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妥協しないハンディオシロを買う

 先日のamazonのセールで,また新しい測定器を買ってしまいました。HO102というハンディオシロです。

 今持っているオシロもテスターも機能的には満足していますが,先日AppleIIの修理をやっているときに,現場で波形を見たいときが頻繁にあり,この時いちいちTDS3054を持ち運んでいたのがとても面倒だったのです。

 帯域は最低でも100MHz,2ch測定が可能で,10:1プローブが使えて,トリガも綺麗にかかって,カーソルも使いやすくて,それで十分なメモリとサンプル周期を持っているもの,つまり一昔前の中級モデルくらいのものが電池で動いてくれればいいなあと思っていたところ,目についたのがHO102でした。

 スペック的に3万円から4万円くらいするのも当然だと思っていたのですが,HO102はセールで2万円でした。聞いたことがないようなメーカーのものですが,同じ物がOWONに供給されているようなので,そんなに悪いものではないでしょう。

 とにかく,100MHzで2chのオシロが2万円です。

 さて,そのHO102ですが,スペックを並べると100MHzで2ch,10:1のプローブが使えてと,すでに十分使いものになりそうな感じです。サンプリングは最大500Ms/sでメモリは8k,画面の更新速度は10000回/sと,これも実用レベルではないかと思います。

 これが手のひらサイズで電池駆動,しかも2万円なんですから恐れ入りました。

 で,少し使ってみたのですが,例えばカーソルの時間測定が逆数表示(つまり周波数ですね)出来ないとか,ロータリーエンコーダがないので直感的に操作できないとか,ちょっとフロアノイズが大きいとか,そういう不満はありながらも,普段使いには十分なものであると思います。なんといっても電池駆動というのが素晴らしい。

 そうなると心配なのは精度と信頼性です。信頼性は使ってみないとわからないですが,精度は使い始めるときに分かっていないと不安なものです。ただ,オシロスコープなんてのはそもそも精度を追い込む時に使うような測定器ではないので,テスタモードでの精度を見てみることにします。

 HO102にはテスタモードを持っていて,ボタン1つで切り替えが出来ます。カラフルなLCDで見やすく表示されるので好印象ですが,ファンクションの切り替えがロータリースイッチではないので使いやすさは今ひとつです。

 気になるのは精度で,一応一応スペックとしては20000カウントです。ちょっといいテスタくらいの感じでしょうか。コンデンサの容量はもちろん電流も測定出来ますし,今どきのテスタが出来る事は一通り出来そうです。

 では早速,恒例の誤差を調べてみましょう。いつものように標準電圧発生器を測定してみます。

 この標準電圧発生器は2016年に購入したもので,AD584KというICを使って,温度係数が15ppm/℃という安定性を持っています。出荷時に信頼出来る測定器で測定した値を添付してくれているので,これとの比較を行えば自分の測定器の精度がある程度わかります。

 出荷時の値は以下の様な感じです。

2.500V・・・2.50165V
5.000V・・・5.00302V
7.500V・・・7.50454V
10.00V・・・10.00533V

 測定日からすでに7年も経過しているので,ズレていても仕方がないのですが,そこも含めて確かめていきます。

 まず,うちの基準器であるHP34401Aです。
2.5018V
5.0035V
7.5053V
10.0064V


結構ズレているように思いますが,実は昨年に測定した値があります。

2.5017V
5.0035V
7.5054V
10.0065V

 これを見るとほとんど変わっていません。しかも昨年の値と2019年の値とは一致しているので,この3年ほど値がほぼ変わっていないことになります。

 次に,HP34401Aの現在の値とHO102の比較です。

2.502V -0.2mV -0.00799%
5.003V -0.5mV -0.00999%
7.505V -0.3mV -0.00400%
10.006V -0.4mV -0.00400%

 お,なかなかやりますね。桁数が減った分だけ不利になっていますが,ほぼドンピシャという感じでしょうか。これなら十分信頼出来る測定器といえるでしょう。気に入りました。

 でも,20000カウントの弱点が出てますね。2.5Vでは少数3位までしか出てません。私のように5Vまでの範囲でおさまってしまう弱電屋さんにとっては,20000カウントも6000カウントもそんなに変わらん,ということです。

更新速度は仕様として規定されていませんが,1秒間に3から4回というところでしょうか。十分です。また,trueRMSというのも地味にうれしいところです。

精度の仕様はDCが0.5%+3dig,ACが0.8%+5digですから,DT4282の足下にも及びませんが,FLUKE 101と同じですね。実用範囲です。


 参考までに,うちのもう1つの基準器であるDT4282です。購入後1年経過しました。

2.5017V 0mV 0%
5.0035V 0mV 0%
7.505V -0.4mV -0.00633%
10.006V -0.5mV -0.00500%

 相変わらず良い値を示しています。さすがは60000カウント,6Vまでなら小数点4位まで表示する上,34401とぴったり同じの値を出すなど,しびれます。


 まとめると,HO102はスペックは凡庸で,20000カウントも実使用上はあまりうれしくないが,実力は十分で測定値も信頼出来る,操作性は今ひとつだが視認性は良く,常用可能なテスタであると言えるでしょう。

 考えてみると2万円ですから,オシロスコープの値段を考えるとタダみたいなもんです。現場でオシロとテスタを切り替えて使うことがどれだけあるかわかりませんが,とりあえず1台持っていけばどっちでも対応出来るというのは頼もしいですし,それぞれの機能に妥協しないで済むという安心感もあります。

 中国製なので見た目もアレですし,手触りも良くありません。PCと繋ぐソフトも試しましたが,別に使いたいと思うようなものでもない程度でしたし,付属品の質も低くて,テスタリードなどはなにやらベタベタして気持ち悪いです。

 ですが,オシロスコープとテストの2つの基本機能はしっかりしていますし,使い心地も悪くなく,測定結果は信頼出来ます。これが2万円ですからね,電子工作初心者の方々にこそ,この測定器をお奨めしたいです。おそらく10年は使えますよ。

 

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