秋月電子の広帯域プローブをめぐる事件
- 2007/03/12 14:42
- カテゴリー:make:
艦長日誌の更新が滞っておりましたが,気分的にも時間的にも少しゆとりがなかったためで,書くに値する物事はいろいろ起こっていました。
まず,オシロスコープのプローブを新調した件。
先日,オシロスコープが直った件はここに書きましたが,広帯域アナログオシロスコープの中身をつぶさに見て,またそれを物量と職人芸で可能にしていた1980年代の底力を見て,これまで使っていた200MHz帯域の安物のプローブではあまりに役不足だと感じ,プローブは消耗品だという考えの基,新調することにしました。
10年ほど前ですが,まだこっちに引っ越してくる前,所用で初めて訪れた秋葉原の秋月電子で,買ったばかりのオシロスコープにプローブを買って帰ったものを今も使っていました。
純正(P6135)は4万円近くもします。中古で1本だけ買いましたが,もったいなくて常用する気にはなりませんし,それに1本ではどうにもなりません。
秋月で当時購入したプローブは,200MHzで2500円ほどのものを2本,250MHzで9800円ほどのものを1本です。帯域が50MHz違うだけで価格がこんなに違うというのもびっくりですが,後者はリードアウト対応のピンがBNCコネクタの部分についています。これがないとせっかくのリードアウト機能が正常に動作しません。
安い200MHzのプローブも性能は十分で,普段の私が350MHzもの帯域を使い切ることもありませんから,これで事足りていました。リードアウト機能については解析をし,ピンの部分がGNDから10kΩで浮いていることを突き止めていましたので,プローブのBNCコネクタの付け根の部分に抵抗をハンダ付けして,リードアウト対応に改造していました。
そうなると9800円もしたプローブがもったいないなあと強烈に感じたわけです。
純正のプローブと組み合わせて使うかと思ったのですが,ケーブルの長さが違うため,遅延時間に結構な差が出ています。これでは立上り時間の計測が難しくなります。
そこで,広帯域プローブを2本,贅沢にも奢ってやろうというのがいきさつです。
とはいえ,私はお金持ちではありませんから,秋月電子を調べてみます。やっぱりありますね,激安プローブ。当時の商品とは別のものになっているようで,生産国もドイツから台湾に変わっています。
広帯域プローブは,5500円で500MHzというのがありますね。TX6150Rという品名です。リードアウト対応ですので,これが最適です。2本で11000円ですから,値打ちを考えると十分に安いのですが,それでもなかなかいい値段です。
1週間前に購入したのですが,喜んで試してみると1本だけ様子がおかしいのです。プローブをオシロスコープに取り付けた時にまず最初に行う事は,1kHzの矩形波が綺麗に表示されるようにトリマを回して調整することですが,1本はトリマを回すと波形が変わるのに,もう1本は調整を済ませた後もケーブルを触ったりすると大きくは系が乱れてしまいます。何度か調整をやり直しているうちに,トリマを回しても波形が全く変わらなくなってしまいました。
おそらくコネクタの付け根の部分で断線したか,なんかでしょう。矩形波の肩が丸くなったままです。このままでは使い物になりませんから,翌日店頭に電話をします。
すると,確認の上で交換してくれるとのこと。秋月のような安いお店に,丁寧さを期待してはいなかったのですが,それはいい意味で裏切られました。
返品のために袋詰めをしていると,この2つは同じ商品なのに,説明書のバージョンが異なっているようです。壊れていた方についていた説明書はこのプローブ専用のものでしたが,正常な方についていたのは,帯域の違いによる複数のバリエーションで共通の説明書でした。
帯域の違いによるバリエーションは後になって登場していますので,どうも不良品だったものは極端に古いものだったようです。
そういう説明はややこしいので,何も言わないでとりあえず店頭に持っていくと,いつものような慌ただしさが眼前に広がっています。
そんな中で電話を受けてくれた人と思われる方に丁寧に対応していただいたのですが,動作確認を担当する技術の方が風邪でお休みしているので,今回は確認なしで交換しますとのこと。
待たされずに済んだことはありがたいのかも知れませんが,交換された新しいものが正常に動作するものかどうかを確認して欲しいところです。
まあ,ごちゃごちゃいうのも面倒なので,そのまま持って帰ります。説明書は新しいものになっていました。
家に帰って試してみると,全く問題なし。調整をさっさと済ませ,2本のプローブの遅延時間差も調整を終わらせ,準備万端。
ところが,新しくもらってきたプローブNo付属品を見ていると,プローブチップという先端の部品が見あたらないことに気が付きました。
実は,交換前のものにも付属していなかったので,そんなものかと思っていたのですが,普通プローブには付属しているものですし,最初から正常だった方には入っていたので,どうもおかしいなあと思っていたのです。
説明書には付属品リストがなく,この商品に含まれているものが何なのか,ささっと確認できないことも問題でした。
メーカーのホームページでカタログをダウンロード,そこに書かれていた付属品一覧を見ると,やはりプローブチップは付属しているようです。
ただ,小さい部品1つでいちいち秋葉原に出向くのも面倒なので,今度は秋月電子のホームページから「欠品のようなので郵便か何かで送って欲しい」と連絡をして待つことにしました。
すると,前回風邪でお休みだった担当の方から,郵便で送りますというお返事を頂きました。全部送り返せとか,店頭で渡すとか言われるかも知れないなと思っていたのですが,丁寧かつ柔軟に対応を頂いて,さらに高感度アップです。
数日後,普通郵便で小さなプローブチップが送られてきました。中にはご迷惑をお掛けしましたと手紙が1通。さすが法人営業がメインの会社です。
ご存じの方も多いと思いますが,ちょうど秋月電子の店頭は店舗の改装で3月11日から月末まで,仮店舗で営業をすることになっています。
私が対応をして頂いたのは,ちょうどそのための準備などで大忙しだっただろうと思います。それに,私以上にややこしい相談やクレームをいっぱい受けていると思われ,そんな中でもきちんと対応をしてくださったことは,実にありがたいと思いました。
そんな訳で,テクトロニクス2465Aオシロスコープは新しいプローブによって,その潜在能力をフルに生かせる用意が整いました。まずはめでたしめでたし。