Pebble Time Roundをがやってきた
- 2016/03/22 15:30
- カテゴリー:散財
Apple Watchの登場によって,それまで鳴かず飛ばずだったスマートウォッチが一気に普及すると言われていたのですが,結果は残念ながらそうはならず,やっぱり一部の人が盛り上がっただけのブームで済んでしまいそうです。
個人的には,それまでのスマートウォッチ,もっといえば1980年代から続く腕時計型コンピュータが「好きな人だけが知っていて好きな人だけが買っている」というであったのに対してApple Watchは,こうしたガジェットに興味がなかったような一般の人たちが注目して,実際に購入に至っている点で大きく異なり,また大きな変化だったと思うのです。
ただ,非常に惜しいことに,登場前に大きな注目を集め,高価であったにもかかわらず多くの人が手にとったApple Watchは,短い期間で失速しました。当時「結局なにができるの」「iPhoneがなければなんにも出来ない」と,ガジェット好きなら噴飯物であるこれらの苦情が,「普通」の人から出ていた事でわかるように,こうした人々の期待を裏切らなければ,Apple Watchは「知ってるけど自分には関係のないもの」と思われる事はなかったのではないでしょうか。
確かに,スマートフォンの画面の一部を切り取って腕の取り付けられる様になればとても便利かも知れませんし,そうした使い方でワクワクする人がいるのも事実ですが,ポケットからさっとスマートフォンを取り出せば済んでいるのに,わざわざもう1つ画面を持ち歩く理由は,なかなか見つかりません。
おもちゃにしては高すぎますし,宝飾品としては値打ちが低すぎます。時計をしない人には全く新しい習慣を身につけてもらうことなり,時計をしている人には,お気に入りの時計の定位置を明け渡してもらう必要があったのですから,そりゃ大変なことです。
私は,このままスマートウォッチは失速すると思います。しばらくすると「そういうこともあったなあ」と,飲み会の席で話題になることでしょう。
そう考えた時に,このままスマートウォッチのブームを傍観者としてやり過ごしていいのかと,かつてFossil Wrist PDAを常用していた私は,焦りを感じました。この時代をリアルタイムで経験せねば。
しかし,私が使っているスマートフォンは,Blackberry Q10です。Androidでも,iPhoneでもありません。
そんなおり,一部のマニアの間で有名なPebbleの値下げがありました。見てみると,普通の腕時計並みに薄くて小さい,丸いモデルもあるじゃありませんか。
おお,これは欲しい。普通の時計としても欲しい。
腕からはみ出すような大きな時計,しかも四角く分厚く,高価なスマートウォッチは,私は欲しくありません。まず時計として機能すること,遊び心があって面白い事,そしてちょっとだけ便利になってくれるようなら,それで十分。
Pebbleがe-paperを使っていることも興味を惹きました。タッチパネルも持たず,ボタンでの操作です。これもいい。
そして,いろいろ調べるとBlackberry10なら非純正のアプリによってPebbleが使える事もわかりました。これはもういくしか!
せっかく買うのですから,ここでけちって気に入らない物を買っても仕方がありません。身につけるものですから,妥協は禁物です。
そこで,とにかく一目惚れしたPebble Time Roundを品定めです。電池は2日しか持たないと言うことですが,この大きさなら仕方がありません。199ドルに値下げされ,これなら買ってみようと背中をぐいっと押されます。。
せっかくですので,公式サイトから購入しましょう。選んだのは20mmのヌバックのベルトのものです。20ドルのディスカウントも適用され,送料も無料で手続き完了です。
送料無料は時間のかかる国際郵便(書留です)で届くのですが,私の場合3月5日に購入手続き,到着は3月20日になりました。10日くらいで届くという人が多い中,15日は長かったといえるでしょう。
しかし,2週間も旅をして,よくもまあ私の手元にはるばるやってきたものです。
気になったのは実は関税の事です。1000円くらいの関税を払う覚悟があったのですが,なぜか請求されませんでした。こういうケースもあるようですが,もし後日請求されたら,ちゃんと払おうと思います。
ということで,衝動買いした割には15日もお預けを食ってしまったPebble Time Roundですが,軽くインプレッションです。
・大きさ,軽さ
私が普段使っている腕時計よりも小さいくらいで,大きさもそうですが薄いし軽いです。腕時計って重かったんだなあとつくづく思いました。
・質感
2万円程度の時計と考えれば,まあそんなもんかなと思います。特別いいわけでも,悪いわけでもありません。
以前,腕時計メーカーの人と話をしたことがあるのですが,とにかく腕時計というのは普通の民生品とは違って,質感とか精度とか,そういうものの要求が特別に高いそうです。ちょっとした傷やへこみ,ムラに対するクレームが強くて,こんなもんですよがなかなか通用しない世界なんだそうです。
そういう基準で見れば,まあ値段相応のものだろうと思いますが,いかにもスマートウォッチですよというデザインのPebble Timeに比べても主張が少なく,私のように時計を目立たせたくない人にとってもうれしいところです。
そうそう,ベルトはなかなか良かったです。日本の時計にはちょっと見ないヌバックのベルトですが,さわり心地も分厚さも適度で,柔らかいので腕にもフィットし,快適でした。ただ,後述のように汗で痛むのは目に見えているので,交換することにします。
・画面
MOTO360のように,画面一杯に丸いディスプレイがあるといいんですが,Pebble Time Roundは5mmほど白い枠が1周していて,その内側の僅かなエリアにだけディスプレイがあります。
丸いディスプレイを作るのは手間もお金もかかりますが,もともと四角いディスプレイを丸い部分だけ表に出すという方法なんでしょう。低コストで丸いディスプレイを搭載できる作戦は評価しますが,ちょっともったいないですね。
表示品質はさすがはe-paper,視野角は抜群に広くて,とりわけ明るいところでの見やすさが抜群です。特に青色の発色は気持ちよいです。バックライトはいまいちですが,まあこれは緊急用と割り切ればいいでしょう。
・日本語化
Pebbleは日本語に対応していませんので,日本語化が必要です。いくつかの方法がありますが,私は面倒な事をしなくてもすんでしまう,Pebble CJK日本語化パックを使わせて頂きました。
届いたPebble Time Roundを開封し充電してから,使っていないXperiaに公式アプリ(Pebble Time)を入れて,Bluetoothでペアリングしから接続をします。その後アプリを起動するのですが,アカウントの作成とかいろいろ初期設定をやって,いきなり本体のOSのアップデートが始まりました。
終わったら日本語化パックを入れます。あらかじめ落としたファイルをESファイルエクスプローラで開くだけでおしまいです。
と,ここまでは何の問題なく完了。まあスマートウォッチとはいえ,小さいコンピュータですからね,Androidを使ってやっていますし,ここで躓いたら金返せって話です。
・とりあえず
なにせ初めてのスマートウォッチ,初めてのスマートフォンコンパニオンです。何が出来るか,どういう表示になるか,どういう操作をするのか,どういう挙動を示すのか,全くわかりません。今起きている事が正しいのか正しくないのかもわからないなかでの設定作業ですので,暗闇を歩くような状態です。
実際,動いて使えるようになるまで,相当暗闇を歩かされる事になるわけですが,それは長くなるので次回に。
今こうして動いているのを見ると,なかなか面白いです。絶賛という程のことはありませんし,結局出来る事って予定表の確認とtwitterの新着を知らせることくらい,後は画面を変えられる腕時計ですので,過度な期待は禁物です。
実用性という点で見れば,スマートフォンを見ていれば問題ないし,わざわざ腕時計で知らせてもらわなくてはいけないほど緊急のものは私にはありません。
それより,画面を変えられる腕時計というのが楽しくて,ただただこれだけの機能でもいいかと思っています。
そうはいっても,時計だけで毎日充電というのは手間がかかり過ぎるのですが,スマートフォンと時刻が同期できているので狂いませんし(実際には狂います),腕時計のバリエーションの1つとして手元に持っていても,私は許せます。
その点でいえば,丸いから許せるわけで,四角いPebble TImeなどは腕時計としてはかなり使う側に譲歩を求めるものになりますね。丸いのを買って良かったです。
そうそう,もう1つ面白い事がありました。歩数計がついているのですが,これは案外面白いです。自分がどれだけ歩くのかなど興味もなかったのですが,Pebbleが勝手に計っていてくれるので,もうちょっと長期レンジで値を見ていくと面白い傾向が出てくるかも知れません。
ヌバックのベルトは安いナイロンのベルトに交換です。ケースが梨地ですので,NATOタイプのベルトは,どれもよく似合うと思うのですが,迷ったあげくに黒とグレーとオリーブドラブの3色を買ってしまいました。
一番似合うのはオリーブドラブだと思うのですが,安いだけあってペランペランです。これは失敗かも。
スマートフォンの電池消費の問題など,実際に使ってみて分かることも多いでしょう。しばらくPebble Time Roundを日常的に使ってみようと思います。