Rollei35の修理 ~その2
- 2019/09/20 12:43
- カテゴリー:カメラに関する濃いはなし
さて,Rollei35の修理の続きです。
先日書いたところまでで,一応一度組み上げていました。
巻き上げのギアの組み込みも,本当はマーキングをしておくべき所だったのですが,なにせ最初に調子に乗ってはず他所だったので,マーキングをしていません。
とにかく適当でもやるしかないと何度か試みて,コツがつかめてきました。ただ,巻き上げレバーを戻すバネの巻く回数が多すぎするかもしれず,長い時間を経過すると応力がかかり過ぎてギアが割れてしまうこともあるかも知れません。
巻き上げレバーの飾りネジは,本当に飾りだけなのなら接着剤で貼り付ければいいやと気楽に考えたのですが,実はレバーがガタガタしないように固定する役割もに担っているようで,そのために高さを合わせるワッシャが2枚も挟み込まれていました。
仕方がないので,適当なビスを探し,銅板で適当にワッシャを作って巻き上げレバーを巻き上げギアの心棒に固定し,ギアが外れないように,かつガタガタしないようにします。
そのあと,飾りの部分だけ接着するのですが,当然折れたネジの残りや,後で取り付けたビスの頭が邪魔になり,きちんと接着できません。
真鍮とい柔らかい材料ですので,さっさとリューターで削ることにしたのですが,調子に乗って削りすぎて,裏側を削った形跡が表にも浮かび上がってしまいました。
もうこうなると取り返しが付きません。しかも削ったところがど真ん中ならまだ格好が付くのですが,微妙に中央から外れているのがいかにも素人の失敗っぽくて,なんだか嫌になります。(ま,それもまたかわいいもんなのですが)
くよくよしていても仕方がないので,接着剤で貼り付けて完成させます。
露出計も完璧,パーフォレーションも1コマ8つで問題なし,無限遠も出ているしファインダーもスッキリ,1/2秒もきちんと出ていると言うことで,今すぐにもフィルムを通して試写したいところですが,その前にシャッタースピードを是非確認しておきたいと思いました。
F2の修理の時に,フォトトランジスタだけの簡単なシャッタースピード測定器を作りました。これでF2のシャッターの全速度を確認していますし,F3との比較の結果それなりに信用出来ることもわかっています。
ところが,その測定器をなくしてしまって,どこを探しても見つかりません。30分ほど探し回ったあと,30分あったら同じものをもう1つ作れることに気が付いて,もう1つ同じ物を作る事にしました。
で,早速Rollei35のシャッタースピードを測定してみます。
1/2 548ms +9.6%
1/4 306ms +22.4%
1/8 180ms +44%
1/15 119ms +90.4%
1/30 29ms -7.35%
1/60 17.3ms +10.9%
1/125 10.3ms +31.9%
1/250 5.2ms +33%
1/500 1.86ms -4.6%
うーん,これはひどい。うすうす気が付いてはいましたが,まさかここまでとは。
まず1/2秒については,感覚的にあわせたとはいえなかなかの精度です。
しかし,1/4秒の22%はJISではギリギリアウト,1/15秒の90%なんてのは話になりません。この中で使えそうなのは1/2秒と1/500秒と1/30秒くらいで,ギリギリ1/60秒てところでしょう。
F2もそうだし,SPやES2でもシャッター速度は調整を何度も行って来た私ですが,いずれもフォーカルプレーンシャッターだけです。レンズシャッターは仕組みが難しいと言うよりも,速度を調整する仕組みがいまいちわからず,素人の目から見るとシステマチックに作られていないようにさえ感じます。
フォーカルプレーンシャッターは,幕速とスリットでシャッタースピードが決まります。X速度よりも速い場合のシャッタースピードはスリットの幅を倍々で広げるだけですので,とても明確でわかりやすいです。
しかしレンズシャッターは,各速度それぞれで調速の仕組みが原理的には必要になるはずで,これをいくつかの速度で共通化する事は,シャッターの設計者に任されています。
ただ,フォーカルプレーンシャッターのようにX速度よりも速いか遅いかを意識することはありません。レンズシャッターが好きな人は,このあたりの素直さが気に入っているんでしょうね。どんな速度でもシャッターが全開になるという当たり前の仕組みのおかげで,ストロボも全速度で同調するわけですし。
でもまあ,フォーカルプレーンシャッターのように,調整を1つか2つするだけでほぼ全速度で速度が出るというシンプルさとは縁遠いわけで,調整する側としては面倒だし相対的な速度差が今ひとつと言う点でも,あまり好きにはなれません。
もう1つ,レンズシャッターはフォーカルプレーンシャッターと違って,シャッターがどのくらい開くと「開いた」とするかが難しいです。フォーカルプレーンシャッターはスリットが動きますから,場所による露光時間の差(つまり露光ムラ)はないのですが,レンズシャッターは中央部が最も露光時間が長く,外周部に行くほど露光時間が短くなります。
それに,どんな速度でもシャッターは全開でなくてはなりませんから,とても条件的には厳しいです。レンズシャッターの速度が相対的に遅く,かつ誤差が大きいのはこの辺の事情にあるように思います。
ということで,一応JIS B 7091の範囲にシャッター速度が入っていない現在の状態は,カメラとしての最低限の機能さえも損なっているといえて,妥協できません。
ということで,サービスマニュアルに従ってシャッタースピードを調整することにします。
が,これがまた茨の道であることを,この時の私は知りません。
続く。