P6201を2つも手に入れた
- 2023/07/14 14:18
- カテゴリー:散財, マニアックなおはなし, make:
さて,先日アクティブプローブのP6201を手に入れた話を,結局2465Aのメンテを行いことになったと言う形で書きましたが,今回はその続きです。
10:1や100:1のアッテネータがないために実用的に使えないじゃないかという話はあるものの,とりあえず調整をやってみることにしました。うまく調整ができれば壊れていないという証にもなりますし。
P6201はプローブですから,調整は不可欠です。ただちょっと面倒なのでやってない人も多いでしょう。ということでマニュアルを見ながら調整を進める事にするわけですが,高速な立ち上がりのパルスを発生させる機材もないし,1GHzの帯域を持つオシロスコープもありませんので,そこはもう自分の届く範囲でと言うことで割り切り他ありません。
ところで,調整方法が書かれたマニュアル(サービスマニュアルではない)は新旧2種類があるようで,わかりやすさで言えば旧,確実性で言えば新ということになりそうです。今回は新マニュアルで進めます。
(1)まずは分解です。ネジを外して,上下のケースを外します。まるで三枚おろしのようになると思いますが,この状態でオシロスコープに接続します。もちろん電源も繋いで下さい。
そうそう,電源ラインに入った抵抗がかなり熱くなるので注意。
(2)まずはスイッチ類の設定です。50ΩTERMはINT,DC OFFSETはOFF,COUPLINGはDCに設定します。
(3)ではオフセットから調整します。オシロスコープの入力を1MΩのDC,最小レンジに設定し,この時輝線が0VになるようにR250を調整します。R250はDC OFFSETのスイッチがある面の端っこにあり「OUTPUT ZERO」と書かれています。
(4)次にバイアスの調整です。Q300というトランジスタ(マイクロディスク型とは珍しい)のベースとGNDの間の電圧をテスターで測定し,-3.3V±25mVになるようR230を調整します。Q300は先程のR250とは反対の面にあり,R230はR250と同じ面にあり「BIAS ADJ」と書かれています。
(5)実はこの2つの調整は温度変化に弱いので,上下のケースを仮組みして20分放置し,再調整を行います。
(6)高周波のゲインを調整します。ファンクションジェネレータで10kHzの方形波を作り,プローブに入力します。オシロスコープは0.2ms/div,50mV/divに設定しておき,波高値が5divになるようにファンクションジェネレータを調整します。
(7)出てきた方形波が綺麗な方形波になるよう,R370を調整します。R370はQ300同じ面にあり「H.F. GAIN」と書かれています。
(8)設定などはなにも変えず,今度はC220というトリマコンデンサを,方形波が綺麗に表示されるように調整します。これは高周波のクロスオーバー位相調整というらしいのですが,よくわかりません。とりあえずC220はDC OFFSETのスイッチと同じ面にあります。
(9)もしアッテネータがあれば,アッテネータを取り付けて,アッテネータの横についているトリマコンデンサを調整して方形波が綺麗に出るようにします。
たったこれだけです。オフセットをゼロにすること,内部のトランジスタのバイアスを調整すること,そしていつもの方形波が綺麗に表示されるように2ヶ所同時に調整すること,だけです。
実は,プローブ内部の調整もあるのですが,ここはそれほど狂わないだろと言うことと,壊してしまうかもしれないのでやめておくことにしました。
また,低周波のゲインや50Ω終端抵抗もチェック対象なのですが,ここはチェックをするだけで調整出来ないので,結局意味がないということでキャンセルしました。一応見ておいた方が壊れていない証明になって安心出来るとは思います。
さてさて,こうしてP6201の調整が終わり,ちゃんと観測出来ることが分かったので,いよいよ本気でアッテネータを手に入れる必要が出てきました。
しかし,P6201の付属品ですし,これだけ手に入れるのは難しそうです。どうしたものかと考え込んでいると,耳寄りな情報が!
とある中古測定器の業者さんが,無保証のジャンクとしてP6201を3000円ほどで売っているのを見つけました。プロの業者さんがジャンクで3000円ですから間違いなく壊れている(それもどうしようもないほどに)のは当たり前としても,付属品が一式揃っているというのが目を引きます。
そう,ケースこそないんですが,それ以外の付属品は揃っているんです。アッテネータが壊れているという可能性は低いだろうし,仮に壊れていてもこれくらいなら直せそうです。
こういうのは売り切れている場合が多いんですが,幸いにして在庫ありとのこと。すぐに購入して手に入れました。
届いたP6201は思った以上に程度が良く,付属品も問題はありません。まずアッテネータのチェックをすると全く問題なしです。いやー,これですでに3000円の元は取ったなあ。
次にP6201本体のチェックですが,実はこちらも問題はなさそうでした。調整も出来ましたし,先に手に入れたP6201と比較するために同時に同じ信号を測定して波形を重ねてみましたが,ぴったり重なりました。故障もなければ,特性のばらつきも(私の見える範囲では)小さくまとまっていそうです。
ということで,結果的にアクティブプローブが2本も手に入ってしまいました。アッテネータが1つしかないのは残念ですが,1:100のものを上手く使えばなんとかなる場合も多いでしょう。水晶発振や高速クロック,バスの信号波形の確認に威力を発揮しそうです。
・・・こうなってくると,いちいち2465Aの電源を入れるのが面倒ですよね。1101Aという電源ユニットが未だに人気なのはP6201を現在のオシロスコープで需要があるからですが,その1101Aも決して安いわけでも,数が出ているわけでもありません。
そこで世界中のマニアが自作を考えるわけです。±15Vでせいぜい500mA程度の綺麗な電源を出す電源器があればそれでOKなので自作の難易度は低いのですが,なかでも最高難度のものが,あの電源コネクタの入手です。
古い2400シリーズから取り外す人,保守パーツを探し出して手配する人などいろいろいるようですが,どちらにしても簡単ではありません。
私も1101A相当品を作ろうと思っているのですが,やはり難しいのは電源コネクタの入手です。
ん,そういえば部品取りにと2445を1つ押し入れに入れてあったなあ。これから取り外してみますか・・・必ずしもついているとは限りませんが。