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ハンディオシロの盲点


 先日,amazonのセールでハンディオシロHO102を買ったと書きました。2万円という低価格でありながら,中級機並の実力があるので気に入っていると書いたのですが,前言撤回です。

 先に言い訳しておくと,当たり前過ぎて気にもせず,当然だろうと思っていた仕様が実は不十分だったということです。いやー,これは迂闊でした。

 その仕様というのは,垂直感度です。難しく書いていますが,早い話が測定電圧のレンジの範囲です。

 先日,HO102で小さな振幅の波形を測定しよう,垂直感度を上げていきました。しかし,普段の感覚なら当然見えるだろう波形がなかなか見えてきません。おかしいなと思って確認すると,最も感度が高いレンジでも100mV/divだというじゃありませんか。

 普段当たり前過ぎて意識しないことなので慌てて普段使いの54645DやTDS3054を確認しましたが,やはり10mV/divまでOKです。うーん,10倍も違うのか。

 10:1プローブを使っていますので本体の感度はそれぞれ1/10になりはしますが,1:1で測定することなど現実的にはありませんので,HO102は一目盛りたったの0.1Vなわけです。これじゃアナログ信号を扱えません。

 電源や波形ののったノイズも見えませんし,センサ系の微弱の信号はもちろんのこと,ロジックでもちょっとした信号の変動さえもつかまえられないでしょう。これじゃ水平軸の性能がどんなに良くても,使える範囲は限られてしまいます。

 かつて,測定器メーカーにお勤めだった方に聞いたことがあるのですが,オシロスコープで最もお金がかかっているのは,入力のアナログ回路,すなわち垂直軸なんだそうです。安いオシロと高いオシロの差,あるいはメーカーの実力の差というのは,垂直軸に出てくるということでした。

 垂直軸の性能は,周波数特性と感度に差がつきます。これってオシロスコープの基本機能そのものですよね。ここがきちんと作れるメーカーは,当時はそんなに多くはなく世界で数社,日本でも1社か2社かそんなもん,という話だったことを覚えています。

 デジタルオシロは多くがデジタル化されているので,きちんと組んでしまえばそんなに性能差が出ません。しかしアナログ回路は違います。性能を上げるには技術も必要ですし,コストもかかります。

 だから,その当時ボツボツ出てきた韓国や台湾,中国のオシロスコープのメーカーが,安価なものをラインナップするのは,実は高額なもの(それに見合ったアナログ性能を持つもの)を作れないのだ,という理屈です。

 近年,中国や台湾のメーカーも実力を付けていますし,アナログ部も汎用のICを組み合わせればそこそこの性能が出せるようになってきたので,かつて30万円だったものが10万円になっているというのは事実です。

 ぱっと見てみると,やはり2,3万円のものは感度最大で5mV/divでした。7,8万円になると1mV/divとかつての「普通」になってきます。そう考えるとHO102の10mV/divというのがいかに低レベルなものか,わかろうものです。

 やはり,2,3万円で売られているものはやはりそれなりのものだということを,特に初心者の方は考えておいた方が良いと思います。

 

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