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Zfc,その後

Zfcを入手して10日ほどたちました。ちょっとずつですが自分の中でZfcというカメラが形を持つようになってきました。

(1)グリップについての考察

 1980年代にはなぜか指かけ程度のグリップが流行りました。代表的なものはニコンF3ですし,キヤノンA-1やPentaxのSuperAなどもそうで,70年代から続くクラシカルなスタイルに,このちょっとしたグリップがあるだけでぐっとモダンに見えたものです。

 Zfcではクラシカルなスタイルをモチーフにすることがその価値を体現していますが,控えめなグリップという1980年代のアイテムを付け加えることで別のテイストを楽しめるように,純正で専用のオプションが用意されています。

 ただこのオプション,特に機能的になにもないのに,2万円ちかくするというとても高価なものです。Zfcのせっかくの小ささをこんなものでスポイルするのもおかしいですし,私は最初から買うつもりがありませんでした。

 ただ,実際に使ってみると,欲しいなと思うこともあります。撮影時というよりは,大きめのレンズを付けた時の持ち運びで,ボディをつまむよりも引っかける方がはるかに安全で楽だということを,最近のニコンの一眼レフで知ってしまったからです。

 それと,底部を保護する目的でも欲しいアイテムです。

 でもそれだけで2万円はないなと思っていたら,ちょうどいいものが見つかりました。SmallRigというメーカーの製品ですが,なかなかよく考えられています。

 アルカスイス互換,縦位置にも三脚穴があり,左下にはアクセサリシューが用意されています。これだけでも欲張りな仕様です。

 グリップ部は硬質のゴムで,高級感はありませんが滑りにくく持ちやすいです。もちろん電池フタはそのままで開閉可能。プレートのグリップ側にはストラップホールも開いているので,なんとZfcを縦にぶら下げることも出来ます。うーん。


 底部は8mmほどかさ上げされるのですが,これがまたちょうど良い感じです。フードをつけたレンズとだと高さが合いますし,FTZでも高さの違いは1mmか2mmほどで違和感がなくなります。

 これでお値段は5000円。これなら失敗しても損した気分になりにくいでしょう。

 ということで,早速買ってみたのですが,予想以上によいものでした。

 加工精度も良く,グラグラもしませんしはみ出しもありません。指にかかるところがザラザラしたり引っかかったりすることもありません。塗装は安っぽい感じがしますが,まあそのくらいはいいでしょう。

 ゴムも指にうまく引っかかるもので,これなら安全です。

 取り付けた結果,重くなったり大きくなったりして持ちにくくなったりはしないかと心配していましたが,少なくとも私には全く問題になりませんでした。もともと軽いですし,厚みもギリギリのいい所で調整されていますし,グリップの張り出しもいい感じです。

 デザインも破綻がなく,高級感はありませんが80年代テイストをよく再現していますし,Zfcとの相性もよいです。実用性を高めながらこれでZfcがまた違った味わいになるので,大したものだと感心しました。

 この手のオプションはなんだかんだで使いものにならず,結局純正を買い直すことになるか,あるいは使わないままになってしまうものです。しかし今回のSmallRigのグリップは「よくわかってるなあ」と感心しました。

 まだ直販サイトか楽天やYahooの直営店でしか買えないようですが,この出来ならそのうちamazonなんかでも買えるようになるでしょう。Zfcならこれお奨めです。


(2)画質についての考察

 Zfcやその母体となったZ50の画質を絶賛する記事が多いので私もそう思って使っていたのですが,それ程でもないなあ,というのが私の実感です。

 普段使いのD850と比べてしまうと見劣りするのは仕方がないとしても,RAWからの編集で結構底にぶつかってしまったり,調整の範囲が狭くて,窮屈な感じがします。

 一番の問題はやはり感度です。私の基準では,D850はISO6400までは常用可能,ISO12800では工夫次第で利用可能という感じなのですが,Zfcはこれより1段ほど低いのが私の感触です。

 ISO6400ではもうノイズも色も崩れてしまいますし,ISO12800は話にならないレベルです。

 また,RAWで露光量を増やすと,暗部が浮かんできません。センサのダイナミックレンジの狭さが気になった瞬間です。

 メリハリのある画像ではありますが,やはり情報量は少ないですし,ちょっといじれば破綻するので,D850のような安心感はありません。

 とはいえ,レンズの個性を楽しめるくらいのポテンシャルは持っていますが,それもD850の力を知っていると,物足りなくなってしまいます。


(3)操作系についての考察

 やはりISO感度の設定がややこしいです。ISOツマミがあるのは別に良いのですが,ロックがあるので面倒です。だからついつい自動で運用するのですが,なかなか高感度側に切り替わってくれないので,ブレが連発して馴染めません。

 それから,コマンドダイヤルの問題です。絞りがコマンドダイヤルなのはDシリーズと同じなのですが,シャッター速度が背面のコマンドダイヤルで調整出来ないのは困ったものです。確かに軍艦部にシャッタースピードダイヤルがありますが,やはりDシリーズを使い慣れた人からいうと,この位置にシャッタースピードダイヤルがあっていいのは,銀塩のカメラだけだなあと思いました。


(4)アイカップについての考察

 そのうち出ると思いますが,目を完全に覆うアイカップが欲しいです。DK22やNEPS1を使えば丸窓にアイカップになると思ったのですが,近接センサが誤動作するので,顔を離してもファインダーが消えてくれなくなりました。

 仕方がないので,純正のアイピースからゴム製の丸い枠を切り取ってしまい,F3用のアイカップであるDK-2を瞬間接着剤で貼り付けました。

 DK-2はDK-19の旧製品なので,同じ22mm径のアイカップです。しかしわずかにDK-2の方が径が大きいようで,DK-19では近接センサが誤動作するのに,DK-2では誤動作しないのです。

 DK-2はすでに入手が難しいのですが,もし入手出来たらお試し下さい。


(5)AFの設定についての考察

 AUTOモードにするとオートエリアAFになります。これ,とても便利で人の顔が入ってきたら,さっと顔を認識し露出も1段明るくしてくれるほどです。

 カメラに不慣れた人に使ってもらうとき,例えば子どもなんかが面白がって使いたいと言ったときなど,これにしておけばほとんどの場合台上です。

 しかし,顔以外では一番近いものに合わせるので,なかなか思い通りになってくれません。結局顔認識よりも確実なシングルポイントAFで使うことが増えました。


(6)レンズについての考察

 詳しいことは別の機会にしようと思うのですが,私が手に入れた28mmと40mmのNIKKOR Zは,どれもちょっと甘い感じがします。特に40mmは甘いと言うより緩いという感じさえします。

 FTZでシグマの17-50を使うと,シグマらしい寒色系でカリカリのハイコントラストを楽しめますが,もしかするとZfcというのは,こういう甘さを「よし」とする価値観の人々向けなのかも知れません。

 16-50mmのF2.8通しがあると買うんだけどなあ。


(7)バッテリについての考察

 電池は小さい上にミラーレスの宿命で,あっというまに電池がなくなります。予備の電池も入手困難ということで,Zfcを使い込むにはなかなかハードルが高そうです。

 私は幸いにも一瞬在庫が復活した時に予備の電池が買えましたが,それも5000円以上と安いものではないので,やはり消費電力を優先すると一眼レフになるなあというのが結論です。


(8)D850についての考察

 やっぱりD850はいいです。安心感もありますし,画像にゆとりがあります。センサ由来の情報量の豊かさはRAWからの現像が思い通りになる快感を与えてくれます。

 シャッターも小気味良く撮影意欲を高めてくれますし,レンズの個性をしっかり受け止めてくれますからAF-S70-200mmF2,8Eだって使い心地は最高です。

 Zfcがオモチャだとはいいませんし,これで十分な用途も多いとは思いますが,やはりRAWからいじる人には底が浅く,ゆとりがないのでフラストレーションがたまるのではないかと思います。


(9)Lightroom6で扱いことの考察

 私は未だにlightroom6の買い切り版から移行出来ていないのですが,よく言われているように最新のCameraRAWからレンズとボディのプロファイルを抜き出してやり,DNG ConverterでNEFをDNGに変換してLightroomに食わせれば,ほぼ問題なくこれまでのワークフローで編集から印刷までをこなすことができるとわかりました。

 CameraStandardではカメラ内部の現像とlightroomでの現像で僅かに結果が異なりますが,わずかな差ですしどちらも破綻していないので,実用上は問題ない範囲です。

 気になったのは,Zマウントのレンスでは,レンズプロファイルが埋め込みを使うことで,しかもデフォルトでONになっていることでしょう。私のレンズは28mmと40mmだけですので,補正がなくてもそんなにおかしな画像にならないと思いますが,聞くところでは14-24mmのズームでは補正無しでは話にならないくらいの光学性能なんだとか。

 こういう場合に古いLightroomで正しい補正がかかるのかどうか,心配です。


 そんなわけで,ストラップは細身の皮のもの(PentaxのQ-S1用というのは泣かせます)を装着し,かなり体に馴染んできました。D850を久々に使うと戸惑うくらいだったのですが,ファインダーの見えやすさも軽快な感じも十分で,スマートフォンからちょっといいカメラを使いたくて買った人なら,感動するんじゃないでしょうか。

 ただ,やっぱり高級機のサブカメラにはちょっとならないかなあと思っています。もちろん,本当のプロはZfcくらいの能力があればちゃんと使いこなすのでしょうし,sRGBのJPEG撮って出しの納品ならこれで問題はなにもないのですが,作り込む素材としてはやっぱり物足りないというのが私の結論です。

 そう,一番大切なことを忘れていました。やっぱり軽いことは正義です。

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