発振器の改良と歪率計の再調整
- 2011/09/04 23:55
- カテゴリー:make:
夏休みの電子工作で意を決して作り始めた歪率計と低ひずみ発振器ですが,今日一応の完成を見ました。
実は,まだまだ実装上の問題を綺麗に潰して,ノイズの影響を押さえ込まないといけないのですが,実用上ほぼ問題なしというレベルになったので,今日完成としました。
(1)発振器
OP-AMPを交換してもそれほどひずみ率に変化がなかったのですが,それならAGCのJ-FETを交換して見ました。FETはもともとばらつきの大きい部品で,同じ品種,同じランクのものでも交換すればひずみ率が改善されることがあります。
実は後述するフォトカプラを本命と考えていたので,FETの交換で改善することはそれほどあてにしていませんでした。
もともとの2SK30A-GRで0.00273%@1kHzになるように調整をした後,これを手持ちの2SK160Aと,別の2SK30A-GRに交換してみます。結果,どれも同じ0.00273%となりました。なお,2SK107では発振することすらありませんでした。
確かに,FETを交換すると歪み率は変わるのですが,再調整をすると似たような収束時間で似たようなひずみ率になるので,結局同じなのです。構造的に三次ひずみを作るFETを使う以上,これ以上の改善は難しいと判断しました。
そこで本命の,フォトカプラです。LEDとCdSのフォトカプラは,少なくとも国内での生産はなく,ほとんど使われる事もなくなった絶命種です。そもそもCdSが環境対応できない部品なので,使いたくても使えない国がほとんどでしょう。
ですが,半導体を使わない抵抗素子ならではのリニアリティは他に変わるものはなく,ギターのエフェクタでもキーパーツの1つとして珍重されています。
で,半年ほど前にアキバで手に入れたP873-G35-911という,浜松ホトニクス製のフォトカプラを,今回使ってみようと思ったわけです。フォトカプラの使い方としては,まさにぴったりです。
しかし,本を見ても,google先生に聞いてみても,案外フォトカプラを発振器に使った例というのは出てこないものです。仕方がないので,自分で設計します。
FETを外し,代わりにフォトカプラをつないで,電流制限の抵抗として3.3kΩをLEDとOP-AMPの間に入れておきます。やったことはそれだけです。これでさくっと発振しました。
CdSには直列に5kΩのボリュームをいれてありますが,CdSの可変抵抗の動作範囲が大きいおかげで,ボリュームをどこに回しても,ほとんどひずみ率に変化がありません。さすがです。
で,結局最終的に得た数値は,0.00046%@1kHz,0.0032%@100Hz,0.00238%@10kHzというところです。100Hzと10kHzは平凡な数字ですが,1kHzの低ひずみはなかなかのものだと思いました。ただ,上手な人が作るとFETでもこのくらいの数値をたたき出すものなので,フォトカプラを使ってこれ,というのはちょっと情けないといえるかも知れません。
ところで,周波数の安定度はそれなりによくて,0.1%くらいのずれがあるかどうか,という程度です。
(2)歪率計
フィルタの調整を行ったとき,VP7201Aを使った関係で周波数がどんどんずれてしまうのでうまく出来なかったのですが,今回は発振器が完成しましたから,これで調整をやり直します。
しかし,調整がとにかく大変でした。ちょっとボリュームに触れるだけで,大きく電圧が変化します。これだけ急峻な特性だとやむを得ないところもありますが,それにしても,時間が経つとじわじわ調整がくるってきますし,もう二度とやりたくないというのが正直なところです。
調整が終わって,ひずみ率の再測定を行ったのですが,1kHzの0.1%レンジの値が,1%レンジの測定値と大きくずれるのです。ノイズを拾っているようなので,対策をするのですが,原因はリレーにありました。リレーを指で触ると,大幅にノイズが増えて,値が悪化します。そこで,リレーの上に鉄板を張り付けてGNDにおとしてやると,少し収まりました。それでも最終的に2つのレンジで値が一致しないので,まだまだ対策が不十分なのだと思います。
10kHzと100Hzについては,レンジが異なってもおおむね値が一致するので,これは安心です。もしかすると1kHzの配線が間違っているのかも知れません。その方向でも確認をしてみます。
ということで,現時点で真空管のアンプくらいは測定出来そうです。でももう少し頑張りたいと思います。

