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BOSSのMX-10を修理

 R100が動き出したのを確認し,ミキサー経由で使うことにしました。

 R100にはリバーブレベルの調整がありますので,単一の音源にかけるだけであれば,わざわざミキサーを使う必要はありません。しかしこの場合,原音も丸ごとサンプリングされてしまいますので,音質の劣化ははっきりわかるレベルです。

 特に豊かな低音を含むアナログシンセでは劣化が顕著で,出来たらリバーブを通さないおきたいわけです。

 そこでミキサーの登場な訳ですが,私がかつて使っていたヤマハのKM802は捨ててしまいましたし,未使用品をそのまま箱に入れてしまってあったBOSSのBX-8も廃棄。

 今手元にあるのはラインミキサーであるBOSSのMX-10だけです。これでもキーボード用のローカルミキサーには重宝していて,ハーフラックの手軽さから今も残してあるわけですが,10年ほど前に電解コンデンサの交換とOP-AMPの交換を行って以来使っていないので,ちゃんと動くかどうか怪しいところです。

 専用のACアダプタをなんとか探しだし,動かして見ました。とりあえず動いているようなのでR100に繋いでみたところ,どうもリバーブがかかりません。リターン端子からの入力はちゃんとミキシングされているようなので,どうもセンド入力に問題がありそうです。

 早速分解して確認しますが,目視では問題なし。波形の確認を行っても大丈夫なので,現場に戻すとこれがまたリバーブがかかりません。

 そんなことを2,3度やったところで我慢ならず,本格的な原因究明を始める事にしました。

 基板単体では問題なしでも,組み立てると問題が出るとか,ジャックをいじると音が出たり出なかったりするので,どうもジャックのハンダのクラックではないかと目途を立てて補修をします。

 でも,問題は完治せず。手で基板をゆがめたりしてストレスをかけたところ,どうも特定の部分をたわませると再現します。そのあたりのハンダ付けをやり直すと,ようやく症状が治まりました。

 この状態で組みたてて現場に戻しましたが,今のところ問題なし。しかし,当時の基板は片面のベークで,吸湿して信頼性も低いものです。外側は立派に作ってありますが,中身はこんなもん,というのもバブル期の機材の特徴かも知れません。そりゃ,今どきのガラエポの基板は信頼性抜群で長寿命ですよ。

 これで綺麗にリバーブもかかるようになりました。Matrix-1000もPRO-800も繋ぎっぱなしでOKですから,ちょっと音を出したい時にも便利です。

 ハーフラックのミキサーにハーフラックのリバーブです。当時はこれでも十分小さくまとまった物だったのですが,前回書いたように,今どき15000円のミキサーにリバーブが内蔵されているわけで,なんだかバカバカしくなってきました。

 とはいえ,ラックマウントのラインミキサーというジャンルはほぼ絶滅,ましてリバーブ内蔵で安価なものは皆無という状況ですので,MX-10にR100という組み合わせは,どれなりに理由があったりします。(R100ではなくSE-50やSE-70ならもっと良かったんでしょうけど)

 ただですね,実際にMatrix-1000にR100のリバーブをかけて以前のセッティングを再現してもみても,記憶とは違う音にしかならないんです。あれ,こんなに悪い音だったかな,そんな印象です。

 それでも,当時なら許されたレベルかも知れませんが,今の水準なら許されない音の悪さという感じです。オーディオインターフェースに繋ぐだけでDAWに取りこみ,高品位なリバーブをかけることが簡単な昨今,こんなことをやっていて何の意味があるのかと,寂しい気分になりました。

 

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