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Walkmanの修理~その8~WM-805再修理編

  • 2025/11/28 22:10
  • カテゴリー:make:

 故障が発覚したWM-805の1号機(赤)ですが,WM-F701Cのレストアが完了したので本気で修理することにしました。

 現象としては,再生が出来ず,早送りになるというものです。早送りや巻戻しは正常に行えますが,再生ボタンを押しても早送りになってしまいます。プランジャを手で外すと再生hできることから,プランジャが動いていないことが原因だろうと目途を立てました。

 まず調べるのはプランジャの断線もしくはリークです。断線の場合は無限大の,リークの場合は極端に低い抵抗値になるのですぐに判断が出来るのですが,今回のケースは12Ωとプランジャとしては正常値でした。

 そうなるとプランジャを動かす信号に問題があるという事になるわけですが,私の場合マイコンの出力から調べていきます。マイコンが死んでいたらそこでもう完全に詰みますから,諦めもつくというものです。

 マイコンの25ピンがプランジャへの信号です。オシロスコープで見ると再生ボタンを押すとちゃんと駆動用のパルスがでています。パルスがでているのにプランジャが動いていないわけですから,プランジャまでの経路のどこかに故障箇所があるはずです。

 次はトランジスタのベースに入っている抵抗です。ここはパルスがでているので問題なさそう。そうするとトランジスタが怪しいです。

 このトランジスタはちょっと面白くて,小信号用のNPNと電力増幅用のPNPの2つが封入された複合トランジスタです。NPNとPNPを組み合わせてプランジャをドライブしているわけです。

 調べていくと,PNPのコレクタに,中途半端な三角波のような波形が出ています。これでは駆動しきれません。トランジスタの不良か,逆起電力を吸収するダイオードのショートが疑われます。まずダイオードを外してみますが,改善せず。ということは犯人はダイオードではありません。

 それならばと,もう面倒なのでトランジスタを交換します。すると綺麗な矩形波が出てくるようになり,見事にプランジャが動作するようになりました。当然再生も問題なく行われます。

 あとは組み立てて動作確認ののち,修理完了。残念ながらピンチローラーを再生品にしたのでワウフラッターは増えてしまいましたが,これはもう仕方がありません。

 それに,今回の修理で,電解コンデンサの電解液の臭いが鼻につきました。はやりジワジワと基板を壊しているだと思いますし,今回のトランジスタの故障も電解液の仕業かも知れません。

 ということまで考えると,このWM-805も,そんなに長持ちしないだろうということです。まさか電解液をすべて綺麗に洗い流すわけにもいきませんし(もちろん丸洗いという手がないわけではありませんが),ジワジワと基板が溶けていって壊れることは,もう避けようがないんじゃないかと思います。残念ですが,仕方がありません。

 今回は非常にはっきりした症状でしたし,回路図からプランジャの駆動回路が特定出来て,しかも部品も少なく簡単な回路だったことで修理も管理も短時間に簡単にできました。いつも幸田と楽なんですが,つくづく思ったのはやっぱりオシロスコープがないと,こうはいかなかっただろうなという事です。

 100MHz程度でよいので,自分の思い通りに動かせる,手に馴染んだオシロスコープを1つ持っておくと,とにかく便利にだと思います。その時,ボタンで設定を変えるものより,ツマミやタッチパネルで直感的に操作できるものが良いですねえ。

 オシロスコープを触ることが目的ならこの際なんでもいいんですが,目的は波形を見ること,その波形から原因や問題を特定することにありますから,オシロスコープの操作などでややこしいことを考える事など面倒で出来ません。息をするようにオシロスコープを使うこと,これが一番です。

 それに,プローブを押さえているせいで,概ね片手が塞がっているものです。そんなときにぱっと空いた毛一方の手で設定を変更出来るツマミは,やはり便利だと私は思います。まあ,使い慣れたものが一番です。

 

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