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今さらAi-Nikkor28mmF2.8Sを入手

 今さらですが,Ai-Nikkor28mmF2.8Sを中古で買いました。

 25年ほど前に中古のF3を買ったほぼ同時期に,50mmの次は28mmだと中古で買ったAi-Nikkor28mmF2.8をずっと使い続けていて,28mmの話はこれでおしまいと思って気にもかけてなかったのですが,先日偶然,そう簡単な話ではないことを知りました。

 私が持っているものはNewNikkorAutoをAi化したもので,7群7枚です。ところがこの後「Nikkor」を名乗れない廉価版の「シリーズE」に5群5枚の28mmF2.8が登場,しかしこれが思いのほか性能が良く,Nikkorの立場を危うくするというので,Ai-Nikkorがリニューアルされることになりました。

 ちょうどAi-S化(AF-Sではないですよ)されるタイミングだったので,リニューアルされた8群8枚のレンズは,Ai-Nikkor28mmF2.8Sとなったのですが,これが1981年のお話だそうです。

 いちいちそんな理由でお金をかけてリニューアルすんのかよと,ニコンの生真面目さにクラクラしますが,こだわったのは0.2mmまで寄れるという近距離撮影距離で,そのために超広角で行われているような近距離補正まで行っています。

 基本性能は申し分なく,近距離撮影にも強いという28mmレンズは実は珍しい存在で,今でもこれを持ち出してマクロ的に使う方がいらっしゃるそうです。

 私はそんなことも知らず,古いAi-Nikkorを使い続けていましたし,そのAF-Nikkorも適当に買っては手放してをしていました。

 ついでにいうと,AF-Nikkorはもっと変な話になっていて,どういう訳だか初代のAF-Nikkor28mmF2.8SはシリーズEと同じ5群5枚,これで新時代のニコンを背負っていたというのですから驚きで,これが7群7枚のAF-Nikkor28mmF2.8Dになるのが1994年といいますから,随分あとになります。

 私は5群5枚のAF-Nikkor28mmF2.8Sを安いからと喜んで買ったのですが,今ひとつしっくりこなくて売ってしまいました。惜しいかなと思いましたが,今この事実を知って,完全にい吹っ切れました。

 とまあ,28mmが好きでF2とF3が好きな私としては,この28mmレトロフォーカス最終進化形を買わないわけにはいかないとなり,中古を捜す旅に出たのです。

 しかし,このレンズはなかなか人気で,値段があまり下がっていません。ただ,販売期間が30年近くあり,程度も大きく違いますし,当然価格も変わってきます。総じて3万円くらいのものは美品であり,普通に使える良品は2万円,それ以下は何らかの訳ありという感じです。

 でもですね,今このレンズに3万円を出せるかと言えば,それはちょっと・・・割り切って新品を6万円というなら考えもしますが,中古で3万円はちょっと考えていまいます。

 探したところ,あるところに13000円でクモリなし,カビなしの商品が見つかりました。破格値だと思ったのですが,これ,フィルター枠が大きく変形していて,フィルターが付きません。ぶつけたんだろうと思いますが,これだけぶつけたという事は,光学系にも影響があるんじゃないかと思います。

 しかし,問題点として上げられているのはフィルター枠の変形のみ。なんとかなるだろうとポチってしまいました。

 商品の到着までに修理方法を考えていたのですが,均等に広げるような工具って私は1つも持っていません。探してみるとあるんですね,フィルター枠の変形を治す専用工具が。

 中国製で3000円ちょっと。これなら買ってもいいかもしれないとこれも購入。考えてみると総額17000円ほどになってしまい,探せばまともな中古が買えたかもしれません。

 届いてから早速修理です。

 いきなり広げるのではなく,少しずつゆっくり広げていきます。変形した部分だけを広げると楕円になるので,少しずつ広げる部分をずらして一周させて,均等に広げるのがコツです。

 とりあえずフィルターが付くくらいには修理出来ました。実用上は問題ない程度の変形をしつこく直そうと頑張ったのが裏目に出て,違う部分に僅かな変形がでてしまいました。余計な事をしなければという,いつものやつです。

 あとは塗装のハゲをタッチアップして完成。ちょっとの歪みが残っていますが,まあそれはフードをつけてしまいますので目立たないでしょう。

 ということで,早速D850に取り付けて撮影です。最新のデジタル一眼レフでも使う人がいるという定番レンズだけあって,性能はまずまず。最新のレンズに比べたら解像感は今一歩ですが,そんなことはどうでもいいくらい,寄れます。28mmで20cmまで寄れるというのは,大げさに言うとちょっと別世界の視野を手に入れたような気がします。面白いです。

 四隅も綺麗に出ていますし,変な滲みも片ボケもなく,心配していた故障や不良はなさそうです。以前の28mmでもよく写るなあと思っていましたが,新しい28mmはそこにモダンな感じが追加されたような印象です。良く写ります。

 長年ニコンを使ってきましたが,こんなことも知らなかったのかと笑われるような話です。でもあれですね,なかなかこういう話が尽きないのがカメラとレンズの世界で,恐ろしい沼だなあとつくづく感じます。

 これでAF-Nikkor28mmF2.8S(たしかこれも訳ありでフィルター枠が欠けてしまってました)を手元に残してあれば,すべてのレンズ構成がそろったので撮り比べとかでネタがもう1つ作れたのかも知れないですが,仕方がありません。

 こんな話,ライカにはいくらでも転がっているんだろうなあ。

 

 

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