ルンバが壊れた~復活編
- 2017/03/06 11:58
- カテゴリー:make:
前回は,ルンバの元気がないのに気が付いて,基板の故障を疑って調べてみたが,原因は結局ダストビンのファンモーターが壊れていたという話でした。(長々書いたのに要するにこれだけのことを書いたに過ぎないとは呆れてしまいます)
で,そのモーターをどうするかが,今回のお話です。
まず最初に,壊れたモーターがどんなものかを調べないと先に進めません。
外したモーターの横に書かれた刻印を見ると,
STANDARD MOTOR
RC500-KW/16260/DV
SMBD043122 RoHS
と書かれています。
大きさを測ってみると,直径が32mm,高さが20mm,シャフトの長さが16mmでした。
google先生に聞いてみると,RC-500という名称で,おそらくこれだろうと思う仕様が出てきました。RC-500FNという名称で販売されています。
Operating Voltage: 3V to 12V DC
Motor Diameter: 32mm
Motor thickness: 19mm
Output shaft diameter: shaft diameter 2mm, length 12mm
RPM: 3500 r/min (Approx not tested)
Motor test: 6V, the no-load current 20ma, locked rotor current 600ma
Superior running quietness and stability
Motor weight: ~42grams (approx)
ところが,モーターというのは外形は同じでも全然違う性能のものが作れてしまうものなので,互換性は基本的にはありません。
例えば,最大手のマブチモーターだと,RF500という形状がそっくりのモーターでも,標準品として12560と14415という2つのタイプが出てきます。
前者は巻線の太さが1.2mmで,各スロットの巻数が560回です。後者は太さが1.4mmで巻数が440回です。簡単に言うと,巻線が太くなると電流が増えますし,回数が減ると回転数が上がります。
なので,前者は12Vで使うモーターですし,後者は5Vでも十分な出力が得られるようなモーターになっています。もし後者のモーターを12Vで回すと,出力が出過ぎますし,電流も増えまくり,そして定格を越えて燃えてしまうかも知れません。
逆だと出力が全然とれず,機能を果たさないかも知れません。
ちなみに,某部品店で見つけた「ソーラーモーター」なるものには,11918と書いてありました。あれ,1.1mmで918回巻?高電圧高トルク仕様ですよね。太陽電池では回らないように思うのですが・・・
もしこの命名ルールを元のモーターにも適用できるとするなら,16120ということですので1.6mmの銅線をわずか260回巻いただけということなり,低電圧動作を目指したものという事になってきます。うーん,実態に合わない。
あー面倒くさい。命名ルールなんて,もうどうでもいいや。
こんなことで悩んでいても先に進まないので,これに近いものを探します。
思いついた部品屋さんを調べて見ても見当たらず,やっぱ店頭に出向くしかないかなあと思っていた所,amazonでもDCモーターが買えることが判明しました。
しらみつぶしに見ていくと,使えそうなものがゴロゴロしているじゃありませんか。しかもプライムで当日に受け取り可能です。なんとまあ・・・
シャフトの長さや定格の違いから,いくつか買ったのですが,さすがに送料込みのお値段だけに,1つ800円ほどします。合計で4000円近くになってしまったので,得なんだか損なんだかよく分からなくなってきました。
届いたモーターを改めて見てみると,シャフトの長さの違いはあれ,同じ物に見えます。どう考えても中国製のなのにマブチモーターって書いてあるのも,同じです。
価格も数百円違いますし,書かれていたスペックにも差があるので,互換性があるとは思えませんが,実際に回してみると電流はほとんど同じ,トルクや回転数も触った感じでは違いが分からないレベルです。本当にこれ,全部別物なんかい?
とりあえず,ファンが取り付けられないといけませんから,シャフトの長いものを選びました。この中で一番静かに回るものを選んでみました。
大きさもぴったり,シャフトの長さも問題なく,電流も範囲内です。スペックを信じるなら回転数も大丈夫でしょう。取付は問題なしでスムーズに終わったように思えたのですが,最終確認をするとどうも風が弱いです。
おかしいなと思って電源を逆に繋いでみると,風が強くなります。どうも逆回転しているようです。オリジナルのモーターと比べて見ると,同じ極性で電圧をかけても,回転方向が逆になっているようです。
そこで面倒ですが,ダストビンのモーター取り付け部にある向きを決めるイボを折り取り,180度反転させて取り付けました。これで普通に配線すれば極性は逆になってくれます。
で,ルンバで動かしていたのですが,これも問題なし。元のように元気よく回ってくれました。モーターの精度が低いせいもあって,音と振動が結構あります。でもまあ仕方がありません。
ところで,ファンの周囲に,トゲトゲが付いています。このトゲトゲ,部分的に上削り取られていて,最初不思議だったのですが,おそらくこれはバランス取りをした結果だと思います。
3000回転以上で回転しているモーターで。もしバランス取りをしていないと,ワーストケースではかなりの音を出したり,ガタガタと振動したりするでしょう。そこでモーターにファンを組み付けてからこの周囲のトゲトゲを削り,バランス取りをしているんだと思います。
そういう意味では,本来ならモーターを交換したならバランスも取り直すべきなのですが,特に何もしなくても,気になるような振動や音はないので,このままでいいことにしました。
というわけで,とりあえず故障は修理出来ました。
残った作業は,最終的な組み立てなのですが,手元にはルンバ780ともとの770の2つの部品があります。
780は上位機種で,タッチボタンであることと,2.4GHzの無線によるお部屋ナビに対応が下位機種の770との差です。780は初めて見ましたが,写真以上に高級感のある外観をしているんですね。ロゴも770はシルク印刷,780はエンボスにホットスタンプですし,塗装もメタリックにクリアコートです。
これだけの差なら元の770を組み立てて終わりにするんですが,気になるのはファームウェアのバージョンです。ルンバは頻繁にファームのアップデートが行われているんですが,この時期のルンバはユーザーの手元では行えず,メーカーのみが許されます。
しかもアップデートは基本的に正規品を買った人への有償メンテの1つとして位置づけられているので,誰でも手軽にと言うものではありません。その上,アップデートには専用の治具が内蔵されたファームウェアを流し込むような仕組みになっているので,ファームウェアをネットでダウンロードし,PCから流し込むというような方法ではありません。
その割には,同じ場所でグルグル回るのが対策されたりとか,結構アルゴリズムにも手が入ったりするので,油断なりません。機能アップなら有償はありですが,基本機能の対策を有償にするというのは,ちょっと私の感覚から外れています。
とまあ愚痴ったところで仕方がありません。ちょっとでも新しいものがいいと思うのですが,いかんせん掃除機ですから,仮に780が新しいとわかっても,他の人が使って汚くなったものを使うというのはちょっと気持ちが悪いですし,しかもルンバはあちこちを動き回るので,飼い猫と同じ稼働は別にしても,770を使い続けることにもこだわりたいです。
そこで,基板だけ780にしました。770の基板には「3.5」,780の基板には[3.61」となにやら意味ありげな手書きの数字が書かれています。まあ,こういうのは大きい方が良いのです。
ただし,電池の端子はなぜか腐食していたので,770の基板から移植します。腐食の様子からみて,どうやら電池の液漏れがあったようですね。非純正品の電池を使い,過放電で噴き出した電解液でしょう。基板が壊れていないのが幸いですが,電界液は基板にも広がっているので,いつパターンが切れるかわかりません。
出来上がった基板を770のシャシーに取り付けて配線を取り回し,一応完成しました。780はタッチパネルになっているので,ボタンの部分のカバーは780から流用です。また,ハンドルだけは銀色の780から移植します。
これで見た目は770,中身は780です。余った部品は,補修用に取っておきましょう。どうせハンドルもまた折れてしまうでしょうし。
各部の掃除をしながら駆動系を組みつけていきます。いずれ電池の交換をしょうと,サードパーティー品の電池を買ってあったのでこれを装着し動作チェックです。
問題なさそうなので時刻を設定,実際に掃除をさせてみて,様子を見ます。よし,問題なし。電池が新しい分だけ,元気に動いています。
壁の検出も問題なく,白い壁を前にして速度落とす仕組みもOKです。それから,汚れのひどいところを重点的に掃除する機構も動いているようなのですが,770では前後に動いて汚れたところを掃除したのに,780では汚れたところをグルグル回るようになっていました。
前後に動く方が洗練されているように思うので,もしかしたら770の方が新しかったのかもなあと思いましたが,まあもういいです。
ついでにいうと,ホットカーペットのコントローラに乗り上げてしまったり,小さいテーブルの脚の内側にはまり込んで出られなくなってしまったりと,そういう鈍くささは相変わらずです。
肝心のゴミを集める能力については,ファンが回っていないときに比べると確かに増えています。細かいゴミも集めているので,修理そのものは出来ています。ただ,以前のように,ダストビンがゴミでパンパンになっている,といううれしい悲鳴状態にはほど遠く,我々がゴミの出ない人間になったわけではありませんから,やっぱりゴミを集める能力は低いまままのでしょう。
電池も交換しましたし,あとはブラシです。ぱっと見るとそんなに悪くはなっていないように思うのですが,交換すると見違えるようにゴミを集めるようになったというレビューも多いので,交換することにします。
純正品って,公式サイトでしか買えないんですね。公式サイトだと時間がかかるので,出来ればamazonかヨドバシで買いたいのですが・・・仕方なくパチモンを注文中です。
現段階で,結局8000円ほどの費用がかかってしまったので全然得にはならなかったのですが,とりあえず使い続けることができたてよかったというのと,修理をして復活させることそのものに,なぜか意地になっているところもあるので,私としてはこれでよかったと思います。
5歳の娘も「修理」という言葉を覚えて,自分の身の周りの壊れたものを修理しようと試みるので,面白いものだなあと思います。
サードパーティー品の電池はすぐにダメになるそうです。私もそんなに期待してはいません。あと2年か3年持てば,もうそれでいいかなあと思っています。
実のところ,ゴミをあまり吸い込まなかった状態でも家の中の様子はそんなに変わらなかったのです。もともと汚かったからなのかどうか知りませんが,ルンバの効果が実感出来るかどうかはっきりしない中で,使い続けるモチベーションというのは,やはりルンバがすでに「そこにあって当たり前」の存在になっているからだと思います。
ロボットが近い将来,もっと賢くなり,もっといろいろな仕事を任せ,我々の生活にもっとしっかり食い込んでくるようになると,こういう人と機械との関係というは,どんな風に変わっていくのでしょう。
そして,相応に歳を取っているはずの私は,どんな関係を築くことになるのでしょう。