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PC-386BookLは今度こそダメなのか!?

 そろそろ半年が過ぎた頃かなと,PC-386BookLを立ち上げてみたときのお話です。設定や日時などを記憶しておくためのバックアップバッテリが半年ほどで切れてしまうため,動作チェックも兼ねて電源を入れてみました。

 すると予想通り起動しません。これはHDDのセクタサイズがデフォルトの256バイトに戻って閉まったからで,ここを512バイトに再設定すれば何の問題なく立ち上がるはずでした。

 しかし期待通りには行かず,起動しません。これはコンパクトフラッシュが死んだ可能性があるなあと,フロッピーから立ち上げたりしばらく触ってみたりして,問題の原因を探っていました。

 するとLCDの表示が出たり出なくなったりするようになり,しばらくするととうとう表示が出なくなってしまいました。バックライトは点灯しているのでLCDそのものの表示が出てこないというのは,なかなか深刻な問題でしょう。

 そうこうしているうちに,今度は焦げ臭い臭いが!

 これはいよいよまずいです。最近時にビビリになっている私にとって,爆発や爆音,感電などは絶対に避けたい体験です。あわてて電源を引っこ抜いて,遠巻きにPC-386 を眺めておりました。

 幸いにしてそれ以上のトラブルはなく,焦げ臭さも薄れていったのですが,もう電源を入れる気にはならず数日ほったらかしにしていました。

 翌日,意を決して分解して見たのですが,ぱっと見たところ問題はありません。焦げ臭いのですから,なにか燃えているとか,高温になって変色しているとか,そういうことがあっても良さそうです。

 残念ながらそうしたわかりやすいものはなかったわけで,次に調べるのはヒューズです。PC-386にはあちこちにヒューズが入っていて,なにかあると簡単に切れます。切れてくれる方がありがたく,回路の破損を防ぐ事以外に,どこが壊れたかに目処を立てる武器になります。

 今回は,どうもLCDの電源ラインに問題があったようで,ここのヒューズ(2.0A)が切れていました。少なくともこれではLCDが動くはずはありません。そこで同じ容量のヒューズに取り替えてみましたが,やはりLCDは動作せず,焦げ臭い臭いもそのままでした。

 こうなると大元の電源基板を調べるしかありませんが,電源基板は4級塩の電解コンデンサでボロボロになっていますから,これまで騙し騙し動かしていた状態から,いよいよ問題を引き起こしてしまったのでしょう。

 回路を1つ1つ見ていくのも面倒で,こういう場合の最後の作戦が丸ごと洗浄です。純水は手に入らないので,ここはIPAを使って洗浄を試みました。口の部分を切り取ったペットボトルにIPAを入れ,基板をつけ込みます。1時間ほどつけ込んで見ると,透明だったIPAがヘドロのような色に変わっていました。

 これで試してみますが,やはり問題は解決しません。1次側の15Vは2.5Aという強烈な電流が流れています。そして焦げ臭い臭いが・・・

 よく調べてみると,コイルの1つが発熱しているのがわかりました。このラインを追いかけるとDC-DCコンバータのトランスにダイオードを介して繋がっています。ダイオードの破損やパターンのショートを考えて調べましたが,どちらも問題なし。

 いろいろ調べてみましたがおかしな物は見つからず,もうあきらめようかと思った時に,最後のチェックとしてICを調べてみました。4端子の電源ICっぽいものの端子をテスターであたってみると,1ピンと2ピンがショートしていることがわかりました。

 ICを取り外して再度調べてみたところ,パターンではなくICそのもののショートであることが判明,早速このICの型番を調べてみたところ,松下のAN6535という負電源用の可変レギュレータであることがわかりました。

 幸運にも見つかったデータシートによると,1ピンはコモン,2ピンは入力ということで,ここがショートしていてはそりゃー発熱もします。えらいことになるところでした。

 よく観察してみると,1ピンと2ピンの間にクラックがありました。電解液が染み込んだ製なのか,偶然ショートしたのかはわかりませんが,どちらにしてもここがショートして発熱ことは間違いなさそうです。

 このICを外した状態で通電してみると1次側の電流は600mA程度に落ち着き,焦げ臭い臭いもなくなりました。原因はこれで間違いなさそうです。(ちなみのこの時のAN6535への入力電圧は-70V近くあり,感電の期間があるとわかってからはビビりまくっていました。)

 しかし,原因がわかったところで交換の部品が手元にある訳ではないので,ダメモトで売っていそうな所を調べてみましたが,怪しげな中国のサイトでも引っかからないほど,見事に入手不可能な品種でした。これは絶望的です。

 今度こそ諦めようか,ああPC-386BookLよ,1年間ありがとうと思ったのですが,もう少し考えて見ることにします。

 AN6535のデータシートを見ていると,特に特別なスペックのICではなく,それこそ古典であるuA79MGそっくりです。ピン配置だけ微妙に入れ換えてあるところに変な意地を感じますが,それ以外はなにも変わったところはありません。

 なら,普通に負電圧のレギュレータでいいんじゃないかと閃いて,手持ちのLM337への置き換えと回路変更を思い立ちました。

 まず,AN6535の設定電圧を調べます。3ピンと4ピンの間の抵抗は18kΩ,4ピンとGNDの間の抵抗は半固定抵抗で3.1kΩでした。データシートの計算式から計算すると出力電圧は-20.225Vと出てきます。約-20Vに設定されているようです。

 なら,LM337で-20Vを出すように考えると,出力とADJの間は手持ちの関係で100Ω,ADJとGNDの間は1.5KΩで大体-20V程度です。これを基板の改造なしに取り付けるためには,LM337の1ピンと3ピンの間に100Ωをハンダ付けし,ADJ端子に1.5kΩを取り付けて,他の端子と長さを揃えて基板に取り付けるのが良さそうです。

 しかしここでもう1つ心配な事が。このICの入力電圧は先程実測で-70Vもありました。しかしこのICも,AN6535も入力の耐圧はせいぜい-40V程度です。こんなの一発で吹き飛んで消し炭になってしまいます。

 ただ,スイッチングレギュレータは負荷を繋がないと安定した電圧が出てこない物なので,軽く負荷をかけてみると電圧が下がってくれることがわかりました。そもそも-70Vも出ていたら,ここに入っている電解コンデンサが爆発しますしね・・・あーこわいこわい。

 ということで,LM337を取り付けて通電します。すると出力は-20Vと期待通り,入力電圧は-23Vとこれもまずまずの電圧になっています。どうも上手く動いているような感じです。

 いよいよLCDを取り付けて動かして見ると,無事にLCDの表示が戻ってきました。修理成功です。今回ばかりは入手困難なICの破損でしたので,もう諦めるしかないと思っていましたが,同じような機能の部品を使って回路を作り直してやれば,修理出来るんですね,当たり前のことですが。

 これで組み立て直してしばらく動かしましたが問題なし。焦げ臭さも当然なくなりましたし,うれしいことに内部温度の上昇と共に漂ってくる電解液の臭いも随分消えてくれたので助かりました。

 これで一応PC-386BookLは復活しました。我ながらよくやるわ・・・
 
 さて,これでおしまいではありません。コンパクトフラッシュからの起動が出来ていません。とりあえず電源や断線をさっと確認し問題がないことがわかったら,バックアップしてあるイメージを書き戻してみました。

 するとちゃんと起動します。よかったです。

 ただ,ファイルが読めなくなってリセットが必要になったりする現象は以前にも増して増えていて,さすがに看過できないレベルになっていました。そこで以前試して認識しなかった128MBのコンパクトフラッシュを再度確かめたところ,どういう訳だか認識して起動もできるようになりました。

 ラッキーとばかりに,現在の256MBのコンパクトフラッシュからフロッピーディスク経由でデータをコピーして,128MBのコンパクトフラッシュで運用を試みます。しかし残念な事に,すべてのデータのコピーが終わり,再起動させるとマウスドライバの読み込みでフリーズします。

 ドライバを外せば動くのですがそれでもかなりの頻度でフリーズが発生します。これでは使いものになりません。

 そこで,256MBのコンパクトフラッシュに戻すことにしましたが,ここは不良セクタをはじくため,ローレベルフォーマットをかけてから書き戻しました。さらに,マウスドライバも外しておくと,これまでの不調が嘘のように,フリーズしなくなりました。

 これほど安心して使えるPC-386もいつぶりかなと思います。いやー,よかった。

 ということで,このお盆休みの実績の1つが突然壊れたPC-386BookLの修理でした。役に立たないことに心血を注いで,九死に一生を得て復活したことはうれしいのですが,これを他の人に理解してもらえないことがやや残念なところです。

 お盆休みの実績は,まだあります。続きは後日。

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