。

 Bikke2eのものは,和泉チエンという会社のタフガードを選びました。130リンクのものですが,日本製(というより大阪製)で安く評判もいいので選びました。1808円。

 余談ですが大阪は自転車産業の本場で,堺を中心に自転車やその関連の会社が大小問わずたくさんあります。

  Bikke2eもママチャリですので,面倒なチェーンカバーがついています。これをさっさと外して,チェーンを切るのですが,この時チェーンカッターはいりません。ミッシングリンクを見つけて,ラジオペンチでCリングを外せば簡単に切ることができます。

 忘れないようにチェーンの取り回しを覚えておいたら,先程と同じように新しいチェーンとリンク数をあわせてカットし,取り付けます。こちらも表と裏はありませんが,もともとミッシングリンクを裏から表に差し込んであったので,今回も同じように揃えておきました。

 1周回したら,新しいチェーンに付属していたミッシングリンクで繋ぎます。Cリングもついていますので,これもをラジオペンチ使ってはめ込みます。

 私の場合,ここで少し心配なことがあり,元のチェーンを同じリンク数にした(長さもほとんど同じだった)のに,短くて取り付けにとても苦労しました。それだけテンションがかかるようになっているんだろうと思いますが,最初はリンク数を間違えたか,取り回しを間違ったのかと焦りました。

 どちらも間違いないことを確認したので,力業でチェーンを繋いだのですが,チェーンクリップが強く引っ張られてしまい,少し変形してしまうほどでした。

 チェーンを繋いだ後,テンションをみてみましたが,元のテンションと同じ程度にかかっているし,テンショナーも伸びきっていません。まあこんなもんだろうということで試運転をして終了。こちらも40分ほどで終了しました。

 驚いたのは,どちらの自転車もとても軽くこぐことが出来るようになったことです。COM70Mも軽快ですし,Bikke2eもアシストがなくなったときに大きな差がありました。

 それもそのはず,古いチェーンをみてみると,古い油と錆で固まっていて,しなやかに曲がりません。Bikke2eのものは引っ張らないと関節が伸びてくれないほどです。これはダメだよなあ・・・

 ということで,どちらもチェーン1つでこれほど快適になりました。長距離を乗る人でなければ,2,3年で交換前後の違いはわかりにくいと思いますが,10年も交換していないなら,もう劇的に変わります。まして20年を超えた物はすぐにでも交換したい所です。

 気にしないといけないのは,9段以上の変速の場合にはチェーンが薄くなっていて,裏と表があるとういことと,リンク数を元のチェーンと同じにすることです。着るのも繋ぐのも簡単なのでそこは心配ないですが,取り回しにミスがあって,一度繋いだ物をやり直すことは出来ないので,慎重に,そして最終確認を怠らないことでしょうか。

 自転車さんにお願いしたことはないのですが,2台で4000円ほどで交換が出来たわけで,それでこれほど快適になりました。チェーンの交換は日常的な作業であることを私も認識しておきたいと思います。

 チェーンを交換出来るようになると,ギヤ比を変えることも出来るようになります。COM70Mについては全体に少し重くして速度が出るようにしたいのですが,フロントの歯数を増やすか,リアの歯数を減らせばよいことになります。どちらにしてもチェーンの長さが変わってくるので,今回の交換の経験が役に立つことでしょう。

 

RD-2000EXアップグレード

  • 2024/09/11 14:20
  • カテゴリー:散財

 先日,ローランドからRD-2000EXのアップグレードの割引クーポンがメールで送られてきました。75%引きですって。

 この話,少し説明が必要でしょう。

 まず,RD-2000という,今もって最高レベルのステージピアノが登場したのが2017年。あくまで名称についてですがRD-500を始祖とするRD-800から,RDの初代機であるRD-1000の正統後継者であることをアピールするその名前からわかるように,RD-1000を含む様々な電気/電子ピアノを網羅するだけではなく,モデリングよる高品位なアコースティックピアノまで搭載する,まさに究極の1台として登場しました。

 この時の価格は275000円だったそうで,およそ25万円程度という線でした。

 私が買ったのが2020年ですが,その後VPiano ExpansionのGerman Concertを追加しました。内蔵のピアノは確かにモデリングらしい音だったと思いますが,本当に欲しい音だったかと言えば微妙なところで,表現力がやや狭いなと感じ演奏していてあまり楽しくなかったことに加え,ちょっと発音が遅れてしまうという問題もあって,積極的に使わなくなっていました。

 ところがGerman Concertは素晴らしく,高音から低音,大音量から小音量まで大きく変化し,しかも変化もスムーズで,とても表現力の高いピアノでした。演奏して本当に楽しい音で,発音の遅れもある程度解消されていて,私はこれでようやく,アコースティックピアノの代わりになるんじゃないかと思いました。

 価格は安いところなら23000円ほどなのですが,私はもうちょっと高いところで買ったような気がします。Roland Cloudで買うとドルベースで買うことになるので為替相場に影響されるのですが,一部のライフタイムライセンスについては一般の楽器店で買うことも出来るので,この場合は円で買うことになり,為替相場に振り回されることもなく,ポイントがつくお店だと得をします。

 で,先日RD-2000の後継機であるRD-2000EXが登場しました。7年ぶりの新機種ですが,EXがつくだけというマイナーチェンジモデルで,価格も30万円越え。高くなったなあと思いますが,昨今の様々な物の値上がりを考えると仕方がないところもあります。

 新機能は,German Concerに加え,アップライトのモデリングであるEssential Uprightの標準搭載で,後者は別売りされていないので欲しければRD-2000EXに買い換えるしかないわけですが,RD-2000EXがRD-2000に150ドル程度で売られるVPiano Expansionが2つがついてきたと考えれば,そんなに値段も上がったことにならないのかも知れません。

 ただ,他の機能はなにも変化なし。一部違いがあるそうですが,ソフトだけで対応出来るような機能なので,ハードウェアに違いはないとみて良いでしょう。

 そんなことを考えていたら,まさかのRD-2000EXへのアップグレードの案内です。RD-2000にアップグレードをインストールすると,RD-2000EXに生まれ変わるこのキット,お値段は199ドルなので,RD-2000ユーザーがこの値段で最新機種になるというのは,うれしいサービスだと思います。

 私もアップグレードを考えたのですが,すでにGerman Pianoも買いましたし,アップライトピアノが欲しいわけでもなく,他の機能も変わっていないということで,今回は見送ることにしました。

 そんな中で届いたのが,前述の割引クーポンです。このクーポン,German Concertを買った人だけに配布されているものです。

 75%割引という事ですので,RD-2000EXアップグレードの代金200ドルからGerman Concertの価格である150ドルを割り引いた価格にしてくれるという事ですので,お買い得と言うよりも同じ物をダブって買わないようにという,購入者の救済措置です。

 なので,German Concertを先に買った人でも,RD-2000EXアップグレードを新たに行った人と同じ負担でRD-2000EXに出来るという事で,私としてはRD-2000EXにアップグレードすることへの抵抗が一気に下がりました。

 しかしこのクーポンはROland Cloud専用です。昨今の円安で50ドルが8000円になるわけで,ちょっと高いかなあとおもいつつ,せっかくですのでRD-2000EXにアップグレードしました。

 まず,German Pianoはこれまでのインストールしたものがそのまま引き継がれます。新たにインストールする必要はありません。バージョンも同じですので,違いはないものと思います。

 設定などもそのまま引き継がれるほどですので,通常のファームウェアアップデートと同じ手順でRD-2000EXにしたあと,Essential Uprightをインストールすれば終了です。

 さて,何が変わったかといえば・・・なにも変わりません。起動時のメッセージが違うことくらいで,LEDも変わりません(まぶしいのもそのまま)し,機能の追加もありません。音色の追加もない,デモ曲さえも変わっていないことには,心底拍子抜けしました。

 悪く言えば,これは通常のシステムアップデートレベルです。あたらしいExpansionを追加するために必要となったファームの変更を,新製品と共に有償で行うようになったと言う感じでしょう。

 価格の改定で一番波風が立たないのは,新機種にしてしまうことです。旧機種を廃番にして新製品を値上げすれば,誰も文句は言いません。RD-2000EXの場合発売から7年も経っていますから,むしろ妥当と言えるでしょう。

 Essential Uprightは,本当なら欲しい人だけ買えば済むものだったと思いますが,RD-2000EXを発売する時の新しい音色として内蔵することで,価格アップを緩和していると考えると,良心的だとも思います。

 そのEssential Uprightですが,笑ってしまうほどアップライトです。リアルであることはもちろんですが,相当高級なアップライトだと思いました。グランドピアノの鍵盤を再現した鍵盤に,構造の異なるアップライトをくっつけることにどれだけの違和感があるかと気になりましたが,思っていたほど問題を感じません。

 それよりアップライトは,これはこれで楽しいですね。きらびやかさはありませんが,グランドピアノと違った感触があります。ロックピアノの場合,ちょっとグランドピアノだと派手過ぎるので,アップライトを上手く使えば演奏の幅が広がるように思います。

 そんなわけで,合計200ドルでRD-2000EXになりました。うれしいのは今後のアップデート対象機種になったことで,これからも現行機種としてサポートされるという安心感です。機能よりもサポート料金と考えて,今回のアップグレードを考えてみるのも良いかもしれません。

 

夏休みの工作 - PC-6001のキーボードをUSBに! ~ QMK編

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 さて,PC-6001のキーボードをUSBで繋ぐ夏休みの工作,今回は完結編として実際にキーボードをUSBで繋いでみたいと思います。

 分解清掃はいってみれば(ノウハウはあるにせよ)誰でも気軽に出来る仕事です。しかし,USBで繋ぐにはハードとソフトの知識に加え,諦めないという熱意も不可欠だと思います。

 とまあ,気合いを入れて取り組んでみたところ,昨今の自作キーボードの流行を支える便利なシステムの存在がわかり,おかげさまでたった2日,実質2時間ほどで完成してしまいました。

 それはQMKといいます。アマチュアの自作は言うに及ばず,市販品にも使われるファームウェアで,主流だったAVRはもちろん,最近ではRaspberryPi Pico(RP2040)にも実装されていて,様々なMCUで動作します。

 主な機能はもちろん,かなり特殊な機能も実装済みであり,我々はキーボードごとに異なる差分をコンフィギュレーションしていってビルドすれば,信頼性の高いキーボードが完成します。面倒なUSB周りも実装済みなのがうれしいところです。

 以前ADBをUSBに変換する基板を作る時,ATmega32U4を搭載したProMicroを使いましたが,これも定番です。私も当初これを使ってPC-6001のキーボードを繋いでみようと画策しましたが,ちょっとGPIOの数がギリギリすぎ(ローとカラムで18本,LED用の1本が足りない)なので,手持ちのRaspberryPi Pico(以下RPi Pico)を使うことにしました。

 さてこのQMK,実は歴史あるシステムでユーザーも多いのですが,今なお頻繁に変更や修正が加えられている「生きている」システムで,根幹にかかわる部分に半年ごとに手が入るようなムムムな状況です。

 おかげで半年前の先人達のメモが役に立たなかったり,一部読み替えないといけなかったりします。特に私のようなCに慣れた人にとってjsonのデータ構造を見るのはなかなか苦しい物があり,今回はとても良い勉強になりました。

 まずはインストールからです。今回はMacを使ってみましょう。

 Homebrewでインストールしますので,

brew install qmk/qmk/qmk

 としましょう。続けて,

qmk setup

 としてセットアップを済ませてしまいます。これでホームディレクトリにqmkフォルダが作られます。試しに,

qmk compile -kb clueboard/66/rev3 -km default

 としてサンプルをコンパイルし,正しくセットアップが出来ているかどうか確かめておきます。

 ではいよいよ作業開始です。まずは新規のキーボードを設定します。

qmk new-keyboard

 いろいろ聞かれますので,今回の条件に合うように入力していきます。名前とかそんなのはどうでもいいのですが,大切なのはDefault Layoutでnone of the aboveを選ぶ事と,MCUにRP2040を選ぶ事です。

 こうして新規にプロジェクトを作ったら,~/qmk_firmware/keyboards/以下に,自分の命名したキーボードのフォルダが出来ており,この中にkeyboard.jsonとdefault/keymap.cが出来ているはずです。

 この2つを修正するのが今回の作業の中心です。なお,このファイルの構成は時期によって異なっているみたいで,config.hだった時代もあれば,info.jsonだった時代もあるようです。最新の状況は上記のようにkeybord.jsonとkeymap.cですが,これを解説した初心者向けのページはまだ引っかからないようでした。

 個人的には,近い将来keymap.cもcからjsonになるだろうと思うので,今回の情報もいつまで通用するかわかりません。

 では早速keyboard.jsonです。

{
    "manufacturer": "gshoes",
    "keyboard_name": "pc6001_rp2040",
    "maintainer": "gshoes",
    "bootloader": "rp2040",
    "diode_direction": "COL2ROW",
    "features": {
        "bootmagic": true,
        "command": false,
        "console": false,
        "extrakey": true,
        "mousekey": true,
        "nkro": true
    },
    "matrix_pins": {
        "cols": ["GP14","GP15","GP16","GP17","GP18","GP19","GP20","GP21"],
        "rows": ["GP0","GP1","GP2","GP3","GP4","GP5","GP6","GP7","GP8","GP9"]
    },
    "processor": "RP2040",
    "url": "",
    "usb": {
        "device_version": "1.0.0",
        "pid": "0x27DB",
        "vid": "0x16C0"
    },
    "indicators": {
        "caps_lock": "GP22",
        "on_state": 0
    },
    "layouts": {
        "LAYOUT": {
            "layout": [
                {"matrix": [0, 0], "x": 0, "y": 0},
                {"matrix": [0, 1], "x": 1, "y": 0},
                {"matrix": [0, 2], "x": 2, "y": 0},
                {"matrix": [0, 3], "x": 3, "y": 0},
                {"matrix": [0, 4], "x": 4, "y": 0},
                {"matrix": [0, 5], "x": 5, "y": 0},
                {"matrix": [0, 6], "x": 6, "y": 0},
                {"matrix": [0, 7], "x": 7, "y": 0},
                {"matrix": [1, 0], "x": 0, "y": 1},
                {"matrix": [1, 1], "x": 1, "y": 1},
                {"matrix": [1, 2], "x": 2, "y": 1},
                {"matrix": [1, 3], "x": 3, "y": 1},
                {"matrix": [1, 4], "x": 4, "y": 1},
                {"matrix": [1, 5], "x": 5, "y": 1},
                {"matrix": [1, 6], "x": 6, "y": 1},
                {"matrix": [1, 7], "x": 7, "y": 1},
                {"matrix": [2, 0], "x": 0, "y": 2},
                {"matrix": [2, 1], "x": 1, "y": 2},
                {"matrix": [2, 2], "x": 2, "y": 2},
                {"matrix": [2, 3], "x": 3, "y": 2},
                {"matrix": [2, 4], "x": 4, "y": 2},
                {"matrix": [2, 5], "x": 5, "y": 2},
                {"matrix": [2, 6], "x": 6, "y": 2},
                {"matrix": [2, 7], "x": 7, "y": 2},
                {"matrix": [3, 0], "x": 0, "y": 3},
                {"matrix": [3, 1], "x": 1, "y": 3},
                {"matrix": [3, 2], "x": 2, "y": 3},
                {"matrix": [3, 3], "x": 3, "y": 3},
                {"matrix": [3, 4], "x": 4, "y": 3},
                {"matrix": [3, 5], "x": 5, "y": 3},
                {"matrix": [3, 6], "x": 6, "y": 3},
                {"matrix": [3, 7], "x": 7, "y": 3},
                {"matrix": [4, 0], "x": 0, "y": 4},
                {"matrix": [4, 1], "x": 1, "y": 4},
                {"matrix": [4, 2], "x": 2, "y": 4},
                {"matrix": [4, 3], "x": 3, "y": 4},
                {"matrix": [4, 4], "x": 4, "y": 4},
                {"matrix": [4, 5], "x": 5, "y": 4},
                {"matrix": [4, 6], "x": 6, "y": 4},
                {"matrix": [4, 7], "x": 7, "y": 4},
                {"matrix": [5, 0], "x": 0, "y": 5},
                {"matrix": [5, 1], "x": 1, "y": 5},
                {"matrix": [5, 2], "x": 2, "y": 5},
                {"matrix": [5, 3], "x": 3, "y": 5},
                {"matrix": [5, 4], "x": 4, "y": 5},
                {"matrix": [5, 5], "x": 5, "y": 5},
                {"matrix": [5, 6], "x": 6, "y": 5},
                {"matrix": [5, 7], "x": 7, "y": 5},
                {"matrix": [6, 0], "x": 0, "y": 6},
                {"matrix": [6, 1], "x": 1, "y": 6},
                {"matrix": [6, 2], "x": 2, "y": 6},
                {"matrix": [6, 3], "x": 3, "y": 6},
                {"matrix": [6, 4], "x": 4, "y": 6},
                {"matrix": [6, 5], "x": 5, "y": 6},
                {"matrix": [6, 6], "x": 6, "y": 6},
                {"matrix": [6, 7], "x": 7, "y": 6},
                {"matrix": [7, 0], "x": 0, "y": 7},
                {"matrix": [7, 1], "x": 1, "y": 7},
                {"matrix": [7, 2], "x": 2, "y": 7},
                {"matrix": [7, 3], "x": 3, "y": 7},
                {"matrix": [7, 4], "x": 4, "y": 7},
                {"matrix": [7, 5], "x": 5, "y": 7},
                {"matrix": [7, 6], "x": 6, "y": 7},
                {"matrix": [7, 7], "x": 7, "y": 7},
                {"matrix": [8, 0], "x": 0, "y": 8},
                {"matrix": [8, 1], "x": 1, "y": 8},
                {"matrix": [8, 2], "x": 2, "y": 8},
                {"matrix": [8, 3], "x": 3, "y": 8},
                {"matrix": [8, 4], "x": 4, "y": 8},
                {"matrix": [8, 5], "x": 5, "y": 8},
                {"matrix": [8, 6], "x": 6, "y": 8},
                {"matrix": [8, 7], "x": 7, "y": 8},
                {"matrix": [9, 0], "x": 0, "y": 9},
                {"matrix": [9, 1], "x": 1, "y": 9},
                {"matrix": [9, 2], "x": 2, "y": 9},
                {"matrix": [9, 3], "x": 3, "y": 9},
                {"matrix": [9, 4], "x": 4, "y": 9},
                {"matrix": [9, 5], "x": 5, "y": 9},
                {"matrix": [9, 6], "x": 6, "y": 9},
                {"matrix": [9, 7], "x": 7, "y": 9}
            ]
        }
    }
}

 最初に用意されるサンプルコードは4x4のキーパッドのものですのであまり役には立たず,ちょこちょこと修正すればOKというほど甘い物ではありません。

 今回のようにフルキーボードの場合には自分で調べて記述する必要もあり,それがまた楽しい作業だったりしました。

 今回のポイントです。

(1)matrix_pins

 以前はマトリクスの大きさ(4x5とか)を先に指定する必要もあったようですが,今はマトリクスについてはこの記述だけで良いようです。

 ピンの指定にはそれぞれのMCUに指定された端子名を書く必要があるので,RP2040ならGPxxなどの番号を,ATmega32U4ならBxxやCxxという番号で記述します。

 ProMicroだと,基板のを端子名はATmega32U4の端子名と違っているので読み替えないといけないですから,結局回路図が必要だったりするのですが,RP2040の場合RPi Picoの基板に書かれている端子名がRP2040の端子名と一致しているのでそのまま書けば問題ありません。これは楽です。


(2)USBのpidとvid

 アマチュアの工作であれば誰もうるさいことを言わないと思いますが,今回私が使ったIDは条件付きながらアマチュアであれば無償で使っていい物ということで,ありがたく使わせて頂きました。


(3)LED

 LEDについては,jsonでのサンプルコードが見つからず,試行錯誤をしました。まずQMKにはCapsLockなどのLED制御の仕組みは含まれているので,使いますという宣言をするだけで動いてくれます。自分でコードを書く方法もありますが,そこまでする必要は薄いでしょう。

 書き方ですが,indicatorsのcaps_lockにLEDを割り当てた端子名を記述,そしてその論理をon_stateに書きます。負論理だったら0,正論理だったら1です。

 で,この0や1は文字ではなく数値扱いですので,""で囲んでしまったらエラーになります。

 後述しますが私はcaps_lockをかなキーに割り当てました。なぜならかなキーの横にあるLEDを点灯させたいと思ったからで,この記述でCapsLockがロックされるとLEDが点灯するようになりました。ちょっと感動しますよ。


(4)laouts

 ここはおまじないのような感じがします。用意したキーボードのマトリクスの構造を記述します。PC-6001の場合,Xが0から7までの8本,Yが0から9までの10本ですので,順番に書いていくだけです。


 次にkeymap.cです。

// Copyright 2023 QMK
// SPDX-License-Identifier: GPL-2.0-or-later

#include QMK_KEYBOARD_H
#include "keymap_japanese.h"

const uint16_t PROGMEM keymaps[][MATRIX_ROWS][MATRIX_COLS] = {

    [0] = LAYOUT(
    KC_NO  ,KC_LCTL,KC_LSFT,KC_LCMD,KC_NO  ,KC_NO  ,KC_NO  ,KC_NO  ,
    JP_1   ,JP_Q   ,JP_A   ,JP_Z   ,JP_K   ,JP_I   ,JP_8   ,JP_COMM,
    JP_2   ,JP_W   ,JP_S   ,JP_X   ,JP_L   ,JP_O   ,JP_9   ,JP_DOT ,
    JP_3   ,JP_E   ,JP_D   ,JP_C   ,JP_SCLN,JP_P   ,KC_F1  ,JP_SLSH,
    JP_4   ,JP_R   ,JP_F   ,JP_V   ,JP_QUOT,JP_AT  ,KC_F2  ,JP_UNDS,
    JP_5   ,JP_T   ,JP_G   ,JP_B   ,JP_RBRC,JP_LBRC,KC_F3  ,KC_SPC ,
    JP_6   ,JP_Y   ,JP_H   ,JP_N   ,JP_MINS,JP_CIRC,KC_F4  ,JP_0   ,
    JP_7   ,JP_U   ,JP_J   ,JP_M   ,KC_NO  ,JP_YEN ,KC_F5  ,KC_NO  ,
    KC_ENT ,KC_STOP,KC_UP  ,KC_DOWN,KC_RGHT,KC_LEFT,KC_TAB ,KC_ESC ,
    JP_CAPS,KC_INS ,KC_DEL ,KC_BSPC,KC_HOME,KC_NO ,KC_NO   ,KC_NO  
    )
};
 
 これは短いのですが,結構重要な記述があります。ファイル名の通りC言語の記述方法ですので,慣れている私は助かりました。

(1)include

 ライブラリやマクロの定義などを読み込ませる記述ですが,サンプルに含まれるQMK_KEYBOARD.Hはそのままに,keymap_japanose.hもincludeしておきます。

 というのは,PC-6001がJIS配列だからです。QMKは標準ではUS配列です。ですのでSHIFT+2では@ではなく"が出ます。さらに;や',[や]の位置も違いますので,これを上手くアサインするのは難しいです。

 私も最初はPC-6001をUS配列でキーをアサインしていたのですが,途中でどうにもならなくなり,調べたところ便利なJIS配列でのアサイン方法が見つかりました。

 通常,アサインにはKC_xxというコードで記述を行うのですが,JIS配列のキーについてはJP_xxで書けば良いです。もちろん,JISとUSで同じキー(例えばカーソルキーなど)はKC_xxのままで構いません。


(2)LAYOUT

 前述の通り,USはKC_xxで,JISはJP_xxでアサインを行っていきます。

 手持ちのPC-6001の資料からキーマトリクスは分かっていますし,コネクタの配列も回路図から判明していますので,その通りに入力していきます。

 これはノウハウというよ私の考え方なのですが,ファンクションキーは無理に拡張せず,F1からF5までとしました。PC-6001ではSHIFT+F1でF6と言う具合にF10まで扱えるようになっていたのですが,今回はそこまではやりませんでした。そもそもファンクションキーなんか使いませんし。

 また,かなキーはCapsLockキーに割り当てました。前述の通りLEDを使いたいからですが。使用頻度が低いので迷いもありました。しかし,PC-6001でもかなキーの使用頻度は低く,同じような物だと思えば気分良く割り切ることができました。

 BackspaceキーはPC-6001にはないキーなのでどこにアサインしようかと考えたところ,位置的にページ切り替えキーが良さそうだったので割り当てました。回っている矢印なので意味は違ってきますが,左向きの矢印も書かれているので良しとしましょう。

 HOME_CLRキーは該当するキーがありませんが,HOMEキーがあるので割り当てました。ほとんど使い道がありませんが,STOPキーに比べればまだましです。そのSTOPキーですが,なんとKC_STOPというキーがアサイン出来るので,割り当てました。Macはもちろん,Windowsでもこんなキーを見た事がないので,きっとザ実在しないキーなのでしょう。

 ただでさえ少ないキーなので使わないキーを割り当てるのはもったいないのですが,もともと実用を考えたキーボードではありませんので,オリジナルの機能を優先することにしました。

 さて最後にGRAPHキーです。グラフィックキャラクタを打ち込むためのキーですが,MacにもWindowsにもそんなものはありません。その上絶妙な位置にあります。ここはcommandキーに割り当てることにします

 WindowsならALTキーになるんだろうと思いますが,これでショートカットも日本語ON/OFFも思いのままです。

 修正が終わったら,以下でコンパイルしましょう。

qmk compile -kb pc6001 -km default

 コンパイルできたら書き込みです。RPi Picoにあるボタンを押しながらUSBを差し込むとフォルダがマウントされますが,これが書き込み可能な状態です。この状態で,

qmk flash -kb pc6001 -km default

 とすれば書き込みが出来ます。終わったら勝手にリセットがかかって今書いたファームが動き出しますので,早速テストしてみましょう。

 っと,その前にハードウェアですね。

 もともと電気屋さんなのに最近はハードウェアの組み立てよりも先にコードを用意するようになり,手を動かすのが億劫になっているんだなあと自覚することもあるのですが,今回は配線数こそ多いものの簡単なので,まずはブレッドボードで作ってみました。

 RPi Picoをブレッドボードにのせて,アサインした端子とキーボードから出ているコネクタを配線していきます。実は最初,コネクタに書かれている番号をそのまま信じて配線したのですが全く動かず,よく調べてみるとこの数字の並びは逆になっていた事が判明し,すべての配線を入れ換える羽目になりました。

 LEDについてはX8がかなキーのLEDでカソードが,X9が電源LED(ESCキーの上)のアノードで電源に,X10が電源LEDのカソードなので抵抗を介してGNDに落とします。

 X9はRPi Picoの3V3OUTに繋げば,キーボードがUSBで繋がった時点でLEDが点灯しますので,本物っぽいですよ。

 PC-6001の回路図によると,このLED用の抵抗は220Ωとかなり小さい値が使われています。ざっと15mA程も流すことになりますが。今どきのLEDはすの数分の一で十分なので,時代を感じます。今回は電源電圧が3.3V程度ですので220Ωでもよいと思いますが,オリジナルの光り方を追求するなら100Ω程度でも良いかもしれないです。


 さて,こうして完成したUSB接続のPC-6001キーボードですが,昨日書いたようになかなか快適なキーボードです。反発力が大きく変化するので,ストロークの割には軽いタッチで入力できますし,底打ちするまで押し込むこともありませんので,メンブレン型の他のキーボードや,RealForceなんかとは別の種類の打ち心地です。

 軸もグラグラせずしっかりとしつつ,引っかかりのないスムーズな打鍵で,キーによる押し心地のムラもありませんので,実に快適です。キートップの真ん中へんが窪んでいるところもポイント高いです。やはりアルプスはいい仕事をしていたんだなあと思います。

 今も日本語をゴリゴリとPC-6001のキーボードで書いているのですが,この新鮮さは何だろうと思って考えてみると,私が触った最古のキーボードである一方で,ローマ字による日本語の入力をほとんど行った事がないことに気が付きました。

 PC-6001のキーボードはもっぱらゲームと,プログラミングに使われるキーボードだったのです。だから,PC-6001でかな漢字変換というのは,今回が初めての体験になるわけです。

 ということで,PC-6001のキーボードをUSBにする夏休みの工作,あっという間に完成してしまいました。強いて言うなら専用の基盤を作ってブレッドボードからおさらばするのが残っていますが,それはもう簡単ですから,後は時間のあるときにやればいいでしょう。

 ここまでくると,PC-6001の筐体に小さいPCでも仕込むか,それこそRaspberryPiでも仕込んで,一体型PCを作ってみても面白いと思いますが,オリジナルの筐体を削るのも気が引けますし,作ったところで使う物でもないので,やめておきます。

 それにしても,ネタで始めた工作ですが,思いのほか収穫がありました。RPi Picoを初めて使ったこともそうですし,QMKを使って自分のやりたいことが実現したこともそうです。

 こうなってくると完全自作キーボードを作る事も気軽な物に見えてきますが,USBで繋ぐというのも今さらな感じがしますし,今のキーボードで満足しているので,変な配列のキーボードを作ろうと思わない限り,作る事はないでしょう。

 ただ,応用としてどんなキーボードでもUSBに出来るとわかった以上は,例えば当時から絶賛されていたFM-7のキーボードやAppleIIのキーボード,ファミリーBASICのキーボードや汎用機の端末やオフコンのキーボード,果てはポケコンのキーボードやM5のゴムキーなどを繋いでみることも可能なわけで,ある特定のキーボードに思い入れのある人には福音となる技術かも知れません。

 個人的にはPC-6001のキーボードの素晴らしさがわかったところで満足です。

 1981年生まれのホビーマシンのくせに,ちゃんとCTRLキーもTABキーもESCキーも正しい位置に備えています(ちなみに兄貴分のPC-8001にはTABキーはありませんでした)。アンダーバーも\もあるし,独立したカーソルキーはとても使いやすいです。

 グレーにオレンジの配色もいいですねえ。こうして現代のマシンに繋いでやりさえすれば,特に違和感も我慢もせずに即戦力になるあたり,大したものだと感心しました。

9月11日追記:
 Aliexpressで,1つ250円(送料込み)のRPi Picoの互換品が売っていたので3つほど試しに買ってみました。早速QMKを書き込んで純正品と交換したところ,ちゃんと動いてくれました。RESETボタンもあるし,USBもTypeCなので,純正よりもむしろ便利なくらいです。

 

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