DM15LとDM16をめぐる顛末
- 2019/02/14 09:50
- カテゴリー:マニアックなおはなし
DM15LとDM16が手元に揃って,気になる事がいくつか出てきました。
(1)DM15Lのキーについて
私のDM15Lは,y^xキーのペコ板が2枚重なっていたことで,非常に固いキーになっていた事を先日ここに書きました。
それで,ONキーのペコ板と交換したわけですが,このことでy^xキーは他のキーと同じ感触になったものの,ONキーはすでに柔らかくしてしまったペコ板のせいで,ヌルヌルとした頼りない感触になってしまいました。
なんとかならんかとペコ板を裏側からあちこち突っついて変形させてみますが,硬さは調整出来てもクリック感がどうしても出せず,さじを投げてしまいました。
で,ふと基板をみると,ENTERキーにペコ板が2つ付いていることに気が付きました。
さらにみていくと,ENTERキーのキートップの裏側にある突起は,2つあるペコ板のうち1つだけを押しています。つまりもう1つのペコ板は全く使われていないのです。
なら,このペコ板と交換すれば万事解決じゃないか!
早速試してみます。するとONキーも気持ちのいい感触に戻ってくれました。
悪い感触のペコ板は使われない部分にあてがわれたので,普段は全然我々の目に触れません。一応,これで満足な状態になりました。
本来なら2枚重なっていたことで,都合2枚分のペコ板が手元にあったはずが,2枚ともダメにしてしまうという悲しい状況ではありますが,まあとりあえず使う度にがっかりすることはなくなり,気持ちよく使う事が出来るようになったことを,喜ぶべきでしょう。
その後,今度は"3"ボタンがきかなくなり,分解してアルコールで清掃して復活させました。これはなかなか手を焼きそうな電卓です。
(2)DM16の時計表示
A + ONで,時刻と日付を5分間表示する機能があるのですが,DM15Lでは正常にカウントアップをするのに,DM16ではカウントアップをせず画面が止まったまま,しかも5分経過しても表示が消えません。
実はDM15Lも気が付いたときには表示が止まるようになっていたので,こんなもんかなと思っていたのですが,うっかりRESETボタンを触ってしまい,その後カウントアップが行われるようになったので,その違いに気が付いたというわけです。
DM16についても,RESETボタンで治るだろうと思っていたんですが何度やってもだめです。散々調べてもわからず,いろいろ試しても解決せず,バグかも知れないとDMシリーズを作ったMichael Steinmannさんに,メールを投げてみました。
ダメモトで投げたメールでしたが,数時間後に返事が来ます。
いわく,これはハードウェアのミスで,小型のモデルはRTCからの1秒ごとのパルスをCPUに入れ損なっていると,そういうことのようです。
ハードウェアのバグなら,そりゃなにをやっても解決しないわなあと思いつつ,そんな単純なミスなら私が自分で改修できると気が付き,再びMichaelさんに,もし可能なら基板の改修方法を教えてくれないかとメールを出しました。
そして数時間後,断られるかと思っていた返事は,実にわかりやすい図面と共に,君なら出来るよ,という励ましの言葉が添えられていました。
うれしいですねえ。
やるべき事は,1箇所のパターンカットと,1箇所のブリッジです。推測するにRTCからの1秒パルスを,謝ったCPUの割り込み端子に繋いでいたものを,正しい端子に繋ぎ直して割り込みがかかるようにする改修でしょう。
改修はとても簡単で,10分もかかりません。ミスもなく,改修後にA + ONで無事に1秒ごとのカウントアップが行われています。当然5分後に自動で表示が消えてくれます。
こうして私のDM16はちょっと特別なDM16になりました。SwissMicrosに感謝です。
(3)DM16の画面
DM16の画面がちょっと見にくいなあと思っていたのですが,どうもこれは今ひとつ透過度も低く,平面性も悪い風防がかかっているからだと気が付きました。
シートキーがそのまま画面にかかり,この部分だけ印刷を抜いてあるのですが,ふにゃふにゃの残量で画面を覆うのですから,そりゃ見にくくもなります。
ちょっと傷が付いてしまい,焦らずコンパウンドで傷を消しにかかると,あろうことか余計に細かい擦り傷がたくさん付いてしまいました。これはいかん。
一方のDM15Lは風防など全くない潔い仕様で,傷など全く付くことなく,とても見やすくなっています。なら,DM16も同じ仕様にしましょう。
やるべき事は単純で,印刷されていない透明な部分をカッターで切り抜くだけです。しかし,外側から見える部分ですから,綺麗に切り抜く必要があります。
こういうの,下手なんだよなあと思いながら,良く切れるカッターでなんとか切り抜きました。組み立て直すと実に見やすくなっています。
代わりに汚れや液体に弱くなってしまいましたし,画面になにかぶつかればLCDが壊れてしまうでしょう。でも,この見やすさにはかないません。
てなわけで,ようやくDM15LとDM16は,満足いく仕上がりになりました。こうして手間がかかることは正直面倒ではありますが,これも楽しみと思えばそんなに嫌な気分もありません。
設計者とやりとりして改修をするなど,SwissMicrosの寛容さにはとても感謝していますし,おかげで面白い体験をさせてもらいました。
ではこの両機を実戦に投入しましょう。