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R3pro Saberでやっと今どきのDAPの世界に追いついた

 HiByR3pro Saberを購入したことで,新しい環境が一気にやってきました。それは非常に劇的とも言えて,知らないだけでこれほどまでにポータブルオーディオの世界は進化していたのかと思い知らされました。10年前とは大違いです。

 そして,その進化に,かつてはお家芸といわれた日本のメーカーがほとんど関わっていないこともショックではありました。要素技術や素材では日本のメーカーの存在も光っていますが,製品としてまとめ上げて最新の技術をリーズナブルに市場に送り出すことを得意としていた日本のメーカーの存在感がこれほど薄くなっているとは,驚きです。

(1)microSD
 可逆で音楽のすべてを手のひらに収めることを今回の目標に掲げた以上,大容量のストレージは必須です。全部取りこむのには512GBでギリギリなのですが,これくらいになると32GB程度を内蔵されても仕方がなく,内蔵を持たないR3proの潔さがかえって楽だと思います。

 DAPでは書き込みは遅くとも,読み出しが中心ですしビットレートもそれ程高くはありませんので,低速でも十分役に立つのですが,そうはいっても信頼性が低いと困りますので,選択が難しい所です。

 今回はSanDiskのUltraの512GBを選びました。並行輸入品なら7500円程度で買えますので,お買い得感があります。ただ,偽物を掴まされると怖いですから,お店は選ばないといけません。間違ってもamazonなんかで買ってはだめです。

 さすが512GB,CDはもちろん,カセットをデジタル化したものや,SACDを24bit/96kHzで録音したものなども含め,ほぼ保存することができました。SACDなんかはハイブリッドならCDDAも一緒に入れておきたいところですが,結局聴くのはどちらかだけですので,低音質の方は消すという方針で全部入れきりました。

 私のため込んだ音楽のすべてが,可逆でどこでも聴けるというのはすごいことで,同じような感動はかつて初代のiPodを買った時にも感じましたが,今回はそれ以上です。

 当時は圧縮してもすべてのCDを入れるほどのストレージはなかったのですが,数十枚のCDを持ち歩けることで起きる体験の根本的な変化に気が付いたときの衝撃は忘れません。

 この時は,そうはいっても圧縮音楽で,オーディオ機器としての音質もまだまだということもあり,あくまで据え置きのオーディオが主役で,ポータブルオーディオはあくまでサブという役割分担だったのですが,R3proを導入して見れば,データとしてはオリジナルと同じもので,しかも据え置きを越えるほどの高音質です。違いはもはやスピーカーを使うかどうか,ということくらいです。

 こうなってくるともうR3proは私のオーディオの主役であり,据え置きは欠点しか存在しない無用の長物となってしまう恐れがあります。LPレコードやカセットというレガシーなアナログ機器を扱うためだけに持っておく必要はありますが,CDプレイヤーやネットワークプレイヤーなどは,もう処分しても困らないでしょう。


(2)バランス接続
 R3には2.5mm4極のバランス接続用ヘッドホン端子があります。JEITAでは4.4mm5極が規定されているので標準化されたものとは違いますが,中国製の製品の多くが採用しているものですし,ケーブルも手に入りやすいです。

 私自身はバランス接続をしても,そんなに差はないだろうと思っていました。もちろん電気屋さんですので,バランス接続することの理論的なメリットは思いつきますし,望ましいのは確かだと思うのですが,それが聴感上どう影響するかは,半信半疑だったのです。

 私はソニーのMDR-M1STを使っていますが,これはMDR-1Aコンパチな端子を持っているので,MDR-1A用のバランス接続ケーブルがそのまま利用出来ます。amazonで探してみると,2.5mm4極のMDR-1A用ケーブルが見つかったので,試しに購入しました。3000円ほどだったと思います。

 試してみたのですが,まさかこんなに違うとは思いませんでした。

 まず,定位感が大きく改善されます。バランス接続では左右の音の市がさらに端っこまで広がるようになります。そして,それぞれの音の輪郭がはっきりとし,コントラストも向上します。

 それでいてきっちと奥行き感も豊かになり,音がセンターにじわっと集まる感じがなくなります。

 これは,セパレーションが大きく改善された結果でしょう。

 それから,低音と高音が同時に出た時の,高音の安定感です。低音のバスドラムに引っ張られて高音がへなへなになるのですが,それが押さえられます。これはGNDを共通にすることの弊害で大電流が流れ込んだGNDに電圧変動がおこるからでしょう。

 それから安定感です。音量の大小,周波数の高低に関係なく,一定の質の音が出てきます。これは,アンバランスでは押し出すだけだったものが,バランスだと押し出した一方で吸い込むことをやるからでしょう。

 これも,いろいろ理屈は考えつきますが,いわば排水を下水に流しておしまいにしてしまうと,大雨が降ってあふれることもあるし,ちょっとした変化で流れ方が変わってしまうことに例えてもいいと思います。

 排水の量を気にしなくてもいいようにするには,下水道ではなく直接海に投棄するくらいでないといけないのですが,それはなかなか大変です。そこで排水を専用のパイプで送り出し側に戻してやると,他から影響を受けませんし,他に影響を与えません。

 正確で精密な音を,こんなに手軽に楽しめるなんて,もっと早くにバランス接続しておくべきでした。バランス接続にしてデメリットはなにもありません。常用します。

 MDR-1Aは,スリーブがL-,その隣のリングがR-ですので,3極だとここがショートしてアンバランスになります。だから,MDR-1Aコンパチにしておけば両対応にくれます。これも好都合です。
 

(3)LDAC
 Bluetoothはビットレートが低く,音楽の伝送は基本的には圧縮されて行われます。それに,A2DPでは48kHzを越えるサンプリング周波数も,24bitのビット数も通りませんので,ハイレゾにはならないです。

 そこで,aptXやLDACといった,CDフォーマットをこえるフォーマットを通すことの出来るコーデックが広まりました。LDACはソニーが開発したもので,少しずつですが対応機器が増えてきています。

 R3proも対応機種ですが,実は私はノイズキャンセル性能をあてにして,WH-1000XM4を持っているので,LDACをすぐに試すことができます。

 で,試したのですが,どうも効き目がわかりません。AACやSBCと比べれば即座にわかるほど,普通にいい音ではあります。しかし,ケーブル接続,それもバランス接続と比べてしまうと,特にメリット感じないのです。

 デメリットは結構あり,やはり切れやすいです。ひどいときは30cmも離してしまえばブツブツ切れ始めますし,電子レンジで沈黙とか,環境に左右されることも大きいです。それならケーブルでの接続に割り切った方がずっと幸せです。


(4)MQA
 謎のハイレゾフォーマット,MQAにも対応します。サンプラーCDを3枚ほど買いましたが,デコーダがない我が家では,その効能は限定的であり,正直違いがわからないものでした。

 しかし,R3proにはデコーダが搭載されているので,MQAを正しく体験できます。早速試してみましょう。

 結果ですが,今ひとつ。違いがそんなに大きく感じられませんし,その僅かな違いも,良い差なのかどうでもいい差なのか,判然としません。結論としては,MQAは別にいらん,です。


(5)まとめ
 とまあ,すっかり乗り遅れていたDAPの世界を一通り試すことが出来て,どうにか追いついたように思います。本格的ではないにせよ,知っているだけで体験していないものは説得力もありませんし,本当にそれが良いものなら楽しまないのは損です。

 感じたのは,やはり良いものは支持されて残るという事です。HDCDは残らなかったですが,ハイレゾもバランス接続も残ります。こういう新しい技術がわずか2万円ちょっとの機器に搭載され,楽しめるようになっていることは,なんと良い時代になったものかと思います。

 コンパクトさや質感でワクワクし,音でドキドキして,とても楽しく使っていますが,気が付くと昔の音源を聴くのが楽しく,一通り聴いては,何時間も経過していることに気が付いて驚くという事がしばしばです。

 よく,高価なオーディオ機器に乗り換えると,昔のCDを一気に聴いてしまうといいますが,おそらくそれと同じ事だと思います。

 メモリカードまで入れればそれなりの投資になりましたが,十分なリターンがあるばかりか,同じ効果を得るのにこんなに安い価格で済む事に驚くほどです。DAPの世界,侮りがたいです。

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