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膨らんだリチウムイオン電池とハンダゴテの修理

  • 2025/07/29 10:50
  • カテゴリー:make:

 毎日暑くて何もかもやる気が出ず,せっかくの作業部屋も片付けが面倒な物を押し込む物置になりつつあり,気が付くと居場所がなくなっていることに焦りを感じている7月のある日,私は久々にハンダゴテに火を入れたのです。

 というのも,先日,LEDネームタグといういつ買ったのか忘れたようなものが偶然発掘されたのですが,充電してもさっぱり充電が出来ず,どうせリチウムイオン電池の寿命だろうと分解をしたところ,なんとパンパンに膨れあがった電池が目に飛び込んできました。

 見事に膨らんでいる電池は,普段なら剥がすのに難儀する電池と基板を接着する両面テープでさえも自然に剥がれてしまうくらい丸くなっており,まさに一触即発です。

 よく見るとマイナス側からなにやら電解液が出た形跡もあるので,爆発に至らなかったのは幸いだったわけですが,危険なことには違いありません。先日も山手線の電車内でモバイルバッテリーが燃える事故がありましたが,なにせややこしいリチウムイオン電池については,さっさと処分するのが正解でしょう。

 慌てないで欲しいのですが,リチウムイオン電池なら電池の爆発や発火の心配が必ずあるのかというと案外そういう物でもありません。考えて欲しいのですが,爆発というのはエネルギーが短時間に一気に開放される現象な訳で,その電池に爆発出来るだけのエネルギーが残っていないといけません。

 発火についてもしかりで,爆発するほどの一瞬ではないにせよエネルギーの開放が起こるから温度が上昇して,可燃性の素材に印加するわけで,放電しきった電池には差し迫った危険性は少ないです。

 モバイルバッテリーの問題の深刻さは,10Ahなんていいう大きなエネルギーを蓄えることが出来るものであることに加え,充電された状態で電池の内部でショートが起きると一気にエネルギーが開放されて爆発や発火に繋がることで,今回のリチウムイオン電池は200mAh程度(それでも大きいですけど)という小さいもので,かつほとんど電圧が出てないくらいにエネルギーが残っていない状態ですから,差し迫った危険性はないと思います。

 とはいえ,電解液は有毒ですし,膨らんだ袋を破れば有害なガスが吹き出ます。厄介なものであることには違いないので,取り外して処分しないといけません。

 ということで,うだる暑さに抗って,作業部屋を少し片付けてからハンダゴテのスイッチを入れるのですが,電源が入りません・・・

 私のハンダゴテはハッコーの936ってやつなんですが,電源スイッチを切り忘れ防止のためにランプ内蔵のものに交換してあります。そのランプも点灯しないので,ACケーブルが抜けているか断線しているか,まあそんなところでしょう。

 棚にある荷物をどけてACケーブルを確認しますが,抜けてはいません。こうなったら外して確認することになります。

 分解してACケーブルの導通を見ると問題なし。しかし,スイッチをONにしてもスイッチが導通しないことが判明し,スイッチの故障と判断,交換して修理完了です。

 簡単な修理だったから良かったものの,私からハンダ付けを取ったら何も残らないわけで,いつでもさっとハンダ付けが出来る環境を維持して40年,もう私の矜恃はどこへやら,って感じです。

 で,スイッチが壊れるなんて珍しいなと故障原因を調べてみました。AC100Vですから,下手をしたら火災に繋がるかも知れませんし。

 原因は,スイッチのレバーの,接点を押す突起が砕けていました。照明内蔵なのでABSではなく,スチロールかアクリルか,なんかそんな感じの透明なプラスチックだったんでしょうが,熱に弱いんでしょう。同じスイッチに交換しましたが,果たしてそれで良かったのかどうか,ちょっと心配になってきました。

 さて,無事にハンダゴテも復活したことですし,電池の取り外しです。なにせ電池のタブが基板に直接ハンダ付けされているので,熱が変に加わるとガスが噴き出します。慎重に作業を行い,無事に取り外しました。

 しかし,こういう危険な電池が各家庭にいくつも入り込んでいるというのは,なかなか恐ろしいことです。知り合いにもリチウムイオン電池が原因で自宅が全焼した人がいますが,もう本当にどうしていいやらと途方に暮れたそうです。

 買ってすぐには問題が出ず,3年5年10年と時間が経過してから事故が起きるものなので,ここ数年で売られたモバイルバッテリーやハンディファンなんかが,同時多発的に文字通り火を噴く日も,そんなに遠くはないのかなと思います。

 厳しいのは,自分が気を付けていればよいというものではないことです。同じ電車に乗り合わせた人のモバイルバッテリーが爆発,近所のアパートが火事で延焼,そんな事故はいくらでも起きそうです。

 究極的には電気自動車の爆発でしょうか。安全対策は万全とはいえ,工業製品に完璧はありませんし,高エネルギー(それも尋常ではないレベルです)の電池ですから,燃えたらえらいことになると思います。

 これから10年,もう何が起きるか,見当も付きません。

Ankerのリコール手続きを終えて

 昨年の夏のことですが,防災を目的として区民にカタログギフトが配布されました。こういう性格ですから斜に構えた見方しか出来なかったのですが,防災に関する意識を少しは高められた気がしています。

 そこに掲載されていたのがモバイルバッテリーです。いわく,スマートフォンは命綱,電池が切れないようにモバイルバッテリーを用意しておきましょうとのことでした。

 そもそもスマートフォンみたいなシステムの大部分を営利目的の私企業に握られた仕組みに命など委ねたくはないのですが,行政としてもスマートフォン前提でサービスを行っている側面もあり,インフラとして割り切った上で「助かった」と感じているのが本音でしょう。(いや,スマートフォンを盲信されるよりむしろそうであって欲しいですよ)

 現実には確かに社会のシステムがスマートフォンを前提に組み立てられている訳ですから,電池が切れたら情報の収集をはじめとして,なにかと不利を被るのは必至でしょう。

 一方,モバイルバッテリーには危険な物も多くて,私のように滅多に使わない人間からすると爆発物を保管しているような物で落ち着きません。それに,いずれ廃棄することを考えると,自治体がリチウムイオン電池の扱いに右往左往している現状では,手軽に手を出せないとも思います。(そう,うちの区は防災用品にモバイルバッテリーを推奨するくせに国の指導にも頑なにリチウムイオン電池の回収を拒んでいるおかしな区なのです)

 以前購入したノーブランドのモバイルバッテリーを廃棄するのに往生した私は,今回は自主的に回収までやってくれるメーカーの製品を買おうと誓ったのですが,その1つにAnkerがあります。

 ユーザーのニーズに応えるラインナップが面白いですし,安い割には製品もしっかりしています。自社製品の積極的な回収も好印象で,次に買うならここかなあと思って,昨年の冬に買ったのが,Anker Power Bank(10000mAh)です。容量は小さめですが,その分大きさも小さくて,機能も十分。なによりストラップがUSBケーブルになるという,誰でも一度は考える仕組みを実現してしまうというのが面白いじゃないですか。

 価格も3500円ほどで,廃棄の問題を心配しなくていいなら,保険として1つくらい持っておくのもいいと,買ってみたわけです。

 実際使ってみると,なかなか良く出来ていて便利です。ちょっとしたピンチに適した容量。手頃のサイズに重さ,充電の速度も悪くないですし,対象機器への柔軟な対応も高評価です。

 これで一安心だと思っていた所,なんと6月にリコールのニュースを目にしました。ばっちり大量機器に含まれており,シリアルを調べると私の買った個体がリコールの対象になっていたのでした。

 多めに見積もって,3.7V*10Ahですから40Wh近い電力量ですから,事故があると結構大きな物になるでしょう。私は高電圧も怖いですが,大電流も怖いです。

 さっさと手続きをして交換してもらいましょう。

 まず,ホームページから対象製品であるかどうかを確認します。該当していたらシリアルを調べて入力します。シリアルは背面に小さく書かれているので虫眼鏡が欲しくなるかも知れません。

 ここで個体の識別が行われます。私は該当シリアルでした。

 でも,かすれていても読めなくても大丈夫。そういう場合はとりあえず返送すれば向こうが判断してくれます。読めないからと言って手元に置いておくのは危険です。

 リコールの申し込むフォームに住所や名前などを記入したら,レターパックで返送用のレターパックの入ったキットが1週間ほどで送られて来ます。フォームを記入するとき,代替品を送ってもらうか返金してもらうかを選ぶのですが,私はこの製品が気に入っていたので交換してもらう事にしました。

 しばらくして届いたレターパックには名前やシリアルなど個々人ごとに内容の異なる書類は入っていないので,対象者全員に共通なのだと思いますが,返送用のレターパックの送り主を自分で記入しないといけないなど,返送が私から行われたとか,代替品を誰に送るかなど,きちんと管理出来ているのかなと心配になりました。

 キットには防火用のフィルムも入っていて,これで包むと万が一の場合にも発火を防ぐことが出来るそうです。耐熱性のフィルムで密封すれば,確かに発火はしないでしょう。

 なお,説明書によると,ストラップのUSB毛0ブルは外して送れとありました。そこでケーブルを外して本体だけをフィルムでくるみ,返送用のレターパックに入れて返送しました。

 ここで困ったのが,品名です。レターパックは手軽ですし対面でやりとりしなくて済むので,オレオレ詐欺に使われたり危険な物を送ったりと悪用されることもありました。そこで品名は必須項目となっているのですが,ここに馬鹿正直に「リチウムイオン電池」と書いて良い物かどうか,悩みました。

 どこにも説明はありませんし,書かないと確認の電話が来たり,最悪戻ってきてしまうかも知れません。かといって,リチウムイオン電池,それも回収品などと書いてしまうと発火する可能性のあるものを投函したことになるので,それはそれで大事故になるかも知れません。

 少なくともフィルムで包んで対策しているので事故は起こりにくいと思いますが,品名に「リチウムイオン電池の回収品,でも対策済みなので心配無用」などと書くわけにもいきません。

 悩んだあげくに,こういう時は正直に書こう,怒られたらあやまろうと,品名にはモバイルバッテリーと書きました。もちろんリチウムイオン電池にチェックも入れておきます。

 これで投函したわけですが,翌日追跡すると,明日到着とのこと。無事に届くようでなによりでした。

 そこからさらに1週間。代替品がヤマト運輸で届きました。新品交換のようです。ケーブルも付属していました。

 使い勝手もなにもかわりませんし,交換してもらって特をした気も起こりませんが,わざわざ交換に手間とお金をかけたのですから,安全なものが届いたと信じたいところです。

 そう,お金もかかるのですよ,こういう事態には。

 今回の回収はなんと40万台以上にのぼるんだそうです。仮にその半数で交換の申し込みがあったとして,行きのレターパック430円,返送のレターパック600円,中に入れるフィルムなどに20円として合計1050円,さらに交換品の送付に500円として一人あたり1500円はかかります。

 そこに電話窓口の設置,回収と返送の拠点の開設とで1000万円以上のお金がかかるとすれば,ざっくり3億円以上のお金が出ていきます。もちろんここに交換品費用に1台あたり1500円ほどかかるでしょうし,返金の場合には3490円の現金の持ち出しです。

 交換と返金を半々として一人あたり2500円かかるとすれば,20万台で5億円。合計で8億円の損失です。もちろん10万台になれば損失も減りますが,回収率が25%と言うことになると,それはそれで国から怒られるでしょうし,なにより事故が起こるとメーカーの責任を問われますし誰も幸せにはなりません。

 もっとも他で儲けているから破綻したりしないですし,回収対象の台数よりも遙かにたくさんの台数を売っているはずなのですが,そこでの利益が吹っ飛ぶくらいの費用がかかるんじゃないかと思います。

 そう,こういう不良を出す事は,命を危険にさらすだけでなく,会社の屋台骨を揺るがす大事なのです。

 でもこのあたりはさすがにAnkerのような体力のある会社だなと思います。お金はもちろんですが,様々な手続きや作業を行うにもそれなりの力が必要で,失礼を承知で言うと中国系の会社も本当に変わったなあと思います。製品の質も良くなりましたし,ユザーの気持ちに寄り添う会社が増えました。

 のみならず,売っておしまいの姿勢から売った後の後始末まできちんとするという姿勢は,少し前の中国系の会社なら考えにくいと思います。ましてここは日本です。市場もそれ程大きくなく,その割には要求レベルは高くて文句も多い上,未だに偏見で物を言う人が多い国です。

 別に感謝をしようという事ではないのですが,どの国なのかは関係なく,良いものは良いと素直に評価できる賢い消費者でありたいと私は思いました。

 アメリカの消費者などはそのあたり公平で,非常に合理的です。安かろう悪かろうの代名詞だった日本の製品を,今や貿易赤字だというほど買って使ってくれています。彼らもアメリカ製の商品をひいきする気持ちはあるはずですが,日本,韓国,そして中国の製品を公平に比べて使ってくれています。かの国は消費者がとても大事にされていることで知られていますが,一方で消費者が自らの責任をきちんと全うしていることの裏返しであるように思います。

 消費者がきちんと自分の責任を果たしているからこそ,その商品の責任はすべて製造者と販売者にあるわけで,ゆえにいかなる理由があっても返品を行うことを当然と考えているのだと思えば,日本の消費者は謙虚である一方で,消費者としての自律した意識がまだまだ足りないことに気付かされるのです。

 消費という活動も自由主義経済の一翼です。さすがアメリカ。良し悪しと言うよりも,国ごと地域ごとに違いがあるというのが,非常に興味深いなと思いました。

 

WiFi7に入れ換えました

  • 2025/07/11 10:48
  • カテゴリー:散財

 大した話ではないのですが,課題だった自宅のWiFiの環境を更新しました。

 うちのWiFIはずっとApple純正で来ていて,初代AIrMacExpressで802.11g,次のAIrMacExpressで802.11nを導入してから,2012年に真打ちAirMacExtreme(ME918J/A)で802.11acに移行しました。

 AirMacExtremeはさすがに良く出来ていて,802.11acのポテンシャルを十分に発揮してくれました。電波も良く届きますし,おかげでリンク速度も高速でした。その割には19800円と安価で,良い買い物だったと思います。

 光回線に移行してからもWiFiは変更しないできたのですが,数年前から不安定な動作で再起動が必要になることも増えてきましたので,折を見て機材の更新をしないとと思っていたのです。

 すでにAppleはWiFi機器から撤退していますので,残念ながらApple純正は諦めなくてはいけなくなりましたが,相性の問題や性能差がメーカーによって出にくくなっている現状では価格で選ばれるわけで,そうなるとApple製品を選ぶ理由もないかなと思います。

 うちは光電話も使っているので,残念ながらルーターはレンタルされた専用品しか使えません。ですのでWiFiもルーターではなくアクセスポイントを設置することになります。

 加えてうちは,宅内のLANが1Gbpsです。10年前なら十分だったんですが,今となっては外部の回線とトントンですので,全然高速ではありません。

 ということで,かつてAirMaxEztremeを導入する時とは熱量が違っていて,今回は故障する前に予防的にリプレースするということ,新しいWiFi規格に対応することで上手くいけば離れた部屋でもリンク速度が上がったりしないかな,という程度の期待しかありません。

 当然価格も安い物を狙って行くことになるわけで,今回amazonのセールで見つけたのがバッファローのWSR3600BE4P/NWHでした。9330円。安い。

 最新のWiFi7(802.11be)に対応,でも6GHzには未対応です。

 5GHzも2.4GHzも2ストリームで,最大リンク速度は5GHzは2882Mbps,2.4GHzは688Mbpsです。この段階ですでにAirMacExtremeを越えているんですが,面白い事に5GHzについてはアンテナが2ストリームなのに3つ内蔵されているので,感度の高いものを選んで2つを切り替えて使えます。これは地味にありがたい。

 有線LANも1Gbpsと今どき控えめですが,うちは1Gbps以上のLANは使っていないのでこれも問題なしです。どちらかというとWPA3に対応していたり,消費電力が下がったり,当たり前ですが801.11axに対応していることが私にはメリットです。いざというときにはメッシュも使えます。

 それで1万円を切るんですから,この円安でよくやるなあと感心します。

 とはいえ,ただただ安いだけならTP-Linkなんかも選択肢に入るわけですが,以前TP-LinkのRE330を買った時,設定上の制約が強くてやりたいことが出来ず,ゴミになったことがありました。何時間もトライして結局仕様上出来ないとわかった時の脱力感・・・TP-linkは二度と買わないと神に誓いました。

 その後同じ目的でバッファロー製のものを買い直したところ,サクッと出来てしまい,本当に拍子抜けしました。その時の仕様上の制約の少なさと設定のまとまりの良さに感心し,バッファローを見直したのです。

 それで今回,仕様的にうちにぴったりで,デザインもスッキリ,色も白が選べて小さく軽く,それでいて安いこの機種にしたのです。

 昨日届いたのでさっと置き換えを作業を行いました。

 やるべきことは簡単ですが,何度も必要な再起動に時間がかかること,一度トラブルが出ると原因不明で何時間もかかることで,この手の作業は時間が読めません。

 で,結論から言うと30分ほどで置き換えが終わりました。トラブルもなく,実にスムーズです。

 最初に本体のアドレスをローカルのネットワークに合わせて再設定。実はTP-Linkなんかだとこの作業が面倒なのです。

 専用のツールで簡単に変更出来たら,あとはうちのネットワークにぶら下げて設定を進めます。SSIDを2.4GHzと5HGzで引き継ぎ,共用のSSID2には新しいSSIDを設定して,これをMLOとWPA3で使えるようにしておきます。うちはまだWiFi7に対応したクライアントがありませんので,MLOの恩恵は受けられませんが,5GHzと2.4GHzをSSIDで区別しないで済むと言うのも,電波がギリギリ届くような部屋ではいちいち切り替えなくてもいいので便利でしょう。

 設置まで終わって運用に入ったのですが,MacBookAir2020では802.11axらしく近距離でのリンク速度1200Mbpsで繋がっています。少し離れたくらいでも十分な速度を維持ししているので頼もしいです。

 これまで電波が弱くなってしまった部屋があるのですが,電波の質そのものはあまり改善されないようです。しかし,リンク速度はそれまで80Mbpsを切っていた以前に比べて200Mbps近くで動く事も多いようなので,体感速度は十分にアップしていると思います。

 そうそう,設置についてです。WSR3600BE4Pは壁に取り付けられます。最初は壁が黒ずむのが嫌で置くだけにしようと思っていたのですがLANのコネクタのある足下の壁にくっつけると通信の安定性も良いことがわかり,壁に取り付けて見ました。

 そうすると邪魔にならず,スッキリとして良い感じです。いがぐりのようにアンテナがピンピンと出ている訳でもなく,無骨な黒色だったりLEDがやたらとビカビカ点灯していたりするのではなく,プレーンなデザインなので気に入りました。

 ということで,12年使ったAirMacExtremeにお別れです。思えばうちのWiFiに最新の802.11acを提供し,その後急増したWiFi機器と通信量を良く捌いてくれました。

 設定がWEBベースではなく専用アプリであることも先々不安でしたし,それなりの高温になる本体から,内部の部品(電解コンデンサですね)の寿命も心配でした。かといって何万円もお金は出せないなあと思っていたので,今回の買い物は正解だったと思います。

 劇的な速度の改善を期待して買ったわけではないのでこれまでと何も変わらないように思うのですが,普段通りに使えていることこそ実は価値あることで,特に初心者でも十分に設定が出来る簡便さと,上級者の期待にも応える設定の細かさを両立するのは,どれも同じように見えるWiFi機器において,バッファローのノウハウなんだろうと思いました。

 まだまだ日本には良いメーカーがあるものです。

 

専属ボーカリストがやってきた

 中学生の娘がいわゆるボカロ曲にはまっており,その関係でこれまで遠巻きに見ているだけで積極的にかかわらなかった,ボーカロイドを真面目に勉強してみることにしました。

 今年の3月頃に始め,ひととおり理解出来たことから,娘が欲しがっていた初音ミク(V4X)のスターターキットを購入し,私自身はいろいろな評価版を使って,最終的に購入するものを選ぶ事にしました。

 ところがその後忙しく,まともな評価が出来ないまま評価期間が終了,結局初音ミクとは縁のない生活に戻ったのでした。

 しかし,その評価版を使って途中まで作っていた楽曲が気になり,とにもかくにも最後まで完成させてしまおうと思い立ち,同時に購入する歌声合成ソフトを選定することにしました。

 最終的に選んだのは,その歌声のあまりの自然さに度肝を抜かれたSynthesizerVでした。

 正直な話,製品名があまりに普通過ぎる上にボーカルを連想できないものである上に,あまり耳にしないソフトであること,そして価格が安いこと,代理店がよくわからんところであることで,俎上に登ってはいませんでした。

 しかし,実際にデモをきいてみると,これがまあすごいこと。

 いわゆるベタ打ちで,もう人と区別出来ないほどの歌声をあっという間に生成します。いわゆるコブシであるとか,ビブラートの深さや時間的変化も自然で,正直ここまで歌える人間もそう多くはないと思いました。(私は無理です)

 しかも,高温でケロケロとした不自然な声になることもなく,また低音で音質が激しく劣化することもなく,本当に上手いボーカリストを一人雇った感覚です。しかも,彼女への指示は感覚的なものでよく,専門的,具体的である必要はありません。当然自分で歌ってみる必要もありません。なんだかとっても偉いプロデューサー大先生様になった気分です。

 きけば,AIを使って調声を自動で行うらしく,なるほどその歌い方が今どきのものだとわかります。これは1980年代の曲を打ち込んでみるとよく分かり,そのせいで曲全体がぐっとモダンに聞こえるようになります。

 価格は3つのデータベース(声のデータ)から1つを選ぶ権利がついて15000円ほど。もう1本選ぶセットで2万円ちょっとで,この魔法のようなソフトが手に入ります。今どきサブスクリプションでないのがまたうれしいじゃないですか。

 評価版を使ってその表現力と手軽さに衝撃を受けた私は,モチベーションが下がらないうちに2本選べるパックを購入,早速インストールをして,1曲仕上げることにしました。選んだ歌声データベースは,日本語音声の標準であるMai2です。

 とはいえ,最初から欲張るとろくなことがありません。

 もともと,初音ミクの評価では,20年ほど前に打ち込んだある曲のMIDIデータをDigitalPerformerに吸い込み,これをほぼ修正せずソフトシンセででっち上げます。

 で,これにボーカルをのせるということを行ったのですが,メロディラインだけはボーカル用に打ち込み治す必要があって,リアルタイムで打ち込んだものに修正を重ねて,初音ミクに歌わせたのです。

 しかし,PiaproEditorのあまりの作業性の悪さに心が折れてしまい,未完成に終わりました。今回のSynthesizerVでは,この作業を仕切り直すことにしたというわけです。

 さて,そのSynthesizerVをさくっと紹介します。もともと中国のある青年が,たった一人で作り上げたと言われる歌声合成ソフトで,大企業の優秀な技術者がよってたかって作ったものとは違います。

 事業化にあたって選んだ場所は日本。どういう事情かわかりませんが,どんな理由にせよ歌声合成なら日本だ,と言う心意気がうれしいじゃないですか。

 中国生まれのソフトらしく,マイナーバージョンアップなのに「全面書き直し」とか,しれっとすごい機能が追加されたり,MacでいえばAppleSiliconに素早く対応したりと,その機動力の高さにワクワクが止まりません。未だにインテルコードのPiaproは恥を知るべきです。

 方向性としては,細かい調声をせずとも自然な歌声になるという全自動ソフトです。手間もかかるし知識も技術も根気も必要な調声を自動化することは,歌声合成の敷居を下げるでしょうし,1分1秒が惜しいプロにとっても,作業時間を短縮することに繋がりますから,とてもありがたいのではないかと思います。

 そしてAIによる「今どき」の歌い方を即座に反映してくれます。おそらくですが,このフレーズなら,この音符の動きなら,この歌詞なら,という組み合わせをもつデータベースをもち,これに従った調声を自動的に行ってくれます。だから1980年代の音楽が今どきの歌い方になるんですね。

 ほら,ChatGPTでもそうですけど,こういう答えが欲しい時にはこういう聴き方をしなきゃ,というのがあるじゃないですか。プロンプトというのですが,SynthesizerVにおいても同じで,こういう歌い方をして欲しいなと思う時には,その歌い方をしてくれるようにデータを用意するのです。思い通りにならないときは手動で調声するわけですが,そういうことをすると返って不自然になるので,SynthesizerVを使うからには,出来るだけ自動で処理するのが正しい様に思います。

 ソフトウェアとしての出来具合もよく,繰り返しますがAppleSiliconにネイティブ対応しているので,ホストとなるDAWもRosetta2の世話になる必要がありません。ちょっとでもCPUパワーが欲しいDAWにおいて,AppleSiliconで動くことは,非常に大きなメリットです。

 データベースの容量もそれほど大きい訳ではありませんし,動作もそれほど重くはありません。安定して動いていますし,エディタの動作も軽いです。つまり,ソフトとして良く出来ているという事です。Piaproは(以下略)

 さて,このSynthesizerVを動かすDAWは,DigitalPerformer11です。

 もともとPerformerはVer4のころから愛用していた古参ユーザーですが,以前ここにも書いたように,私の使用歴はVer6.03で止まっています。その後打ち込みをする時間もなくなり,MIDIシーケンスソフトを使うことは激減,そのうちMacもOSXの時代になるにいたりPerformerも起動しなくなり,長く放置していました。

 コロナ禍に入った2020年に,ふとDP10が半額で手に入ることを知って一念発起,晴れてPerformerに復帰したのはいいものの,まるで人工冬眠から目覚めた前世紀の旧人類のゴトク新しい環境に始めず,数回使っただけで挫折,AppleSilicon搭載マシンに乗り換えてからは,すっかり興味を失い,私の心の傷になったのでした。

 2022年,DP11にアップグレードすることでめでたくAppleSiliconにも対応したのですが,それでもなかなか時間が取れず,結果として全く使いこなせない状態が続いていました。

 なので,今回の目標はSynthesizerVを使ってみることと,DP11を使って1曲仕上げることにしました。MIDIシーケンサー以外の機能について全く無知な私は,つまりDigitalPerformerの超初心者です。自分なりのワークフローを作り,自分のやりたいことがひととおり出来るようになることを,まずは目標にしないといけません。

 ある土曜日,朝10時頃から夕方16時頃までかかって,問題だった曲を1つ仕上げることができました。実は細かい修正は翌日の午前中まで散発的に続いたのですが,通しで聴く事の出来る状態になったことはめでたいことです。

 やってみて分かった事ですが,SynthesizerVはすごいソフトでした。嫁さんにも聞いてもらったのですが,ぱっと聞いただけではもはや人がやってると言っても通ります。

 発音がおかしいところも修正出来ますし,不自然な歌い方をする部分もデータの修正で自然な物になってくれます。私がやって欲しい歌い方よりももっと良い歌い方を提案してくれることもあって,まるで本物のボーカリストと対話しながら音楽を作っているような楽しさです。時間を気にすることもなく,他の関係者を拘束するこに気を遣うこともなく,リテイクに疲れて声が変わってしまうこともなく,もう自分のやりたい放題です。

 DP11もかなり自分の道具になってきた気がします。何が出来るかわからない,そんな機能があるのかどうか不明だ,という絶望的な状況から,これをやるにはどうすればいいのか,と言う状況になってきただけでも随分進歩したなと思いますが,ここからが本当に面白い世界ですので,続けて行くことが大切かなと思います。

 それにしても,DP10から付属するソフトシンセの出来がよく,とても無料でついてくるものだとは思えません。コンサートグランドピアノなどは表現力も豊かで,ついつい時間を忘れて演奏しています。ストリングスもよくまとまっていて使いやすく,リアルタイムで演奏しても適度にリアルで適度にウソっぽい感じが,ポピュラーにはうってつけです。

 アコースティックギターもなかなかいいです。12弦ギターはとても綺麗で,楽器が少ないアンサンブルでは良く馴染みます。残念なのは変に左右に音が飛ぶので,出来ればモノラルでならして,浅いディレイとちょっと深めのリバーブをかけたいなあと思いました。

 次のテーマは,もう1本選ぶ事の出来るSynthesizerVの歌声データベースを何にするか決めること,そして英語の歌詞を歌わせること,オケを今持っている機材にあわせて新たにゼロから作る事,ソフトシンセとハードシンセを両方使って作る事,です。

 ここまで出来れば,あとはいつでも自分の頭の中に鳴っている音を具現化できます。オリジナルを作るのは,アイデアをスケッチできるようになってからのお楽しみです。

REALFORCE RC1 その後

 REALFORCE RC1ですが,いろいろ試した結果,現在はスペーサーが3mm,APCは1.5mmで落ち着いています。

 長くスペーサーを2mm,APCを2.2mmで使っていたのですが,コクっとした反応が返ってきてもキーが入力されていないという状況がどうしても我慢出来なくて,ミスをしないようなタイピングを心がけることでAPCを1.5mmにしました。

 APCを1.5mmにしたのなら,せっかくだからとスペーサーを3mmにしてみたところ,浅いストロークはなかなか快適だとわかりました。

 しかし,落ち着いて考えると,これはすでにREALFORCEとは別物。せっかくの静電容量式の心地よさが死んでいて,果たしてこれでいいのかと疑問がわいてきます。

 ふと思い出すのは,昔々の東プレには,キートップの薄い,ストロークの小さな物があったことです。もうどんなモデルだったか思い出せませんが,私が最初に買った89Uと同じような時期に売られていたものだと思います。今なら,きっとそれを選んでいたことでしょう。

 気が付くのは,確かに良いキーボードを買えば一生物ではありますが,年齢と共に,あるいは用途によって,理想とするキーボードには変化が出てくるという事です。

 用途については用途別に用意することで対応も取れると思いますが,好みが変わることについてはどうにもなりません。私もかつては深いストロークを好み,力一杯タイピングしていましたが,今はそんな派手なことはしません。

 弘法筆を選ばずといいますし,自動車も運転が上手い人というのは,大きな車から小さな車,左ハンドルも右ハンドルも,MTもATも難なく乗りこなします。ユーザーインターフェイスは重要ですが,人間は機械ではなく柔軟な生き物です。

 配列が変わってしまうのは論外かも知れませんが,キーボードによる打鍵感覚の違いを楽しむくらいに,むしろなりたいものです。

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