ボスフリースプロケットの交換とハブのグリスアップ
- 2024/10/03 14:35
- カテゴリー:マニアックなおはなし, make:
クロスバイクCOM-70Mのメンテの続き,今回はスプロケットとリアのハブです。
まず,COM-70Mの後輪のギア,スプロケットは7段のボスフリーです。一方方向にしか回転しないラチェットをスプロケットに組み込んで,ホイールにスプロケットをねじ込んであるものをボスフリースプロケットというそうですが,安価なママチャリを含めてほとんどの自転車がこれだそうです。
7段なら7つ,8段なら8つのギアはひとまとまりになっているので,ギア単位で外したり交換したりは出来ませんが,安価ですのでよく使われているんだそうです。
で,これを外すにはボスフリースプロケット抜きという特殊工具が必要で,それも何種類かあるそうです。たぶんこれだろうと思うものを買っておいたのですが,既に届いている新品のシマノのMF-TZ510-7という安物に交換するのが今回の作戦です。
リアのホイールを外し,自宅の玄関に持ち込みます。外で作業すると蚊に刺されるし近所の目もあるし,夜は作業できないしで困るものですから・・・
このスプロケット抜きですが,スプロケットの中央部に差し込んでメガネレンチ(24mm)をかけて回そうとしても,力が斜めに入ってしまいスプロケットから外れてうまく力がかかりません。
そこで先人達は,スプロケット抜きをスプロケットに差し込んだあとに,クイックリリースで締めてスプロケットから外れないようにするという知恵を授けてくれました。
これで力が存分にかかるのですが,やっぱり固着してびくともしません。またもや自転車のメンテは体力勝負だと痛感させられたのですが,ここで新兵器登場です。
ワコーズのラスペネです。錆びたり固着したネジを緩めるために生まれた潤滑剤で,556でダメでもこれなら外れるんだそうです。
ほんまかいなと思っていたのですが,絶賛のレビューを試してみることにしました。どのみちボトムブラケットも固着していることですし,もう試せることはなんでも試してみます。
これ吹きつけ30分ほど悪戦苦闘しました。インパクトドライバを使ったり足で蹴ってみたりといろいろやりましたが,最後があっけなく,普通に腕に体重をかけて押し下げると,スルっと緩んでくれました。ラスペネ恐るべし。
こうして外してみると,子どもの頃からの疑問が少しずつほどけてきます。男の子はいくつになっても分解が大好きなんですよ。
さて,このまま新しいスプロケットに交換してもいいんですが,せっかくですのでハブのグリスアップをしましょう。左右の車軸のナットにレンチをかけて回すと,左右どちらかのナットが緩みます。
ナットを外したらコーンと呼ばれるベアリングを押さえる部品を車軸から抜き取ります。この時ホイールを寝かしておかないと,ベアリングがボロボロとこぼれてしまいますので要注意です。
すぐに変形してしまうような柔なキャップを慎重に外してやると,ベアリングが顔を出します。今回は9つのボールが出てきました。グリスはまだ残っているようですが,真っ黒けです。
ボールを取りだして清掃,続けてハブ側のカップ部分のグリスを拭い,清掃します。
車軸を抜かないようにホイールを裏返してから,車軸を抜き,キャップを外して,同じように清掃です。
終わったらシマノ純正のプレミアムグリスをカップに充填,洗ったばかりのベアリングを埋め込んでカバーを掛け,車軸と一緒にコーンを押し込みます。ここで片側の車軸からコーンを抜かなかったのは位置がずれてしまうことを避けるためです。
終わったら裏返して同じようにグリスの充填,ベアリングをおいてキャップをします。今度はコーンを車軸にねじ込み,仮留めをします。そしてコーンを固定するナットを締めながら,コーンの位置を調整して,スムーズに回りつつガタが小さくなるような位置にして,ナットを締めて完成です。
後で同じ要領でフロントのホイールのハブもグリスアップしたのですが,これでスムーズに転がるようになったはずです。
ここまでで来たらいよいよスプロケットを取り付けます。正ネジですので右回りでいいのですが,ラチェットのおかげでスプロケットが空回りしますから,最後には先程のスプロケット抜きを使って締め込みます。
この時,ハブとスプロケットの両側に薄くグリスを塗っておくのが良いそうです。
さあ,これで完成です。別に作業を済ませておいたフロントと一緒に自転車に取り付けて問題がなければ次に進みましょう。楽しみですね。