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smc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limitedを買った

 なにかと話しかけてくれる知り合いが,今度はレンズについて話を振ってくれました。奥行きを表現出来るレンズとは,と言うなかなか難しお題です。

 彼は自分が初心者だと謙遜しながら,また多少それを言語化するのに苦労しながら,ボケだとか味だとか,そうした曖昧な言葉を慎重に避けて,「クレヨンのような画は気に入らない」といったような的確で鋭い表現をするので,油断なりません。

 話を聞いていると,どうもしっかりとした色のり,フォーカスが外れていく時のボケの変化が滑らかでリニアであり,自分が見たものをそのまま写し取ってくれることが良いレンズであると考えているようです。

 彼が選んだのは評判の良いフォクトレンダーのAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalでしたが,確かにこれは素晴らしいレンズですし,他にいくらでも便利で優秀なレンズがある中で,わざわざMFのレンズを写りの良さで選んでしまえることも,羨ましく思いました。

 これとは違うジャンルであることは百も承知で,私の基準レンズはAF-S70-200F2.8Eなわけですが,プロの道具であり実用性で最右翼に来つつ,しかしながらその表現力はここ一番の期待に応えるレベルであるということで,私としては仕方なく持ち出すレンズではなく,ワクワクしながら使うレンズです。

 大げさな言い方をすると,このレンズとAF-S14-24mmF2.8を使える事がニコンユーザーにのみ許された特権であると思う訳ですが,はて他のメーカーにこういうレンズってなかったっけなと,思い巡らせました。

 そうそう,私が密かに「無人島レンズ」と吹聴している,FA43mmF1.9Ltdがそれです。

 画角といい,優しい眼差しといい,注目する部分から外にかけてぼやけていくフォーカスといい,大きさといい操作感といい,とにかくすべてが理想のレンズです。残念な事は,フルサイズでないと実力が発揮されないことと,それがKマウントであることくらいでしょうか・・・

 Ltdレンズはもうくどくど説明しませんが,31mm,43mm,77mmの3つがシリーズ化されており,どれも銘玉としてロングセラーを続けており,つい先日コーティングを改良してアップデートされたものが新製品になるなど,ディスコンになる気配がありません。

 Kマウントユーザーならあれこれ買わずにこれを買っておけ,三姉妹を揃えるのはKマウントユーザーの義務である,とまあ絶賛なわけですが,これは私も(多少は)理解出来ます。

 私は,43mmに加えて77mmも持っていたのですが,今ひとつピンと来なかったので売ってしまいました。これはきっとAPS-CのK10Dしか持っていなかった頃の話だったので,115mm相当というどうにも使いにくい焦点距離に対する苦手意識のせいだったように思います。

 といいつつ,43mmも結局K10Dではほとんど使うことがなく,フィルムのカメラで使うことしかないことから,稼働率はとにかく低いままだったのです。

 そういう状況ですから,高価な31mmを買おうという気はもともと35mm付近が今ひとつ使いこなせかったこともあって最初から起こらなかったのですが,先日の知人とのは話し合いで,31mmに対する憧れに様なものが急激に沸き起こってきました。

 そうだよ,今の私は28mmが大好きで,35mmがD850のボディキャップ代わりになってるじゃないか。

 なら,その中間である31mmだって,面白いはず。

 しかも,APS-Cなら46.5mm相当と絶妙な焦点距離だ。

 買おう。

 ということで,中古ですが,突然それはやってきたのでした。

 しかし,あいにく私の手元にはこれを生かし切るだけのボディがありません。久々にK10Dを引っ張り出してきましたが,これではどうも・・・

 なので本命はフィルムカメラだと思っているのですが,もう2週間もするとZfcがやってくるでしょうし,その時にはすでに用意してあるマウントアダプターでガンガン使えるはずです。

 ということで,K10Dで少し撮影した限り,少なくとも私が期待したような傾向である事がわかって一安心です。ここからどういう個性を持つレンズなのかを見極めて,使いこなしていこうと思います。あまり先入観を持ちたくないので,他人様のレビューは,読まないようにしておきます。

 

今さらAi-Nikkor28mmF2.8Sを入手

 今さらですが,Ai-Nikkor28mmF2.8Sを中古で買いました。

 25年ほど前に中古のF3を買ったほぼ同時期に,50mmの次は28mmだと中古で買ったAi-Nikkor28mmF2.8をずっと使い続けていて,28mmの話はこれでおしまいと思って気にもかけてなかったのですが,先日偶然,そう簡単な話ではないことを知りました。

 私が持っているものはNewNikkorAutoをAi化したもので,7群7枚です。ところがこの後「Nikkor」を名乗れない廉価版の「シリーズE」に5群5枚の28mmF2.8が登場,しかしこれが思いのほか性能が良く,Nikkorの立場を危うくするというので,Ai-Nikkorがリニューアルされることになりました。

 ちょうどAi-S化(AF-Sではないですよ)されるタイミングだったので,リニューアルされた8群8枚のレンズは,Ai-Nikkor28mmF2.8Sとなったのですが,これが1981年のお話だそうです。

 いちいちそんな理由でお金をかけてリニューアルすんのかよと,ニコンの生真面目さにクラクラしますが,こだわったのは0.2mmまで寄れるという近距離撮影距離で,そのために超広角で行われているような近距離補正まで行っています。

 基本性能は申し分なく,近距離撮影にも強いという28mmレンズは実は珍しい存在で,今でもこれを持ち出してマクロ的に使う方がいらっしゃるそうです。

 私はそんなことも知らず,古いAi-Nikkorを使い続けていましたし,そのAF-Nikkorも適当に買っては手放してをしていました。

 ついでにいうと,AF-Nikkorはもっと変な話になっていて,どういう訳だか初代のAF-Nikkor28mmF2.8SはシリーズEと同じ5群5枚,これで新時代のニコンを背負っていたというのですから驚きで,これが7群7枚のAF-Nikkor28mmF2.8Dになるのが1994年といいますから,随分あとになります。

 私は5群5枚のAF-Nikkor28mmF2.8Sを安いからと喜んで買ったのですが,今ひとつしっくりこなくて売ってしまいました。惜しいかなと思いましたが,今この事実を知って,完全にい吹っ切れました。

 とまあ,28mmが好きでF2とF3が好きな私としては,この28mmレトロフォーカス最終進化形を買わないわけにはいかないとなり,中古を捜す旅に出たのです。

 しかし,このレンズはなかなか人気で,値段があまり下がっていません。ただ,販売期間が30年近くあり,程度も大きく違いますし,当然価格も変わってきます。総じて3万円くらいのものは美品であり,普通に使える良品は2万円,それ以下は何らかの訳ありという感じです。

 でもですね,今このレンズに3万円を出せるかと言えば,それはちょっと・・・割り切って新品を6万円というなら考えもしますが,中古で3万円はちょっと考えていまいます。

 探したところ,あるところに13000円でクモリなし,カビなしの商品が見つかりました。破格値だと思ったのですが,これ,フィルター枠が大きく変形していて,フィルターが付きません。ぶつけたんだろうと思いますが,これだけぶつけたという事は,光学系にも影響があるんじゃないかと思います。

 しかし,問題点として上げられているのはフィルター枠の変形のみ。なんとかなるだろうとポチってしまいました。

 商品の到着までに修理方法を考えていたのですが,均等に広げるような工具って私は1つも持っていません。探してみるとあるんですね,フィルター枠の変形を治す専用工具が。

 中国製で3000円ちょっと。これなら買ってもいいかもしれないとこれも購入。考えてみると総額17000円ほどになってしまい,探せばまともな中古が買えたかもしれません。

 届いてから早速修理です。

 いきなり広げるのではなく,少しずつゆっくり広げていきます。変形した部分だけを広げると楕円になるので,少しずつ広げる部分をずらして一周させて,均等に広げるのがコツです。

 とりあえずフィルターが付くくらいには修理出来ました。実用上は問題ない程度の変形をしつこく直そうと頑張ったのが裏目に出て,違う部分に僅かな変形がでてしまいました。余計な事をしなければという,いつものやつです。

 あとは塗装のハゲをタッチアップして完成。ちょっとの歪みが残っていますが,まあそれはフードをつけてしまいますので目立たないでしょう。

 ということで,早速D850に取り付けて撮影です。最新のデジタル一眼レフでも使う人がいるという定番レンズだけあって,性能はまずまず。最新のレンズに比べたら解像感は今一歩ですが,そんなことはどうでもいいくらい,寄れます。28mmで20cmまで寄れるというのは,大げさに言うとちょっと別世界の視野を手に入れたような気がします。面白いです。

 四隅も綺麗に出ていますし,変な滲みも片ボケもなく,心配していた故障や不良はなさそうです。以前の28mmでもよく写るなあと思っていましたが,新しい28mmはそこにモダンな感じが追加されたような印象です。良く写ります。

 長年ニコンを使ってきましたが,こんなことも知らなかったのかと笑われるような話です。でもあれですね,なかなかこういう話が尽きないのがカメラとレンズの世界で,恐ろしい沼だなあとつくづく感じます。

 これでAF-Nikkor28mmF2.8S(たしかこれも訳ありでフィルター枠が欠けてしまってました)を手元に残してあれば,すべてのレンズ構成がそろったので撮り比べとかでネタがもう1つ作れたのかも知れないですが,仕方がありません。

 こんな話,ライカにはいくらでも転がっているんだろうなあ。

 

 

ニコンF2が復活

~前回のあらすじ~

 幕速測定を偶然行ったところ,F3に比べて速すぎるという結果が出たF2。このままでは壊れるかもしれないと慌てた私は,幕速をF3程度に落とす。

 すると低速側のシャッタースピードが全然合わないのでスローガバナー分解清掃を試みるも改善せず。原因は後幕のテンションを落としたことにあるとわかり,元の幕速に戻す。

 しかし,シャッタースピード高速側も低速側も壊滅的状態。調整を試みるも悪くなるばかりとなったF2の,それまで手を入れてなかった部分にも分解の魔の手が迫る。

 シャッタースピードダイヤルの中板を外され,何度も死線を彷徨うF2。なんとかシャッター幕が走るようになったとはいえ,もう二度とシャッタースピードが合うこともない。

 どうなるF2!


 ということで,幕のテンションを元に戻したのに低速側も高速側も調整出来ません。高速側は1/2000秒のカムのすり割りを迂闊に広げてしまったせいもあり,これを元に戻そうとカムを傷つけてしまったように思います。

 低速側は,ガバナーの音がおかしいので,壊れてしまったのかも知れません。機械式と系と同じ微妙な仕組みですので,壊れるのも無理はないです。

 そこで,私はとうとう最後の手段を考えました。別のF2から部品を移植します。

 私が手に入れたF2は最初期のF2で最初のフォトミックです。Ai対応のフォトミックAが欲しくてボディが壊れているジャンクを探したところ,ボディもファインダーも壊れているというハズレを引き当て,とりあえずフォトミックAファインダーだけ修理を行いました。

 ボディは右肩を強打し変形させていますが,動作そのものに問題はなく,製造時期も少しだけ後のようです。内部の機構も比べて見ると結構違います。

 このままボディごと交換してしまうことも考えたのですが,ぶつけているのはもうフレームに歪みが出ている可能性があると考えて,部品取りにおいてあったのです。

 ここから,まずは復活出来そうにないシャッタースピードダイヤルとカムを中板ごと移植します。最初バルブや高速側が全然動作しなくなったので焦りましたが,なんとか組み直して動くようになりました。

 これで1/2000秒が無理なく出ます。次は低速側です。

 低速側も全然合いません。これもあきらめて,ガバナーを移植します。するとまあうそのように,綺麗にシャッタースピードが合うようになりました。

 理由はともかく,これらの部品が私の分解によって壊れてしまったということです。最初に幕速など確認しなければよかった。シャッタースピードがきちんと出ているんだからわざわざ幕速をいじることなどなかったのです。

 ということで,数日かけて幕速を元の速度(さらにいうとこれは部品取りF2の幕速でもある)にあわせ込み,シャッタースピードを根気よく合わせていきます。

 上手くいったらペイントで固めます。

 そして以下の結果となりました。

1 1030ms
1/2 540ms
1/4 236ms
1/8 122ms
1/15 63.58ms
1/30 33.58ms
1/60 13.38ms
1/80 12.38ms
1/125 9.38ms
1/250 4.18ms
1/500 1.94ms
1/1000 1.17ms
1/2000 0.54ms

 なんか良い数字が並んでいますが,実は1/1000秒と1/2000秒は大きくばらつきます。1/2000秒は0.3msから0.8msくらいまで,1/1000秒は0.8msから1.3msくらいまで,特に違う速度から切り替えた一発目は大きく狂います。

 この数字は一応すべてJIS規格に入っていますので,これが安定して出ているなら満足なんですけどねえ。

 この前日に測定した結果を参考までに。なんと1/1000秒がJIS規格外です。

1 969.9ms
1/2 495.9ms
1/4 227.9ms
1/8 122.9ms
1/15 62.32ms
1/30 32.72ms
1/60 13.12ms
1/80 12.12ms
1/125 9.02ms
1/250 4.04ms
1/500 1.88ms
1/1000 1.34ms
1/2000 0.67ms
 
 さらに,いじる前の状況は以下だったのです。なかなか良いですよね。
結構安定して出ていましたし,中古で無保証のF2をなにもいじらずこれだけ出ていたんですから,大したもんですよ。つくづくいじらなければよかったなあと思います。

1 1050ms
1/2 496ms
1/4 254ms
1/8 124ms
1/15 60.0ms
1/30 33.0ms
1/60 14.2ms
1/125 8.60ms
1/250 3.90ms
1/500 1.80ms
1/1000 1.00ms
1/2000 0.39ms


 ところで,今回の修理は改善がまったくなかった訳ではありません。

 1つは巻き上げレバーの予備角について。これまではロック状態から引き上げるときのトルクが小さくて,巻き上げ角一杯にレバーを巻いて,そこから指を離すと勢いでロック位置までレバーが動いてしまうほどでした。

 明らかにおかしいなあと思っていましたが,今回きちんと確認すると,ロック位置のバネを固定するネジの中板側に作られたネジ山が,なめていました。

 そのせいでバネが浮いて弱くなってしまったようです。なにせ中板のネジ山ですので巻き上げ部を全部交換しないといけなくなりました。しかし意を決して交換してみると,良い感触になりました。

 もう1つもやっぱり巻き上げレバーなんですが,ロック位置でレバーが止まらず,シャッタースピードダイヤルにレバーがぶつかっていたんです。そのせいでダイヤルを回すとダイヤルのローレットがゴリゴリとレバーの指あてを削っていました。

 ニコマートやFEでもカリッとロックがかかるのに,フラグシップのF2がこんなにルーズでいいんかいな,と思ったんですが,どうにもならないのでそのままでした。

 今回,結局原因はわからなかったのですが,ロック位置はシャッタースピードダイヤルの裾の部分にある飾り環と指あてがぶつかるところで決まるみたいで,今回は組み上げるとちゃんとロック位置が出ているようです。

 というわけで,幕速をいじらなければ,あるいはマーキングをしておいて引き返すことができれば,こんな大ごとにならずに済んだんじゃないかと思います。面倒くさがらずにマーキング,面倒くさがらずに写真を残す,これはとても大事なことだと思いました。

 部品取りのF2が役立ったのは事実ですが,やっぱり交換の必要が発生したのは私が部品を壊したせいでしょうし,いくらF2とはいえ製造後50年近くも経過したカメラですから,ちょっとしたことで壊れてしまうものなのでしょう。

 今回は怖かったのでいじりませんでしたが,シャッター幕やドラムや軸,テンションを出すスプリングもちょっと触れば交換しないといけないくらいになっていた可能性があります。今シャッタースピードがばらつくのは,それらがすでにおかしいからかも知れないと思っています。

 どちらにしても,完全メカ式のカメラとしての魅力あふれるF2を元にも戻せてなにより。結局幕速は謎のままになりましたが,もうこれ以上あれこれといじることは控えたいと思います。

 それでも,F2をかなり分解しました。シャッターが走る仕組みも概ね理解出来たと思いますし,それはよく出回っている某修理本やサービスマニュアルには書かれていないもので,しかもネットでも出てこないようなものです。おそらく修理屋さんの秘伝なんでしょうね。

 せっかく修理が出来たんですから,今度持ち出してみようと思います。

 

ニコンF2が大変なことに

 「勇者よ,本体のみ,ズームキット,28mm単勝単キットの3つから,好きな武器を1つ選べ・・・」

 私が選んだ28mmキットだけ発売延期になり,結局後の2つを選んだ人はスイスイ先に進んでいます。そう,Zfcの話です。

 そんなわけで,お盆にはZfcで遊べるだろうと思っていたあてが外れ,少し手が空いてしまいました。

 そんなおり,宿題となっていたレンタルサーバへの移行も落ち着き,記念に1つ新しい記事を作ろうと思って用意したのが,シャッター速度を簡単に測る,という記事です。

 作った治具は現在はバージョンアップしており,フォトトランジスタを2つ持ち幕速を測定する機能が加わっています。

 記事を作成する時に,幕速を測定する機能のきちんとした検証を行っていないとわかり,波形の写真撮影もかねて,F2とF3の幕速を測定したのです。

 どちらも横走チタン幕で最高速が1/2000秒というシャッターで,幕速もおそらくこの仕組みの限界値である10ms/36mmです。なので,F3とF2を比べたら,治具の確からしさと個体の調子が判断出来ると思ったのです。

 結果ですが,36mm換算でF3が8.96ms,F2は7.6msとなりました。

 F3はまあこんなもんでしょう。しかしF2はかなり高速側にズレていて,このままでは壊れてしまうような気がしました。少なくともF3と同じ程度にしないと・・・新たな宿題が生まれた瞬間でした。

・幕のテンションを下げる

 早速F2の底板を外しました。実は幕のテンションはこれまで一度もいじったことがなく,それで全速きちんとシャッタースピードが出ていたので問題ないと思っていたわけです。

 勇気を出してネジロック剤を除去してロックネジを緩めて,テンションを下げていきます。先幕も後幕も9ms程度の合わせます。簡単簡単。

 続けて高速側のシャッター速度を出していきます。これも先幕のテンションを微調整すれば簡単に合います。楽勝。

 しかし,悲劇はここから。低速側を確認すると,1秒が1.5秒と大幅に狂っています。他の速度も全滅で,全部かなり長くなっています。

 ここで私は重大な判断ミスをしました。きっとスローガバナーが悪くなったのだろう,と。


・スローガバナーを清掃

 というのも,思い当たる節があったからです。かつて分解清掃したミノルタオートコードのシャッターも,1年ほどしてからスローが遅くなったのですが,これはベンジンで清掃した後の注油が足りなかったせいでした。

 F2も時期的に同じような注油方法で修理したものだったので,きっとこれだろうと思い込んでしまったのです。

 そこで,ミラーボックスを取り外し,ガバナーを取り出しました。ベンジンで清掃,注油を行います。

 そして元の通り組み付けて動作確認を行いますが,状況は全く変わりません。

 仕方がないので,スローの調整を行います。シャッタースピードダイアルの近くに調整用の偏心ビスがあるのですが,これを回します。うーん,はじめて回すのでこわいです。

 調整は案外簡単に済み,きちんと1秒が出ます。しかし,1/4秒だけが全然だめで,ガバナーが動作していません。困りました。

 ガバナーの取り付けビスもネジロックが行われているので,その跡に従って組み付けたのですが,どうもこの取付位置も調整の必要があるという話ですので,なんどか位置を調整します。

 しかし上手くいきません。1秒が出るようにすると1/4秒が機能しません。1/4秒が動くようにすると全速遅めに出ます。

 さあ困った。

 ふとガバナーの音を聴いてみると,随分弱々しい音です。まてよ,ガバナーを回しているのは,なんの力だ?

 そう,後幕のテンションです。なるほど,これが弱すぎるせいでガバナーを回しきれず,速く回せないのでしょう。そこで1秒が出るように後幕を調整すると,もとの幕速に戻ってしまうのでした。


・幕速を戻して再調整

 そこで幕速を戻すことにしたのですが,馬鹿な私は元の位置をマーキングしていないばかりか,分解前の写真さえ残していません。こうなるともう手探りです。

 幕速を出して,まずはスローを調整します。調整ネジをいじった後ですので元の状態に戻せる保証はありませんでしたが,なんとか低速側は調整終了。

 今度は高速側ですが,こちらがボロボロです。そこでこちらも調整用のビスをいじって調整しますが,これがまずかった。

 もう手に負えないくらいに,ボロボロになっていきます。1/1000秒を合わせると1/2000秒が短くなりすぎです。

 1/2000秒の微調整は,カムのスリットにマイナスドライバーを突っ込み,少しずつ隙間を広げて調整するそうなのですが,広げると高速になるということですので,私の個体は広げすぎていることになります。

 分解なんかしなくてもスリットの隙間を縮めることが出来るに違いないと思いましたが,上手くいきません。


・シャッタースピードダイヤルの中板を外す

 こうなるともう,このカムを取り出すしかありません。そのためにはシャッタースピードの中板を外す必要が出てきます。これも初めての分解です。

 ビスを4本外してみたのですが,まだ何かに引っかかっているようで外れません。少し無理を外れたので,早速カムを押し込んで縮めたのですが,どれくらい縮んだかは組み立てるまでわかりません。

 ということで組み立てますが,苦労して取り付けたのに,シャッターが走ってくれません。かといって巻き上げも出来ません。やばい・・・ロックしてしまいました。


・巻き上げ中板を外す

 巻き上げが出来ないか,シャッターがリリースされないのですから,さらに分解を進めるしかありません。まず巻き上げレバーの中板を外してみますが,こちらは異常なし。


・先幕リリース爪を探す

 そうなると先幕をとどめている爪を探していくことになります。どうも底部にあるようで,ここを勇気を出して分解します。するとすでにリリースされた状態になっていました。

 改めて幕を見ると,走った後の位置になっています。ならなんで巻き上げが出来なかったのかわかりませんが,もう一度試してみると巻き上げ出来るじゃありませんか。

 元のように組み上げて,ようやくシャッターが動くようになりました。しかし,低速も高速も破滅的に狂っています。


・そして今ここ

 泣きそうになりながらもがいてようやく,数日前の状態に戻りました。まだシャッタースピードは全然出ておらず,1/2000秒は時々開かなくなっています。

 幕速に疑問を持つことがなければ,以前のような完調のF2を使えたのにと後悔しても遅く,あちこちが連動して悪くなってゆく状況は,まさに高度な次元でバランスしているメカ設計のたまものなんだろうと思います。

 頑張っても最初の状態に戻すだけで,残ったものは私の分解の知識だけという状況に,どうもやる気も下がってしまいがちですが,F2を失う事に焦りを感じては,自分を奮い立たせて調整に挑むことにします。

 それにしても,サービスマニュアルに書いてある通りに調整が進みませんし,組み立ても難しいなと思います。

 F2の分解修理や調整は世界中で行われているはずですが,詳しい情報がなかなか見つかりません。素人さんがチャレンジしないせいなのか,プロがノウハウを秘密にしておきたいからなのか,販売されている修理マニュアルのような本でも,F2は分解される程度が浅くて,あまり参考にならないです。

 もう一台ある部品取りのF2は,現時点ではうちで一番程度のいいF2になっていまいました。もしかしたらコイツが主役に抜擢されることもあるかも知れません。


・すっきりしないこと

 すっきりしないのは,結局幕速はどうすればいいのか,です。治具がおかしいという可能性は大いにありますが,F3とF2が一致するようにするというのは正しいアプローチのはずで,それやるとガバナーを駆動出来ないというのは,何かがおかしいような気がします。

 良いか悪いか別にして,とにかくかつての完調の状態に戻すことを目標にしていますが,散々適当に分解した結果,そこにたどり着かないくらい精度が落ちているということを思い知らされています。

 なんとしないとなあ。

 

うちの近鉄を今どきのものに

20210820095354.JPG

 さて,グリーンマックスの動力ユニット全車更新にしっかり反省したので,新車の導入です。ちょうどよいタイミングで再販された近鉄の新しめの車両が手に入ったので,これをDCC改造です。

近鉄6820系・・・シリーズ21の南大阪線仕様のものです。1編成2両だけが投入され,以後はどんどん古くなった6020系を淘汰していくのかと思いきや,一向に数が増えずに20年近い時間が流れています。せめて塗装くらいは新旧どちらかに統一すればいいのになあと思ったりします。
 どういう訳だか,私が帰阪したときには決まってあべの橋発藤井寺行きの普通電車に充当されているので,私は一度も乗ったことがありません。
 なので模型も買わずにいたのですが,ちょうどいい機会なので再販された9020系をベースに,6820系にしてみました。細かいところはわかりませんが,シリーズ21は全車共通の車体だと聞いたことがあり,それをなんとなく信じた結果です。
 動力ユニットは最新のコアレスモーター仕様,ここに新たに作ったワンコインデコーダを搭載します。非動力の車両もライトを点灯させたいので,モータードライバを省略したデコーダを小さく作り,ライトユニットと一体化して搭載します。
 ボディマウントTNカプラーは搭載不可となっているのですが,そんなことは気にしないで取付位置を細かく調整して搭載しました。
 ここまでやったらもう室内灯も欲しい所です。2両編成ですので費用負担も大きく内という事で,いつの間にやら出ていたグリーンマックス純正の室内灯を取り付けます。これ,へんに導光板を使わずLEDの多灯点灯を使っていますので,明るいし薄いし,思った以上に気に入りました。

近鉄16600系・・・16400系はウソ改造を行って配備しているので,ここは1つ16600系を導入しましょう。ちょうど再販されたものが手に入ったので,早速DCC化です。とはいえ,6820系と手順は同じで,一気に室内灯まで取り付けて終了。ウソ改造の16400系と並べてみると,模型そのものも完成度が上がっているんだなあと思いました。


 ということで,現在のうちの線区には,6820系と6400系の4両編成と,16400系の2両編成が走っています。コアレスモーターのスムーズな走りと,ヘッドライトとテールライトがよい雰囲気を出してくれていて,ニッチな車両を出してくれるのはいいが今ひとつクオリティがなあというグリーンマックスの弱点が,随分解消しているんだなあと思いました。

 でも,価格は随分高くなっています。グリーンマックスといえば貧乏モデラーの強い味方だったのですが,2両編成でなければ手が出ないほどに高価になった車両を見て,ちょっと続けられないなあとも感じました。

 別に,グリーンマックスが路線変更を行ったわけではなく,相変わらずエコノミーキットも再販してくれていますし,パーツの販売も積極的です。こうして幅広いモデラーの期待に応えてくれるのは,私は良いことだと思っています。

 

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