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XC-HM86が壊れた

 XC-HM86がまた壊れました。今度もCDのトレイが出てきません。

 前回壊れた時は保証期間内だったので無償修理,しかしその修理があまりにずさんで,LCDの画面と正面のパネルに大きなキズ,背面はACコードを挟み込んでケースの外にはみ出していましたし,全体に傷だらけ,指紋でベタベタになって戻ってきました。

 新品を買って,1年以内に壊れたので修理に出したらこの有様ですから,それはもうがっかりしました。この時は,使い続けるには危険があるということで新品交換となったのですが,それでももう私に取って,パイオニアとその修理を引き継いだオンキョーへの信頼は崩れていました。

 その後,結局両社は消えてなくなってしまったわけですが,どちらももともと大好きなメーカーだっただけに残念でなりません。

 そのXC-HM86が,また壊れました。前回はモータードライバの破損で部品交換となったのですが,今回もそういうことじゃないかなと目処を立てます。

 すでに保証期間は過ぎていますし,ようやく修理を引き継いだTEACが修理可能機種としてアナウンスするに至ったくらいですから,修理をするにしても有償になることは間違いありません。2017年製造のシールが貼ってあるので,すでに6年も経過したいますから,もう自分で修理するのがベストでしょう。

 さっとgoogle先生にこの件を尋ねると,どうも同じような状況で壊れたケースが多数見つかります。設計の問題なのか,部品の不良なのかわかりませんが,どっちにしても傾向不良である可能性は高そうです。

 問題の破損箇所はやはりモータードライバで,AM5869Sという聞き慣れない型番のICの破損ということです。AMTECという中国のメーカーらしいので知らないのは当然として,このICのちゃんとしたデータシートが見つからないのも問題です。

 XC-HM86についても,回路図は見つからなかったのですが前の機種であるHM72なら見つかりました。概ね同じはずで,実際CDの制御部についてはほぼ同じでした。

 で,このドライバICはちょっと面白くて,フォーカス,トラッキング,スレッド,スピンドルの4つのサーボのドライバに加えて,トレイを動かすローディング用のモーターのドライバの5つをワンチップにしたICです。

 なかなか集積度の高いICだなと思うのですが,サーボに関係ないローディングモーターのドライバまで一緒にされてしまうと,今回のようなケースでサーボのループに入っているドライバもろとも交換することになり,サーボの再調整が必要になるんじゃないかと心配していました。

 しかし,よく考えたら今どきのサーボはデジタルサーボで,自動調整されるものがほとんどですからね,ドライバが変わってトータルのゲインが変わってしまっても,そんな程度なら自動調整で吸収されるはずです。

 そんなわけで,こういうややこしい部品はaliexpressで調達です。5個で1000円,送料まで入れて1600円ほど(円安はやくおわんないかなー)しましたが,1週間ほどで無事到着,早速交換作業に入りました。

 交換作業はうまくいき,綺麗に出来上がったのですが,組み立てて動かしてみるもやはりトレイは出てきません。スレッドもスピンドルも起動時に動くのでドライバは問題ないのですが,交換前の状態は,交換前に通電しなかったのでわからず,悔やまれます。

 こうなってくるとドライバから後の話だろうと,メカデッキを外してトレイを動かすローディングモーターを調べます。ゴムベルトは生きていますし,手動でトレイを動かす事は難なく出来ます。

 そこでモーターの導通を調べると導通していません。正常ならここは導通状態でなければならないのですが,これだとモーターに電流が流れないのと同じなので,回らないはずです。

 モーターを外して指でシャフトを回すと,どうもスムーズに回りません。コリコリという引っかかりがあります。電源器に繋いで見ますが,やはり回りません。大きな電流が流れている様子もないので,ショートはないようです。

 この状態で指で少しシャフトを回すと,ガタガタと回り始めました。電圧を上げると異音をさせながらもなんとか回っている感じですが,一度止めてしまうと再起動しないので,これではだめだと思います。

 こういう場合は即モーターの交換ということになるんでしょうが,同じ定格の同じモーターが手元にある訳ではないので,私はまずはモーターそのものの修理を試みます。

 よく見る小型直流モーターですので,さっさと分解しますが,別におかしいところはありません。整流子が異常に汚れているので,もしかするとゴミか金属片が引っかかっているのかも知れません。

 整流子とブラシを清掃,ベアリングに注油して組み立てると,嘘のようにスムーズに転がります。電源を繋げば滑らかに低い電圧から回ってくれます。これなら大丈夫でしょう。

 メカデッキに取り付けて組み立て直して通電すると,何事もなかったかのようにトレイが出てきました。あとはさっさとテストをして組み立て直して,修理完了です。

 心配していたサーボですが,こちらも問題ありません。CDは問題なくかかりましたし,サーチもジャンプも素早く出来ているので,サーボも問題ないでしょう。

 ということで,ドライバICは黒でした。まさかモーターが問題とは・・・

 私の印象ではありますが,どうも中国製のモーターというのは信頼性が低く,壊れやすいように思います。壊れた時に,オープンで壊れる今回のようなケースもあれば,ショートで壊れる厄介なものもあり,傾向不良として表面化しているドライバICの問題というのは,実はモーターの不良で過大電流が流れたことによるんじゃないかと,疑ったりもします。(そんなことはさすがにないでしょうけど)

 わざわざ中国から入手したドライバICは役に立たず,タダで治ってしまったことに拍子抜けしつつ,とりあえず直って良かったなあと思います。

 それにしてもですね,この全体に漂う品質の低さはなんでしょうか。

 まず,使われているビスがタッピングビスではなく,ただの木ネジってやつです。2本ほどネジ山が潰れていましたし,それ以外もほとんどのネジが斜めに入っていました。

 無駄なネジも多いですし,綺麗なのは基板だけで,手作業が必要な部分は非常に厳しいものがあります。先日,A&DのGX-Z9100EVを分解しましたが,この丁寧さとは雲泥の差です。

 今回初めてXC-HM86を分解しましたが,これは申し訳ないですが,私の知るパイオニアが作ったものではありません。安い値段で買った物ですので文句は言うまいと思いますが,不思議なことにこれでもちゃんとパイオニアの音が出てくるんですよね。

 ネットワークプレイヤーとレシーバーを組み合わせた商品は海外製を含めるといくつか現在でも売られていますが,CD等の光学ディスクを再生出来るものということなると,ほとんど見なくなりました。

 その点で言えば,この機種はそれなりに貴重であって,CDが多い我が家では壊れると困るものです。壊れやすいとされているドライバICも予備を含めて5個も確保しましたので,しばらく困ることはないでしょう。もう少し付き合ってもらう事にします。

 

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